1989年の映画

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1989年の映画(1989ねんのえいが)では、1989年(昭和64年/平成元年)の映画分野の動向についてまとめる。

1988年の映画 - 1989年の映画 - 1990年の映画

出来事

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世界

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日本

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日本の映画興行

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配給会社別年間配給収入
配給会社 配給本数 年間配給収入 概要
新作 再映 洋画 前年対比
松竹 19 64億7658万円 正月映画『男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日』(12.5億円)、第2弾『座頭市』(11億円)とヒットが続き、秋の勝負作『利休』(12.7億円)は作品の高評価も伴うヒット。これらのヒットは若手プロデューサー奥山和由を抜擢した映像渉外室の貢献が大きい。山城新伍監督の『せんせい』、ジェームス三木監督の『善人の条件』(3億円)、和田勉監督の『ハリマオ』の3本は失敗。初の海外ロケをした『男はつらいよ 寅次郎心の旅路』(8.6億円)は不本意な成績。松竹富士配給の『226』は配収11.5億円。
19 0 0 168.2%
東宝 24 105億7727万円 5年連続の年間配給収入100億円突破。配給収入10億円の大台を突破した作品は『ドラえもん のび太の日本誕生』(20.2億円[17])と『…これから物語 〜少年たちのブルース〜』 / 『ふ・し・ぎ・なBABY』(10億円)の2番組のみという寂しい一年となった。『彼女が水着にきがえたら』(8億円)、『どっちにするの。』(8億円)、『千利休 本覺坊遺文』(7.5億円)、『君は僕をスキになる』(8億円)はクリーンヒット。夏の『ガンヘッド』の失敗が大きかった。
24 0 0 66.6%
東映 30 99億7941万円 洋画部扱いの『魔女の宅急便』(21.5億円)、『オルゴール』(14億円)が高配収番組となった。東映本体の映画は『夏のまんがまつり』(7.2億円)がトップという寂しさ。同じ洋画部扱いでも『悲しい色やねん』、『ガラスの中の少女』は失敗。一時は隆盛したアダルト路線もピークを過ぎた。
27 0 3 109.9%
出典:「1989年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1990年平成2年)2月下旬号、キネマ旬報社、1990年、174 - 176頁。 

各国ランキング

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日本配給収入ランキング

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1989年日本配給収入トップ10
順位 題名 製作国 配給 配給収入
1 インディ・ジョーンズ/最後の聖戦   UIP 44.0億円
2 レインマン   UIP 33.0億円
3 魔女の宅急便   東映 21.5億円
4 ドラえもん のび太の日本誕生   東宝 20.2億円
5 カクテル   ワーナー・ブラザース 17.0億円
6 ロジャー・ラビット   ワーナー・ブラザース 14.4億円
7 オルゴール   東映 14.0億円
8 ブラック・レイン   UIP 13.5億円
9 利休   松竹 12.7億円
10 男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日
釣りバカ日誌
  松竹 12.5億円
出典:1989年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟

全世界興行収入ランキング

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1989年全世界興行収入トップ10
順位 題名 スタジオ 興行収入
1 インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 パラマウント映画 $474,171,806
2 バットマン ワーナー・ブラザース $411,348,924
3 バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 ユニバーサル・スタジオ $331,950,002
4 ベイビー・トーク トライスター ピクチャーズ $296,999,813
5 いまを生きる ブエナ・ビスタ $235,860,116
6 リーサル・ウェポン2/炎の約束 ワーナー・ブラザース $227,853,986
7 ミクロキッズ ブエナ・ビスタ $222,724,172
8 ゴーストバスターズ2 コロンビア ピクチャーズ $215,394,738
9 リトル・マーメイド ブエナ・ビスタ $211,343,479
10 7月4日に生まれて ユニバーサル・スタジオ $161,001,698
出典:1989 Worldwide Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月12日閲覧。

北米興行収入ランキング

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1989年北米興行収入トップ10
順位 題名 スタジオ 興行収入
1. バットマン ワーナー・ブラザース $251,188,924
2. インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 パラマウント $197,171,806
3. リーサル・ウェポン2 ワーナー・ブラザース $147,253,986
4. ベイビー・トーク トライスター $140,088,813
5. ミクロキッズ ディズニー $130,724,172
6. バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2 ユニバーサル $118,450,002
7. リトル・マーメイド ディズニー $111,494,738
8. ドライビング Miss デイジー ワーナー・ブラザース $106,593,296
9. バックマン家の人々 ユニバーサル $100,047,830
10. いまを生きる タッチストーン $95,860,116
出典:1989 Domestic Yearly Box Office Results”. Box Office Mojo. 2015年12月13日閲覧。

