宮腰光寛
宮腰 光寛(みやこし みつひろ、1950年〈昭和25年〉12月21日 - )は、日本の政治家。
宮腰 光寛 みやこし みつひろ | |
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生年月日 | 1950年12月21日(73歳) |
出生地 | 日本 富山県黒部市 |
出身校 |
富山県立桜井高等学校卒業 京都大学法学部中退 |
所属政党 | 自由民主党(加藤派→古賀派→岸田派) |
配偶者 | あり |
子女 | 娘 |
公式サイト | 衆議院議員 富山2区 宮腰光寛(みやこし みつひろ)(2013年10月25日時点のアーカイブ) |
内閣 | 第4次安倍第1次改造内閣 |
在任期間 | 2018年10月2日 - 2019年9月11日 |
内閣 |
第3次安倍第3次改造内閣 第4次安倍内閣 |
在任期間 | 2017年8月3日 - 2018年10月2日 |
選挙区 | 富山2区 |
当選回数 | 8回 |
在任期間 | 1998年8月23日 - 2021年10月14日 |
当選回数 | 4回 |
在任期間 | 1983年 - 1998年 |
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、消費者及び食品安全、少子化対策、海洋政策)(第4次安倍第1次改造内閣)、内閣総理大臣補佐官(第3次安倍第3次改造内閣・第4次安倍内閣)、農林水産副大臣(第3次小泉内閣・第3次小泉改造内閣)、農林水産大臣政務官(第1次小泉内閣)、内閣府大臣政務官(第1次小泉第2次改造内閣・第2次小泉内閣)、衆議院農林水産委員長、衆議院議員(8期)、富山県議会議員(4期)、自民党たばこ議員連盟副会長などを歴任[1][2]。
来歴
編集富山県黒部市生まれ[3](現住所は黒部市岡)。黒部市立石田小学校、黒部市立白鷹中学校、富山県立桜井高等学校卒業。高校卒業後、京都大学法学部に入学するが、1974年に中退。在学中、家業の石材店を営む宮腰工業所に入社。1981年より社団法人黒部青年会議所理事長。
1983年、富山県議会議員選挙に立候補し初当選。以後、1998年まで4期15年間、富山県議を務める[3]。1996年、富山県議会副議長に就任。1998年、富山県議を4期目の任期途中で辞職。住博司衆議院議員の死去に伴う富山2区補欠選挙に自由民主党公認で立候補し、初当選した[3]。以後、富山2区で8期連続当選[3]。
2002年に第1次小泉内閣で農林水産大臣政務官に任命される。2002年10月、自由民主党法務・自治関係団体委員長に就任。2003年に第1次小泉第2次改造内閣で内閣府大臣政務官(科学技術政策、個人情報保護及び原子力関係政策の担当)に任命。2005年の第3次小泉内閣では農林水産副大臣に任命され、第3次小泉改造内閣まで務める。2007年、衆議院農林水産委員長に就任。2009年の第45回衆議院議員総選挙では与党に猛烈な逆風が吹き荒れる中、富山2区で社会民主党の新人を3万票超の大差で破り、5選。なお宮腰の初当選以来、富山2区では次点以下の候補は一度も比例復活していない。
2014年9月、自由民主党TPP対策委員会の委員長代理及び事務総長に起用された[4]。2015年10月の第3次安倍第1次改造内閣の発足に際しては、所属する宏池会会長の岸田文雄外務大臣が、安倍晋三首相に対し宮腰の入閣を求めていたが、起用には至らなかった[5]。
2017年8月3日、内閣総理大臣補佐官(ふるさとづくりの推進及び農林水産物の輸出振興担当)に就任[6]。
2017年の第48回衆議院議員総選挙では、社会民主党の新人を6万票超の大差で破り、8選[7]。
2018年10月、第4次安倍改造内閣で内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策、海洋政策、消費者及び食品安全、少子化対策)として初入閣し[8]、一億総活躍、行政改革、国家公務員制度などの職務も兼務した。富山県選出の国会議員として2006年以来の大臣となった[3]。
