フォーエバーヤング (競走馬)
この記事は現役競走馬を扱っています。 |
フォーエバーヤング(欧字名:Forever Young、2021年2月24日 - )は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2023年の全日本2歳優駿、2024年のジャパンダートクラシック。
フォーエバーヤング | ||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
第26回ジャパンダートクラシック出走時 (2024年10月2日) | ||||||||||||||||||
欧字表記 | Forever Young[1] | |||||||||||||||||
品種 | サラブレッド[1] | |||||||||||||||||
性別 | 牡[1] | |||||||||||||||||
毛色 | 鹿毛[1] | |||||||||||||||||
生誕 | 2021年2月24日(3歳)[1] | |||||||||||||||||
父 | リアルスティール[1] | |||||||||||||||||
母 | フォエヴァーダーリング[1] | |||||||||||||||||
母の父 | Congrats[1] | |||||||||||||||||
生国 | 日本(北海道安平町)[1] | |||||||||||||||||
生産者 | ノーザンファーム[1] | |||||||||||||||||
馬主 | 藤田晋[1] | |||||||||||||||||
調教師 | 矢作芳人(栗東)[1] | |||||||||||||||||
調教助手 | 岡勇策[2] | |||||||||||||||||
競走成績 | ||||||||||||||||||
生涯成績 |
8戦6勝[1] 中央:1戦1勝 地方:3戦3勝 海外:4戦2勝 | |||||||||||||||||
獲得賞金 |
5億2326万2000円[3] 日本:1億5420万円[1] (中央)720万円 (地方)1億4700万円 海外:261万米ドル (SAU)90万米ドル[4] (UAE)58万米ドル[5] (アメリカ)113万米ドル[6][7] (2024年11月2日現在) | |||||||||||||||||
WBRR | I120 / 2024年[8] | |||||||||||||||||
|
経歴
編集デビュー前
編集2021年2月24日、北海道安平町のノーザンファームで誕生。2022年のセレクトセール1歳市場にて9800万円(税抜)でサイバーエージェント社長藤田晋により落札された[10]。
その後、栗東・矢作芳人厩舎に預託されることが決定し、ノーザンファーム早来の桑田厩舎にて育成されることとなった。
2歳(2023年)
編集10月14日京都ダート1800mの2歳新馬戦に2番人気で出走。道中4・5番手追走から直線で抜け出すと最後はシーリュウシーに4馬身差をつけ圧勝した[11]。その翌日、JBC2歳優駿の出走予定馬として登録され、中2週での出走が決定した。
11月3日に行われたJBC2歳優駿では後方2番手追走から3コーナー付近で徐々に進出し、最後の直線では先に抜け出したサンライズジパングを交わして先頭に立ち、後続に1馬身半差をつけ、デビューから僅か20日で重賞初制覇を果たした[12]。リアルスティール産駒の地方・ダート重賞制覇はローカル重賞も含めても本馬が初めてとなる。
続く12月13日に行われた第74回全日本2歳優駿(交流G1)でも単勝1番人気で出走すると、後方からの前走と変わり好位から進め、最後の直線は後続を7馬身突き放し優勝した[13]。JBC2歳優駿に続く重賞連勝で、2歳ダート王の座に就いた[13]。リアルスティール産駒のG1級競走制覇は本馬が初めてとなり、同馬を所有する藤田晋も中央・地方合わせて初のG1級競走制覇となった[13]。
3歳(2024年)
編集2月24日、3歳初戦はキングアブドゥルアジーズ競馬場で行われたサウジアラビア国際競走のG3・サウジダービーに出走したがゲートで出遅れ、中団馬群の外から押し上げるように追走した。レース後半から好位につけて最終コーナーを迎えるも、直線入口から突き放されて一時は3馬身ほど差を広げられるが、最後に末脚を伸ばし粘ったBook'em Dannoをゴール寸前僅か(現地公式ではアタマ差)に捕らえて優勝した。勝ちタイムは従来のレコードを1.8秒近くも更新する1:36.17であった。また、調教師の矢作にとってはサウジ国際競走は4勝目[14]、騎手の坂井は2023年の1351ターフスプリントに次ぐ2勝目、馬主の藤田晋にとっては海外重賞初制覇となった[15]。
3月30日、ドバイミーティングに行われるG2・UAEダービーに出走。大外の11番枠から五分のゲートを決めたフォーエバーヤングは、先行態勢に入るも内で並ぶGuns And Gloryが譲らず、最初のコーナーで1列後ろに置かれる格好となった。しかし、先行勢を前に見ながら4、5番手を手応え良く追走すると、直線では逃げ込みを図るAuto Bahnを追撃し、残り200m付近から抜け出してゴールで2馬身離して優勝した。この勝利によってロード・トゥ・ザ・ケンタッキーダービーの100ポイントを獲得し、ケンタッキーダービーの出走権を獲得した[16]。
