オリバー・ラスムッセン

デンマークのレーシングドライバー

オリバー・ラスムッセン(Oliver Rasmussen、2000年11月6日 - )は、デンマークレーシングドライバー

オリバー・ラスムッセン
2023年
基本情報
国籍  デンマーク
生年月日 (2000-11-06) 2000年11月6日(24歳)
出身地 フランスの旗 フランス
グラース
WECでの経歴
デビュー 2022
所属 ハーツ・チーム・ジョタ
車番 28
出走回数 21
優勝回数 1
ポールポジション 0
ファステストラップ 0
シリーズ最高順位 6位 (2023)
過去参加シリーズ
2021-2022
2020
2020
201819
2019
FIA F3選手権
FR・ヨーロピアン
トヨタ・レーシング・シリーズ
イタリアF4選手権
ADAC・フォーミュラ4

経歴

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フォーミュラ4

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2018年、イェンツァー・モータースポーツ英語版から「イタリアF4選手権英語版」でレースデビュー[1]。最高位はミサノラウンド・レース2で記録した8位(ランキング24位)。

2019年、プレマ・パワーチームから復帰し、イモララウンドでのポールポジションや4位3回入賞、最終戦モンツァ・レース1とレース3で3位表彰台を獲得し、ランキング7位[2]。イタリアF4と同時にプレマから「ADAC・フォーミュラ4選手権英語版」に参戦[3]。開幕戦オッシャースレーベンでは、チームメイトのポール・アロンに接触してダメージを負いリタイアしたが、その後のレースでいくつかの好成績とポイントを獲得し、第4戦ザントフォールトではデニス・ハウガーとジャンルカ・ペテコフが接触したことにより、キャリアハイとなる2位表彰台を獲得した[4]。その後第5戦ニュルブルクリンクでも3位表彰台に上がり、ランキングではジョシュア・デュルクセン英語版に次ぐ12位。

トヨタ・レーシング・シリーズ

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2020年、mテック・モータースポーツ英語版から「トヨタ・レーシング・シリーズ英語版」に参戦[5]。表彰台2回、ファステストラップ1回を記録し、158ポイントでランキング11位(最高位は2位)。

フォーミュラ3

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レッドブル・リンクでのラスムッセン

2021年HWA・レースラボ英語版から「FIA フォーミュラ3選手権英語版」に昇格。チームメイトはマッテオ・ナニーニラファエル・ヴィラゴメス英語版[6]。シーズンを通してポイントを獲得することができず、ランキング25位(ノーポイント)。最高位はザントフォールトで記録したスプリントレース2での12位。

シーズン後のテストではチャロウズ・レーシング・システム英語版ARTグランプリで走行したが、2022年にはどちらのチームとも契約せず、FIA 世界耐久選手権に参戦[7][8][9]。しかし2022年4月4日、ジョニー・エドガー英語版が選手権から離脱したことを受けて、第2戦イモラからトライデント英語版に加入することが発表された[10]。復帰初戦で7位に入り、初入賞を記録した[11]バルセロナラウンドまで参戦し、シルバーストンではエドガーが復帰した[12]。最終的には4ポイント獲得しランキング22位となった[13]

スポーツカーレース

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2022年1月12日、ジョタに加入し、FIA 世界耐久選手権エド・ジョーンズ英語版ジョナサン・アバーディン英語版と共に28号車をドライブすると発表した[14][15]ル・マン24時間レースではLMP2クラス3位に入り、表彰台を獲得した[16][17]富士6時間レースで3位を獲得し、チームランキング6位となった。

2023年に引き続きジョタから参戦し、ピエトロ・フィッティパルディデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンと組んだ[18]。シーズン前半にトップ10以内で3回フィニッシュした後、28号車のクルーはル・マン24時間レースを前に2位で予選を通過した[19]。しかし、夕方に最前線付近を走行していたラスムッセンは車線を外れてバリアに接触し、車の前部を損傷して優勝戦線から脱落した[20]。4時間後、フィッティパルディはミュルザンヌシケインで他車との接触によりグラベルに閉じ込められた影響もあり、クラス13位で終えた[21][22]

ハイライトはモンツァでのレースで、ハイネマイヤー・ハンソンがステアリングを握り、レースの大半をトップで走り、ラスムッセンがファビオ・シェーラー英語版をパスして3位に浮上した。トップを走るWRTがレース終了30分前にリタイアを余儀なくされたため、フィッティパルディがトップチェッカーを受け、ラスムッセンにスポーツカーレースでの初勝利をもたらした[23][24][25]。最終戦バーレーンでも表彰台を獲得した。28号車のクルーはプレマ9号車がGTカーと追突した事故の恩恵を受けた[26][27]。チームランキングは6位[28]

