坂口芳貞

日本の俳優、演出家、男性声優 (1939-2020)

坂口 芳貞(さかぐち よしさだ、1939年10月2日[2] - 2020年2月13日) は、日本俳優[4]演出家[4]声優[5]文学座所属[3]

さかぐち よしさだ
坂口 芳貞
プロフィール
本名 坂口 芳貞[1]
性別 男性
出身地 日本の旗 日本東京府[2]
死没地 日本の旗 日本東京都
生年月日 (1939-10-02) 1939年10月2日
没年月日 (2020-02-13) 2020年2月13日(80歳没)
身長 175 cm[2][3]
職業 俳優演出家声優
事務所 文学座
俳優活動
活動期間 1960年代 - 2019年
ジャンル テレビドラマ映画舞台
声優活動
活動期間 1970年代 - 2019年
ジャンル アニメ吹き替え
声優テンプレート | プロジェクト | カテゴリ

東京府(現東京都)出身[2][3]

来歴

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学習院高等科北海道大学文学部卒業[6]

大学1年生の5月ぐらいに一緒に進学した高校の同級生が演劇好きで演劇研究会に所属しており、「お前、体力があるからタタキ手伝ってくれよ」と言われ「うん、いいよ」と承諾した[7]。その時に部室に先輩たちが何人かおり、「ちょっとこれ読んでくれよ」と言われたところ戯曲があった[7]。「僕は役者とかで呼ばれて来たんじゃないんですよ。タタキ手伝いに来たんです」と説明したが「いいじゃないか、読んでみてよ」と言われ、書籍を読んでみたことで演劇を始める[7]

1963年文学座附属演劇研究所に第3期生として入所[3][8]

1967年文学座の座員となり[3][8]、人見嘉久彦作『友絵の鼓』で初舞台[9]

2011年から文学座附属演劇研究所所長[8]

桜美林大学総合文化学群教授[10]、同学群の演劇専修長[11] を経て、同大学名誉教授[11]

2016年に大腸癌を発症し、晩年は闘病しながら活動を続けた。2019年末に体調が悪化、翌年2020年2月13日10時9分、大腸癌のため東京都内の自宅で死去[12]。80歳没。遺作は長年吹替を務めたモーガン出演の映画で2019年10月末に収録された『ポイズンローズ[13]。翌月公開された『エンド・オブ・ステイツ』は療養中で出演できず、坂口に次いでモーガンの吹替を担当していた池田勝ニック・ノルティと兼任する形で引き継いだ。

人物

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モーガン・フリーマンの大半の吹き替えを務めており[8][12]、過去にはダニー・グローヴァージェームズ・アール・ジョーンズショーン・コネリートミー・リー・ジョーンズの吹き替えも複数担当していた。

専属(フィックス)として[14][15]長年に渡り担当したモーガン・フリーマンに関しては「クソ真面目かと思うとそうじゃなかったり、声が非常に高いかと思うと急に低くなったり。どこで息を吸ってるのかなと思うくらい息を継ぐ隙もなくて。シリアスさとユーモアがすぐに来るので、この人を吹き替えるのは難しいですね。いつも苦労していますよ」と語っている。フリーマンの演技について『ダニー・ザ・ドッグ』(テレビ東京版)収録時の2007年のインタビューでは「モーツァルトのクラシック、それにジャズとかがすごく似合ってるんだよね。私自身には似合ってないけど(笑)」と話し[16]、12年後である『ウォンテッド』(BSテレ東版。ソフト版に引き続きフリーマンに坂口を起用することが本作の吹替を新録する上での条件の一つだったという[17])収録時は「老いて益々盛んですね」と感心していた[18]

また、『ロビン・フッド』(テレビ東京版)ではフリーマンが「わが名はアジーム・エディンバシャール・アル・バキール!」と雄叫びを上げるシーンを一発で決め、スタジオ中では拍手が起きたという[19]

