1952年の映画
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出来事
編集世界
編集→「1952年 § できごと」も参照
- 3月 - 黒澤明監督『羅生門』が第24回アカデミー賞外国語映画賞受賞[1][2][注 1]。
- 5月 - 第5回カンヌ国際映画祭で『源氏物語』の杉山公平が撮影賞[1]。
- 9月
- 11月26日 - 米国ロサンゼルス、立体映画ナチュラル・ビジョン『ブワナの悪魔』ワールドプレミア[12][6]。
- 月日不詳
日本
編集→「1952年の日本 § できごと」も参照
- 外国映画、特にアメリカ映画の新作が本国と同時に公開されるようになった[1]。
- 1月
- 2月
- 3月
- 昭和27年度外国映画ロイヤルティー用外貨予算の枠と送金方針が決定[7]。
- 3月23日 - 映画演劇労働組合総連合(映演総連)結成[2]。
- 4月
- 5月
- 6月
- 7月
- 8月
- 9月
- 10月
- 松竹、完成した小林正樹監督『壁あつき部屋』[33]を公開直前、配給無期延期[1]。理由はBC級戦犯を扱っているため[1] [注 7]。木下惠介監督『二十四の瞳』も反戦的内容のため製作無期延期[1]。
- 10月2日 - 東映、1951年度と1952年度の源泉所得税約670万円の滞納のため、東映京都撮影所諸設備と車両を差し押さえられる[22]。
- 10月14日 - 池田映倫副委員長、アメリカ映画輸出協会(MPEA)マース副会長と会談し、米国メジャー映画の映倫審査問題を折衝したが物別れ[34][注 8]。
- 10月23日 - 大映、日米合作映画『二人の瞳』(マーガレット・オブライエンと美空ひばり共演)封切[8][35]。
- 11月
- 12月
周年
編集- 創立20周年
日本の映画興行
編集各国ランキング
編集日本配給収入ランキング
編集順位 | 題名 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|
1 | ひめゆりの塔 | 東映 | 1億7659万円 |
2 | お茶漬の味 | 松竹 | 1億0992万円 |
3 | ひばり姫初夢道中[42] | 松竹 | 1億0881万円 |
4 | 夏子の冒険 | 松竹 | 1億0718万円 |
5 | 波[43] | 松竹 | 1億0492万円 |
6 | 学生社長[44] | 松竹 | 9953万円 |
7 | 銭形平次捕物控 からくり屋敷 | 大映 | 9379万円 |
8 | ハワイの夜[45] | 新東宝 | 8772万円 |
9 | 現代人 | 松竹 | 8491万円 |
10 | 千羽鶴 | 大映 | 7905万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、96頁。ISBN 978-4873767550。
順位 | 題名 | 製作国 | 配給 | 配給収入 |
---|---|---|---|---|
1 | 風と共に去りぬ | MGM | 1億3336万円 | |
2 | 硫黄島の砂 | リパブリック=NCC | 1億1436万円 | |
3 | 誰が為に鐘は鳴る | パラマウント映画 | 1億0425万円 | |
4 | サムソンとデリラ | パラマウント映画 | 9172万円 | |
5 | キング・ソロモン | MGM | 8648万円 | |
6 | 遠い太鼓[46] | ワーナー・ブラザース | 7771万円 | |
7 | ダラス[47] | ワーナー・ブラザース | 7296万円 | |
8 | リオグランデの砦 | リパブリック=NCC | 7077万円 | |
9 | 血と砂 | 20世紀フォックス | 6653万円 | |
10 | 三銃士[48] | MGM | 6550万円 |
- 出典:『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』キネマ旬報社〈キネマ旬報ムック〉、2012年5月、97頁。ISBN 978-4873767550。
日本公開作品
