ザ・ラグビーチャンピオンシップ2022

ザ・ラグビーチャンピオンシップ2022(2022 Rugby Championship、2022 TRC[1])は、2022年8月から9月にかけて開催された 南半球4か国のナショナルチームによる「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」の第10回大会。主催はSANZAAR。北半球6か国代表によるシックス・ネイションズと並ぶ、強豪国リーグである。

ザ・ラグビーチャンピオンシップ2022
日程 2022年8月6日 - 9月24日
参加国 アルゼンチンの旗 アルゼンチン
オーストラリアの旗 オーストラリア
ニュージーランドの旗 ニュージーランド
南アフリカ共和国の旗 南アフリカ共和国
結果
優勝  ニュージーランド (19回目)
トーナメント統計
試合数 12
トライ数 76 (試合平均6.33トライ)
観客動員数 463,702 (試合平均38,642人)
最多得点選手 Emiliano Boffelli (71)
Richie Mo'unga (71)
最多トライ選手 Samisoni Taukei'aho (5)
2021
2023

冠スポンサー

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毎年、各国で冠スポンサーを設けており、2022年大会では各国で以下のような大会名でも呼ぶ。2022年1月から大正製薬ニュージーランドラグビー協会のプレミアムグローバルパートナーになり[2]、今大会から大正製薬がニュージーランド国内向けの大会冠スポンサーとなった。

  • ニュージーランド:「リポビタンD・ラグビーチャンピオンシップ(Lipovitan-D Rugby Championship)」[3]
  • 南アフリカ共和国:「キャッスルラガー・ラグビーチャンピオンシップ(The Castle Lager Rugby Championship)」[4] - キャッスルラガーは南アフリカ共和国のビール会社ブランド。
  • オーストラリア:「イートロ・ラグビーチャンピオンシップ(The eToro Rugby Championship)」[5] - イートロはネット証券会社
  • アルゼンチン:「チューリッヒ・ラグビーチャンピオンシップ(The Zurich Rugby Championship)」[6] - チューリッヒはスイスの保険・金融企業。

概要

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出典[1][7]

相手国3チームと2試合ずつ、計6試合を行い、勝ち点で順位を決める。

前回・前々回(2020年大会・2021年大会)は新型コロナウイルス感染症の世界的流行のため中止された対戦があったが[8][9]、3年ぶりに通常開催に戻った。

今大会からフォーマットを変え、「ミニツアー」的要素を取り入れた[10]。これは、同じ相手チームに対して2試合連続でアウェーで試合を行う(2試合連続で行うために相手国へ遠征する)ほか、逆に、相手チームが2試合連続で試合をしに来る、という内容。

これにより、観客が2試合続けて同一チームとの対戦を地元で観戦でき、遠征ツアーのようなボリューム感を増すねらいがある[10]。ホームとアウェーの編成に かたよりができるため、その国に来ないチームが必ず1チームあることになる。残り2試合は、ホームとアウェーを入れ替えて1試合ずつ行う[10]。チーム対戦構成は、年ごとに変える。

ただし、翌2023年大会はワールドカップ開催のため、試合数を半減させることになった。

2022年「ザ・ラグビーチャンピオンシップ」対戦表

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戦績

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出典[1]

順位 勝敗 得点 4トライ以上の
ボーナス
ポイント
7点差以内の敗戦
ボーナス
ポイント
勝ち点
合計
試合数 勝ち 引き分け 負け 得点 失点 得失点差
1  ニュージーランド 6 4 0 2 195 128 +67 2 1 19
2  南アフリカ共和国 6 4 0 2 164 119 +45 2 0 18
3  オーストラリア 6 2 0 4 142 194 –52 1 1 10
4  アルゼンチン 6 2 0 4 143 203 –60 1 0 9