2020年9月、自由民主党組織運動本部長代理に就任。同年11月、2020年富山県知事選挙で、現職の石井隆一の選対本部総括責任者を務めていたが、石井が敗北した責任を取り、県連会長を辞任した[9]。
2021年、年内に予定される第49回衆議院議員総選挙に9選を目指し出馬の準備を進めていた。5月、自由民主党所属で富山県議会議員の上田英俊が富山2区からの出馬を検討し、保守分裂選挙となる可能性が取り沙汰されたが[10]、前年の県知事選挙に続き保守分裂選挙を避けたいとした上で5月26日に会見で次の衆議院議員総選挙への立候補を取り止め、政界から引退する意向を示した[11][12]。
不祥事・奇行
編集談合企業からの献金
編集大臣就任直後の2018年10月18日、宮腰が代表を務める自由民主党富山県第2選挙区支部が、関西電力発注の送電線工事で談合していたとして2014年に公正取引委員会から行政処分を受けた地元企業から、2014年から2016年までに計36万円の献金を受け取っていたことが発覚した。宮腰は翌19日の会見で、受け取った献金について返金すると説明した[13][14][15][16][17]。
後援団体の使途不明金
編集2018年10月24日、宮腰の後援団体である「宮腰光寛後援会」の政治資金について、2014年から2016年までの3年間で使途不明金が3384万円に上っていたことが発覚した。これは後援団体の全支出の7割を超える金額だった。宮腰は翌26日の会見で「法令に従って適正に処理している」と述べた[18][19]。
議員宿舎内での奇行
編集2018年10月25日付の文春オンラインは「『全裸でピンポン』現職大臣の実名 〈議員宿舎で〉勝手に他議員宅の風呂に入り、隣家の呼び鈴を…」と題して、宮腰が2007年に赤坂の議員宿舎内で酒に酔って他人の風呂に無断で入り、下着姿のまま別の部屋のインターホンを押したなどと報じた。宮腰は10月30日の会見で「記事は承知している」と認め、「深く反省をし、ご迷惑をおかけしました方々には、改めておわび申し上げたい」と謝罪した[20][21][22][23]。
コロナ禍での酒席参加
編集2020年12月25日、政府が新型コロナウイルス感染症対策として忘年会や新年会の自粛を呼びかける中、宮腰自身は富山市内で漁業関係者33人が出席する懇親会に参加しており、酒を飲んで転倒し救急搬送された。富山県内でも新型コロナウイルス感染拡大警報「富山アラート」が発令されている最中であったこともあり、宮腰はコロナ禍での酒席に参加したことについて「申し訳なかった」と述べている[24]。
議員会館の執務室での違法喫煙
編集2021年9月17日、自民党総裁選に立候補した岸田文雄の出陣式にオンラインで出席中、議員会館の執務室で喫煙をしていた[25]。2020年4月から施行された改正健康増進法により、国会や議員会館は原則屋内禁煙とされており、違反者には30万円以下の罰金が科される[26]。宮腰は喫煙の事実を認め「長時間だったので。すいません」と述べている[25]。
政策・主張
編集- 日本国憲法の改正に賛成[27]。
- 集団的自衛権の行使を禁じた内閣法制局の憲法解釈の見直しに賛成[27]。
- 日本の核武装について「今後の国際情勢によっては検討すべき」としている[27]。
- 女性宮家の創設に反対[27]。
- 日本の環太平洋戦略的経済連携協定 (TPP) 参加に反対[27]。
- 選択的夫婦別姓制度の導入に反対[28][29]。
- 受動喫煙防止を目的に飲食店などの建物内を原則禁煙とする健康増進法改正案について、「受動喫煙を避けるのは当然だが、公共空間を全面禁煙にするというのはいかがか」として反対。日本の法整備が国際的に最低レベルとされている状況についても、「米国などと同等だ。 飛び抜けて遅れているわけではない」と述べている[30]。