2024年もジョタに所属し、ジェンソン・バトンフィリップ・ハンソンと共にハイパーカークラスに参戦[29]

スーパーフォーミュラ

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2025年TEAM IMPULよりスーパーフォーミュラに参戦予定[30]

レース戦績

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略歴

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シリーズ チーム レース 優勝 PP FL 表彰台 ポイント 順位
2018 イタリアF4選手権 イェンツァー・モータースポーツ 20 0 0 0 0 4 24位
2019 イタリアF4選手権 プレマ・パワーチーム 21 0 2 1 2 126 7位
ADAC・フォーミュラ4選手権 20 0 0 0 2 76 12位
2020 フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン・チャンピオンシップ プレマ・パワーチーム 23 6 5 3 13 343 3位
トヨタ・レーシング・シリーズ mテック・モータースポーツ 15 0 0 1 2 158 11位
2021 FIA フォーミュラ3選手権 HWA・レースラボ 20 0 0 0 0 0 25位
2022 FIA 世界耐久選手権 - LMP2 Jota 6 0 0 0 2 70 8位
ル・マン24時間レース - LMP2 1 0 0 0 0 N/A 3位
IMSA スポーツカー選手権 - LMP2 G-ドライブ・レーシング・バイ・ APR 1 0 0 0 0 0 NC†
FIA フォーミュラ3選手権 トライデント 4 0 0 0 0 4 22位
2023 FIA 世界耐久選手権 - LMP2 Jota 7 1 1 0 2 84 6位
ル・マン24時間レース - LMP2 1 0 0 0 0 N/A 13位
2023-24 アジアン・ル・マン・シリーズ - LMP2 デュケーヌ・チーム 3 0 0 0 0 6 15位
2024 FIA 世界耐久選手権 - ハイパーカー ハーツ・チーム・ジョタ 8 0 0 0 0 28 19位
2025 スーパーフォーミュラ TEAM IMPUL 0 0 0 0 0 0 TBD
  • ゲストドライバーとしての参戦の為、ポイント対象外。

イタリアF4選手権

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チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 順位 ポイント
2018年 イェンツァー・モータースポーツ ADR
1

18
ADR
2

Ret
ADR
3

18
LEC
1

14
LEC
2

19
LEC
3

17
MNZ
1

11
MNZ
2

Ret
MNZ
3

Ret
MIS
1

Ret
MIS
2

8
MIS
3

Ret
IMO
1

18
IMO
2

Ret
IMO
3

20
VLL
1

14
VLL
2

19
VLL
3

14
MUG
1

13
MUG
2

Ret
MUG
3

25
24位 4
2019年 プレマ・パワーチーム VLL
1

6
VLL
2

14
VLL
3

7
MIS
1

5
MIS
2

4
MIS
3

C
HUN
1

30
HUN
2

6
HUN
3

6
RBR
1

10
RBR
2

Ret
RBR
3

11
IMO
1

Ret
IMO
2

8
IMO
3

11
IMO
4

4
MUG
1

4
MUG
2

10
MUG
3

6
MNZ
1

3
MNZ
2

7
MNZ
3

3
7位 126

ADAC・フォーミュラ4選手権

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チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 順位 ポイント
2019年 プレマ・パワーチーム OSC
1

Ret
OSC
2

12
OSC
3

5
RBR
1

9
RBR
2

10
RBR
3

8
HOC
1

7
HOC
2

11
ZAN
1

14
ZAN
2

2
ZAN
3

9
NÜR
1

12
NÜR
2

6
NÜR
3

3
HOC
1

9
HOC
2

8
HOC
3

Ret
SAC
1

14
SAC
2

12
SAC
3

12
12位 76

トヨタ・レーシング・シリーズ

編集
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 DC ポイント
2020年 mテック・モータースポーツ HIG
1

6
HIG
2

2
HIG
3

17
TER
1

13
TER
2

11
TER
3

Ret
HMP
1

6
HMP
2

3
HMP
3

9
PUK
1

8
PUK
2

11
PUK
3

11
MAN
1

12
MAN
2

12
MAN
3

12
11位 158

フォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン・チャンピオンシップ

編集
チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 順位 ポイント
2020年 プレマ・パワーチーム MIS
1

