岸田國士戯曲賞
劇作家・岸田國士の業績を顕彰するとともに、若手劇作家の育成を目的に白水社が主催する戯曲賞
岸田國士戯曲賞(きしだくにおぎきょくしょう)は、劇作家・岸田國士の業績を顕彰するとともに、若手劇作家の育成を目的に白水社が主催する戯曲賞。新人劇作家の登竜門とされ、「演劇界の芥川賞」という異名を持つが、ベテラン作家の受賞も多い[注 1]。
岸田國士戯曲賞 | |
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受賞対象 | 主に若手劇作家の優れた戯曲 |
開催日 | 毎年4月 |
国 | 日本 |
主催 | 白水社 |
初回 | 1955年 |
最新回 | 2024年 |
最新受賞者 | 池田亮『ハートランド』 |
公式サイト | https://www.hakusuisha.co.jp/smp/news/n12020.html |
1955年に新劇戯曲賞として創設され、1961年に新潮社の岸田演劇賞を吸収合併して「新劇」岸田戯曲賞となった。その後、1979年に岸田國士戯曲賞と改称され現在に至っている。創設時の名の通り新劇の作家に与えられる賞として始まったが、1960年代後半からは脱新劇的傾向のある小劇場作家も多く受賞するようになっていった。受賞者には正賞として記念時計、副賞として賞金が贈られる。
最年少受賞記録は、24歳の柳美里(第37回)。
受賞作品一覧
編集第1回から第10回
編集- 第1回(1955年) - 該当作なし
- 佳作 - 矢代静一 『壁画』
- 第2回(1956年) - 大橋喜一 『楠三吉の青春』、小幡欣治 『畸形児』
- 第3回(1957年) - 該当作なし
- 佳作 - 生活を記録する会・劇団三期会 『明日を紡ぐ娘たち』
- 第4回(1958年) - 堀田清美 『島』
- 第5回(1959年) - 該当作なし
- 第6回(1960年) - 小林勝 『檻』、早坂久子 『相聞』
- 第7回(1961年) - 該当作なし
- 第8回(1962年) - 宮本研 『日本人民共和国』、『メカニズム作戦』、八木柊一郎 『波止場乞食と六人の息子たち』、『コンベヤーは止まらない』
- 第9回(1963年) - 山崎正和 『世阿彌』
- 第10回(1964年) - 人見嘉久彦 『友絵の鼓』、菅龍一 『女の勤行』
- 辞退 - 福田善之 『袴垂れはどこだ』
第11回から第20回
編集- 第11回(1965年) - 該当作なし
- 第12回(1966年) - 川俣晃自 『関東平野』、広田雅之 『砂と城』
- 第13回(1968年) - 別役実 『マッチ売りの少女』、『赤い鳥の居る風景』
- 第14回(1969年) - 秋浜悟史 『幼児たちの後の祭り』に至るまでの諸作品の成果
- 第15回(1970年) - 唐十郎 『少女仮面』
- 第16回(1971年) - 佐藤信 『鼠小僧次郎吉』
- 第17回(1972年) - 井上ひさし 『道元の冒険』
- 第18回(1974年) - つかこうへい 『熱海殺人事件』、清水邦夫 『ぼくらが非情の大河をくだるとき』
- 第19回(1975年) - 該当作なし
- 佳作 - 石澤富子『木蓮沼』
- 第20回(1976年) - 石澤富子 『琵琶伝』
第21回から第30回
編集- 第21回(1977年) - 該当作なし
- 第22回(1978年) - 太田省吾 『小町風伝』、ちねんせいしん 『人類館』
- 第23回(1979年) - 岡部耕大 『肥前松浦兄妹心中』
- 第24回(1980年) - 斎藤憐 『上海バンスキング』
- 第25回(1981年) - 竹内銃一郎 『あの大鴉、さえも』
- 第26回(1982年) - 山崎哲 『漂流家族』、『うお伝説』