昔から黒人役が多かったといい、初のレギュラーも『黒いジャガー』のリチャード・ラウンドトゥリーであった。このことに関して「声がハスキーだから乱暴な役が多いんです(笑)」と述べ、二枚目役は昔からあまりなかったものの『冒険者たち』でアラン・ドロンを一度だけ吹き替えたことが印象的であったと述べている[16]

「今後声をアテてみたい俳優は?」とインタビューで聞かれた際には「ニコラス・ケイジがうんと老けたら、その役をやってみたい」と答えており、「それまではね、頑張って長生きしたいですよ」と話していた[16]

後任

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坂口の療養及び死後、持ち役を引き継いだ人物は以下の通り。

後任 キャラクター名 概要作品 後任の初担当作品
池田勝 アラン・トランブル大統領 エンド・オブ・ホワイトハウス』シリーズ エンド・オブ・ステイツ[注 1]
土師孝也 ゲリー・ストライダム バキ 範馬刃牙[20]
菅生隆之 エリオット・メイソン MACGYVER/マクガイバー シーズン4の第19話
堀内賢雄[注 2] サイラス・ラムズボトム 怪盗グルー』シリーズ ミニオンズ フィーバー
岩崎ひろし 怪盗グルーのミニオン超変身[21]
石田圭祐 パウエル ダイ・ハード スターチャンネル追加収録部分[22]

出演

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テレビドラマ

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映画

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舞台

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テレビアニメ

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1979年
1996年
1999年
2001年
2005年
  • MONSTER(カレル・ランケ大佐)
2006年
2007年
2010年
2016年
2018年
  • バキ(ゲリー・ストライダム[24]〈初代〉)

劇場アニメ

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ゲーム

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吹き替え

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俳優

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ジェームズ・アール・ジョーンズ
ジョン・リスゴー
ジョン・エイモス
ショーン・コネリー
ダニー・グローヴァー
トミー・リー・ジョーンズ
ビル・コッブス
モーガン・フリーマン
ロバート・デュヴァル

映画

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ドラマ

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アニメ

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ボイスオーバー

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テレビ番組

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  • NHKドキュメント
    • 野性発見の旅 〜ライオンとアンソニー・ホプキンス〜 (アンソニー・ホプキンス)※ナレーション

脚注

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注釈

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  1. ^ 坂口は『エンド・オブ・キングダム』まで担当。『エンド・オブ・ステイツ』は療養に伴い出演が叶わなかったため、坂口と同じくモーガンの吹替を多く担当していた池田が役を引き継ぎ、ニック・ノルティが演じたクレイ・バニングと兼任して担当した。
  2. ^ カムバック・トゥ・ハリウッド!!』では坂口の持ち役であったフリーマンの吹替を担当した。