1
MIS
2

3
MIS
3

3
LEC
1

6
LEC
2

5
LEC
3

4
RBR
1

3
RBR
2

1
RBR
3

3
MUG
1

3
MUG
2

6
MUG
3

3
MNZ
1

4
MNZ
2

1
MNZ
3

4
CAT
1

1
CAT
2

1
CAT
3

5
IMO
1

DNS
IMO
2

6
IMO
3

6
VLL
1

3
VLL
2

C
VLL
3

1
3位 343

FIA フォーミュラ3選手権

編集
エントラント 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 DC ポイント
2021年 HWA・レースラボ CAT
1

Ret
CAT
2

19
CAT
3

17
LEC
1

17
LEC
2

21
LEC
3

22
RBR
1

26
RBR
2

16
RBR
3

22
HUN
1

18
HUN
2

28
HUN
3

21
SPA
1

20
SPA
2

21
SPA
3

17
ZAN
1

18
ZAN
2

12
ZAN
3

26
SOC
1

Ret
SOC
2

C
SOC
3

25†
25位 0
2022年 トライデント BHR
SPR
BHR
FEA
IMO
SPR

7
IMO
FEA

Ret
CAT
SPR

16
CAT
FEA

14
SIL
SPR
SIL
FEA
RBR
SPR
RBR
FEA
HUN
SPR
HUN
FEA
SPA
SPR
SPA
FEA
ZAN
SPR
ZAN
FEA
MNZ
SPR
MNZ
FEA
22位 4

IMSA スポーツカー選手権

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エントラント クラス 車両 エンジン 1 2 3 4 5 6 7 順位 ポイント
2022年 G-ドライブ・レーシング・バイ・APR LMP2 オーラス・01 ギブソン GK428 V8 DAY
5
SEB LGA MDO WGL ELK PET NC† 0

FIA 世界耐久選手権

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エントラント クラス シャシー エンジン 1 2 3 4 5 6 7 8 順位 ポイント
2022年 Jota LMP2 オレカ・07 ギブソン GK428 4.2 L V8 SEB
5
SPA
Ret
LMS
3
MNZ
10
FUJ
3
BHR
7
8位 70
2023年 Jota LMP2 オレカ・07 ギブソン GK428 4.2 L V8 SEB
5
ALG
7
SPA
9
LMS
9
MNZ
1
FUJ
6
BHR
3
6位 84
2024年 ハーツ・チーム・ジョタ ハイパーカー ポルシェ・963 ポルシェ 9RD 4.6 L Turbo V8 QAT
NC
IMO
11
SPA
Ret
LMS
9
SÃO
7
COA
10
FUJ
6
BHR
7
19位 28

ル・マン24時間レース

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チーム コ・ドライバー 車両 クラス 周回数 順位 クラス
順位
2022年   Jotaスポーツ   ジョナサン・アバーディン
  エド・ジョーンズ
オレカ・07-ギブソン LMP2 368 7位 3位
2023年   Jotaスポーツ   ピエトロ・フィッティパルディ
  デイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソン
オレカ・07-ギブソン LMP2 316 24位 13位
2024年   ハーツ・チーム・ジョタ   ジェンソン・バトン
  フィリップ・ハンソン
ポルシェ・963 ハイパーカー 311 9位 9位

アジアン・ル・マン・シリーズ

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チーム クラス シャシー エンジン 1 2 3 4 5 順位 ポイント
2023年-24年 デュケーヌ・チーム LMP2 オレカ・07 ギブソン GK428 4.2 L V8 SEP
1

11
SEP
2

7
DUB
1

Ret
ABU
1
ABU
2
15位 6

スーパーフォーミュラ

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チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 DC ポイント
2025年 TEAM IMPUL SUZ
SUZ
MOT
MOT
AUT
FUJ
FUJ
SUG
FUJ
FUJ
SUZ
SUZ
TBD TBD

