オーストリアグランプリ
オーストリアグランプリ(オーストリアGP、英: Austrian Grand Prix 、 独: Großer Preis von Österreich)は、オーストリアで行われているF1グランプリのレース。
レッドブル・リンク | |
レース情報 | |
---|---|
周回 | 71 |
コース長 | 4.318 km (2.683 mi) |
レース長 | 306.452 km (190.420 mi) |
開催回数 | 43 |
初回 | 1963年 |
最多勝利 (ドライバー) | マックス・フェルスタッペン (4) |
最多勝利 (コンストラクター) | フェラーリ (7) |
最新開催(2024年): | |
ポールポジション |
マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ・RBPT 1:04.314 |
決勝順位 |
1. ジョージ・ラッセル メルセデス 1:24:22.798 2. オスカー・ピアストリ マクラーレン-メルセデス +1.906s 3. カルロス・サインツ フェラーリ +4.533s |
ファステストラップ |
フェルナンド・アロンソ アストンマーティン・アラムコ-メルセデス 1:07.694 |
オーストリア国内で行われた、オーストリアGP以外の名称を持つF1レースも本項目で記述する。
歴史
編集1964年にツェルトベクで、1970年から1987年まではエステルライヒリンクで行われ、一時休止していたがコースを改修して1997年から2003年までA1リンクで行われた。
1987年のグランプリでは、スタート直後のクラッシュが繰り返し発生し、2度の赤旗中断、再スタートを含め計3回のスタートとなった。3度目のスタートでも追突が発生したり、アイルトン・セナがエンジンストールし一時コース上に取り残されるなど、荒れたレースとなった。
2013年7月、サーキットを保有するレッドブルは11年ぶりに開催されると発表した[1][2]。コース名称もA1リンクからレッドブル・リンクと改められて再開した2014年から2017年までメルセデスが4連勝していたが、2018年にマックス・フェルスタッペンがレッドブル・レーシングにホームグランプリ初優勝をもたらし、翌2019年もフェルスタッペンが制し、同年からレッドブルへパワーユニットの供給を開始したホンダに2015年のF1復帰以来初めての優勝をもたらした[3]。
2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的流行により開幕戦として開催され[4]、翌週も同サーキットで「シュタイアーマルクGP」が開催されることになった[5]。両レースとも感染拡大防止のため、無観客レースとして開催された[6]。翌2021年も同感染症の影響により2週連続で開催され、前年とは逆にシュタイアーマルクGPが先の開催となった[7](シュタイアーマルクGPについては後述の「#シュタイアーマルクグランプリを参照)。
2023年3月にレッドブル・リンクとの開催契約が2027年まで延長され、同年7月のレース開催後にはさらに2030年まで延長された[8]。
過去の結果と開催サーキット
編集1963年はF1非選手権レース、1965-1969年はスポーツカーレース(1966-1969年はスポーツカー世界選手権[注 1]の一戦。ラウンドの数字は各選手権のもので、1966-1967年はディビジョン別)として開催された。
年 | 決勝日 | ラウンド | サーキット | 勝者 | コンストラクター | 結果 | |
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1963 | 9月 | 1日非選手権 | ツェルトベク | ジャック・ブラバム | ブラバム-クライマックス | 詳細 | |
1964 | 8月23日 | 7 | ツェルトベク | ロレンツォ・バンディーニ | フェラーリ | 詳細 | |
1965 | 8月22日 | 非選手権 | ツェルトベク | ヨッヘン・リント[9] | フェラーリ | [10] | |
1966 | 9月11日 | 8(D1) 10(D2) 9(D3) |
ツェルトベク | ゲルハルト・ミッター ハンス・ヘルマン[9] |
ポルシェ | [11] | |
1967 | 8月20日 | 5(D1) 10(D2) 9(D3) |
ツェルトベク | ポール・ホーキンス[9] | フォード | [12] | |
1968 | 8月25日 | 9 | ツェルトベク | ジョー・シフェール[9] | ポルシェ | [13] | |
1969 | 8月10日 | 10 | エステルライヒリンク | ジョー・シフェール クルト・アーレンスJr.[9] |
ポルシェ | 詳細 | |
1970 | 8月16日 | 9 | エステルライヒリンク | ジャッキー・イクス | フェラーリ | 詳細 | |
1971 | 8月15日 | 8 | エステルライヒリンク | ジョー・シフェール | BRM | 詳細 | |
1972 | 8月13日 | 9 | エステルライヒリンク | エマーソン・フィッティパルディ | ロータス-フォード | 詳細 | |
1973 | 8月19日 | 12 | エステルライヒリンク | ロニー・ピーターソン | ロータス-フォード | 詳細 | |
1974 | 8月18日 | 12 | エステルライヒリンク | カルロス・ロイテマン | ブラバム-フォード | 詳細 | |
1975 | 8月17日 | 12 | エステルライヒリンク | ヴィットリオ・ブランビラ | マーチ-フォード | 詳細 | |
1976 | 8月15日 | 11 | エステルライヒリンク | ジョン・ワトソン | ペンスキー-フォード | 詳細 | |
1977 | 8月14日 | 12 | エステルライヒリンク | アラン・ジョーンズ | シャドウ-フォード | 詳細 | |
1978 | 8月13日 | 12 | エステルライヒリンク | ロニー・ピーターソン | ロータス-フォード | 詳細 | |
1979 | 8月12日 | 11 | エステルライヒリンク | アラン・ジョーンズ | ウィリアムズ-フォード | 詳細 | |
1980 | 8月17日 | 10 | エステルライヒリンク | ジャン=ピエール・ジャブイーユ | ルノー | 詳細 | |
