幾何学において、等角共役(とうかくきょうやく、:isogonal conjugate,isogonal conjugation)は、三角形ABCと点Pについて、A, B, C角の二等分線で、直線PA, PB, PC鏡映した線の交点P*のこと、またはPP*の関係である。

  3本の角の二等分線内心 Iで交わる
  Pと各頂点を結ぶ直線
  青い線を角の二等分線で鏡映した線(等角共役線)、Pの等角共役点 P*で交わる
三角形の内側の点を等角共役による変換

A, B, Cの角の二等分線で、直線PA, PB, PCを鏡映した線(等角共役線、isogonal lines)が一点で交わることはチェバの定理の逆で示すことができる[1]Pに対して、P*を等角共役、または等角共役点と言う。P*の等角共役点はPである。

性質

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三線座標系で、  とする。ただし 頂点でないとする。 の等角共役点は である。 故に、Xの等角共役点はX –1で表されることもある。三角形の中心の集合Sで三線座標の積(trilinear product)は以下の式で定義される。

 

したがってSアーベル群として見ると、X逆元X –1である。

関数としての等角共役として、等角共役は直線にも適用できる。直線の等角共役は外接円錐曲線になる。直線が外接円とそれぞれ0,1,2点で交わるとき、その等角共役は楕円放物線双曲線となる[2]。例えばブロカール軸オイラー線の等角共役はそれぞれキーペルト双曲線ジェラベク双曲線である。外接円の等角共役は無限遠直線である。

幾つかの有名な三次曲線ノイベルグ三次曲線17点3次曲線McCay Cubic)はXX –1がともに線上にある三次曲線(自己等角共役、self-isogonal-conjugate)である[3]

他の定義

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等角共役点の2つ目の定義

PBC, CA, ABで鏡映した点をPa, Pb, Pcとする。円PaPbPcの中心はPの等角共役点である[4]。これはP垂足円の中心が、その等角共役点との中点となるためである。

一般化

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2021年、ダオ・タイン・オアイ(Dao Thanh Oai)は、等角共役の一般化を示した[5]

ABC外接円錐曲線Ω、そして点Pについて、AP,BP,CPΩが再び交わる点をそれぞれA',B',C'とする。A',B',C'を通るBC,CA,AB平行線Ωの第二交点をA",B",C"として、AA",BB",CC"は共点である。これをダオ共役(Dao conjugate)という[6]

Ωの中心XP重心座標をそれぞれx : y : z , p : q : r、としてPのダオ共役点は、 と表される。

X外心Ω外接円ならば等角共役、 X幾何中心Ωシュタイナー楕円ならば等長共役、XがX(1249)ならばpolar conjugateである[5]

関連

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参考文献

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  1. ^ 等角共役点とその証明”. 高校数学の美しい物語 (2021年3月7日). 2024年5月11日閲覧。
  2. ^ 齋藤輝. “等角共役とシムソン線の幾何学”. 角川ドワンゴ学園N/S高等学校研究部. 2024年5月12日閲覧。
  3. ^ homepage”. Catalogue_of_Triangle_Cubics. Bernard Gibert. 2024年5月11日閲覧。
  4. ^ Steve Phelps. “Constructing Isogonal Conjugates”. GeoGebra. GeoGebra Team. 17 January 2022閲覧。
  5. ^ a b César Eliud Lozada, Preamble before X(44687)Encyclopedia of Triangle Centers
  6. ^ Clark Kimberling. “Encyclopedia of Triangle Centers”. 2024年10月20日閲覧。

外部リンク

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