縦貫線(北段)(じゅうかんせんほくだん)は、台湾鉄路公司縦貫線のうち、台湾基隆市仁愛区基隆駅から苗栗県竹南鎮竹南駅に至る台湾鉄路公司の区間を指す。

縦貫線(北段)
鳳山渓を渡るEMU500型電車(2015年6月)
鳳山渓を渡るEMU500型電車(2015年6月)
基本情報
中華民国の旗 中華民国台湾
起点 基隆駅
終点 竹南駅
駅数 32駅
開業 1891年10月20日
全通 1902年8月10日
所有者 台湾鉄路公司
運営者 台湾鉄路公司
路線諸元
路線距離 125.4 km
軌間 1,067 mm
線路数 複線 三線
複線区間 全線
電化区間 全線
電化方式 交流25,000V・60Hz 架空電車線方式
路線図
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縦貫線
各種表記
繁体字 縱貫線
簡体字 纵贯线
拼音 Zòngguàn xiàn
通用拼音 Jòngguàn siàn
注音符号 ㄗㄨㄥˋ ㄍㄨㄢˋ ㄒㄧㄢˋ
発音: ゾングヮンシェン
台湾語白話字 Chhiòng-koàn-sòaⁿ (Pak-tōaⁿ)
客家語白話字: Chiúng-kon-sien
日本語読み: じゅうかんせん
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駅・施設・接続路線
 縦貫線北段(現在) 
km 駅名
KBHFa
0.0 基隆
BHF
1.3 三坑
TUNNEL2
竹子嶺トンネル
WASSERq hKRZWae WASSERq
基隆河
vSHI1+l-STR+l CONTfq
 宜蘭線宜蘭方面 
vINT
3.7 八堵
vÜSTr
STR+l vABZgr-STR
DST vSTR
七堵調車場
STR SPLe
STR INT
6.0 七堵
ABZg+l ABZgr
TUNNEL2 TUNNEL2
七堵トンネル、新七堵トンネル
STRl vSTR+r-SHI1+r
vÜSTl
veBHF-BHF
8.7 百福
STR+l vSTRr-SHI1r
TUNNEL1 TUNNEL1
五堵トンネル、新五堵トンネル 基隆市新北市の境界
eABZgl eABZg+r
KDSTe hSTRa@g
五堵貨場
hBHF
11.7 五堵
hBHF
13.1 汐止
WASSERq hKRZW WASSERq
hBHF
14.6 汐科
htSTRa
tSTR+GRZq
新北市、台北市の境界
tSTR extSTR+l extCONTfq
台湾高速鉄道
utSTRq mtKRZtu xmtKRZto utSTR+r
 板南線南港展覧館方面 
etABZg+l extKRZto uemtKRZto extCONTfq
 北宜直線鉄道頭城方面 
19.1 南港
tSTR tLSTR utLSTRl
tLSTR
21.9 松山
utSTRr tSTR tLSTR
台北捷運松山線
tLSTR
exKDSTeq
23.3 台北機廠 -2012
tBST tLSTR
光復緊急ホーム 旅客駅化計画廃止
uhSTRq mtKRZh mtKRZh uhSTRq
台北捷運文湖線
tBST tLSTR
復興緊急ホーム 旅客駅化計画廃止
utSTRq mtKRZto xmtKRZto utSTRq
台北捷運新荘線
tSTR extSTR utSTR+l
→台北捷運板南線
utSTRq mtKRZto xmtKRZto
台北捷運淡水線
28.3 台北 桃捷台北車站
mtKRZtu mtKRZto mtKRZto utABZg+r
(北門駅)←台北捷運松山線→
tCONTgq tSTRr tSTR tLSTR utLSTR
桃園捷運機場線
tBST tLSTR utHST
西門緊急ホーム (西門駅)
utLSTR+l mtKRZto mtKRZto utABZlr
台北捷運板橋線/台北捷運小南門線
utLSTR tBHF tSTR
31.1 万華
utKRZW+GRZq tKRZW+GRZq tKRZW+GRZq
新店渓 台北市、新北市の境界
tSTR tLSTR
mtKRZh
uhSTRq
台北捷運環状線
35.5 板橋
utSTRl mtKRZto mtKRZto utSTRq
htSTRe htSTRe
hBHF hLSTR
38.0 浮洲
WASSERq hKRZWe hKRZWae
大漢渓
hSTRq KRZh hSTRr
台湾高速鉄道
uexhSTR+r STR uexhSTR+l