1981 | 8月16日 | 11 | エステルライヒリンク | ジャック・ラフィット | リジェ-マトラ | 詳細 | |
1982 | 8月15日 | 13 | エステルライヒリンク | エリオ・デ・アンジェリス | ロータス-フォード | 詳細 | |
1983 | 8月14日 | 11 | エステルライヒリンク | アラン・プロスト | ルノー | 詳細 | |
1984 | 8月19日 | 12 | エステルライヒリンク | ニキ・ラウダ | マクラーレン-TAG | 詳細 | |
1985 | 8月18日 | 10 | エステルライヒリンク | アラン・プロスト | マクラーレン-TAG | 詳細 | |
1986 | 8月17日 | 12 | エステルライヒリンク | アラン・プロスト | マクラーレン-TAG | 詳細 | |
1987 | 8月16日 | 10 | エステルライヒリンク | ナイジェル・マンセル | ウィリアムズ-ホンダ | 詳細 | |
1988 - 1996 |
開催されず | ||||||
1997 | 9月21日 | 14 | A1リンク | ジャック・ヴィルヌーヴ | ウィリアムズ-ルノー | 詳細 | |
1998 | 7月26日 | 10 | A1リンク | ミカ・ハッキネン | マクラーレン-メルセデス | 詳細 | |
1999 | 7月25日 | 9 | A1リンク | エディ・アーバイン | フェラーリ | 詳細 | |
2000 | 7月16日 | 10 | A1リンク | ミカ・ハッキネン | マクラーレン-メルセデス | 詳細 | |
2001 | 5月13日 | 6 | A1リンク | デビッド・クルサード | マクラーレン-メルセデス | 詳細 | |
2002 | 5月12日 | 6 | A1リンク | ミハエル・シューマッハ | フェラーリ | 詳細 | |
2003 | 5月18日 | 6 | A1リンク | ミハエル・シューマッハ | フェラーリ | 詳細 | |
2004 - 2013 |
開催されず | ||||||
2014 | 6月22日 | 8 | レッドブル・リンク | ニコ・ロズベルグ | メルセデス | 詳細 | |
2015 | 6月21日 | 8 | レッドブル・リンク | ニコ・ロズベルグ | メルセデス | 詳細 | |
2016 | 7月 | 3日9 | レッドブル・リンク | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 詳細 | |
2017 | 7月 | 9日9 | レッドブル・リンク | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 詳細 | |
2018 | 7月 | 1日9 | レッドブル・リンク | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-タグ・ホイヤー | 詳細 | |
2019 | 6月30日 | 9 | レッドブル・リンク | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-ホンダ | 詳細 | |
2020 | 7月 | 5日1 | レッドブル・リンク | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 詳細 | |
2021 | 7月 | 4日9 | レッドブル・リンク | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-ホンダ | 詳細 | |
2022 | 7月10日 | 11 | レッドブル・リンク | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 詳細 | |
2023 | 7月 | 2日10 | レッドブル・リンク | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-ホンダ・RBPT | 詳細 | |
2024 | 6月30日 | 11 | レッドブル・リンク | ジョージ・ラッセル | メルセデス | 詳細 |
開催されたサーキット
編集-
ツェルトベク(1963-1968)
-
エステルライヒリンク(1969-1976)
-
エステルライヒリンク(1977-1987)
-
A1リンク/レッドブル・リンク(1997-2003, 2014-2016)
-
レッドブル・リンク(2017-)
優勝回数
編集ドライバー
編集(2勝以上)
回数 | ドライバー | 優勝年 |
---|---|---|
4 | マックス・フェルスタッペン | 2018, 2019, 2021, 2023 |
3 | ジョー・シフェール | 1968, 19691, 1971 |
アラン・プロスト | 1983, 1985, 1986 | |
2 | ロニー・ピーターソン | 1973, 1978 |
アラン・ジョーンズ | 1977, 1979 | |
ミカ・ハッキネン | 1998, 2000 | |
ミハエル・シューマッハ | 2002, 2003 | |
ニコ・ロズベルグ | 2014, 2015 | |
バルテリ・ボッタス | 2017, 2020 |
- 太字は2024年のF1世界選手権に参戦中のドライバー。
- ^1 - 1969年のシフェールはクルト・アーレンスJr.とポルシェ・917をシェアして優勝。
コンストラクター
編集(2勝以上)
回数 | コンストラクター | 優勝年 |
---|---|---|
7 | フェラーリ | 1964, 1965, 1970, 1999, 2002, 2003, 2022 |
6 | マクラーレン | 1984, 1985, 1986, 1998, 2000, 2001 |
メルセデス | 2014, 2015, 2016, 2017, 2020, 2024 | |
4 | ロータス | 1972, 1973, 1978, 1982 |
レッドブル | 2018, 2019, 2021, 2023 | |
3 | ポルシェ | 1966, 1968, 1969 |
ウィリアムズ | 1979, 1987, 1997 | |
2 | ブラバム | 1963, 1974 |
ルノー | 1980, 1983 |
- 太字は2024年のF1世界選手権に参戦中のコンストラクター。
- ピンク地はF1世界選手権以外で開催された年。
