岩佐歩夢
岩佐 歩夢(いわさ あゆむ、2001年9月22日 - )は、日本・大阪府出身のレーシングドライバー。大阪国際大和田中学校・高等学校(後の大阪国際中学校・高等学校)卒業[1]。
いわさ あゆむ 岩佐 歩夢 | |
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レッドブル・リンクでの岩佐 (2022年) | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
生年月日 | 2001年9月22日(23歳) |
出身地 | 日本・大阪府守口市 |
過去参加シリーズ | |
2017 2017-18 2020 2021 2021 2022-23 2024 |
アジアン・フォーミュラ・ルノー・シリーズ(英語版) F4・日本選手権 フランス・F4選手権(英語版) F3・アジア選手権(英語版) FIA フォーミュラ3選手権(英語版) FIA フォーミュラ2選手権(英語版) スーパーフォーミュラ |
選手権タイトル | |
2020 2021 |
フランス・F4選手権(英語版) F3・アジア・ルーキー・カップ(英語版) |
受賞 | |
2022 | アントワーヌ・ユベール・アワード(英語版) |
経歴
編集カート
編集両親がかつて「シビックレース」などへ参戦した経歴を持つレーサー一家に生まれ、自身も幼い頃からカーレースに親しむ[2]。4歳を迎えた2005年よりカートに乗り始めキャリアがスタートする[2]。2014年、「全日本ジュニアカート選手権 FP-Jr.クラス」の東西統一戦を全体の2番手でチェッカーを受ける[3]。「鈴鹿選手権シリーズ カートレース YAMAHA SSクラス」第2戦にて初優勝を飾り総合7位で終える[4]。2017年、「鈴鹿選手権シリーズ カートレース Parilla X30クラス」ではシリーズチャンピオンを果たした[5]。
フォーミュラ4
編集2017年7月、上海インターナショナルサーキットで開催されたフォーミュラ・ルノー・アジアカップの第4戦へスポット参戦し、シングルシーターデビューとなった。レース1・2共にポールポジションを獲得、決勝は両レース共に2位でチェッカーを受けた[6]。11月に行われた最終戦の「FIA F4日本選手権」へ、B-MAX Racing Team からエントリーした。レース1・2と15位で終える[7][8]。2018年は、Rn-Sportsから第3戦へスポット参戦しレース1では6位入賞を果たした[9]。
2019年、「鈴鹿サーキットレーシングスクール」のスカラシップ選考会へ進む4名に選出される。選考会では同校の卒業生4名を含む計8名でレースセッションが進む。計測走行1回目はポールポジションを獲得、続くセット走行1回目は首位をキープしトップでチェッカーを受けポールトゥウィンを記録した。計測走行2回目は4番手グリッドとなったものの、セット走行2回目を2位まで追い上げるレース運びを見せた。この走りが評価されスカラシップ獲得となった[10]。
2020年より、ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト(HFDP)の育成メンバーとしてレース活動を行う。この年から日本を離れヨーロッパへ渡り、「フランス・F4選手権」へ参戦する[11]。ポールポジション5回、優勝9回、表彰台圏内15回と圧倒的な速さを見せタイトル争いを制した[12][13]。総合2位へ同じくHFDP所属の佐藤蓮が入り、日本人が上位1-2を独占した[13]。
フォーミュラ3
編集2021年1月、ハイテック・グランプリから「FIA フォーミュラ3選手権」への参戦とレッドブル・ジュニアチームへ加入することを発表した[14][15]。ジャック・クロフォードとロマン・スタネックがチームメイトとなる。第4戦のレース1では1位を獲得し、ランキング12位でシーズンを終えた。11月末より開催された「F3・アジア選手権」へハイテックからエントリーする[14]。第4戦のレース1では3位表彰台を獲得した[16]。リタイア1回を除くすべてのレースで入賞を果たし、ランキング8位(81ポイント)につけた[17][18]。初出場選手のポイントランキングを争うルーキーカップでは1位の成績となった[18]。
フォーミュラ2
編集2022年シーズンは「FIA フォーミュラ2選手権」に昇格し、レッドブルとの育成は継続しつつDAMSから参戦[19]。第9戦フランス(ポール・リカール・サーキット)のレース2にて初優勝を達成した[20]。次の第10戦ハンガリー(ハンガロリンク)の予選では初のポールポジションを獲得した[21]。最終戦アブダビ(ヤス・マリーナ)でシーズン2勝目をあげ、ランキング5位を獲得した。
レース戦績
編集略歴
編集年 | シリーズ | チーム | レース | 勝利 | PP | FL | 表彰台 | ポイント | 順位 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017 | FIA F4日本選手権 | B-Max Racing Team | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 28位 |
アジアン・フォーミュラ・ルノー(英語版) | アジア・レーシング・チーム(英語版) | 2 | 0 | 1 | 2 | 2 | 48 | 13位 | |
2018 | FIA F4日本選手権 | Rn-Sports | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 | 17位 |
2019 | スーパー耐久 - ST-4 | Tracy Sports SPV Racing | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 65‡ | 5位‡ |