出典

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  1. ^ 『日本タレント名鑑(2015年版)』VIPタイムズ社、2015年1月28日、166頁。ISBN 978-4-904674-06-2 
  2. ^ a b c d 『日本タレント名鑑(2020年版)』VIPタイムズ社、2020年1月26日、162頁。ISBN 978-4-904674-11-6 
  3. ^ a b c d e 坂口芳貞”. 文学座. 2017年5月11日閲覧。
  4. ^ a b 坂口芳貞”. タワーレコード. 2020年6月26日閲覧。
  5. ^ 坂口芳貞”. タレントデータバンク. 2017年5月11日閲覧。
  6. ^ 『読売年鑑 2016年版』(読売新聞東京本社、2016年)p.543
  7. ^ a b c 演出 坂口芳貞インタビュー〜第一弾〜”. 桜美林大学パフォーミングアーツプログラムvol.23『見よ、飛行機の高く飛べるを』公式ブログ (2006年12月13日). 2023年3月1日閲覧。
  8. ^ a b c d 文学座附属演劇研究所 坂口芳貞×植田真介 対談”. ステージナタリー. 2020年2月14日閲覧。
  9. ^ 『新劇便覧'89』テアトロ、1989年、125頁。 
  10. ^ 桜美林大学パフォーミングアーツプログラム【OPAP】
  11. ^ a b 桜美林大学パフォーミングアーツプログラム〈OPAP〉vol.55 「胸騒ぎの放課後」
  12. ^ a b "俳優、坂口芳貞氏が死去 モーガン・フリーマンさんら海外俳優の吹き替えなど". サンケイスポーツ. 産経デジタル. 14 February 2020. 2020年2月14日閲覧
  13. ^ 坂口芳貞さん、大腸がんで死去…モーガン・フリーマン吹き替えなど数多く担当”. サンスポ. 2023年2月5日閲覧。
  14. ^ シネ通! Cine-tsu: テレビ東京
  15. ^ 村上健一. “『ポセイドン・アドベンチャー』磯部勉インタビュー(Wayback Machineによるアーカイブ)”. 吹替の帝王. 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン. 2021年1月23日閲覧。
  16. ^ a b c 木曜洋画劇場2000回記念スペシャル : テレビ東京
  17. ^ darkboのツイート(1228214197965578241)
  18. ^ 『ウォンテッド』新録版放送決定!収録現場から出演の皆様よりコメントをいただきました!(2019-02-14)
  19. ^ darkboのツイート(216712001509011456)
  20. ^ Netflixアニメ「範馬刃牙」2021年秋に配信決定!PV公開ッッッ!“刃牙VSカマキリ”目撃する小学生役は潘めぐみに
  21. ^ “児玉すみれ、松本梨香、三木眞一郎ら「怪盗グルーのミニオン超変身」吹替版声優が一挙解禁”. 映画ナタリー. (2024年5月30日). https://natalie.mu/eiga/news/575409 2024年5月30日閲覧。 
  22. ^ ダイ・ハード[吹]日曜洋画劇場 追録ノーカット版|【スターチャンネル】映画・海外ドラマの放送・配信サービス”. スターチャンネル. 2023年5月10日閲覧。
  23. ^ テレコムアニメーションフィルム公式(@telecom_anime) (2016年2月18日). “メインゲストキャラを演じるのは、モーガン・フリーマンの吹替でもお馴染みの坂口芳貞さん‼︎”. Twitter. 2016年2月20日閲覧。
  24. ^ キャスト・スタッフ”. TVアニメ「バキ」公式サイト. 2018年10月15日閲覧。
  25. ^ 六神合体ゴッドマーズ”. トムス・エンタテインメント 公式サイト. トムス・エンタテインメント. 2024年5月18日閲覧。
  26. ^ スペース カウボーイ”. スターチャンネル. 2023年7月7日閲覧。
  27. ^ アロー・ブラックが全米を旅する音楽ドキュメンタリー映画『アメリカン・ミュージック・ジャーニー』公開決定”. ビルボードジャパン. 2018年11月29日閲覧。
  28. ^ オブリビオン”. 金曜ロードSHOW!. 2016年8月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年8月26日閲覧。
  29. ^ くるみ割り人形と秘密の王国”. ふきカエル大作戦!! (2018年11月30日). 2018年11月30日閲覧。
  30. ^ 最高の人生の見つけ方”. 日曜洋画劇場. 2016年7月22日閲覧。
  31. ^ 「テッド2」吹替キャスト第2弾発表、有吉弘行×咲野俊介コンビ再び”. 映画ナタリー. 2015年8月10日閲覧。
  32. ^ ダークナイト”. 日曜洋画劇場. 2016年7月21日閲覧。
  33. ^ RED/レッド〜RED”. 日曜洋画劇場. 2016年7月17日閲覧。
  34. ^ インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国 〜INDIANA JONES AND THE KINGDOM OF THE CRYSTAL SKULL”. 日曜洋画劇場. 2016年7月17日閲覧。
  35. ^ インデペンデンス・デイ”. 金曜ロードSHOW!. 2016年7月13日閲覧。
  36. ^ ナルニア国物語/第3章: アスラン王と魔法の島”. 金曜ロードSHOW!. 2016年6月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年7月16日閲覧。
  37. ^ ポセイドン・アドベンチャー[磯部勉吹替版]”. 映画・海外ドラマのスターチャンネル[BS10]. 2024年3月17日閲覧。

外部リンク

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