5月4日(日本時間5月5日)アメリカクラシック第1冠のケンタッキーダービーに出走。スタートは出遅れて中段のやや後方を追走。3コーナー手前から外めにつけて動き始め、前方から6番手のあたりから3コーナーから4コーナーを周り、最後の直線に入ると先頭で逃げ粘るミスティックダンをフォーエバーヤングの隣で並走する形で追走していたシエラレオネと共に追撃するも、クビ差(現地では「ハナ+ハナ」と標記)の3着に敗れた[17]。
帰国後は着地検疫検査ののちノーザンファーム早来での休養・調整を経て、10月2日に大井競馬場で行われたダート三冠最終戦となるジャパンダートクラシックに出走。下馬評では東京ダービー馬ラムジェットやレパードS勝ち馬ミッキーファイト、不来方賞勝ち馬サンライズジパング等有力馬を抑えて1番人気に支持される。ゲートを出た直後躓く事象はあったものの、出遅れることなく好スタートを切ると道中は馬群中段のやや前方を追走。3コーナーを過ぎたあたりで徐々に順位を上げ、直線入口で先頭に並びかけそのまま後続を突き放す正攻法の競馬で人気に応えて勝利。JpnⅠ2勝目をあげた[18][19]。
次走となった11月3日に行われたブリーダーズカップ・クラシックでは同レースでは鬼門とも言える最内枠となる1番枠を引き、レースも後方追走を余儀なくされ直線追い込むもケンタッキーダービーで競り合ったシエラレオネに逃げ切りを許して3着となった[20]。矢作調教師はレース後「枠に泣かされました。作戦が限られました」と振り返った[20]。
矢作厩舎が11月29日に公式Xで明らかにしたところによれば、12月29日に大井競馬場で行われる東京大賞典に出走するという[21]。その後は、2025年はサウジアラビアとドバイの遠征を視野に調整を進め[20]、2月22日にサウジカップ、そして、状態次第によるが、4月5日にドバイワールドカップにそれぞれ出走する予定[21]。
エピソード
編集ケンタッキーダービー遠征の際に、現地のメディアからインタビューを受ける担当する渋田調教助手がフォーエバーヤングのことを「ヤン子(やんこ)」という呼び名を明らかにした[22]。
競走成績
編集以下の内容は、JBISサーチ[23]、netkeiba.com[24]、Equibase[25]、またはRacing Post[26]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2023.10.14 | 京都 | 2歳新馬 | ダ1800m(良) | 14 | 2 | 2 | 4.2 (2人) | 1着 | 1:54.8(37.7) | -0.7 | 坂井瑠星 | 56 | (シーリュウシー) | 526 | |
11. 3 | 門別 | JBC2歳優駿 | JpnIII | ダ1800m(稍) | 12 | 3 | 3 | 2.2 (1人) | 1着 | 1:54.3(38.2) | -0.3 | 坂井瑠星 | 55 | (サンライズジパング) | 524 |
12.13 | 川崎 | 全日本2歳優駿 | JpnI | ダ1600m(稍) | 12 | 8 | 12 | 2.1 (1人) | 1着 | 1:43.5(40.1) | -1.5 | 坂井瑠星 | 56 | (イーグルノワール) | 525 |
2024. 2.24 | KAA | サウジダービー | G3 | ダ1600m(Fs) | 12 | 9 | 6 | 1着 | R1:36.17 | -0.02 | 坂井瑠星 | 55 | (Book'em Danno) | 計不 | |
3.30 | メイダン | UAEダービー | G2 | ダ1900m(Fs) | 13 | 11 | 5 | 1着 | 1:57.89 | -0.36 | 坂井瑠星 | 55 | (Auto Bahn) | 計不 | |
5. 4 | チャーチルダウンズ | ケンタッキーダービー | G1 | ダ10F(Fs) | 20 | 10 | 11 | 8.03 (3人) | 3着 | 坂井瑠星 | 57 | Mystik Dan | 計不 | ||
10. 2 | 大井 | ジャパンDクラシック | JpnI | ダ2000m(良) | 15 | 1 | 1 | 1.7 (1人) | 1着 | 2:04.1(38.1) | -0.2 | 坂井瑠星 | 57 | (ミッキーファイト) | 533 |
11. 2 | デルマー | BCクラシック | G1 | ダ10F(Fs) | 14 | 1 | 1 | 5.1 (3人) | 3着 | 坂井瑠星 | 55.5 | Sierra Leone | 計不 |
- 競走成績は2024年10月2日現在
- タイム欄のRはレコード勝ちを示す。
- 海外レースの馬場状態は主催者の基準で記載、JRAの翻訳基準は馬場状態#ダートコース参照。
血統表
編集フォーエバーヤングの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | サンデーサイレンス系 |
[§ 2] | ||
父 リアルスティール 2012 鹿毛 |
父の父 ディープインパクト2002 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | |
Wishing Well | ||||
*ウインドインハーヘア | Alzao | |||
Burghclere | ||||
