ジェイソン・リチャードソン

アメリカのバスケットボール選手 (1981 - )

ジェイソン・リチャードソン(Jason Anthoney Richardson、1981年1月20日 - )は、アメリカ合衆国ミシガン州サギノー出身の元バスケットボール選手。NBAオールスター・スラムダンクコンテスト2002年2003年と2年連続で優勝した。身長198cm、体重102kg。ポジションはシューティングガード。愛称は"J-Rich"。

ジェイソン・リチャードソン
Jason Richardson
2010年のリチャードソン
引退
ポジション SG/SF
基本情報
愛称 J-Rich
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生年月日 (1981-01-20) 1981年1月20日(43歳)
出身地 ミシガン州サギノー
身長(現役時) 198cm (6 ft 6 in)
体重(現役時) 102kg (225 lb)
キャリア情報
高校 アーサー・ヒル高等学校英語版(MI)
大学 ミシガン州立大学 (1999-2001)
NBAドラフト 2001年 / 1巡目 / 全体5位[1]
プロ選手期間 2001年–2015年
選手経歴
2001-2007
2007-2008
2008-210
2010-2012
2012-2015
ゴールデンステート・ウォリアーズ
シャーロット・ボブキャッツ
フェニックス・サンズ
オーランド・マジック
フィラデルフィア・76ers
経歴
2001-2007ゴールデンステート・ウォリアーズ
2007-2008シャーロット・ボブキャッツ
2008-2010フェニックス・サンズ
2010-2012オーランド・マジック
2012-2015フィラデルフィア・セブンティシクサーズ
受賞歴
NBA通算成績
得点 14,644 (17.1 ppg)
リバウンド 4,245 (5.0 rpg)
アシスト 2,284 (2.7 apg)
Stats ウィキデータを編集 Basketball-Reference.com
Stats ウィキデータを編集 NBA.com 選手情報 NBA.Rakuten

大学時代

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同じくNBA入りしたモリス・ピーターソンチャーリー・ベルマティーン・クリーブス英語版と共に大学のチームであるミシガンステート・スパルタンズNCAAナショナルチャンピオンシップ優勝に導いた。

2001年のNBAドラフトによってゴールデンステート・ウォリアーズに1巡目5位で指名され入団。2002年4月16日のサクラメント・キングス戦で自身初の40得点を記録した[1]新人王の投票では、パウ・ガソルリチャード・ジェファーソンに次ぐ3位だった[2]

2006年3月10日のマイアミ・ヒート戦で自己最多の44得点を記録した[3]。2005-06シーズンの1試合平均23.2得点はリーグ13位の成績だった。しかしフリースロー成功率は67.3%とシューティングガードのフリースロー成功率としてはワースト3に入るものだった。

2007年6月28日、NBAドラフト当日のブランダン・ライトの交渉権とのトレードによってシャーロット・ボブキャッツへ移籍した。

2008年12月10日、ラジャ・ベルボリス・ディアウとの交換トレードで、ジャレッド・ダドリーと共にフェニックス・サンズに移籍。

2010年のプレーオフのポートランド・トレイルブレイザーズとの1回戦の第3試合では42得点の大活躍だった[4]

2010年12月18日、3球団 (フェニックス・サンズのほか、オーランド・マジックワシントン・ウィザーズ) が絡むトレードにより、ヒド・ターコルーアール・クラークとともに、ヴィンス・カーターミカエル・ピートラスマルチン・ゴルタット+2011年ドラフト1順目指名権、現金との3対3+のトレードで、オーランド・マジックに移籍。

2012年8月10日、4チームによる大型トレードでフィラデルフィア・セブンティシクサーズに移籍した。しかし、2013年1月に左膝の手術を行い、その後の試合と2013-14シーズンを全休。更に2014-15シーズンも、シーズン開幕前に右足の疲労骨折が発覚したために開幕から欠場を余儀無くされていたが、2015年2月20日の対インディアナ・ペイサーズ戦でに2年振りに復帰した[5]

2015年8月15日、アトランタ・ホークスとシーズンキャンプに関する無保証契約を結び、NBA生き残りを賭けたラストチャンスに挑むところだったが、9月23日、引退を決め、Instagramにかつて所属したウォリアーズ、ボブキャッツ、サンズ、マジック、76ersでのプレー画像に、引退報告のメッセージを添えて投稿した[6]

プレースタイル

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最大の長所は、爆発的な身体能力を生かしたドライブダンクシュートである。スラムダンクコンテストを2連覇し、リーグ屈指のスラムダンカーとして名高い。さらに最近はシューターとしての能力を開花させ、重要な場面で3ポイントやミドルレンジからのシュートを沈めている。しかしフリースローは通算70.7%と苦手としている。また身体能力の高さのわりにディフェンスを苦手にしており、2008-09シーズン途中にシャーロット・ボブキャッツからフェニックス・サンズに放出されたのは、ラリー・ブラウンにディフェンスの能力の低さを疎遠されたからだと言われている。