台北捷運万大中和樹林線
uexhHST INT uexhSTR
40.9 樹林
uexhSTRl uexhSTRq emKRZh uexhSTRq uexhSTRr
BST
42.4 K42信号所
STR+l ABZgr
STR BHF
42.9 南樹林
KDSTe STR
43.1 樹林調車場
BHF
44.8 山佳
STR uexhSTR+l
新北捷運三鶯線
49.2 鶯歌
uexhSTR+l emKRZh uexhSTRr
uexhLSTR ABZgl KDSTeq
中興一号特種支線聯勤汽車基地勤務廠
uexhLSTRl emKRZh uexhSTRq
STR+l xABZgr
STR extSTRa
eHST extBHF
鳳鳴
STR+GRZq extSTR+GRZq
新北市、桃園市の境界
uexhSTR+r STR extSTR
桃園捷運棕線(桃林線)・↑(迴龍線)
uexmhKRZ eABZg+r extSTR
林口線 (-2012)
extBHF
57.4 桃園
emKRZt exmtKRZto
桃園捷運緑線
STR extBHF
中路
STR extBHF
桃園医院
BHF extBHF
63.5 内壢
STR extBHF
中原
BHF
67.3 中壢 桃園捷運緑線(中壢延伸線)
emKRZt exmtKRZto
桃園捷運藍線
eHST
平鎮
emKRZt
桃園捷運橘線
STR extSTRe
STRl xABZg+r
BHF
73.1 埔心
BHF
77.1 楊梅
hSTRq KRZh hSTRq
台湾高速鉄道
BHF
83.9 富岡
KDSTa BHF
85.6 新富 (2017)/富岡基地
STR+GRZq STR+GRZq
桃園市、新竹県の境界
STRl ABZg+r
BHF
87.1 北湖
BHF
89.6 湖口
STR KDSTa
台湾車輛
ABZg+l STRr
BHF
95.8 新豊
WASSERq hKRZWae WASSERq
鳳山渓
BHF
100.6 竹北
WASSERq hKRZWae+GRZq WASSERq
頭前溪 新竹県、新竹市の境界
ABZg+l CONTfq
 内湾線內湾方面 
ABZgl STR+r
INT STR
105.0 北新竹
STR DST
105.2 新竹貨
ABZg+l STRr
INT
106.4 新竹
BHF
109.6 三姓橋(2016)
BHF
114.4 香山
STR+GRZq
新竹市苗栗県の境界
BHF
120.8 崎頂
INT
125.4 竹南
SPLa
vCONTf
 海岸線台中線/彰化方面 
 台北専案(1983-89[1](pp18-25)) 
STR BHF STR
南港駅
KDSTe STR DST
南港調車場/南港(貨・新設)
bSHI2+lr
BHF
松山駅
ABZg+l KDSTeq
台北機廠
bSHI2rxl
tSTRa exDST
華山駅(貨)
tBHF exBHF lDRH
台北駅
tDST exSTR
西門緊急停車駅
tSTRe exSTR
BHF exBHF
万華駅
bSHI2+rxl
 松山専案(1989-94[1](pp26-29) 
BHF
松山駅
bSHI2lxr
exSTR tSTRa
exSTR tABZgl tSTR+r
exSTR tSTR KDSTxe
台北機廠
exSTR tDST exSTR
光復緊急停車駅
exSTR tDST exSTR
復興緊急停車駅
exABZg+l etKRZ exSTRr
 萬板専案(1995-99[1](pp30-33,70-73) 
bSHI2rxl
tBHF exBHF
万華駅
tKRZW exhKRZWae
新店渓橋
tBHF exSTR exSTR+l
板橋新駅 →中和線
tSTR exBHF exDST
板橋旧駅・板橋調車場
tSTRe exABZg+l exSTRr
bSHI2+rxl
BHF
樹林駅
bSHI2lr
KDSTe STR
樹林調車場(新設)
 南港専案(1999-2011[1](pp34-43,74-81) 
DST STR
七堵調車場(拡張)
STR BHF
七堵駅
bSHI2+lr
BHF
百福駅
STR+l ABZgr
KDSTe STR
五堵(貨)
hBHF
五堵駅
hBHF
汐止駅
bSHI2lxr
exSTR tSTRa
exBHF tBHF
南港駅
exSTR+l exABZgr tSTR
exKDSTe exSTR tSTR
南港調車場
exSTR tBHF
松山駅