人物
編集- 喫煙者である[30]。
- 北方領土問題対策協会県推進委員を務める。北方領土問題にライフワークとして取り組んでいて、国会議員当選後以後に北海道根室市に40回以上訪問している[3]。富山県は北方四島からの引き揚げた元島民が北海道に全国2番目に多いため、宮腰は政治家になる以前から北方領土返還要求運動に関わり、元島民らで作る千島歯舞諸島居住者連盟富山支部の総会などに必ず足を運んでいた。そのため、2018年10月に担当大臣になった際には元島民は「うれしいし、心強い。」「どんなに忙しくても私たちの会合に顔を出してくれる。」「これからもいろんな情報を知らせ、私たちの願いをかなえてほしい」「就任を待ち望んでいた。」」北方領土問題に造詣が深く、元島民の気持ちを理解してくれている。」と評価されている[31]。
統一教会との関係
編集所属団体・議員連盟
編集脚注
編集- ^ “宮腰 光寛”. 首相官邸ホームページ. 内閣官房内閣広報室. 2023年12月3日閲覧。
- ^ “国会議員情報 宮腰 光寛(みやこし みつひろ)”. 時事ドットコム (時事通信社) 2023年12月3日閲覧。
- ^ a b c d e f “富山から12年ぶり入閣 宮腰衆議院議員が沖縄北方相に/富山(チューリップテレビ) - Yahoo!ニュース”. Yahoo!ニュース 2018年10月2日閲覧。
- ^ “自民TPP対策委員長に森山氏、事務総長は宮腰氏”. 産経新聞. (2014年9月27日) 2016年1月2日閲覧。
- ^ “岸田派冷遇、入閣1人「首相支持」報われず”. 毎日新聞. (2015年10月8日) 2016年1月2日閲覧。
- ^ 【内閣改造】西村康稔官房副長官、薗浦健太郎首相補佐官らを発表 産経ニュース 2017年8月3日
- ^ 富山-開票速報-2017衆議院選挙(衆院選):朝日新聞デジタル
- ^ 内閣改造 沖縄北方相に宮腰光寛氏 内定
- ^ 自民党富山県連 宮腰会長と五十嵐幹事長が辞任へ - 朝日新聞 2020年11月2日
- ^ “上田県議、出馬を明言 次期衆院選富山2区 保守分裂選の可能性、自民公認目指す”. 北國新聞. (2021年5月26日) 2021年5月31日閲覧。
- ^ “宮腰衆院議員、引退表明 次期総選挙出ず 「分裂選避ける」 自民・富山2区8期”. 北國新聞. (2021年5月27日) 2021年5月31日閲覧。
- ^ 自民・宮腰元沖北相が政界引退へ - 産経ニュース 2021年5月26日
- ^ “沖縄北方相側に談合業者が献金 3年分36万円、返還意向”. (2018年10月19日) (2018-10-19発行)
- ^ “宮腰沖縄・北方担当相に談合業者が献金”. (2018年10月19日) (2018-10-19発行)
- ^ “宮腰沖北相、談合企業からの献金認める 36万円返金へ”. (2018年10月19日) (2018-10-20発行)
- ^ “「政治とカネ」発覚止まらず=新たに宮腰氏、談合企業から献金”. (2018年10月19日) (2018-10-20発行)
- ^ “宮腰沖北相、談合業者の献金返還 「責任果たす」と説明”. (2018年10月19日) (2018-10-20発行)
- ^ “宮腰氏後援団体、使途明細不明 14~16年の3千万円分”. (2018年10月24日) (2018-10-25発行)
- ^ “使途不明3300万円、宮腰大臣「法令に従い適正に処理」”. (2018年10月26日) (2018-10-26発行)
- ^ “議員宿舎「裸でピンポン」事件を起こした現職大臣”. (2018年10月24日) (2018-10-25発行)
- ^ “「全裸でピンポン」現職大臣の実名 〈議員宿舎で〉勝手に他議員宅の風呂に入り、隣家の呼び鈴を…”. (2018年10月25日) (2018-10-25発行)
