3歳ダート三冠

日本の競馬の競走

3歳ダート三冠(さんさいダートさんかん)とは大井競馬場で施行されている羽田盃東京ダービージャパンダートクラシック(旧:ジャパンダートダービー)の3競走[注 1]のうち、すでにJpnIになっているジャパンダートクラシックを除き、2023年まで南関東所属馬限定で施行されていた2競走を2024年にJpnIへ昇格するにあたって、整備された路線である。

概要

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2022年の時点において、3歳の三冠路線は芝では中央競馬クラシック三冠中央競馬3歳牝馬三冠の2路線が存在している一方、ダートでは地方競馬が行われているそれぞれの地区が三冠路線を形成しており、JRAのような三冠競走の路線は存在していなかった[注 2]

このような状況を改善するため、2022年6月20日特別区競馬組合兵庫県競馬組合、日本中央競馬会および地方競馬全国協会の合同記者会見が行われ、その席で3歳ダート三冠路線を中心とした2・3歳馬競走の体系整備に関する改革案が発表された。

この改革案によると、羽田盃、東京ダービーを南関東重賞格付であるSIからダートグレード競走のJpnIに昇格させ、さらにジャパンダートダービーを新たにジャパンダートクラシックに名称変更の上、時期を10月上旬に移設しJRAと同様のヨーロピアンスタイルによる三冠体系が整備されることとなった。これにより、1996年よりアメリカンスタイルで行われてきた南関東クラシック三冠体系が消滅することになる。

ダートグレード競走となることから、南関東所属馬だけでなく地方他地区・JRA所属馬も出走できるようになる。また、これまでは出走条件を「3歳(せん馬も含む)」としていたのを、JRAクラシック三冠に倣って「3歳牡馬・牝馬」限定と改められることになり、せん馬(去勢された馬)の出走は不可能となる。

これら3歳ダート三冠競走と位置付けるため賞金額の増額ならびに、三冠全て1着となった馬には特別賞の三冠ボーナス報奨金として8,000万円が贈られる。また、3歳ダート三冠競走に出走する競走馬に対する報奨金・付加賞金も拡充され、一例として、アメリカ3歳三冠競走又はパートI国のG1競走・UAEダービーサウジダービーで1着となった馬がジャパンダートクラシックに出走し1着となった馬主に対して、アメリカ3歳三冠競走1着馬に3,000万円、それ以外は2,000万円が支給される[注 3][1]

ステップレース

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トライアル競走

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以下のレースが新たにトライアル競走として設定される。なお、優先出走権はは注記あるものを除いて地方所属馬についてのもの。

  • 羽田盃
    • ブルーバードカップ JpnIII(船橋1800m 1月中旬 - 下旬) 1着馬
    • 雲取賞 JpnIII(大井1800m 2月中旬) 上位2頭
    • スターバーストカップ 南関東準重賞(大井2000m 2月下旬) 1着馬
    • 京浜盃 JpnII(大井1700m 3月中旬 - 下旬) 上位2頭
  • 東京ダービー
  • ジャパンダートクラシック
    • レパードステークス GIII(新潟1800m 8月上旬[2]) 1着馬(中央・地方の区分なし)
    • 黒潮盃 南関東SIII(大井1800m 8月中旬) 1・2着馬
    • 不来方賞 JpnII(盛岡2000m 9月上旬) 1着馬(中央・地方の区分なし)
備考
  • ブルーバードカップは新設(準重賞からの格上げ)。
  • 不来方賞はダービーグランプリと統合。
  • 雲取賞は南関東SIII、京浜盃は南関東SII、不来方賞は岩手M1からの交流重賞化。
  • ユニコーンステークスは東京競馬場から京都競馬場へ開催競馬場及び距離変更。

選定競走

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以下のレースについては当該競走の出走馬選定委員会における選考にて重視される。

  • 雲取賞・京浜盃
  • 羽田盃
    • クラシックチャレンジ 南関東(大井1800m 4月上旬) 1着馬
  • 東京ダービー

この項の出典:[5][6][7]

地方所属馬の出走条件

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3歳ダート三冠競走における地方所属馬の選定条件については、2023年3月30日に特別区競馬組合より以下の旨が決定・公表されている[8]

  • 出走馬の選定にあたっては、地方所属時における総収得賞金(着内賞金の総額)順を基本とする。
  • 中央(JRA)からの転入馬について。
    • 中央所属時に獲得した賞金については、上記の総収得賞金には加算しない。
    • 中央(JRA)からの転入初戦馬は、3歳ダート三冠競走には出走できない。

旧来の3歳ダート三冠

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  • 特記事項なき場合、本節の出典は参考文献を参照。

1996年から1998年まではユニコーンステークススーパーダートダービーダービーグランプリで、1999年から2007年まではユニコーンステークス・ジャパンダートダービー・ダービーグランプリで3歳ダート三冠であった。

当初はユニコーンステークス・サラブレッドチャレンジカップ・ダービーグランプリで3歳ダート三冠とする予定であったが、特別区競馬組合がスーパーダートダービーを新設した結果、金沢のサラブレッドチャレンジカップが追い出された。

しかし、ダービーグランプリはGIなのに対し、スーパーダートダービーがGIIに留まったこと、それに伴い、当時ライバル同士であった特別区競馬組合と岩手県競馬組合でGIを2個づつで分け合う結果になった事などから、特別区競馬組合は1999年にスーパーダートダービーを南関限定のスーパーチャンピオンシップに縮小し、新たにジャパンダートダービーを新設、GI格付け取得を目指すこととなり、結果、GI格付けが得られたことから、1999年以後はユニコーンステークス・ジャパンダートダービー・ダービーグランプリで3歳ダート三冠となった。

その後は2008年にダービーグランプリを休止(2010年に地方競馬全国交流重賞として復活)した[9]ことから、3歳ダート三冠は消滅した。

対象競走

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開催順 競走名 開催競馬場 距離 施行時期
(旧→新)[注 4]
1着賞金
(旧→新)[注 4]
出走枠
(2024年)
備考
1
羽田盃 大井競馬場 1,800m 5月中旬→4月下旬 3500万円→5000万円 JRA 4
地方 12
2
東京ダービー 2,000m 6月上旬(変更なし) 5000万円→1億円
3
ジャパンダートクラシック 7月上旬→10月上旬 6000万円→7000万円 JRA 7
地方 9
ジャパンダートダービーより変更

優勝馬一覧

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羽田盃 東京ダービー ジャパンダートクラシック
2024 アマンテビアンコ ラムジェット フォーエバーヤング

脚注

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注釈

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  1. ^ 2002年より「南関東3歳三冠」と位置付けられている。
  2. ^ 1996年から2007年までは存在した。詳しくは旧来の3歳ダート三冠を参照。
  3. ^ 2024年については、サウジダービー及びUAEダービー1着のフォーエバーヤングが有資格馬となる。
  4. ^ a b 旧=2023年度まで、新=2024年度以後。

出典

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参考文献

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  • 『競馬ライバル読本 名勝負を生んだ"黄金対決"の数々』宝島社〈別冊宝島 競馬読本シリーズ〉、1997年5月16日、218 - 219頁。ISBN 978-4796693110 

関連項目

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