ハイライト

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2006年3月23日ダラス・マーベリックス戦、4.7秒を残しウォリアーズは2点リードを許していた。マーベリックスはフリースローのチャンスだったがジェイソン・テリーが失敗し、そのリバウンドをリチャードソンが掴んだ。そしてそのままコート上を駆け抜けスピンムーブで相手を抜き去り、試合終了のブザーが鳴りながら3ポイントシュートを沈めた。この場面はNBA.comブザービーターベスト10の第1位に選ばれた。

ダンクコンテスト

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NBAオールスターゲーム前夜に行われるスラムダンクコンテスト2002年2003年と2年連続で優勝している。2003年はレッグスルー・リバース・ワンハンドダンクという高度な技を決め、大きな話題となった。当時、連覇を成し遂げた人物は2人しかおらず、残る一人はマイケル・ジョーダンである。(後に2009年、2010年にネイト・ロビンソンが、2015年、2016年にザック・ラヴィーン、2023年、2024年にマック・マクラングが2連覇を達成し、現在は5人)

交流

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  • ウォリアーズ時代のチームメイトだったバロン・デイビスとはプライベートでも非常に仲が良い。

個人成績

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略称説明
  GP 出場試合数   GS  先発出場試合数  MPG  平均出場時間
 FG%  フィールドゴール成功率  3P%  スリーポイント成功率  FT%  フリースロー成功率
 RPG  平均リバウンド  APG  平均アシスト  SPG  平均スティール
 BPG  平均ブロック   TO  平均ターンオーバー  PPG  平均得点
 太字  キャリアハイ  *  リーグリーダー  †  優勝シーズン

レギュラーシーズン

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シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG TO PPG
2001–02 GSW 80 75 32.9 .426 .333 .671 4.3 3.0 1.3 .4 2.0 14.4
2002–03 82 82 32.9 .410 .368 .764 4.6 3.0 1.1 .3 2.2 15.6
2003–04 78 78 37.6 .438 .282 .684 6.7 2.9 1.1 .5 2.5 18.7
2004–05 72 72 37.8 .446 .338 .693 5.9 3.9 1.5 .4 2.3 21.7
2005–06 75 75 38.4 .446 .384 .673 5.8 3.1 1.3 .5 2.2 23.2
2006–07 51 49 32.8 .417 .365 .657 5.1 3.4 1.1 .6 1.6 16.0
2007–08 CHA 82 82 38.4 .441 .406 .752 5.4 3.1 1.4 .7 2.0 21.8
2008–09 14 14 35.1 .441 .458 .745 4.1 2.6 1.0 .2 1.7 18.7
PHX 58 57 33.1 .488 .383 .778 4.5 1.9 1.1 .4 1.2 16.4
2008-09計 72 71 33.5 .477 .397 .769 4.4 2.0 1.1 .4 1.3 16.8
2009–10 79 76 31.5 .474 .393 .739 5.1 1.8 .8 .4 1.2 15.7
2010–11 25 25 31.8 .470 .419 .764 4.4 1.4 1.1 .1 1.2 19.3
ORL 55 55 34.9 .433 .384 .701 4.0 2.0 1.2 .2 1.2 13.9
2010-11計 80 80 33.9 .447 .395 .730 4.1 1.8 1.2 .2 1.2 15.6
2011–12 54 54 29.5 .408 .368 .594 3.6 2.0 1.0 .4 1.1 11.6
2012–13 PHI 33 33 28.4 .402 .341 .606 3.8 1.5 1.2 .5 .8 10.5
2013–14 19 15 21.9 .348 .323 .773 3.5 2.0 .7 .2 .8 9.1
通算:12年 857 842 34.1 .438 .370 .707 5.0 2.7 1.2 .4 1.8 17.1
  • 2011-12シーズンは66試合で打ち切り

プレーオフ

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シーズン チーム GP GS MPG FG% 3P% FT% RPG APG SPG BPG TO PPG
2007 GSW 11 11 38.9 .476 .354 .704 6.7 2.0 1.3 .5 2.2 19.1
2010 PHI 16 16 33.3 .502 .475 .759 5.4 1.1 1.1 .3 .6 19.8
2011 ORL 5 5 30.6 .333 .320 1.000 4.0 1.2 .6 .4 .6 10.0
2012 5 5 29.6 .396 .370 .417 3.8 1.0 1.2 .4 1.2 11.4
出場:4回 37 37 34.1 .465 .404 .724 5.4 1.4 1.1 .4 1.2 17.1

脚注

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  1. ^ Warriors vs Kings, April 16, 2002” (英語). Basketball-Reference.com (2002年4月16日). 2024年8月3日閲覧。
  2. ^ 2001-02 NBA Awards Voting” (英語). Basketball-Reference.com. 2024年8月3日閲覧。
  3. ^ Warriors vs Heat, March 10, 2006” (英語). Basketball-Reference.com (2006年3月10日). 2024年8月3日閲覧。
  4. ^ 2010 NBA Western Conference First Round Game 3: Suns vs Trail Blazers, April 22, 2010” (英語). Basketball-Reference.com (2010年4月22日). 2024年8月3日閲覧。
  5. ^ Richardson To Start Against Pacers After 25 Months Away”. NBA.com (2015年2月20日). 2015年2月28日閲覧。
  6. ^ J・リチャードソンが現役引退を表明”. nba.co.jp (2015年9月24日). 2015年9月24日閲覧。

外部リンク

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2001年のNBAドラフト