2020 | フランス・F4選手権(英語版) | FFSA・アカデミー(英語版) | 21 | 9 | 7 | 5 | 15 | 338 | 1位 |
2021 | FIA フォーミュラ3選手権(英語版) | ハイテック・グランプリ(英語版) | 20 | 1 | 0 | 0 | 2 | 52 | 12位 |
F3・アジア選手権(英語版) | 15 | 0 | 0 | 0 | 1 | 82 | 8位 | ||
2022 | FIA フォーミュラ2選手権(英語版) | DAMS | 26 | 2 | 1 | 1 | 6 | 141 | 5位 |
2023 | 26 | 3 | 1 | 3 | 6 | 165 | 4位 | ||
2024 | スーパーフォーミュラ | TEAM MUGEN | 4 | 0 | 1 | 0 | 2 | 31.5 | 4位* |
フォーミュラ1 | ビザ・キャッシュアップ・RB・フォーミュラワン・チーム | テストドライバー |
- ‡ : チームの順位。
- * : 現状の今シーズン順位。
F4・日本選手権
編集年 | チーム | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | DC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2017年 | B-Max Racing Team | OKA 1 |
OKA 2 |
FUJ 1 |
FUJ 2 |
AUT 1 |
AUT 2 |
SUG 1 |
SUG 2 |
FUJ 1 |
FUJ 2 |
SUZ 1 |
SUZ 2 |
MOT 1 15 |
MOT 2 15 |
28位 | 0 |
2018年 | Rn-sports | OKA 1 |
OKA 2 |
FUJ 1 |
FUJ 2 |
SUZ 1 6 |
SUZ 2 Ret |
FUJ 1 |
FUJ 2 |
SUG 1 |
SUG 2 |
AUT 1 |
AUT 2 |
MOT 1 |
MOT 2 |
17位 | 8 |
フランス・F4選手権
編集年 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 順位 | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020年 (英語版) |
NOG 1 1 |
NOG 2 5 |
NOG 3 1 |
MAG 1 4 |
MAG 2 5 |
MAG 3 3 |
ZAN 1 1 |
ZAN 2 4 |
ZAN 3 1 |
LEC 1 1 |
LEC 2 3 |
LEC 3 1 |
SPA 1 1 |
SPA 2 2 |
SPA 3 1 |
LEC 1 2 |
LEC 2 5 |
LEC 3 2 |
LEC 1 2 |
LEC 2 6 |
LEC 3 1 |
1位 | 338 |
F3・アジア選手権
編集年 | エントラント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | DC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021年 (英語版) |
ハイテック・グランプリ (英語版) |
DUB 1 6 |
DUB 2 5 |
DUB 3 5 |
ABU 1 9 |
ABU 2 10 |
ABU 3 4 |
ABU 1 6 |
ABU 2 10 |
ABU 3 7 |
DUB 1 3 |
DUB 2 Ret |
DUB 3 10 |
ABU 1 10 |
ABU 2 10 |
ABU 3 7 |
8位 | 82 |
FIA フォーミュラ3選手権
編集年 | エントラント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | DC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2021年 | ハイテック・グランプリ (英語版) |
CAT 1 14 |
CAT 2 7 |
CAT 3 15 |
LEC 1 8 |
LEC 2 9 |
LEC 3 7 |
RBR 1 DSQ |
RBR 2 14 |
RBR 3 6 |
HUN 1 1 |
HUN 2 10 |
HUN 3 12 |
SPA 1 15 |
SPA 2 11 |
SPA 3 13 |
ZAN 1 3 |
ZAN 2 Ret |
ZAN 3 11 |
SOC SP1 10 |
SOC SP2 C |
SOC FEA 9 |
12位 | 52 |
FIA フォーミュラ2選手権
編集年 | エントラント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | DC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022年 | DAMS | BHR SPR 8 |
BHR FEA 16 |
JED SPR 6 |
JED FEA 7 |
IMO SPR 9 |
IMO FEA 5 |
CAT SPR 2 |
CAT FEA 12 |
MON SPR 19 |
MON FEA 17† |
BAK SPR 8 |
BAK FEA 14 |
SIL SPR 2 |
SIL FEA 12 |
RBR SPR 10 |
RBR FEA 7 |
LEC SPR 6 |
LEC FEA 1 |
HUN SPR 8 |
HUN FEA 3 |
SPA SPR 9 |
SPA FEA 7 |
ZAN SPR 6 |
ZAN FEA 3 |
MNZ SPR 16 |
MNZ FEA DSQ |
YMC SPR 13 |
YMC FEA 1 |
5位 | 141 |
