小林修 (声優)

日本の男性声優、俳優 (1934−2011)

小林 修(こばやし おさむ、1934年11月22日[9] - 2011年6月28日[3])は、日本声優俳優東京府東京市向島区(現:東京都墨田区向島)出身[2]。生前の所属は同人舎プロダクションで、代表取締役を務めた。

こばやし おさむ
小林 修
プロフィール
本名 小林 修[1]
性別 男性
出身地 日本の旗 日本東京府東京市向島区(現:東京都墨田区向島[2]
死没地 日本の旗 日本東京都文京区[3]
生年月日 (1934-11-22) 1934年11月22日
没年月日 (2011-06-28) 2011年6月28日(76歳没)
血液型 A型[4][5]
職業 声優俳優
事務所 同人舎プロダクション(最終)[6]
配偶者 あり[3]
公称サイズ(時期不明)[7]
身長 / 体重 168[6] cm / 68 kg
俳優活動
活動期間 1950年代 - 2011年
ジャンル 舞台
声優活動
活動期間 1963年 - 2011年
ジャンル 吹き替えアニメゲーム
デビュー作ドラグネット[8]
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経歴

終戦後、結核を患って療養のつれづれにと芝居を始める[2]

劇団化粧座の研究生を経て[10]、1954年、劇団こだま座入団[11]。1957年、東京タレントクラブ所属[11]。同年、劇団文芸座を結成し[11]、同劇団解散後、東京俳優生活協同組合に所属[8]

海外ドラマ『ドラグネット英語版』の吹き替えで声優としての活動を始める[8]。吹き替え草創期より活動した。

1959年、海外ドラマ『ローハイド』で主演のギル・フェイバー隊長(エリック・フレミング)を吹き替え、出世作となる[12]

1965年、同人舎プロダクションを創立[8]。死去するまで同事務所に所属し、社長を務めた。

2011年6月28日午前8時25分、膵臓癌のため東京都文京区の病院で死去[3]。76歳没[13]

2012年、第6回声優アワード「特別功労賞」を受賞[14]

人物

声種は「ボリュームがあるバリトン[15]」。

上司や政治家といった権力者の役が多く、出世作である『ローハイド』のギル・フェイバー隊長役を機に、責任感あるリーダーの役を務めることが多かった。一方で、『アメリカン・ヒーロー』(1982年)のビル捜査官を吹き替えてからは、コミカルで無責任な上司の役も多かった[16]

吹き替えを主体とし、数多くの作品に出演。とくにユル・ブリンナーの吹き替えはほとんどの作品を担当[17]。いくつかの作品ではジョン・ヴォイトジーン・ハックマンジョン・ウェインマイケル・ケインの吹き替えも担当した。

アニメでは、ハンナ・バーベラ作品で二度主演した数少ない声優であった。また、「宇宙戦艦ヤマトシリーズ」では常連のひとりであり、第1作でドメル将軍を演じて以降『復活篇』まで、『新たなる旅立ち』を除くすべての作品に出演していた。

『ローハイド』のフェイバー隊長役は、同作のキャスティングに関わり、かつて出演したラジオドラマのスタッフだった滝山照夫が縁でオーディションに参加。50名近い候補者の中から抜擢された[12]。小林は、後年のインタビューで思い出深い出演作を訊かれた際に「どの作品にも思い出があり忘れることはできないが、中でも私にとって、生涯忘れることのできない作品」と『ローハイド』を挙げ、「この好運な出会いにより、役者として多くの可能性を生み出し、色々な仕事へと発展してゆき、今の私があるといってもいいのではないでしょうか」と話している[12]

自宅は、総ヒノキ造りの豪邸だった。

特技は殺陣[6]。趣味はゴルフ[6]

後任

小林の死後、持ち役を引き継いだ人物は以下の通り。

後任 役名 概要作品 後任の初担当作品
堀勝之祐 細川藤孝 へうげもの TBA
沢木郁也 ブランチ 太陽の使者 鉄人28号 第2次スーパーロボット大戦Z 再世篇
田中秀幸 チェロヒキーさん それいけ!アンパンマン 第1322話Bパート
稲葉実 ベイツ提督 暴走特急テレビ朝日[注 1] 吹替の力追加収録部分
浦山迅 レオポルト・モーツァルト アマデウス[注 2]
森田了介 ハン 燃えよドラゴンTBS[注 3] WOWOW吹替補完版追加収録部分
堀内賢雄 バーナビー・フルトン博士 モンキー・ビジネス
宝亀克寿 サラー レイダース/失われたアーク《聖櫃》※日本テレビ版』 インディ・ジョーンズと運命のダイヤル
大泊貴揮 モンゴメリー・スコット(チャーリー) スター・トレック ディレクターズ・エディション 4K UHD+Blu-ray版追加収録部分
仲野裕 ロビンソン ダイ・ハード』テレビ朝日版 スターチャンネル追加収録部分[18]