編集→詳細は「1952年の日本公開映画」を参照
受賞
編集- 第10回ゴールデングローブ賞
- 作品賞 (ドラマ部門) - 『地上最大のショウ』
- 主演男優賞 (ドラマ部門) - ゲイリー・クーパー - 『真昼の決闘』
- 主演女優賞 (ドラマ部門) - シャーリー・ブース - 『愛しのシバよ帰れ』
- 作品賞 (ミュージカル・コメディ部門) - 『わが心に歌えば』
- 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - ドナルド・オコーナー - 『雨に唄えば』
- 主演女優賞 (ミュージカル・コメディ部門) - スーザン・ヘイワード - 『わが心に歌えば』
- 監督賞 - セシル・B・デミル - 『地上最大のショウ』
- 第18回ニューヨーク映画批評家協会賞[49]
- 作品賞 - 『真昼の決闘』
- 第5回カンヌ国際映画祭
- パルム・ドール
- 『オーソン・ウェルズのオセロ』 - オーソン・ウェルズ監督、 アメリカ合衆国
- 『2ペンスの希望』 - レナート・カステラーニ監督、 イタリア
- パルム・ドール
- 第7回毎日映画コンクール
- 日本映画大賞 - 『生きる』
生誕
編集- 1月7日 - サモ・ハン・キンポー、 イギリス領香港、男優
- 1月28日 - 三浦友和、 日本、男優
- 2月8日 - 郷里大輔、 日本、声優
- 2月12日 - サイモン・マッコーキンデール、 イングランド、男優
- 2月22日 - イッセー尾形、 日本、男優
- 3月3日 - 大森一樹、 日本、映画監督
- 3月19日 - ハーヴェイ・ワインスタイン、 アメリカ合衆国、プロデューサー
- 4月1日 - アネット・オトゥール、 アメリカ合衆国、女優
- 4月6日 - マリル・ヘナー、 アメリカ合衆国、女優
- 4月15日 - グレン・シャディックス、 アメリカ合衆国、男優
- 4月28日 - メアリー・マクドネル、 アメリカ合衆国、女優
- 5月2日 - 夏木マリ、 日本、女優
- 5月6日 - グレッグ・ヘンリー、 アメリカ合衆国、男優・ミュージシャン
- 5月11日 - フランシス・フィッシャー、 イギリス、男優
- 5月12日 - 風吹ジュン、 日本、女優
- 5月14日 - ロバート・ゼメキス、 アメリカ合衆国、映画監督
- 5月18日 - 大友龍三郎、 日本、声優
- 6月7日 - リーアム・ニーソン、 北アイルランド、男優
- 6月12日 - 沖雅也、 日本、男優
- 6月18日 - イザベラ・ロッセリーニ、 イタリア、女優
- 6月20日 - ジョン・グッドマン、 アメリカ合衆国、男優
- 7月1日 - ダン・エイクロイド、 カナダ、男優・ダンサー
- 7月2日 - 小柳ルミ子、 日本、歌手・女優
- 7月14日 - 水谷豊、 日本、男優
- 7月15日 - テリー・オクィン、 アメリカ合衆国、男優
- 7月20日 - 松坂慶子、 日本、女優
- 7月24日 - ガス・ヴァン・サント、 アメリカ合衆国、映画監督
- 8月10日 - ダニエル・ヒュー・ケリー、 アメリカ合衆国、男優
- 8月18日 - パトリック・スウェイジ、 アメリカ合衆国、男優・ダンサー
- 8月26日 - マイケル・ジェッター、 アメリカ合衆国、男優
- 9月2日 - よこざわけい子、 日本、声優
- 9月5日 - 草刈正雄、 日本、男優
- 9月16日 - ミッキー・ローク、 アメリカ合衆国、男優
- 9月24日 - クリストファー・リーヴ、 アメリカ合衆国、男優
- 10月3日 - 白竜、 日本、男優
- 10月22日 - ジェフ・ゴールドブラム、 アメリカ合衆国、男優
- 10月28日 - アニー・ポッツ、 アメリカ合衆国、女優
- 11月8日 - アルフレ・ウッダード、 アメリカ合衆国、女優
- 11月13日 - 野村将希、 日本、男優
- 12月12日 - サラ・ダグラス、 イングランド、女優
- 12月13日 - 井筒和幸、 日本、映画監督
- 12月20日 - ジェニー・アガター、 イングランド、女優
死去