勝ち点の合計で優勝を競う。勝ち4点、引き分け2点、負け0点。勝敗にかかわらず4トライ以上で1点、7点差以内の負けで1点。

優勝・2国間トロフィー

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優勝  ニュージーランド 19回目 1996年トライネイションズからの通算
ブレディスローカップ  ニュージーランド オーストラリアとニュージーランドとの対戦の勝者 2試合のうち1試合目2022年9月15日に決定
マンデラチャレンジプレート  オーストラリア 南アフリカとオーストラリアとの対戦の勝者 2試合のうち1試合目2022年8月27日に決定
フリーダムカップ  ニュージーランド 南アフリカとニュージーランドとの対戦の勝者 2試合のうち1試合目2022年8月13日に決定
ピューマトロフィー  オーストラリア アルゼンチンとオーストラリアとの対戦の勝者 2試合のうち1試合目2022年8月6日に決定
ウドゥン・スプーン  アルゼンチン 9回目 最下位に与えられる不名誉な称号

対戦詳細

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Round 1

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2022年8月6日
17:05 SAST (UTC+2)
南アフリカ共和国   26–10   ニュージーランド ムボンベラ・スタジアム, ネルスプロイト, 南アフリカ共和国
観客数: 42,367人
レフリー: アンガス・ガードナー (オーストラリア)
トライ: Arendse 9' c
le Roux 80' c
コンバート: Pollard (2/2) 10', 80'
PK: Pollard (3/3) 22', 50', 73'
ドロップ: Pollard (1/1) 58'
レポート トライ: Frizell 78' c
コンバート: Mo'unga (1/1) 79'
PK: J. Barrett (1/1) 35'

特記事項:

  • 南アフリカは2009年以来初めてニュージーランドに連勝した。
  • ニュージーランドは世界ラグビーランキングで5位に落ち、史上最低の順位となった。
  • ニュージーランドがザ・ラグビーチャンピオンシップおよび前身大会トライネーションズの開幕戦で敗れたのは、2005年以来。
  • 南アフリカ共和国が、ニュージーランドに対して26得点で勝利したのは、1928年6月30日に17対0で勝利して以来のこと。

2022年8月6日
16:05 AST (UTC-3)
アルゼンチン   26–41   オーストラリア (1 BP) エスタディオ・マルビナス・アルヘンティナス, メンドーサ, アルゼンチン
観客数: 33,000人
レフリー: Mike Adamson (スコットランド)
トライ: マテーラ 5' c
ゴンサレス 54' c
コンバート: ボフェッリ (2/2) 6', 57'
PK: ボフェッリ (4/5) 11', 15', 21', 41'
レポート トライ: ペタイア 17' c
マクライト 47' c
PT 61'
ファインガア 69' c
イキタウ 80+5' c
コンバート: クーパー (1/1) 18'
ホッジ (3/3) 48', 71', 80+6'
PK: クーパー (1/1) 9'
ホッジ (1/1) 65'

特記事項


Round 2

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2022年8月13日
17:05 SAST (UTC+2)
南アフリカ共和国   23–35   ニュージーランド エリス・パーク・スタジアム, ヨハネスブルグ, 南アフリカ共和国
観客数: 61,519人
レフリー: ルーク・ピアース (イングランド)
トライ: アム 36' c
マピンピ 58' c
コンバート: ポラード (2/2) 59', 37'
PK: ポラード (3/3) 40+1', 45', 67'
レポート トライ: ケイン 27' m
タウケイアホ 32' c
ハヴィリ 73' c
Sバレット 78' c
コンバート: モウンガ (3/4) 34', 74', 80'
PK: モウンガ (3/3) 24', 48', 57'

特記事項


2022年8月13日
16:05 AST (UTC-3)
(1 BP) アルゼンチン   48–17   オーストラリア Estadio San Juan del Bicentenario, サンフアン, アルゼンチン
観客数: 23,155人
レフリー: Karl Dickson (イングランド)
トライ: イモフ 1' c
ガジョ (2) 5' c, 63' c
デラフエンテ 23' c
ゴンサレス 30' m
ボフェッリ 77' m
Albornoz 80+1' c
コンバート: ボフェッリ (5/7) 2', 6', 25', 64', 80+2'
PK: ボフェッリ (1/1) 53'
レポート トライ: スリッパー 11' c
イキタウ 66' c
コンバート: オコーナー (2/2) 12', 66'
PK: オコーナー (1/1) 16'