- 第27回(1983年) - 野田秀樹『野獣降臨(のけものきたりて)』、山元清多『比野置(ピノッキオ)ジャンバラヤ』、渡辺えり子『ゲゲゲのげ』
- 第28回(1984年) - 北村想 『十一人の少年』
- 第29回(1985年) - 岸田理生『糸地獄』
- 第30回(1986年) - 川村毅 『新宿八犬伝 第一巻-犬の誕生-』
第31回から第40回
編集- 第31回(1987年) - 該当作なし
- 第32回(1988年) - 大橋泰彦 『ゴジラ』
- 第33回(1989年) - 岩松了 『蒲団と達磨』
- 第34回(1990年) - 該当作なし
- 第35回(1991年) - 坂手洋二 『ブレスレス ゴミ袋を呼吸する夜の物語』
- 第36回(1992年) - 横内謙介 『愚者には見えないラ・マンチャの王様の裸』
- 第37回(1993年) - 宮沢章夫 『ヒネミ』、柳美里 『魚の祭』
- 第38回(1994年) - 鄭義信 『ザ・寺山』
- 第39回(1995年) - 鴻上尚史 『スナフキンの手紙』、平田オリザ 『東京ノート』
- 第40回(1996年) - 鈴江俊郎 『髪をかきあげる』、松田正隆 『海と日傘』
第41回から第50回
編集- 第41回(1997年) - 松尾スズキ 『ファンキー! 宇宙は見える所までしかない』
- 第42回(1998年) - 深津篤史 『うちやまつり』
- 第43回(1999年) - ケラリーノ・サンドロヴィッチ 『フローズン・ビーチ』
- 第44回(2000年) - 永井愛 『兄帰る』
- 第45回(2001年) - 三谷幸喜 『オケピ!』
- 第46回(2002年) - 該当作なし
- 第47回(2003年) - 中島かずき 『アテルイ』
- 第48回(2004年) - 倉持裕 『ワンマン・ショー』
- 第49回(2005年) - 宮藤官九郎 『鈍獣』、岡田利規 『三月の5日間』
- 候補作
- 小川未玲『もやしの唄』
- 長塚圭史『はたらくおとこ』
- はせひろいち『サイコの晩餐』
- 東憲司『しゃんしゃん影法師』
- 平田俊子『れもん』(上演台本)
- 前田司郎『いやむしろわすれて草』
- 候補作
- 第50回(2006年) - 佃典彦 『ぬけがら』、三浦大輔 『愛の渦』
第51回から第60回
編集- 第51回(2007年) - 該当作なし
- 第52回(2008年) - 前田司郎『生きてるものはいないのか』
- 第53回(2009年)- 蓬莱竜太『まほろば』、本谷有希子『幸せ最高ありがとうマジで!』
- 第54回(2010年)- 柴幸男『わが星』
- 第55回(2011年) - 松井周『自慢の息子』
- 第56回(2012年) - ノゾエ征爾『○○トアル風景』、藤田貴大『かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。』 、矢内原美邦『前向き!タイモン』
- 第57回(2013年) - 赤堀雅秋『一丁目ぞめき』、岩井秀人『ある女』
- 第58回(2014年) - 飴屋法水『ブルーシート』
- 第59回(2015年) - 山内ケンジ『トロワグロ』
- 第60回(2016年) - タニノクロウ『地獄谷温泉 無明ノ宿』[1]
第61回から第70回
編集- 第61回(2017年) - 上田誠『来てけつかるべき新世界』
- 第62回(2018年) - 神里雄大『バルパライソの長い坂をくだる話』、福原充則『あたらしいエクスプロージョン』
- 第63回(2019年) - 松原俊太郎『山山』
- 第64回(2020年) - 市原佐都子『バッコスの信女-ホルスタインの雌』、谷賢一 『福島三部作 第1部「1961年:夜に昇る太陽」 第2部「1986年:メビウスの輪」 第3部「2011年:語られたがる言葉たち」』
- 第65回(2021年) - 該当作なし[4]