※各専案で立体化後に開業した路線・駅は省略

台湾鉄路公司の西部幹線の一部として運用されている。

路線データ

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歴史

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縦貫線の建設は清朝統治時代の末期に開始され、1891年(光緒17年)10月20日に基隆 - 台北間が開業する[2]:339。これは台湾初の鉄道路線であり、縦貫線のうち最初に開業した区間でもあった。1893年(光緒19年)には新竹まで延伸され[2]:339、この状態で日本への台湾割譲を迎える。日本は台湾の開発において基隆 - 高雄間を結ぶ縦貫線の完成が重要であると考え、建設時の規格が低く日清戦争中の混乱を受けて荒廃していた基隆 - 新竹間の大規模な改良と新竹 - 高雄間の建設を進めた。新竹 - 高雄間の建設は南北両側から進められ、1902年(明治35年)に中港(竹南)までの本路線が全通し[3]、縦貫線全体も1908年(明治41年)の台中線全通に伴い、基隆から高雄までの全区間が開業した[3]

縦貫線(北段)のうち、基隆駅 - 台北駅間は1919年(大正8年)に[2]:342、台北駅 - 竹南駅間は1935年(昭和10年)に複線化された[2]:339。1970年代から縦貫線の電化工事を開始し、1978年に竹南以北の本路線が[2]:349、1979年7月1日に縦貫線の全線電化が完成している[2]:349

都心立体化事業

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台北専案

総延長4.4kmの地下化事業は1983年7月12日に着工、1989年9月1日に移行。華山の貨物機能は新設の板橋調車場および南港調車場中国語版へ移転した[1](p18)

松山専案

華山トンネルから松山駅西方まで東へ5.3kmの地下化延伸事業は1989年10月20日に着工、1992年8月3日に南側複線トンネルが、1994年6月18日に北側複線トンネルが供用された。トンネル内は非常時の避難用として復興・光復の2ヶ所の緊急停車駅が追加された[1](p26)

萬板専案

万華から板橋の総延長15.3kmを地下化する事業は1992年9月14日に着工し、板橋調車場に代わる樹林調車場中国語版は1997年3月14日に、万華・板橋の両地下駅は1999年7月21日に供用された[1](p30)

南港専案

台北市内の地下線を南港まで延伸し、七堵まで高架化する総延長19.5kmの事業は1998年11月1日に着工され、1995年8月3日に南港調車場に代わる七堵機務段の七堵調車場中国語版を供用、南港と七堵の貨物運輸を五堵に集約、1996年4月9日に汐止・五堵が高架駅が、1997年1月21日に七堵新駅舎が、2008年9月21日に松山と南港の両地下駅が供用された[1](p34)

桃園市内地下化

新北市鶯歌区の鳳鳴地区から平鎮区までの17.95kmを地下化し、5駅を追加する事業は2020年9月に行政院での承認を経て[4]、同年末に鳳鳴駅が地上仮設駅として先行着工を迎え始動した[5]

