名古屋都市圏
名古屋都市圏(なごやとしけん)とは、愛知県名古屋市を中心市とする都市圏のことである。域内総生産は約22.5兆円とされる[1]、東京都市圏、大阪都市圏に次ぐ規模を誇る。愛知県・岐阜県・三重県の東海3県に跨る範囲に広がる。2010年から2015年にかけて都市圏が急拡大しているが岡崎市や安城市、西尾市を初めとして100万人以上の地域で通勤率は10%を下回っている。このようになった理由は東海市のDID人口が10万人を超えて刈谷市や半田市と同様に副中心の条件を満たし、そこから通勤率の条件を満たした安城市が同様に名古屋都市圏の副中心になり、それにより通勤率の条件を満たした岡崎市や西尾市を始めとする他の市町村が名古屋都市圏に入ったためである[3]。
名古屋都市圏 | |
---|---|
名古屋駅周辺の高層ビル群 | |
北緯35度10分 東経136度54分 / 北緯35.167度 東経136.900度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | |
中心都市 | |
面積 (2015)[1] | |
• 合計 | 3,764.83 km2 |
人口 (2015)[2] | |
• 合計 | 6,871,632人 |
域内総生産 | (2010)[1] |
- 名目 | 22兆4971億円 |
定義
編集名古屋市を中心とする都市圏としては以下の他に、総務省の定義による都市圏 (総務省)の中京大都市圏がある。
国土交通省
編集都市間の距離が20km以内であり、人口10万人以上で昼夜間人口比率が1以上である名古屋市と小牧市を核都市として名古屋・小牧都市圏を規定する。2都市への通勤通学者が、全通勤通学者の5%以上または500人以上である市町村を範囲とする[4]。
都市雇用圏
編集2015年の国勢調査基準では、名古屋市と小牧市、半田市、東海市、刈谷市、安城市を中心都市とする38市19町1村で構成され、人口は6,871,632人[5]である。また、2023年4月1日現在の推計人口は6,869,831人である。
中心都市は1990年まで名古屋市のみ、1995年以降は名古屋市と小牧市の2市が、2015年以降は名古屋市と小牧市に加え、半田市と東海市、刈谷市、安城市の6市が設定される。経済産業省等で用いられる[6]。
上記6市への通勤率が最も高い自治体は愛知県阿久比町の44.9%であり、以下の表は通勤率が上位10の自治体である。
順位 | 県 | 自治体 | 通勤率 |
---|---|---|---|
1 | 愛知県 | 阿久比町 | 44.9% |
2 | 愛知県 | 大治町 | 44.8% |
3 | 愛知県 | 知多市 | 43.3% |
4 | 愛知県 | 知立市 | 42.3% |
5 | 愛知県 | 長久手市 | 40.5% |
6 | 愛知県 | 清須市 | 40.2% |
7 | 愛知県 | 大府市 | 39.9% |
8 | 愛知県 | 岩倉市 | 39.7% |
9 | 愛知県 | 尾張旭市 | 39.4% |
10 | 愛知県 | 蟹江町 | 38.7% |
変遷
編集- 都市雇用圏(10% 通勤圏)を構成しない自治体は、各統計年の欄で灰色かつ「-」で示す。太文字は中心都市。
県 | 自治体 ('80) |
1980年 | 1990年 | 1995年 | 2000年 | 2005年 | 2010年 | 2015年 | 自治体 ('15) |
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岐阜県 | 各務原市 | 岐阜 都市圏 71万1981人 |
岐阜 都市圏 80万8103人 |
岐阜 都市圏 81万8302人 |
岐阜 都市圏 82万0848人 |
岐阜 都市圏 83万0623人 |
岐阜 都市圏 83万1430人 |
岐阜 都市圏 82万3219人 |
各務原市 |
川島町 | 名古屋 都市圏 453万8832人 |
名古屋 都市圏 508万6551人 |
名古屋 都市圏 521万3519人 |
名古屋 都市圏 531万8500人 | |||||
多治見市 | 名古屋 都市圏 523万4770人 |
名古屋 都市圏 549万0453人 |
名古屋 都市圏 687万1632人 |
多治見市 | |||||