編集日付 | 名前 | 出身国 | 年齢 | 職業 | |
1月 | 18日 | カーリー・ハワード(三ばか大将 ) | アメリカ合衆国 | 48 | コメディアン |
4月 | 21日 | レスリー・バンクス | イギリス | 61 | 男優 |
5月 | 21日 | ジョン・ガーフィールド | アメリカ合衆国 | 39 | 男優 |
7月 | 6日 | ゲルトルード・ヴィーレ | ドイツ帝国 | 61 | 女優 |
10月 | 17日 | ジュリア・ディーン | アメリカ合衆国 | 74 | 舞台・映画女優 |
23日 | スーザン・ピータース | アメリカ合衆国 | 31 | 女優 | |
26日 | ハティ・マクダニエル | アメリカ合衆国 | 57 | 女優 |
脚注
編集注釈
編集- ^ 映画DBのallcinemaでは「名誉賞」[3]、『昭和広告60年史』では「外国作品特別賞」となっている[4]。また、『東宝五十年史』では日付が「1月31日」となっている[2]。
- ^ 『年表・映画100年史』では「銀賞」[1]、『松竹九十年史』では「監督賞」となっている[7]。
- ^ 〔引用者註〕『東宝五十年史』では「東京洋画チェーン」となっていたが、『東宝75年のあゆみ』では「東宝洋画チェーン」となっている。『東宝五十年史』の誤植を『東宝75年のあゆみ』で訂正したと考え、「東宝洋画チェーン」を採用した。
- ^ 『松竹九十年史』では、『君の名は』は6月開始となっている[7]。
- ^ 『東宝五十年史』では「(前略)ヒット 以降社長シリーズ三十六作に続く」となっている。
- ^ 『東宝五十年史』では「9月3日公開」となっているが[10]、映画DBの「9月4日公開」を採用した[28][29]。
- ^ 『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集』では、公開無期延期の理由を「米軍基地を批判的に描いた」ためとしている[8]。
- ^ 〔引用者註〕『映画年鑑 1954年版』では、「マースMPEA副社長」となっているが、「副会長」に変更した。
出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n 谷川 1993, p. 120.
- ^ a b c d e f g h 東宝 1982b, p. 61.
- ^ “羅生門(1950) 【受賞履歴】”. allcinema. 2019年9月6日閲覧。
- ^ a b 山川 1987, p. 217.
- ^ “西鶴一代女(1952) 【受賞履歴】”. allcinema. 2019年9月6日閲覧。
- ^ a b c d e 筈見 1956, p. 97.
- ^ a b c d e f g h i j k l m 松竹 1985, p. 679.
- ^ a b c d e 石原良太 1986, p. 88.
- ^ “これがシネラマだ(1952)”. allcinema. スティングレー. 2019年9月27日閲覧。
- ^ a b c d e 東宝 1982b, p. 62.
- ^ 松崎健夫. ““赤狩り”とアメリカ追放 -チャップリンの映画人生- 没後45年『チャールズ・チャップリン映画祭』”. BANGER!!!. ディスカバリー・ジャパン. 2023年10月2日閲覧。 “1952年9月、新作『ライムライト』(1952年)のワールドプレミアがロンドンで開催されるため、(中略)事実上、アメリカから追放されたチャップリンは、アメリカに戻らないことを決意。”
- ^ “BWANA DEVIL (1953)” (英語). アメリカン・フィルム・インスティチュート. 2023年9月28日閲覧。 “World premiere in Los Angeles: 26 Nov 1952”
- ^ a b c 東宝 1982b, p. 60.
- ^ 時事通信社 1953, p. 80.
- ^ a b 時事通信社 1953, p. 12.
- ^ a b 東映 1992, p. 15.
- ^ a b 東宝 2010b, p. 206.
