宇城市(うきし)は、熊本県下の人口約5万6000人のである。平成の大合併期の2005年平成17年)1月15日宇土郡三角町・不知火町と下益城郡松橋町・小川町・豊野町が合併して新設された。市名は、宇土市・宇土郡・下益城郡を合わせた県央地域の以前からの呼称である「宇城」に由来する。

うきし ウィキデータを編集
宇城市
宇城市旗 宇城市章
宇城市旗 宇城市章
日本の旗 日本
地方 九州地方
都道府県 熊本県
市町村コード 43213-0
法人番号 1000020432130 ウィキデータを編集
面積 188.67km2
総人口 55,106[編集]
推計人口、2024年10月1日)
人口密度 292人/km2
隣接自治体 熊本市宇土市上天草市八代市上益城郡甲佐町下益城郡美里町八代郡氷川町
市の木 サクラ
市の花 コスモス
市の鳥 ウグイス
宇城市役所
市長 守田憲史
所在地 869-0592
熊本県宇城市松橋町大野85番地
北緯32度38分52秒 東経130度41分03秒 / 北緯32.64778度 東経130.68428度 / 32.64778; 130.68428座標: 北緯32度38分52秒 東経130度41分03秒 / 北緯32.64778度 東経130.68428度 / 32.64778; 130.68428
外部リンク 公式ウェブサイト

宇城市位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町 / ― 村

地図
市庁舎位置
ウィキプロジェクト

地理

編集
 
市役所のある松橋地区の空中写真。
2016年4月16日撮影の8枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

熊本県の中央部に位置し、八代海北部沿岸から東の内陸部、宇土半島の南側・西側および半島西端部の南にある戸馳島をも市域とする。東西に長くて約31.2km、南北は約13.7キロkmである。

熊本市中心部から南へ約15kmの、旧松橋町を中心として南の旧小川町、西の旧不知火町にまたがるエリアに生活雑貨店、飲食店、遊楽街を形成している。市街から離れた東の旧豊野町、西端の旧三角町エリアは緑のあふれる農業地域である。

国道3号九州自動車道が市域を南北に貫通しており、自動車道には松橋インターチェンジからアクセスできる。

旧三角町エリアの三角港は、かつて熊本県の海の玄関口、天草諸島へ向かう航路の出発地として栄えた歴史があり、うち明治時代に築かれた三角西港は「明治の三大築港」の一つに数えられ、世界文化遺産明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業の構成要素になっている。

気候

編集
三角(1991年 - 2020年)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 20.8
(69.4)
23.9
(75)
26.1
(79)
29.9
(85.8)
31.8
(89.2)
36.0
(96.8)
37.0
(98.6)
38.3
(100.9)
36.7
(98.1)
32.9
(91.2)
28.8
(83.8)
24.8
(76.6)
38.3
(100.9)
平均最高気温 °C°F 10.3
(50.5)
11.7
(53.1)
15.1
(59.2)
20.4
(68.7)
24.9
(76.8)
27.1
(80.8)
31.1
(88)
32.6
(90.7)
28.9
(84)
23.8
(74.8)
18.1
(64.6)
12.6
(54.7)
21.4
(70.5)
日平均気温 °C°F 6.8
(44.2)
7.7
(45.9)
10.8
(51.4)
15.4
(59.7)
19.7
(67.5)
22.9
(73.2)
26.7
(80.1)
27.8
(82)
24.6
(76.3)
19.7
(67.5)
14.2
(57.6)
8.9
(48)
17.1
(62.8)
平均最低気温 °C°F 3.5
(38.3)
4.1
(39.4)
7.0
(44.6)
11.3
(52.3)
15.8
(60.4)
19.9
(67.8)
23.8
(74.8)
24.6
(76.3)
21.6
(70.9)
16.3
(61.3)
10.8
(51.4)
5.6
(42.1)
13.7
(56.7)
最低気温記録 °C°F −4.6
(23.7)
−4.6
(23.7)
−2.7
(27.1)
2.5
(36.5)
8.2
(46.8)
13.6
(56.5)
17.7
(63.9)
19.3
(66.7)
12.3
(54.1)
6.0
(42.8)
1.8
(35.2)
−2.2
(28)
−4.6
(23.7)
降水量 mm (inch) 59.8
(2.354)
79.6
(3.134)
113.9
(4.484)
136.3
(5.366)
154.3
(6.075)
402.4
(15.843)
318.1
(12.524)
181.6
(7.15)
174.1
(6.854)
99.8
(3.929)
84.9
(3.343)
64.5
(2.539)
1,869.2
(73.591)
平均降水日数 (≥1.0 mm) 7.3 8.4 10.5 10.1 9.5 15.0 11.3 9.6 9.1 7.0 7.8 7.6 113.0
平均月間日照時間 127.8 141.8 169.9 180.6 193.1 126.0 192.5 221.1 182.0 187.8 151.3 138.1 2,012.1
出典1:Japan Meteorological Agency
出典2:気象庁[1]