笠原町 | |||||||||
可児町 | 可児市 | ||||||||
兼山町 | |||||||||
御嵩町 | 御嵩町 | ||||||||
美濃加茂市 | - | 美濃加茂市 | |||||||
坂祝町 | - | 坂祝町 | |||||||
八百津町 | - | 八百津町 | |||||||
川辺町 | - | 川辺町 | |||||||
七宗町 | - | 七宗町 | |||||||
富加町 | 関 都市圏 9万6410人 |
関 都市圏 10万5006人 |
関 都市圏 11万6036人 |
関 都市圏 11万3916人 |
- | 関 都市圏 11万4047人 |
富加町 | ||
南濃町 | 名古屋 都市圏 | 名古屋 都市圏 | 名古屋 都市圏 | 名古屋 都市圏 | - | - | - | 海津市 | |
平田町 | - | - | - | - | |||||
海津町 | - | - | - | - | |||||
瑞浪市 | - | - | 土岐 都市圏 11万3314人 |
土岐 都市圏 11万1069人 |
土岐 都市圏 10万4167人 |
名古屋 都市圏 549万0453人 |
名古屋 都市圏 687万1632人 |
瑞浪市 | |
土岐市 | 土岐 都市圏 6万5035人 |
土岐 都市圏 6万4940人 |
土岐市 | ||||||
愛知県 | 名古屋市 | 名古屋 都市圏 453万8832人 |
名古屋 都市圏 508万6551人 |
名古屋 都市圏 521万3519人 |
名古屋 都市圏 531万8500人 |
名古屋 都市圏 523万4770人 |
名古屋市 | ||
一宮市 | 一宮市 | ||||||||
尾西市 | |||||||||
木曽川町 | |||||||||
瀬戸市 | 瀬戸市 | ||||||||
春日井市 | 春日井市 | ||||||||
津島市 | 津島市 | ||||||||
犬山市 | 犬山市 | ||||||||
江南市 | 江南市 | ||||||||
小牧市 | 小牧市 | ||||||||
稲沢市 | 稲沢市 | ||||||||
祖父江町 | |||||||||
平和町 | |||||||||
東海市 | 東海市 | ||||||||
大府市 | 大府市 | ||||||||
知多市 | 知多市 | ||||||||
尾張旭市 | 尾張旭市 | ||||||||
岩倉市 | 岩倉市 | ||||||||
豊明市 | 豊明市 | ||||||||
日進町 | 日進市 | ||||||||
西枇杷島町 | 清須市 | ||||||||
清洲町 | |||||||||
新川町 | |||||||||
春日村 | |||||||||
師勝町 | 北名古屋市 | ||||||||
西春町 | |||||||||
弥富町 | 弥富市 | ||||||||
十四山村 | |||||||||
七宝町 | あま市 | ||||||||
甚目寺町 | |||||||||
美和町 | |||||||||
長久手町 | 長久手市 | ||||||||
東郷町 | 東郷町 | ||||||||
豊山町 | 豊山町 | ||||||||
大口町 | 大口町 | ||||||||
扶桑町 | 扶桑町 | ||||||||
大治町 | 大治町 | ||||||||
蟹江町 | 蟹江町 | ||||||||
飛島村 | 飛島村 | ||||||||
東浦町 | 東浦町 | ||||||||
佐屋町 | 愛西市 | ||||||||
佐織町 | |||||||||
立田村 | |||||||||
八開村 | - | ||||||||
常滑市 | 常滑 都市圏 5万4341人 |
常滑市 | |||||||
阿久比町 | 名古屋 都市圏 | 半田 都市圏 20万7697人 |
半田 都市圏 21万1880人 |
阿久比町 | |||||
半田市 | 半田 都市圏 14万4056人 |
半田市 | |||||||
武豊町 | 武豊町 | ||||||||
美浜町 | 美浜町 | ||||||||
南知多町 | - | - | - | - | - | - | 南知多町 | ||
岡崎市 | 岡崎 都市圏 29万7401人 |
岡崎 都市圏 34万7301人 |
岡崎 都市圏 36万4689人 |
岡崎 都市圏 37万9118人 |
