吹替の帝王
『吹替の帝王』(ふきかえのていおう)は、20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパンによるインターネットサイト、およびビデオソフトシリーズ。本項ではビデオソフトシリーズについて記載する。
概要
編集20世紀FOXの作品で、セルVHSやBlu-ray、DVD、また各テレビ局の映画番組で使用された日本語吹き替えを収録して販売されていたシリーズ。同趣旨のブランドとしてユニバーサル・ピクチャーズの『思い出の復刻版』、ワーナー・ブラザースの『吹替の力』、コロンビア ピクチャーズの『吹替洋画劇場』などが存在する。
他の同趣向のシリーズ作品では、全ての吹き替え音源が収録されない事が多いが、本シリーズでは過去に制作された吹き替え音源を可能な限り全て収録している作品が殆どである。発売された映画のジャンルも殆どがSFやアクション作品である。共通特典としては声優陣や吹き替え演出のインタビュー集が封入され、多くの作品では縮刷された復刻版吹き替え台本も同梱されている。
20世紀FOXは他にも、『フォックス・プレミアム・ブルーレイ』シリーズの一部作品にテレビ版吹き替えを収録したり、映画番組吹き替えを収録したシリーズとして『恐怖の吹替劇場』や『吹替の名盤』をDVDで発売していた。シリーズ名の『吹替の帝王』とは、元々吹き替えを行った声優や翻訳家のインタビューを掲載した20世紀FOXが運営するインターネットサイトのタイトルであり、そこからシリーズ名として使用された。なお、タイトル自体は映画『北国の帝王』を元にしている[1]。
吹替の帝王版のディスクは基本的に初回限定であり、シリーズ作品を一挙収録したBOXなどにも未収録である事が大半であるが、ターミネーターやダイ・ハードシリーズなど、後に別の形で吹替の帝王と同じディスクの物が再発売されている商品も存在する[2]。また、『スピード』の特典として初ブルーレイ化された『スピード2』は長らく単品化されていなかったが、2018年6月20日にテレビ版吹き替えを引き続き収録した仕様で廉価版が発売された。
20世紀フォックスがウォルト・ディズニーに買収されて以降、吹替の帝王の公式サイトは削除されており、当ブランドは事実上凍結状態にある。
ラインナップ
編集(出典[3])
# | タイトル | 発売日 | 収録吹替(主演声優) | 吹替台本 | インタビュー集 |
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1 | コマンドー 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズBOX |
2013年4月18日 |
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コマンドー 〈ディレクターズ・カット〉 日本語吹替完声版 DVD2枚組 |
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2 | ダイ・ハード 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2013年7月3日 |
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ダイ・ハード2 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
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ダイ・ハード3 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
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3 | プレデター 〈日本語吹替完声版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2013年12月20日 |
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4 | ロボコップ ディレクターズ・カット 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2014年3月5日 |
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5 | スピード 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2014年4月25日 |
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スピード2 〈日本語吹替完全版〉 | (『スピード』に同梱) | ||||
6 | 猿の惑星 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2014年9月3日 |
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7 | エイリアン 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2014年11月5日 |
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8 | コマンドー ディレクターズ・カット 〈製作30周年記念日本語吹替新録版〉 スチールブック仕様 |
2015年4月24日 |
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9 | ターミネーター 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2015年6月24日 |
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10 | ホーム・アローン 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2015年11月25日 |
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11 | ダイ・ハード/ラスト・デイ 〈日本語吹替完全版〉 | 2015年12月18日 |
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12 | インデペンデンス・デイ 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX(2枚組) |
2016年6月3日 |
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13 | エイリアン2 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2016年8月30日 |
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14 | ポセイドン・アドベンチャー 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2018年11月3日 |
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15 | プレデター 〈製作30周年記念ニューマスター/日本語吹替完声版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2018年12月5日 |
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プレデター2 〈日本語吹替完全版〉 コレクターズ・ブルーレイBOX |
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16 | エイリアン3 〈日本語吹替完全版〉 2枚組 コレクターズ・ブルーレイBOX |
2019年4月26日 |
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17 | エイリアン4 〈日本語吹替完全版〉 2枚組 コレクターズ・ブルーレイBOX |
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18 | プロメテウス 〈日本語吹替完声版〉 3枚組 コレクターズ・ブルーレイBOX |
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上記ラインナップのほかに、『コマンドー』と同時期に『トゥルーライズ』の発売も予定されフジテレビ版吹替は初回放送時にカットされたシーンの追加録音まで行われていた[5][6]。しかし、監督のジェームズ・キャメロンがBlu-ray化の承諾を出さない状態が続いていたのでお蔵入りとなっている[7]。後に2024年にUltra HD Blu-rayの発売が決定したがフジテレビ版は未収録と発表されている[8]。
関連項目
編集- 吹替の名盤 (『吹替の帝王』と同じく20世紀FOXの吹き替えレーベル。本作と異なりメディアは全てDVDとなる。)
- 吹替の力 (ワーナー・ブラザース)
- 吹替洋画劇場 (ソニー・ピクチャーズ)
- 思い出の復刻版 (ユニバーサル・ピクチャーズ、パラマウント・ピクチャーズ)
参考文献
編集- ^ “「吹替の帝王」大ヒットの秘訣とは? そして次の発売候補は・・・ FOX担当者に聞く(第1回)”. 文化通信. 2015年1月8日閲覧。
- ^ 『ターミネーター (日本語吹替完全版) スチールブック仕様』(インタビュー集、復刻版吹き替え台本は未収録)、『ダイ・ハード MEGA-BOX』など。
- ^ 20世紀FOX「吹替の帝王」シリーズほか、吹き替え関連商品特集! タワーレコード公式サイト
- ^ テレビ朝日系列『日曜洋画劇場』元プロデューサー
- ^ スタジオ•ピリカ [@studio_pirka] (2024年2月7日). "いつかGOサインが出る日を夢見て⋯". X(旧Twitter)より2024年2月12日閲覧。
- ^ “「吹替の帝王」大ヒットの秘訣とは? そして次の発売候補は・・・ FOX担当者に聞く(第3回)”. 文化通信. 2015年1月4日閲覧。
- ^ 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント [@20thCenturyStHE] (2013年4月18日). "追加収録して準備万端なのですが肝心のリリースはキャメロン師からGO出てないので未定なんです…". X(旧Twitter)より2024年2月7日閲覧。
- ^ 阿部邦弘「ジェームズ・キャメロン6作品が4K UHDに。「タイタニック」は日テレ吹替初収録」『AV Watch』2024年2月7日。2024年2月7日閲覧。
外部リンク
編集- 吹替の帝王 - 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント - ウェイバックマシン(2016年12月20日アーカイブ分)(公式サイト、2015年6月30日リニューアル)
- 吹替の帝王 -「吹替の現場から」インタビュー全65回 - ウェイバックマシン(2019年6月18日アーカイブ分)
- 吹替の帝王 -「傑作吹替視聴室」全26回(第0回 - 第26回) - ウェイバックマシン(2019年6月13日アーカイブ分)
- 吹替の帝王 -「とり・みき の吹替どうなってるの」第5回(最終回) - ウェイバックマシン(2019年10月30日アーカイブ分)
- 吹替の帝王 - 20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン - ウェイバックマシン(2013年1月13日アーカイブ分)(初期のサイト、2009年6月22日開設)