出演

太字はメインキャラクター

吹き替え

俳優

ジーン・ハックマン
ジョン・ウェイン
ジョン・ヴォイト
スティーヴ・リーヴス
マイケル・ケイン
ユル・ブリンナー
ロバート・カルプ

映画

ドラマ

海外人形劇

  • キャプテン・スカーレット
    • アルプス上空の危機!(ビル・ウィリアムズ)
    • 地獄の猛火!(軍曹)
    • 地球の首都を救え!(グラヴナー少佐)
  • サンダーバード オートレーサー・アランの危機(ジョニー・ギレスピー)
  • スーパーカー 深海潜水艇そうなん
  • ジョー90
    • 小さな特別諜報員誕生(警備員)
    • 消えた天才ピアニスト(イゴール・スラデック)
    • 地獄の生き埋め(バニング)
    • 戦慄の脱獄囚(マーニー)
    • 愉快なまぼろし作戦(ドアマン)
    • すばらしい誕生日(警備員)

アニメ

テレビアニメ

1963年
1966年
1967年
1968年
1969年
1970年
1971年
1972年
1973年
1974年
1977年
1978年
1979年
1980年
1981年
1983年
1984年
1987年
1988年
1989年
1990年
1991年
1996年
  • B'T X(老将カオス)
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
2003年
2004年
2006年
2008年
2011年

劇場アニメ

1970年
1972年
1977年
1978年
1979年
1980年
1981年
1982年
1983年
1987年
1989年
1992年
1993年
2003年
2004年
2009年

OVA

1971年
1986年
  • 機甲界ガリアン 鉄の紋章(マーダル[45]
  • 機甲界ガリアン 大地の章(アズベス)
  • 機甲界ガリアン 天空の章(アズベス)
  • ルーツ・サーチ 食心物体X(マーカス所長)
1989年
1991年
1994年
1998年
  • 銀河英雄伝説外伝 千億の星、千億の光(ブラウンシュヴァイク)

ゲーム

1989年
  • S.C.I(トニー・レイモンド)
1992年
1994年
1997年
1998年
1999年
2000年
2001年
  • サンライズ英雄譚2(アズベス)
2003年
2004年
2005年
2006年

人形劇

特撮

1966年
1967年
1968年
1980年
1984年
1985年
1996年
1997年

ドラマCD

ラジオドラマ

ナレーション

その他コンテンツ

脚注

注釈

  1. ^ 再放送時の追録版ではなく、初回放送版に追加で吹き替えたもの。
  2. ^ 本編ノーカット放送された劇場公開版にディレクターズ・カット版で追加されたシーンを吹き替えたもの。
  3. ^ 北京語版をベースにカットされたシーンを吹き替えたもの。