特記事項

  • アルゼンチンにとってオーストラリアに対する最大得点差での勝利となり、1983年の18対3での勝利を上回った。

Round 3

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27 August 2022
15:00 ACST (UTC+9:30)
オーストラリア   25–17   南アフリカ共和国 アデレード・オーバル, アデレード, オーストラリア
観客数: 36,336人
レフリー: Paul Williams (ニュージーランド)
トライ: マクライト (2) 2' c, 57' c
コロインベテ 47' m
コンバート: Lolesio (2/3) 2', 58'
PK: Lolesio (2/2) 6', 63'
レポート トライ: スミス (2) 75' c, 80' c
コンバート: ヤンチース (1/1) 75'
ヘンドリクセ (1/1) 80'
PK: ポラード (1/3) 23'

特記事項


2022年8月27日
19:45 NZST (UTC+12)
(1 BP) ニュージーランド   18–25   アルゼンチン Rugby League Park, クライストチャーチ, ニュージーランド
観客数: 20,000人
レフリー: ニカ・アマシュケリ (ジョージア)
トライ: タウケイアホ 11' m
クラーク 32' c
コンバート: モウンガ (1/2) 33'
PK: モウンガ (2/3) 28', 46'
Jバレット (0/1)
レポート トライ: ゴンサレス 47' c
コンバート: ボフェッリ (1/1) 48'
PK: ボフェッリ (6/6) 7', 17', 36', 40', 56', 65'

特記事項

  • アルゼンチンにとってニュージーランドに対する初のアウェー勝利。ザ・ラグビーチャンピオンシップでアルゼンチンが2試合連続で勝利したのも初めて。
  • ニュージーランドが初めてホームゲーム3連敗。暦年でホームゲーム3連敗したのも初めて。

Round 4

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2022年9月3日
19:05 NZST (UTC+12)
(1 BP) ニュージーランド   53–3   アルゼンチン ワイカト・スタジアム, ハミルトン, ニュージーランド
観客数: 22,000人
レフリー: ニック・ベリー (オーストラリア)
トライ: デグルート 9' c
クラーク 18' c
イオアネ 37' c
Jバレット 60' c
サヴェア 66' m
レタリック 73' c
Bバレット 80+3' c
コンバート: モウンガ (4/4) 10', 20', 38', 61'
Jバレット (2/3) 75', 80+4'
PK: モウンガ (2/2) 2', 46'
レポート PK: ボフェッリ (1/1) 32'

特記事項

  • 1997年6月28日にニュージーランドがアルゼンチンに62対10で勝利した以来の、得点差の勝利となった。

2022年9月3日
19:35 AEST (UTC+10)
オーストラリア   8–24   南アフリカ共和国 (1 BP) シドニー・フットボール・スタジアム, シドニー, オーストラリア
観客数: 38,292人
レフリー: ベン・オキーフ (ニュージーランド)
トライ: サム 78' m
PK: Lolesio (1/1) 31'
レポート トライ: デアレンデ 8' c
ムーディ 38' m
モスタート 42' m
マピンピ 70' c
コンバート: ウィレムス (1/3) 10'
ステイン (1/1) 71'

特記事項

  • 2022年に改築したシドニー・フットボール・スタジアムでの最初のテストマッチ。
  • 南アフリカ共和国がオーストラリアで勝利したのは、2013年以来。

Round 5

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2022年9月15日
19:45 AEST (UTC+10)
(1 BP) オーストラリア   37–39   ニュージーランド ドックランズ・スタジアム, メルボルン, オーストラリア
観客数: 53,343人
レフリー: マシュー・ライナル (フランス)
トライ: ヴァレティニ 25' c
ケラウェイ (2) 60' c, 66' c
サム 72' c
コンバート: フォーリー (4/4) 26', 62', 67', 73'
PK: フォーリー (2/2) 17', 47'
ホワイト (1/1) 77'
レポート トライ: タウケイアホ (2) 3' c, 40' c
モウンガ 51' c
ジョーダン 54' c
Jバレット 80' m
コンバート: モウンガ (4/5) 4', 42', 52', 55'
PK: モウンガ (2/2) 11', 70'