- ^ “宮腰沖北相、「全裸」報道で謝罪”. (2018年10月30日) (2018-10-30発行)
- ^ “宮腰沖北相、過去に裸で議員宿舎の部屋訪ねる 「反省」”. (2018年10月30日) (2018-10-31発行)
- ^ “宮腰光寛元大臣が酒席で倒れる 30人超の懇親会に出席”. BBTWEB (富山テレビ放送). (2020年12月26日) 2020年12月26日閲覧。
- ^ a b “宮腰氏、出陣式で喫煙 自民総裁選、オンライン出席中 禁煙の議員会館執務室”. 富山新聞 (北國新聞社社). (2021年9月18日) 2021年9月18日閲覧。
- ^ “「議員特権か」 国会自室での違法喫煙、なぜはびこる?”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2020年10月2日) 2021年9月19日閲覧。
- ^ a b c d e “2012衆院選 富山2区 宮腰光寛”. 毎日jp (毎日新聞社) 2014年8月14日閲覧。
- ^ 朝日新聞、2014年衆院選、朝日・東大谷口研究室共同調査、2014年。
- ^ 第154回国会請願2068号
- ^ a b “【東京リポート】「まず法整備を優先」/受動喫煙防止で自民県在住議員”. 北日本新聞 (北日本新聞社). (2017年8月28日) 2018年8月11日閲覧。
- ^ “四島返還引っ張って 県内の元島民期待 宮腰さん沖縄北方相(北日本新聞) - Yahoo!ニュース”. Yahoo!ニュース 2018年10月3日閲覧。
- ^ “アジア睨み戦略的に沖縄振興 | オピニオンの「ビューポイント」”. 2024年10月22日閲覧。
- ^ “「自民党たばこ議員連盟」役員(2017/3/7現在)及び役員へのタバコ販売&耕作者政治連盟からの6年間の献金額(万円)”. 2018年4月11日閲覧。
- ^ “自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者)”. 2018年4月11日閲覧。
- ^ “政務調査会(部会・調査会・特別委員会等) - 自由民主党 役員”. 自由民主党. 2020年4月11日閲覧。
- ^ a b 俵義文 『日本会議の全貌』 花伝社、2016年
公職 | ||
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先代 福井照 |
特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 第28代:2018年 - 2019年 |
次代 衛藤晟一 |
先代 福井照 |
特命担当大臣(消費者及び食品安全) 第17代:2018年 - 2019年 |
次代 衛藤晟一 |
先代 松山政司 |
特命担当大臣(少子化対策) 第20代:2018年 - 2019年 |
次代 衛藤晟一 |
先代 福井照 |
内閣府特命担当大臣(海洋政策) 第5代:2018年 - 2019年 |
次代 衛藤晟一 |
先代 (新設) |
内閣総理大臣補佐官 (ふるさとづくりの推進及び農林水産物の輸出振興担当) 2017年 - 2018年 |
次代 江藤拓 |
先代 常田享詳 |
農林水産副大臣 常田享詳と共同 →三浦一水と共同 2005年 - 2006年 |
次代 山本拓 国井正幸 |
先代 阿南一成 木村隆秀 大村秀章 |
内閣府大臣政務官 西川公也 森元恒雄と共同 2003年 - 2004年 |
次代 木村勉 西銘順志郎 江渡聡徳 |
先代 岩永峯一 岩永浩美 |
農林水産大臣政務官 岩永浩美と共同 2002年 |
次代 熊谷市雄 渡辺孝男 |
議会 | ||
先代 西川公也 |
衆議院農林水産委員長 2007年 - 2008年 |
次代 遠藤利明 |