- ^ “いついつまでも”. キネノート. キネマ旬報社. 2019年9月4日閲覧。
- ^ 木全公彦. “コラム『日本映画の玉(ギョク)』 俳優ブローカーと呼ばれた男【その壱】”. 映画の國. マーメイドフィルム. 2023年9月28日閲覧。
- ^ 日活 2014, pp. 60, 64.
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- ^ 松本裕行 (2016年). “占領期における大阪の接収不動産についての調査” (PDF). 大阪市立大学. p. 105. 2020年1月11日閲覧。
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- ^ “風と共に去りぬ”. キネノート. キネマ旬報社. 2020年1月12日閲覧。
- ^ “映画 風と共に去りぬ (1939)について”. allcinema. スティングレー. 2020年1月12日閲覧。
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- ^ a b “沿革”. 東映公式サイト. 東映. 2020年4月1日閲覧。
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- ^ “作品紹介 春の囁き”. 映連データベース. 日本映画製作者連盟. 2023年10月11日閲覧。
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- ^ a b 時事通信社 1954a, p. 12.
- ^ 角川春樹、藤岡和賀夫、阿久悠『ザ・ブーム』角川書店、1982年1月25日、196頁。
- ^ “小売物価統計調査(動向編) 調査結果”. 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “主要品目の東京都区部小売価格:昭和25年(1950年)〜平成22年(2010年)” (Excel). 統計局. 2016年8月3日閲覧。
- ^ “ひばり姫初夢道中”. KINENOTE(キネノート). 2018年10月2日閲覧。
- ^ “波(1952)”. KINENOTE(キネノート). 2018年10月4日閲覧。
- ^ “学生社長”. KINENOTE(キネノート). 2018年10月4日閲覧。
- ^ “ハワイの夜”. KINENOTE(キネノート). 2018年10月4日閲覧。
- ^ “遠い太鼓”. allcinema. 2018年9月30日閲覧。
- ^ “ダラス”. allcinema. 2018年10月13日閲覧。
- ^ “三銃士(1948)”. KINENOTE(キネノート). 2018年10月13日閲覧。
- ^ “1952 Awards”. ニューヨーク映画批評家協会. 2012年5月10日閲覧。
参考文献
編集- 石原良太 編『映画賞・映画祭日本・外国受賞作品大全集 : 栄光と虚栄・アカデミー賞からヨコハマ映画祭』芳賀書店、1986年6月。ISBN 4-8261-0520-7。
- 時事通信社『映画年鑑 1953年版』時事通信社、1953年1月1日。doi:10.11501/2472546。全国書誌番号:55003055。 - 「映画界重要日誌」1951年9月から1952年8月まで。
- 時事通信社『映画年鑑 1954年版』時事通信社、1954年1月1日。doi:10.11501/2472548。全国書誌番号:55003055。 - 「映画界重要日誌」1952年9月から1953年8月まで。
- 松竹『松竹九十年史』松竹、1985年12月。全国書誌番号:87001945。
- 谷川義雄『年表・映画100年史』風濤社、1993年5月。ISBN 4-89219-113-2。
- 東映『クロニクル東映-II 1947-1991』東映、1992年10月。全国書誌番号:93017746。
- 東宝『東宝五十年史』東宝、1982年11月。全国書誌番号:83041631。
- 渋沢社史データベース版(1982年11月刊行本が底本)
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ ビジュアルで綴る3/4世紀 1932 - 2007』東宝、2010年4月。
- 東宝 編『東宝75年のあゆみ 1932 - 2007 資料編』(PDF)東宝、2010年4月。
- 日活『日活100年史 = Nikkatsu-celebrating 100 years of history』日活、2014年3月。全国書誌番号:22411179。
- 筈見恒夫『写真映画百年史』 補巻、鱒書房、1956年6月。 NCID BA32272354。NDLJP:2478782。
- 山川浩二『昭和広告60年史』講談社、1987年。ISBN 4-06-202184-6。