2023年 | BHR SPR 4 |
BHR FEA 8 |
JED SPR 1 |
JED FEA 4 |
MEL SPR 13 |
MEL FEA 1 |
BAK SPR Ret |
BAK FEA 12 |
MON SPR 1 |
MON FEA 10 |
CAT SPR 8 |
CAT FEA 4 |
RBR SPR 11 |
RBR FEA 2 |
SIL SPR 21 |
SIL FEA 5 |
HUN SPR 2 |
HUN FEA 4 |
SPA SPR 7 |
SPA FEA Ret |
ZAN SPR 13 |
ZAN FEA 13 |
MNZ SPR Ret |
MNZ FEA 2 |
YMC SPR 8 |
YMC FEA 4 |
4位 | 165 |
スーパーフォーミュラ
編集年 | エントラント | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | DC | ポイント |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年 | TEAM MUGEN | SUZ 9 |
AUT 2 |
SUG 2 |
FUJ 11 |
MOT |
FUJ |
FUJ |
SUZ |
SUZ |
4位* | 31.5* |
フォーミュラ1
編集出典
編集- ^ 岩佐歩夢が母校で講演。『夢に向かって歩み続ける』をテーマに自身の経験と想いを伝える - オートスポーツ・2024年11月7日
- ^ a b “SRS-F、佐藤琢磨・校長の新体制で初めてのスカラシップ生は高校生ドライバーの岩佐歩夢!”. Yahoo! JAPAN ニュース (2019年11月27日). 2021年3月30日閲覧。
- ^ “2014 ジュニアカート選手権 RESULTS - 東西統一戦”. 全日本カート選手権 オフィシャルサイト. 2021年3月30日閲覧。
- ^ “2014 鈴鹿選手権シリーズ カートレース IN SUZUKA シリーズ ポイントランキング YAMAHA SS”. 鈴鹿サーキット. 2021年3月30日閲覧。
- ^ “2017 鈴鹿選手権シリーズ カートレース IN SUZUKA ポイントランキング Parilla X30 CLASS”. 鈴鹿サーキット. 2021年3月30日閲覧。
- ^ “Classification - 2017”. ASIAN FORMULA RENAULT. 2021年4月2日閲覧。
- ^ “第13戦 決勝 正式結果表”. DUNLOP MOTORSPORT - FIA-F4 2017. 2021年4月2日閲覧。
- ^ “第14戦 決勝 正式結果表”. DUNLOP MOTORSPORT - FIA-F4 2017. 2021年4月2日閲覧。
- ^ “第5戦 決勝正式結果表”. DUNLOP MOTORSPORT - FIA-F4 2018. 2021年4月2日閲覧。
- ^ “鈴鹿サーキットレーシングスクール・フォーミュラのスカラシップは岩佐歩夢に決定 2019年度”. Automotive Response. (2019年11月27日). 2021年4月2日閲覧。
- ^ “岩佐歩夢、SRSスカラシップ獲得すぐ海外へ……中野信治「1秒でも早く行くべき」”. motorsport.com (2020年1月20日). 2021年4月2日閲覧。
- ^ “F4 RESULT 2020 - CHAMPIONSHIP CLASSIFICATION”. FFSA ACADEMY - F4. 2021年4月2日閲覧。
- ^ a b “岩佐歩夢がチャンピオンを獲得。佐藤蓮が総合2位でシーズンを終える”. HONDA The Power of Dreams - Dream Challenge フランスF4. 2021年4月2日閲覧。
- ^ a b “フランスF4王者の岩佐歩夢がFIA-F3とF3アジアへ参戦決定。佐藤蓮はスーパーフォーミュラ・ライツへ”. auto sport Web (2021年1月15日). 2021年3月31日閲覧。
- ^ “ホンダ育成の岩佐歩夢がレッドブル・ジュニア入り。FIA-F3で好結果を出し「最終的にはF1チャンピオンを目指す」”. auto sport Web (2021年1月16日). 2021年4月1日閲覧。
- ^ “岩佐歩夢は予選・決勝ともに自己ベストを更新するも悔しさ残る週末に【F3アジア第4戦ドバイ】”. auto sport Web (2021年2月15日). 2021年3月31日閲覧。
- ^ “2021 DRIVERS CLASSIFICATION”. F3 ASIAN CHAMPIONSHIP™. 2021年3月31日閲覧。
- ^ a b “岩佐歩夢はルーキーカップ最上位のシーズン8位。アルピーヌ育成の周冠宇が王者に【F3アジア第5戦アブダビ】”. auto sport Web (2021年2月22日). 2021年3月31日閲覧。
- ^ “岩佐歩夢、DAMSから2022年のFIA F2に参戦決定!”. jp.motorsport.com (2022年1月14日). 2022年1月25日閲覧。
- ^ “岩佐歩夢がFIA F2初優勝。ポール・リカールに君が代が流れる【第9戦ル・キャステレ レース2】”. autosport web (2022年7月24日). 2022年7月25日閲覧。
- ^ “岩佐歩夢、今度は初ポールポジション! 初優勝の勢いに乗り予選最速タイム叩き出す|F2第10戦ハンガリー”. motersport.com (2022年7月29日). 2022年7月29日閲覧。
外部リンク
編集- 公式サイト
- 岩佐歩夢 (@ayumuiwasa_cars) - X(旧Twitter)
- 岩佐歩夢 (@ayumuiwasa_cars) - Instagram