エンジン
編集(2勝以上)
回数 | メーカー | 優勝年 |
---|---|---|
10 | フォード * | 1967, 1972, 1973, 1974, 1975, 1976, 1977, 1978, 1979, 1982 |
9 | メルセデス ** | 1998, 2000, 2001, 2014, 2015, 2016, 2017, 2020, 2024 |
7 | フェラーリ | 1964, 1965, 1970, 1999, 2002, 2003, 2022 |
3 | ポルシェ | 1966, 1968, 1969 |
TAG *** | 1984, 1985, 1986 | |
ルノー | 1980, 1983, 1997 | |
ホンダ **** | 1987, 2019, 2021 |
オーストリアグランプリ以外のF1レース
編集シュタイアーマルクグランプリ
編集レッドブル・リンク | |
レース情報 | |
---|---|
周回 | 71 |
コース長 | 4.318 km (2.683 mi) |
レース長 | 306.452 km (190.420 mi) |
開催回数 | 2 |
初回 | 2020年 |
最終開催 | 2021年 |
最新開催(2021年): | |
ポールポジション |
マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 1:03.841 |
決勝順位 |
1. マックス・フェルスタッペン レッドブル-ホンダ 1:22:18.925 2. ルイス・ハミルトン メルセデス +35.743s 3. バルテリ・ボッタス メルセデス +46.907s |
ファステストラップ |
ルイス・ハミルトン メルセデス 1:07.058 |
シュタイアーマルクグランプリ(英: Styrian Grand Prix、独: Großer Preis der Steiermark)」は2020年と2021年にレッドブル・リンクで開催されたF1世界選手権のレース。
シュタイアーマルクGPの概要
編集2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的流行により日程の見直しを余儀なくされた結果、オーストリアGPと2週連続で開催されることになり[4][5]、翌2021年も同感染症の影響により、1週目がシュタイアーマルクGP、2週目がオーストリアGの2週連続で開催された[7]。
シュタイアーマルクGPの結果
編集年 | 決勝日 | ラウンド | サーキット | 勝者 | コンストラクター | 結果 |
---|---|---|---|---|---|---|
2020 | 7月12日 | 2 | レッドブル・リンク | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 詳細 |
2021 | 6月27日 | 8 | レッドブル・リンク | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-ホンダ | 詳細 |
脚注
編集注釈
編集- ^ 1966-1967年は国際スポーツカー選手権、1968-1969年は国際メーカー選手権の名称で開催された。
出典
編集- ^ Die Formel 1 kommt zurück nach Österreich auf orf.at, abgerufen am 23. Juli 2013 um 12:42
- ^ http://www.gmx.at/themen/sport/formel1/60aimog-formel-1-kehrt-oesterreich-spielberg#.hero.Formel%201%20zur%C3%BCck%20in%20%C3%96sterreich.696.624
- ^ “フェルスタッペンが首位チェッカー! ホンダに2006年以来の勝利をもたらす”. motorsport.com (2019年7月1日). 2019年7月1日閲覧。
- ^ a b “2020年F1序盤ヨーロッパラウンドの日程が正式決定。7月5日開幕、10週に8戦の超過密スケジュール”. autosport web (2020年6月2日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b “2020年F1、イギリスとオーストリアでの2戦目は『70周年記念GP』と『シュタイアーマルクGP』の名称に”. autosport web (2020年6月3日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ “【F1】いつ観客の前でレースができるかはまだ決められない”. Top News (2020年6月17日). 2020年7月6日閲覧。
- ^ a b “F1、渡航制限により6月のトルコGP開催を断念。オーストリアで2レース実施、フランスとの3連戦へ”. autosport web (2021年5月15日). 2021年6月27日閲覧。
- ^ “F1、レッドブルリンクでのオーストリアGP開催契約を延長。2030年まで継続へ”. motorsport.com (2023年7月4日). 2023年7月4日閲覧。
- ^ a b c d e Higham, Peter (1995). The Guiness Guide to International Motor Racing. p. 350. ISBN 0851126421
- ^ “Zeltweg 200 Miles 1965 - Race Results”. Racing Sports Cars. 2020年3月8日閲覧。
- ^ “Zeltweg 500 Kilometres 1966 - Race Results”. Racing Sports Cars. 2020年3月8日閲覧。
- ^ “Zeltweg 500 Kilometres 1967 - Race Results”. Racing Sports Cars. 2020年3月8日閲覧。
- ^ “Zeltweg 500 Kilometres 1968 - Race Results”. Racing Sports Cars. 2020年3月8日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- フォーミュラ1公式ウェブサイト(英語のみ)