特記事項


2022年9月17日
16:10 AST (UTC-3)
アルゼンチン   20–36   南アフリカ共和国 (1 BP) エスタディオ・リベルタドーレス・デ・アメリカ-リカルド・エンリケ・ボチーニ, ブエノスアイレス州, アルゼンチン
観客数: 34,000人
レフリー: James Doleman (ニュージーランド)
トライ: PT 65'
モローニ 68' c
コンバート: ボフェッリ (1/1) 68'
PK: ボフェッリ (2/3) 8', 23'
レポート トライ: PT 20'
ヘンドリクセ 27' c
マークス (2) 32' m, 79' c
デアレンデ 74' c
コンバート: ウィレムス (1/2) 28'
ステイン (2/2) 75', 80+1'
PK: ウィレムス (1/2) 11'

特記事項


Round 6

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2022年9月24日
19:05 NZST (UTC+12)
(1 BP) ニュージーランド   40–14   オーストラリア イーデン・パーク, オークランド, ニュージーランド
観客数: 47,000人
レフリー: アンドリュー・ブライス (アイルランド)
トライ: ジョーダン 22' c
PT 26'
ホワイトロック 42' c
テイラー 53' m
タウケイアホ 64' m
コンバート: モウンガ (2/4) 24', 42'
PK: モウンガ (3/3) 20', 46', 76'
レポート トライ: ファインガア 58' c
ペタイア 80+2' c
コンバート: フォーリー (1/1) 59'
ホッジ (1/1) 80+3'

特記事項

  • オーストラリアは、この敗北により世界ラグビーランキングで9位に落ち、史上最低の順位となった。

2022年9月24日
17:05 SAST (UTC+2)
南アフリカ共和国   38–21   アルゼンチン キングス・パーク・スタジアム, ダーバン, 南アフリカ共和国
観客数: 45,982人
レフリー: Damon Murphy (オーストラリア)
トライ: ヴィーセ 18' c
コリシ 28' c
PT (2) 54', 72'
アレンゼ 80+1' c
コンバート: ステイン (3/3) 19', 29', 80+2'
PK: ステイン (1/1) 37'
レポート トライ: ベルトラノウ 39' c
ゴンサレス 46' c
モローニ 67' c
コンバート: ボフェッリ (3/3) 40', 47', 68'

放送

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  • WOWOW - 「南半球4カ国対抗戦 ザ・ラグビーチャンピオンシップ2022」[11]

脚注

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  1. ^ a b c 2022 TRC” (英語). Super Rugby Pacific. 2024年7月30日閲覧。
  2. ^ 大正製薬がNZラグビー協会のプレミアムグローバルパートナーに オールブラックスなど支援 - ラグビーリパブリック” (2021年10月8日). 2024年8月10日閲覧。
  3. ^ All Blacks squad named for Lipovitan-D Rugby Championship - RUGBY HEARTLAND” (英語). rugbyheartland.co.nz (2022年7月22日). 2024年8月10日閲覧。
  4. ^ Castle Lager Rugby Championship 2022 Law Trial”. SA Rugby. 2024年8月10日閲覧。
  5. ^ Australia, Rugby (2022年5月1日). “2022 eToro Rugby Championship fixtures confirmed” (英語). wallabies.rugby. 2024年8月10日閲覧。
  6. ^ Argentina XV, listo para la Americas Pacific Challenge - UAR” (スペイン語) (2021年10月14日). 2024年8月10日閲覧。
  7. ^ worldrugby.org. “Everything you need to know about the Rugby Championship 2022 | ワールドラグビー”. www.world.rugby. 2024年7月30日閲覧。
  8. ^ 2020 Tri Nations” (英語). Super Rugby Pacific. 2024年7月30日閲覧。
  9. ^ 2021 TRC” (英語). Super Rugby Pacific. 2024年7月30日閲覧。
  10. ^ a b c About The Rugby Championship” (英語). Super Rugby. 2024年1月24日閲覧。
  11. ^ WOWOWオンライン”. WOWOW. 2024年7月31日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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