岡崎 都市圏 39万9403人 |
岡崎 都市圏 41万0287人 |
岡崎市 | ||
額田町 | |||||||||
幸田町 | 幸田町 | ||||||||
碧南市 | 碧南 都市圏 6万2014人 |
碧南 都市圏 6万5743人 |
碧南 都市圏 6万6956人 |
碧南 都市圏 6万7812人 |
碧南 都市圏 7万1408人 |
碧南 都市圏 7万2018人 |
碧南市 | ||
刈谷市 | 刈谷 都市圏 13万7173人 |
刈谷 都市圏 20万7245人 |
刈谷 都市圏 21万9863人 |
刈谷 都市圏 23万2726人 |
刈谷 都市圏 24万9570人 |
刈谷 都市圏 25万8206人 |
刈谷市 | ||
高浜市 | 高浜市 | ||||||||
知立市 | 名古屋 都市圏 | 知立市 | |||||||
安城市 | 安城 都市圏 12万3840人 |
安城 都市圏 14万2165人 |
安城 都市圏 14万9460人 |
安城 都市圏 15万8744人 |
安城 都市圏 17万0250人 |
安城 都市圏 17万8691人 |
安城市 | ||
西尾市 | 西尾 都市圏 13万2419人 |
西尾 都市圏 14万1904人 |
西尾 都市圏 15万8673人 |
西尾 都市圏 14万6751人 |
西尾 都市圏 16万3232人 |
西尾 都市圏 16万5298人 |
西尾市 | ||
一色町 | |||||||||
吉良町 | |||||||||
幡豆町 | 蒲郡 都市圏 | - | 蒲郡 都市圏 | ||||||
三重県 | 木曽岬村 | 名古屋 都市圏 453万8832人 |
名古屋 都市圏 508万6551人 |
名古屋 都市圏 521万3519人 |
名古屋 都市圏 531万8500人 |
名古屋 都市圏 523万4770人 |
名古屋 都市圏 549万0453人 |
木曽岬町 | |
長島町 | 桑名市 | ||||||||
桑名市 | |||||||||
多度町 | |||||||||
東員町 | 東員町 | ||||||||
員弁町 | - | いなべ市 | |||||||
藤原町 | - | - | - | ||||||
北勢町 | - | - | - | ||||||
大安町 | 四日市 都市圏 52万2233人 |
四日市 都市圏 56万6934人 |
四日市 都市圏 59万0266人 |
四日市 都市圏 60万6071人 |
沿革
編集- 岐阜県
- 2004年11月1日 - 各務原市+羽島郡川島町=各務原市(編入)
- 2005年3月28日 - 海津郡海津町+平田町+南濃町=海津市(新設/市制)
- 2005年5月1日 - 可児市+可児郡兼山町=可児市(編入)
- 2006年1月23日 - 多治見市+土岐郡笠原町=多治見市(編入)
- 愛知県
- 2005年4月1日 - 一宮市+尾西市+葉栗郡木曽川町=一宮市(編入)
- 2005年7月7日 - 西春日井郡西枇杷島町+清洲町+新川町=清須市(新設/市制)
- 2006年3月20日 - 西春日井郡師勝町+西春町=北名古屋市(新設/市制)
- 2006年4月1日 - 海部郡十四山村+弥富町=弥富市(編入/市制)
- 2009年10月1日 - 清須市+春日町=清須市(編入)
- 2010年3月20日 - 海部郡七宝町+美和町+甚目寺町=あま市(新設/市制)
- 2012年1月4日 - 愛知郡長久手町が市制施行=長久手市
- 三重県
脚注
編集- ^ a b c 金本良嗣. “2010年 大都市雇用圏統計データ”. 東京大学空間情報科学研究センター. 2016年11月12日閲覧。
- ^ 金本良嗣. “都市雇用圏コード表”. 東京大学空間情報科学研究センター. 2019年3月22日閲覧。
- ^ “指定都市における通勤・通学10%圏”. 総務省. 2024年3月24日閲覧。
- ^ “都市・地域レポート2005(概要)”. 国土交通省. 2016年11月18日閲覧。
- ^ “都市雇用圏-Urban Employment Area-”. www.csis.u-tokyo.ac.jp. 2019年3月27日閲覧。
- ^ “平成26年度総合調査研究(地域経済の将来動向分析に関する調査研究)”. 経済産業省. 2016年11月6日閲覧。[リンク切れ]