- 第66回(2022年) - 福名理穂『柔らかく搖れる』、山本卓卓『バナナの花は食べられる』
- 第67回(2023年) - 加藤拓也『ドードーが落下する』、金山寿甲『パチンコ(上)』[5]
- 第68回(2024年) - 池田亮『ハートランド』[6]
選考委員
編集- 第1-2回 飯沢匡、岡倉士朗、木下順二、小山祐士、杉山誠、久板栄二郎、山田肇
- 第3回 関口次郎が加わる
- 第4回 飯沢が抜ける
- 第5-9回 茨木憲、木下、小山、菅原卓、関口、田中千禾夫、久板
- 第10回 木下が抜ける
- 第11回 矢代静一が加わる
- 第12回 田中、久板が抜ける
- 第13-16回 福田善之、宮本研、八木柊一郎、矢代、山崎正和
- 第17回 福田が抜ける
- 第18-22回 石澤秀二、田中千禾夫、別役実、森秀男、山崎、八木、矢代
- 第23-25回 井上ひさしが加わる
- 第26-32回 井上、唐十郎、佐藤信、清水邦夫、田中、別役、八木、矢代、山崎
- 第33回 山崎が抜ける
- 第34-35回 清水が抜ける
- 第36回 井上、太田省吾、岡部耕大、佐藤、田中、つかこうへい、野田秀樹、別役
- 第37回 井上、太田、岡部、佐藤、野田(欠席)、別役、田中(欠席)、つか(欠席)
- 第38-39回 井上、太田、岡部、佐藤、野田、別役、田中(欠席)、つか(欠席)
- 第40回 田中は死去、つか、野田が欠席
- 第41-42回 井上、太田、岡部、佐藤、竹内銃一郎、野田、別役
- 第43-45回 井上、太田、岡部、佐藤、竹内、野田、別役
- 第46-47回 井上、岩松了、太田、岡部、佐藤信、竹内、野田
- 第48-49回 井上、岩松、太田、岡部、竹内、野田
- 第50回 井上、岩松、鴻上尚史、坂手洋二、永井愛、野田、宮沢章夫
- 第51回 井上(選考会には欠席。メッセージの送付でのみ参加)、岩松、鴻上、坂手、永井、野田、宮沢
- 第52-54回 井上、岩松、鴻上、坂手、永井、野田、宮沢
- 第55回 岩松、鴻上、坂手、永井、野田、宮沢
- 第56-59回 岩松、岡田利規、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、野田、松尾スズキ、松田正隆、宮沢
- 第60-62回 岩松、岡田、ケラリーノ、野田、平田オリザ、宮沢
- 第63回 岩松、岡田、ケラリーノ、野田、平田、宮沢、柳美里
- 第64回 岩松、岡田、ケラリーノ、野田、平田、柳
- 第65回 岩松、岡田、ケラリーノ、野田、平田、矢内原美邦、柳
- 第66回-第67回 岩松、岡田、ケラリーノ、野田、矢内原
- 第68回 市原佐都子、上田誠、岡田、タニノクロウ、野田、本谷、矢内原
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “タニノクロウ「地獄谷温泉 無明ノ宿」が第60回岸田國士戯曲賞を受賞”. ステージナタリー (2016年3月1日). 2016年3月1日閲覧。
- ^ “本日、第60回岸田國士戯曲賞の選考会が開催!最終候補作は8作品”. ステージナタリー (2016年2月29日). 2016年3月1日閲覧。
- ^ “第64回岸田國士戯曲賞の最終候補作が決定、選考会は2月13日”. ステージナタリー (ナターシャ). (2020年1月23日) 2020年1月23日閲覧。
- ^ “第65回岸田國士戯曲賞は受賞作なし「コロナを意識しすぎて」”. エンタステージ (ナノ・アソシエーション). (2021年3月12日) 2021年3月12日閲覧。
- ^ “岸田戯曲賞に加藤さんと金山さん”. 時事通信 (時事通信社). (2023年3月17日) 2023年3月17日閲覧。
- ^ “岸田戯曲賞に池田亮さん”. 時事通信 (時事通信社). (2024年3月1日) 2024年3月2日閲覧。