脚注

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  1. ^ Allen, Peter (April 4, 2018). “Jenzer Motorsport to field six drivers in Italian F4”. April 4, 2018閲覧。
  2. ^ Waring, Bethonie (October 6, 2019). “Dennis Hauger takes Italian F4 title with another Mugello victory”. October 6, 2019閲覧。
  3. ^ Oliver Rasmussen joins Prema for 2019 Italian and ADAC F4 Championships”. us10.campaign-archive.com. 2024-1228閲覧。
  4. ^ Wood, Elliot (August 11, 2019). “Aron wins at Zandvoort, Pourchaire extends ADAC F4 lead”. August 11, 2019閲覧。
  5. ^ Oliver Rasmussen”. Toyota NZ. 2024年12月28日閲覧。
  6. ^ Rasmussen completes HWA Racelab's Formula 3 line-up”. motorsportweek.com (5 February 2021). 5 February 2021閲覧。
  7. ^ FIA Formula 3 returns to action with post-season testing in Valencia” (英語). FIA_Formula 3® - The Official F3® Website (31 October 2021). 8 October 2022閲覧。
  8. ^ Valencia Post-season testing Day 2 entry list” (英語). FIA_Formula 3® - The Official F3® Website (1 November 2021). 8 October 2022閲覧。
  9. ^ Valencia Post-season testing Day 3 entry list” (英語). FIA_Formula 3® - The Official F3® Website (2 November 2021). 8 October 2022閲覧。
  10. ^ Edgar to be replaced by Rasmussen at Trident due to health reasons”. FIAFormula3® - The Official F3® Website. 2024年12月28日閲覧。
  11. ^ Rasmussen pleased with first points on F3 return” (英語). FIA_Formula 3® - The Official F3® Website (23 April 2022). 8 October 2022閲覧。
  12. ^ Jonny Edgar returns with Trident at Silverstone” (英語). FIA_Formula 3® - The Official F3® Website (24 June 2022). 27 July 2022閲覧。
  13. ^ Driver Standings for the FIA Formula 3 2022 Championship” (英語). FIA_Formula 3® - The Official F3® Website. 8 October 2022閲覧。
  14. ^ JOTA revamps line-up for #28 car”. motorsportweek.com (12 January 2022). 12 January 2022閲覧。
  15. ^ Studenkov, Alexander (2022年6月9日). “The 2021 feeder series graduates racing in the 24 Hours of Le Mans” (英語). F1 Feeder Series. 2022年11月14日閲覧。
  16. ^ Le Mans 24h: Toyota takes fifth straight win as rivals falter” (英語). www.motorsport.com (12 June 2022). 2022年11月13日閲覧。
  17. ^ Euwema, Davey (12 June 2022). “JOTA Takes LMP2 Honors at Le Mans With Commanding Run – Sportscar365” (英語). sportscar365.com. 2022年11月14日閲覧。
  18. ^ JOTA Confirm 2023 WEC LMP2 Trio | dailysportscar.com”. www.dailysportscar.com. 2023年2月7日閲覧。
  19. ^ Ferrari Scores Historic Front-Row Lockout In Le Mans Hyperpole”. www.dailysportscar.com. 2023年9月29日閲覧。
  20. ^ 2023 LM24, Hour 7: Rain, Pavement & Tarmac Become Black Terror”. www.dailysportscar.com. 2023年9月29日閲覧。
  21. ^ 2023 LM24, Hour 10: Peugeot Leads, Ferrari #50 Suffers Mechanical Drama”. www.dailysportscar.com. 2023年9月29日閲覧。
  22. ^ FIA WEC 91º Edition des 24 Heures du Mans Race Final Classification – Amended”. Automobile Club de l'Ouest. pp. 1–2 (11 June 2023). 11 June 2023時点のオリジナルよりアーカイブ12 June 2023閲覧。Le Mans 24 Hours 2023”. Racing Sports Cars. 8 July 2023時点のオリジナルよりアーカイブ4 July 2023閲覧。
  23. ^ JOTA clinch thrilling LMP2 victory at Monza” (英語). www.fiawec.com. 2023年9月29日閲覧。
  24. ^ #7 Toyota Beats #50 Ferrari To 6H Monza Win”. www.dailysportscar.com. 2023年9月29日閲覧。
  25. ^ Euwema, Davey (2023年7月9日). “Toyota Wins 6H Monza, Corvette Seals GTE-Am Title – Sportscar365” (英語). sportscar365.com. 2023年9月29日閲覧。
  26. ^ Euwema, Davey (2023年11月4日). “No. 8 Toyota Wins Title With Dominant 8H Bahrain Victory – Sportscar365” (英語). sportscar365.com. 2023年11月27日閲覧。
  27. ^ Team WRT take 2023 LMP2 crown after victory in Bahrain” (英語). www.fiawec.com. 2023年11月27日閲覧。
  28. ^ Season 2023 results - FIA World Endurance Championship”. www.fiawec.com. 2023年11月27日閲覧。
  29. ^ 2024 FIA WEC Entry List Revealed” (英語). dailysportscar.com (27 November 2023). 25 December 2024閲覧。
  30. ^ トヨタGRが2025年SF参戦体制発表。人材育成目的の新チーム、新外国人3名含む13台に”. オートスポーツWeb. SAN-EI (2024年12月25日). 2024年12月27日閲覧。

外部リンク

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