出典

  1. ^ 『日本タレント名鑑 2007』(VIPタイムズ社、2007年) 154頁
  2. ^ a b c 唐沢俊一 (2011年7月5日). “プロフェッショナルだった男 【訃報 小林修】”. 唐沢俊一ホームページ. 2020年1月25日閲覧。
  3. ^ a b c d “「黄金バット」声優の小林修氏死去”. 日刊スポーツNEWS. (2011年7月4日). https://www.nikkansports.com/entertainment/news/f-et-tp0-20110704-799825.html 2023年11月5日閲覧。 
  4. ^ 小林 修」『Excite News』(エキサイト株式会社)。2023-11-閲覧。
  5. ^ 『声優名鑑 アニメーションから洋画まで…』近代映画社、1985年、63頁。 
  6. ^ a b c d 小林修”. 同人舎プロダクション. 2012年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月25日閲覧。
  7. ^ 『日本タレント名鑑(2011年版)』VIPタイムズ社、2011年1月27日、152頁。ISBN 978-4-904674-02-4 
  8. ^ a b c d 「小林修インタビュー」『TV洋画の人気者 声のスターのすべて』阿部邦雄 編著、近代映画社、1979年、231-234頁。全国書誌番号:79023322 
  9. ^ 『声優名鑑』成美堂出版、1999年、448頁。ISBN 4-415-00878-X 
  10. ^ 勝田久『昭和声優列伝 テレビ草創期を声でささえた名優たち』駒草出版、2017年2月22日、203頁。ISBN 978-4-905447-77-1 
  11. ^ a b c 『タレント名鑑NO1』芸能春秋社、1962年、36頁。 
  12. ^ a b c 小林修「ローハイドとの出合い」『別冊太陽 子どもの昭和史 昭和35年〜48年』、平凡社、1990年。 
  13. ^ 声優の小林修氏が死去」『日本経済新聞』2011年7月4日。2022年9月30日閲覧。
  14. ^ 『第六回声優アワード』受賞者先行発表!”. 声優アワード. 2012年3月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年2月22日閲覧。
  15. ^ 『声優の世界-アニメーションから外国映画まで』朝日ソノラマファンタスティックコレクション別冊〉、1979年10月30日、81頁。 
  16. ^ とり・みき (2011年7月31日). “小林修さん”. TORI MIKI'S BLOG archives. Blogger. 2024年3月16日閲覧。
  17. ^ 小林修(インタビュアー:とり・みき)「小林修インタビュー(Wayback Machineによるアーカイブ)」『吹替の帝王, 20世紀フォックスhttps://web.archive.org/web/20150217050916/http://video.foxjapan.com/library/fukikae/interview06.html2021年1月23日閲覧 
  18. ^ ダイ・ハード[吹]日曜洋画劇場 追録ノーカット版|【スターチャンネル】映画・海外ドラマの放送・配信サービス”. スターチャンネル. 2023年5月10日閲覧。
  19. ^ ナショナル・トレジャー”. Disney Blu-ray&Digital. 2024年1月20日閲覧。
  20. ^ ナショナル・トレジャー2/リンカーン暗殺者の日記”. Disney Blu-ray&Digital. 2024年1月20日閲覧。
  21. ^ 荒野の七人[1973年録音・吹替版]”. スターチャンネル. 2023年7月10日閲覧。
  22. ^ “ウォール街[吹]機内上映版”. (2022年11月25日). https://www.star-ch.jp/channel/detail.php?movie_id=31759 2022年11月25日閲覧。 
  23. ^ ハリー・ポッターと炎のゴブレット”. 金曜ロードSHOW!. 日本テレビ放送網. 2016年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月1日閲覧。
  24. ^ リッチー・リッチ【日本語吹替版】”. 映画専門チャンネル ムービープラス. 2023年12月2日閲覧。
  25. ^ 黄金バット”. メディア芸術データベース. 文化庁. 2022年9月30日閲覧。
  26. ^ 植草信和 編「富野由悠季フィルモグラフィー(原口正宏)」『富野由悠季 全仕事』キネマ旬報社〈キネ旬ムック〉、1999年6月9日、416頁。ISBN 4-87376-514-5 
  27. ^ 宇宙戦艦ヤマト2”. メディア芸術データベース. 文化庁. 2022年9月30日閲覧。
  28. ^ 鉄人28号”. トムス・エンタテインメント. 2022年5月24日閲覧。
  29. ^ 家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ”. 日本アニメーション. 2016年6月21日閲覧。
  30. ^ 最強ロボ ダイオージャ”. サンライズワールド. 2022年9月30日閲覧。
  31. ^ 戦国魔神ゴーショーグン”. メディア芸術データベース. 文化庁. 2022年9月30日閲覧。
  32. ^ 戦国魔神ゴーショーグン”. 葦プロダクション. 2022年3月9日閲覧。
  33. ^ アルプス物語 わたしのアンネット”. 日本アニメーション. 2016年6月18日閲覧。
  34. ^ CHARACTER”. 機甲界ガリアン 公式Web. 2022年9月30日閲覧。
  35. ^ ルパン三世 ヘミングウェイ・ペーパーの謎”. トムス・エンタテインメント. 2022年9月30日閲覧。
  36. ^ ユリシーズ31”. トムス・エンタテインメント. 2022年9月30日閲覧。
  37. ^ 魔犬ライナー0011変身せよ!|キャラクター/キャスト”. 東映アニメーション. 2024年2月24日閲覧。
  38. ^ 宇宙戦艦ヤマト 劇場版”. V-STORAGE. バンダイナムコフィルムワークス. 2022年9月30日閲覧。
  39. ^ さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち”. V-STORAGE. バンダイナムコフィルムワークス. 2022年9月30日閲覧。
  40. ^ ヤマトよ永遠に”. V-STORAGE. バンダイナムコフィルムワークス. 2022年9月30日閲覧。
  41. ^ 火の鳥2772 愛のコスモゾーン”. 手塚治虫公式サイト. 虫プロダクション. 2016年5月19日閲覧。
  42. ^ FUTURE WAR 198X年”. メディア芸術データベース. 文化庁. 2022年9月30日閲覧。
  43. ^ 宇宙戦艦ヤマト 完結編”. V-STORAGE. バンダイナムコフィルムワークス. 2022年9月30日閲覧。
  44. ^ ドラえもん のび太とふしぎ風使い”. メディア芸術データベース. 2022年9月30日閲覧。
  45. ^ CHARACTER”. 機甲界ガリアン 公式Web. 2022年9月30日閲覧。

外部リンク