使用車両

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過去の使用車両

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運行形態

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駅一覧

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  • の駅は廃止された駅である。
  • 背景色がである部分は現在施設が供用されていない、または完成していないことを示す。
駅名 駅間
キロ
累計
キロ
等級 接続路線・備考 所在地
日本語 繁体字中国語
基隆駅 基隆車站 0.0 0.0 一等 基隆市 仁愛区
三坑駅 三坑車站 1.3 1.3 簡易  
八堵駅 八堵車站 2.4 3.7 二等 台湾鉄路管理局:宜蘭線 暖暖区
七堵操車場 七堵調車場   5.6   七堵区
七堵駅 七堵車站 2.3 6.0 一等  
百福駅 百福車站 2.7 8.7 簡易  
北五堵駅 北五堵車站   9.3 廃止
※五堵北信号場 五堵北號誌站     廃止
五堵貨駅 五堵貨場      
五堵駅 五堵車站 3.0 11.7 簡易   新北市 汐止区
汐止駅 汐止車站 1.4 13.1 二等  
汐科駅 汐科車站 1.5 14.6 簡易  
樟樹湾駅 樟樹灣車站   15.5   建設取消
南港駅 南港車站 4.5 19.1 一等 台北捷運南港線 (板南線)
台湾高速鉄路公司台湾高速鉄道
基隆捷運(計画中)
台北市 南港区
※南港操車場 南港調車場   21.2 廃止
松山駅 松山車站 2.8 21.9 一等 台北捷運:松山線松山新店線 信義区
台北機廠 臺北機廠   23.6  
光復緊急停車駅 光復緊急停靠站       緊急停車用 松山区
復興緊急停車駅 復興緊急停靠站       緊急停車用 大安区
新生駅 新生車站   26.4 廃止 中山区
華山駅 華山車站   27.2 廃止 中正区
台北駅 台北車站 6.4 28.3 特等 台湾高速鉄路公司:台湾高速鉄道
台北捷運淡水線淡水信義線)・南港線(板南線)・松山線(松山新店線)(北門駅
桃園捷運機場線
西門緊急停車駅 西門緊急停靠站       緊急停車用
万華駅 萬華車站 2.8 31.1 一等 万華区
港嘴駅 港嘴車站   33.8 廃止   新北市 板橋区
板橋駅 板橋車站 4.4 35.5 一等 台湾高速鉄路公司:台湾高速鉄道
台北捷運:板橋線(板南線)・環状線
浮洲駅 浮洲車站 2.5 38.0 簡易  
樹林駅 樹林車站 2.9 40.9 一等   樹林区
南樹林駅 南樹林車站 2.0 42.9 簡易  
山佳駅 山佳車站 1.9 44.8 三等  
鶯歌駅 鶯歌車站 4.4 49.2 二等 新北捷運三鶯線(計画中) 鶯歌区
鳳鳴駅 鳳鳴車站       建設中
桃園駅 桃園車站 8.2 57.4 一等 桃園捷運:緑線(建設中)・棕線(計画中) 桃園市 桃園区
中路駅 中路車站       計画中
桃園医院駅 桃園醫院車站       計画中 八徳区
内壢駅 內壢車站 5.9 63.3 三等   中壢区
中原駅 中原車站       計画中
中壢駅 中壢車站 4.0 67.3 一等 桃園捷運:機場線(建設中)・緑線(計画中)
平鎮駅 平鎮車站       建設中 平鎮区
埔心駅 埔心車站Puxin 5.8 73.1 三等 楊梅区
楊梅駅 楊梅車站 4.0 77.1 三等
三湖駅 三湖車站   81.7 廃止
富岡駅 富岡車站 6.8 83.9 三等  
新富駅 新富車站 1.7 85.6 招呼
北湖駅 北湖車站 1.5 87.1 甲簡 新竹県 湖口郷
湖口駅 湖口車站 2.5 89.6 三等  
新豊駅 新豐車站 6.2 95.8 三等   新豊郷
新車駅 新車車站   97.7 廃止
竹北駅 竹北車站 4.8 100.6 三等   竹北市
北新竹駅 北新竹車站 4.4 105.0 簡易 台湾鉄路管理局:内湾線 新竹市 東区
新竹貨駅 新竹貨站   105.2 貨物
新竹駅 新竹車站 1.4 106.4 一等 台湾鉄路管理局:内湾線
三姓橋駅 三姓橋車站 4.8 109.6 簡易 香山区
香山駅 香山車站 3.2 114.4 甲簡  
崎頂駅 崎頂車站 6.4 120.8 招呼   苗栗県 竹南鎮
竹南駅 竹南車站 4.6 125.4 一等 台湾鉄路管理局:海岸線台中線

関連項目

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出典

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  1. ^ a b c d e f g h (繁体字中国語)周永暉 (2012-01). 潛龍騰行:隨著記憶不斷蛻變的臺北鐵道. 交通部鉄路改建工程局. pp. 1-88. ISBN 9789860316988. https://www.rb.gov.tw/public/files/artsinfo/1526562374-0.pdf 
  2. ^ a b c d e f 壽俊仁, ed (1987). 臺灣鐵路百週年紀念. 臺灣鐵路管理局. https://tm.ncl.edu.tw/article?u=022_109_000062  國家圖書館 臺灣記憶
  3. ^ a b 台湾総督府鉄道部 (1911). 台湾鉄道史. 下. 国立国会図書館. pp. 187-190. https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/805265/111 
  4. ^ “桃園市の鉄道地下化計画、行政院が承認 着工から7年で完了の見通し/台湾”. 中央社 フォーカス台湾. (2020年9月4日). オリジナルの2020年9月7日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200907082625/https://japan.cna.com.tw/news/atra/202009040001.aspx 
  5. ^ “等了10多年 鶯歌鳳鳴簡易站今動土 力拚2024年完工通車”. 中国時報. (2020年12月20日). https://www.chinatimes.com/realtimenews/20201220002277-260405?chdtv