隣接している自治体・行政区

編集

地域

編集

人口

編集
 
宇城市と全国の年齢別人口分布(2005年) 宇城市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 宇城市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
宇城市(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 61,766人
1975年(昭和50年) 61,448人
1980年(昭和55年) 62,412人
1985年(昭和60年) 63,662人
1990年(平成2年) 63,401人
1995年(平成7年) 64,008人
2000年(平成12年) 63,968人
2005年(平成17年) 63,089人
2010年(平成22年) 61,878人
2015年(平成27年) 59,766人
2020年(令和2年) 57,032人
総務省統計局 国勢調査より

地名

編集

全域が旧町名のあとに従来の大字を続けている。

三角町
  • 大田尾
  • 波多
  • 三角浦
  • 郡浦(旧郡浦村)
  • 中村(旧郡浦村)
  • 前越(旧郡浦村)
  • 戸馳(旧戸馳村)
  • 大口(旧大岳村)
  • 里浦(旧大岳村)
  • 手場(旧大岳村)
不知火町
  • 永尾(旧松合町)
  • 大見(旧松合町)
  • 松合(旧松合町)
  • 浦上(旧不知火村)
  • 柏原(旧不知火村)
  • 亀松(旧不知火村)
  • 高良(旧不知火村)
  • 小曽部(旧不知火村)
  • 御領(旧不知火村)
  • 長崎(旧不知火村)
松橋町
  • 松橋
  • 浦川内(旧当尾村)
  • 大野(旧当尾村)
  • 久具(旧当尾村)
  • 古保山(旧当尾村)
  • 萩尾(旧当尾村)
  • 曲野(旧当尾村)
  • 浅川(旧豊川村)
  • 砂川(旧豊川村)
  • 豊崎(旧豊川村)
  • 東松崎(旧豊川村)
  • 南豊崎(旧豊川村)
  • 御船(旧豊川村)
  • 内田(旧豊福村)
  • 竹崎(旧豊福村)
  • 豊福(旧豊福村)
  • 西下郷(旧豊福村)
  • 両仲間(旧豊福村)
  • 松山(旧宇土町)
  • きらら1丁目〜3丁目(2003年、松橋・大野から分立)
小川町
  • 小川
  • 西北小川
  • 東小川
  • 南小川
  • 北海東(旧海東村)
  • 西海東(旧海東村)
  • 東海東(旧海東村)
  • 南海東(旧海東村)
  • 江頭(旧河江村)
  • 川尻(旧河江村)
  • 北新田(旧河江村)
  • 河江(旧河江村)
  • 新田(旧河江村)
  • 新田出(旧河江村)
  • 住吉(旧河江村)
  • 南新田(旧河江村)
  • 北小野(旧小野部田村)
  • 北部田(旧小野部田村)
  • 中小野(旧小野部田村)
  • 南小野(旧小野部田村)
  • 南部田(旧小野部田村)
  • 不知火(1973年、干拓地より発足)
豊野町
  • 糸石
  • 上郷
  • 下郷
  • 巣林
  • 中間
  • 安見
  • 山崎