日本公開映画

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1989年の日本公開映画を参照。

受賞

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誕生

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死去

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日付 名前 国籍 年齢 職業
1月 3日 才賀明   56 脚本家
8日 ケネス・マクミラン   56 俳優
23日 高橋良明   16 俳優
31日 芥川也寸志   63 作曲家
2月 3日 ジョン・カサヴェテス   60 映画監督・俳優
4日 岡島艶子   80 女優
9日 手塚治虫   60 漫画家
3月 3日 大坂志郎   69 俳優
4日 南廣   60 俳優
13日 嵯峨善兵   79 俳優
18日 菊島隆三   75 脚本家
24日 荒木道子   72 女優
4月 24日 クライド・ジェロニミ   87 映画監督
26日 ルシル・ボール   77 女優
30日 殿山泰司   73 俳優
セルジオ・レオーネ   60 映画監督
5月 9日 吉田義昭   57 脚本家
19日 アントン・ディフリング   70 俳優
21日 原泉   84 女優
25日 増田順司   73 俳優
6月 2日 渡辺岳夫   56 作曲家
9日 大塚国夫   55 俳優、声優
15日 レイ・マカナリー   63 俳優
24日 美空ひばり   52 歌手
28日 ヨリス・イヴェンス    90 映画監督
7月 2日 フランクリン・J・シャフナー   69 映画監督
10日 メル・ブランク   81 声優
11日 ローレンス・オリヴィエ   82 俳優・映画監督
17日 井手雅人   69 脚本家
18日 レベッカ・シェイファー   21 女優
25日 小山いと子   88 作家
29日 辰巳柳太郎   84 俳優
8月 1日 松井潤子   82 女優
16日 アマンダ・ブレイク   60 女優
18日 古関裕而   80 作曲家
9月 20日 大橋史典   74 俳優、彫刻家
10月 4日 グレアム・チャップマン   48 コメディアン・俳優
6日 ベティ・デイヴィス   81 女優
16日 コーネル・ワイルド   74 俳優
20日 アンソニー・クエイル   76 俳優
26日 浦辺粂子   87 女優
11月 4日 隆慶一郎   66 脚本家
6日 松田優作   40 俳優
22日 丸山誠治   77 映画監督
12月
6日 岩間鶴夫   76 映画監督
中村是好   89 俳優
ジョン・ペイン   77 俳優
11日 森川公也   57 俳優、声優
16日 シルヴァーナ・マンガーノ   59 女優
リー・ヴァン・クリーフ   64 俳優
19日 ジョルジュ・ルーキエ   80 映画監督

脚注

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注釈

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  1. ^ 〔引用者註〕東宝の資料では9月21日になっていたが、映画祭の期間が9月4日から9月15日なので、最終日の9月15日に変更した。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x 東宝 2010b, p. 240.
  2. ^ a b c d e f g h i 東映 1992, p. 88.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 東宝 2010b, p. 241.
  4. ^ "特異火災事例 (株)にっかつ 撮影所" (PDF). 消防防災博物館. 一般財団法人 消防防災科学センター. 2022年8月31日閲覧
  5. ^ a b 東映 1992, pp. 88–89.
  6. ^ 『スタジオジブリ作品関連資料集〈3〉』スタジオジブリ 編さん、徳間書店〈ジブリTHE ARTシリーズ〉、1996年10月、40 - 41頁。ISBN 978-4-1986-0596-4 
  7. ^ 斉藤 2009, p. 56.
  8. ^ 斉藤 2009, pp. 114–115.
  9. ^ 週刊朝日 編『戦後値段史年表』朝日新聞出版〈朝日文庫〉、1995年、23頁。ISBN 4-02-261108-1 
  10. ^ 第40作 男はつらいよ 寅次郎サラダ記念日”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年12月29日閲覧。
  11. ^ 第41作 男はつらいよ 寅次郎心の旅路”. 『男はつらいよ』公式サイト. 松竹映画. 2016年8月6日閲覧。
  12. ^ 小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  13. ^ 主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
  14. ^ a b 過去データ一覧”. 一般社団法人日本映画製作者連盟. 2016年8月2日閲覧。
  15. ^ a b c 「1989年度日本映画・外国映画業界総決算 日本映画」『キネマ旬報1990年平成2年)2月下旬号、キネマ旬報社、1990年、171頁。 
  16. ^ 主要耐久消費財等の普及率(全世帯)(平成16年3月末現在)” (XLS). 内閣府公式サイト. 統計表一覧:消費動向調査. 内閣府 (2004年3月31日). 2022年5月3日閲覧。
  17. ^ 1989年配給収入10億円以上番組 - 日本映画製作者連盟

参考文献

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  • 斉藤守彦『映画館の入場料金は、なぜ1800円なのか?』ダイヤモンド社、2009年11月27日。ISBN 978-4-478-01134-8 
  • 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746 
  • 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。 
    • 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。