歴史

編集

近現代

編集
  • 1874年(明治7年) - 亀松村・西松崎村→亀松村
  • 1879年(明治12年) - 南新田村・新田村・住吉村・新田出村・川尻村→南新田村
  • 1889年(明治22年)4月1日 - 町村制施行により、現在の市域にあたる以下の村が発足。
    • 宇土郡
      • 大田尾村(一村単独村政)
      • 三角浦村(一村単独村政)
      • 波多村(一村単独村政)
      • 中村(中村、前越村)
      • 郡浦村(一村単独村政)
      • 戸馳村(一村単独村政)
      • 大岳村(里浦村、大口村、手場村)
      • 長崎村(長崎村、亀松村)
      • 不知火村(浦上村、御領村、柏原村、小曽部村、伊牟田村)
      • 高良村(一村単独村政)
      • 松合村(松合村、大見村、永尾村)
    • 下益城郡
      • 松橋町(松橋村)
      • 当尾村(浦川内村、曲野村、古保山村、萩尾村、久具村、大野村)
      • 豊福村(豊福村、内田村、両仲間村、西下郷村、竹崎村)
      • 豊川村(浅川村、御船村、豊崎村、南豊崎村、東松崎村、砂川村)
      • 小川町(小川村、西北小川村、東小川村、南小川村)
      • 河江村(南新田村、北新田村、江頭村、河江村)
      • 小野部田村(中小野村、北小野村、東小野村、南部田村、北部田村)
      • 海東村(東海東村、西海東村、北海東村、南海東村)
      • 豊野村(安見村、山崎村、下郷村、中間村、上郷村、糸石村、巣林村)
  • 1899年(明治32年)3月30日
    • 【新設合併】大田尾村・三角浦村・波多村→三角村
    • 【新設合併】長崎村・不知火村・高良村→不知火村
  • 1899年(明治32年)4月1日 - 【編入】中村→郡浦村へ
  • 1902年(明治35年)9月26日 - 【町制施行】三角村→三角町
  • 1916年(大正5年)5月1日 - 【町制施行】松合村→松合町
  • 1954年(昭和29年)10月1日 - 【一部編入】不知火村大字伊無田→宇土市
  • 1954年(昭和29年)12月1日 - 【新設合併】松橋町・当尾村・豊福村・豊川村→松橋町
  • 1955年(昭和30年)2月1日 - 【新設合併】三角町・郡浦村・戸馳村・大岳村→三角町
  • 1955年(昭和30年)4月1日 - 【新設合併】河江村・小野部田村→益南村
  • 1956年(昭和31年)9月30日 - 【新設合併】不知火村・松合町→不知火町
  • 1958年(昭和33年)3月31日 - 【新設合併】小川町・益南村・海東村→小川町
  • 1990年(平成2年)3月1日 - 下益城郡松橋町と同郡豊野村が境界変更。
  • 1999年(平成11年)9月24日 - 台風18号が県内に上陸。不知火町では高潮被害で12人の死者を出す。
  • 2000年(平成12年)7月1日 - 【町制施行】豊野村→豊野町
  • 2005年(平成17年)1月15日 - 【新設合併・市制施行】宇土郡三角町・不知火町、下益城郡松橋町・小川町・豊野町→宇城市

市名の由来

編集

一般公募によるもの。最終候補として「宇城」「うき」「中九州」「肥後」に絞られたが、宇土市・宇土郡・下益城郡は総称して「宇城地区」と呼ばれており、馴染み深いということで「宇城市」となった。

行政

編集

市役所

編集

宇城市の公共施設

編集

国の機関

編集

県の機関

編集
  • 宇城地域振興局(松橋町)
  • こども総合療育センター(松橋町)
  • 宇城警察署(松橋町)
  • 三角港管理事務所(三角町)

経済

編集

2007年度の市内総生産は1869億円である。これはモルディブブータン国内総生産よりも大きい。

宇城市に本社を置く主要企業

編集

交通

編集
 
三角港フェリーターミナル (東港)

鉄道路線

編集

市の中心となる駅:松橋駅

九州旅客鉄道(JR九州)

バス路線

編集

一般路線バス

編集

松橋からは熊本市八代市美里町砥用)などに向けて運行する。

三角からは宇土市上天草市天草市・熊本市(快速あまくさ号)方面へ路線が延びる。また、松橋 - 松合 - 三角間の路線もある。

  • 熊本バス
    • 松橋駅及び豊野地区から城南町を経て熊本市内への路線があるが便数は少ない。

高速バス

編集

道路

編集
高速道路
一般国道
県道(主要地方道)
道の駅

港湾

編集

教育

編集

2006年度(同年4月から)からは「国際理解教育特区」として

  • 「英会話科」の新設(小学校1年~中学校3年)。
  • 小中学校9年間を見通した「生活科」「総合的な学習の時間」の中での「伝統・食文化」の学習。
  • 中学校の選択教科に「中国語」の導入

に取り組んでいる。また、翌2007年には市内すべての小中学校に前・後期の2学期制を導入した。

高等学校

編集

中学校

編集
市立

小学校

編集

太字の学校は標準服が存在している。

市立

特別支援学校

編集

名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

編集
 
竹崎季長の菩提寺である塔福寺
 
不知火美術館・図書館
 
松合土蔵白壁群
 
松橋大塚古墳
  • 浄水寺跡(豊野町下郷)
  • 御手洗水源(豊野町下郷)
  • 郡浦神社(三角町郡浦)
  • 守山八幡宮(小川町南部田)
  • 豊福阿蘇神社(松橋町豊福)
  • 松橋神社(松橋町松橋)
  • 寄田神社(松橋町久具) - 高群逸枝の歌碑。
  • 海東阿蘇神社(小川町海東)
  • 小川阿蘇神社(小川町小川)
  • 永尾神社(不知火町永尾)
  • 小熊野神社(豊野町上郷)
  • 三宝寺(小川町南部田) - 鉄眼禅師創建の寺院。
  • 塔福寺(小川町東海東) - 竹崎季長の菩提寺。
  • 正覚寺(小川町西海東)
  • 摂取寺(小川町北部田)
  • 妙法寺(不知火町)
  • 岡岳山(松橋町松山)
  • みすみフラワーアイランド(三角町戸馳)
  • 若宮海水浴場(三角町戸馳)
  • 大田尾海水浴場(三角町大田尾)
  • チンパンジー・サンクチュアリ・宇土(三角町大田尾)
  • 三角西港 - 明治日本の産業革命遺産
    • 石積埠頭(三角町西港)
    • 旧高田回漕店(三角町西港)
    • 法の館(三角町西港)
    • ムルドルハウス(三角町西港)
    • 三角西港築港記念館(三角町西港)
    • 龍驤館(三角町西港)
  • 天翔台(三角町東港)
  • 海のピラミッド(三角町東港)
  • みすみフィッシャーマンズワーフ(三角町東港)
  • 石打ダム親水公園(三角町波多)
  • 石打ダム資料館(三角町波多)
  • みかん園(三角町波多)
  • 金桁鉱泉(三角町郡浦)
  • 小田良古墳(三角町小田良)
  • 大見石畳公園(不知火町大見)
  • 松合土蔵白壁群(不知火町松合)
  • 松合郷土資料館(不知火町松合)
  • 松合ビジターセンター(不知火町松合)
  • まっちゃ朝市(不知火町松合、毎月第3日曜日)
  • 不知火(不知火町永尾) - 八代海で起きる蜃気楼
  • 海の火まつり{旧暦8月1日(八朔)の前日}
  • 不知火温泉ふるさと交流センター - ロマンの湯(道の駅不知火に併設)
  • 不知火美術館(不知火町高良)
  • 松橋大塚古墳(松橋町前田)

出身著名人

編集

太字は故人

政治家・官僚・軍人

編集

実業・経済

編集

文化・教育

編集

芸能・音楽

編集

マスコミ

編集

スポーツ

編集

宗教家

編集

ゆかりのある著名人

編集

★は故人

脚注

編集
  1. ^ 三角 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2024年3月24日閲覧。
  2. ^ 市議会の概要”. 2018年12月11日閲覧。
  3. ^ a b 正確な所在地は「八代郡氷川町高塚」

外部リンク

編集