父の母 *ラヴズオンリーミーLoves Only Me 2006 鹿毛 |
Storm Cat | Storm Bird | ||
Terlingua | ||||
Monevassia | Mr.Prospector | |||
Miesque | ||||
母 *フォエヴァーダーリング Forever Darling 2013 栃栗毛 |
Congrats 2000 鹿毛 |
A.P. Indy | Seattle Slew | |
Weekend Surprise | ||||
Praise | Mr.Prospector | |||
Wild Applause | ||||
母の母 Darling My Darling1997 鹿毛 |
Deputy Minister | Vice Regent | ||
Mint Copy | ||||
*ローミンレイチェル | *マイニング | |||
One Smart Lady | ||||
母系(F-No.) | (FN:2-b) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Mr. Prospector 4 × 4・ 5 = 15.63% Northern Dancer 5 × 5・5 = 9.38% Secretariat 5× 5 = 6.25% |
[§ 4] | ||
出典 |
- 父リアルスティールの全妹は2019年の優駿牝馬(オークス)、2021年米G1ブリーダーズカップ・フィリー&メアターフなどの勝ち馬ラヴズオンリーユー。
- 母フォエヴァーダーリングは米G2サンタイネスステークスの勝ち馬。
- 3代母ローミンレイチェルは米G1バレリーナハンデキャップなどアメリカで重賞3勝。
- 祖母Darling My Darlingの半弟に2004年秋古馬三冠のゼンノロブロイ(父サンデーサイレンス)、半妹にタガノエリザベート・キャットコイン・ワンブレスアウェイ・ロックディスタウンの母ストレイキャット(父Storm Cat)がいる。
- 母の半妹に米G1アルシバイアディーズステークス勝ちのヘヴンリーラヴ(父Malibu Moon)、その仔に米G1ブルーグラスステークス、ブリーダーズカップ・クラシック勝ち馬シエラレオネがいる[29]。
- 本馬の半妹に2024年のアルテミスステークスの勝ち馬であるブラウンラチェット(父キズナ)。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “フォーエバーヤング”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2024年11月4日閲覧。
- ^ “フォーエバーヤング、KYダービー現地入り後初の馬場入り”. JRA-VAN ver. World (2024年4月16日). 2024-04-16 7閲覧。
- ^ a b “競走馬情報 - フォーエバーヤング”. 日本中央競馬会. 2024年11月4日閲覧。
- ^ “2024 サウジカップ開催 施行競走 登録要綱”. 公益財団法人 ジャパン・スタッドブック・インターナショナル. 2024年2月24日閲覧。
- ^ “2024ドバイ・ワールドカップ・デイ施行競走 登録要綱(簡易版)”. 2024年3月30日閲覧。
- ^ “海外競馬情報 2024年01月19日 - No.1 - 1”. 2024年5月5日閲覧。
- ^ “DMR110224USA8”. 2024年11月4日閲覧。
- ^ 国際競馬統括機関連盟 (IFHA) “[https://www.ifhaonline.org/resources/WTRRankings/LWBRR.asp?batch=126 The LONGINES World's Best Racehorse Rankings for 3yos and upwards which raced between 1st January 2024 - 10th November 2024]”. 2024年11月15日閲覧。
- ^ susumu_fujitaの2024年2月23日のツイート- X(旧Twitter)
- ^ “セレクトセール出身馬【フォーエバーヤング(Forever Young)】が「JBC2歳優駿(2歳Jpn3)」を優勝”. 馬市.com (2023年11月3日). 2023年11月4日閲覧。
- ^ 【京都4R・2歳新馬】フォーエバーヤングが快勝 坂井瑠星騎手「色々勉強しながら、その中で勝てたのは良かった」スポーツ報知、2023年10月14日配信・閲覧
- ^ 【JBC2歳優駿】フォーエバーヤング無傷2連勝で重賞制覇、矢作師「思っていた以上に強い」日刊スポーツ、2023年11月3日配信・閲覧
- ^ a b c “【全日本2歳優駿】圧勝フォーエバーヤングの藤田晋オーナー初G1制覇は”休肝日”で目撃「ダート3冠、サウジやケンタッキーもある」”. UMATOKU | 馬トク - スポーツ報知' (2023-12-13JST21:09:00+0900). 2023年12月13日閲覧。
- ^ 2022年レッドシーターフハンデキャップ(ステイフーリッシュ)、2023年1351ターフスプリント(バスラットレオン)、2023年サウジカップ(パンサラッサ)に続く勝利。
- ^ “【サウジダービー】フォーエバーヤングV!「ウマ娘」藤田晋オーナー、海外重賞初制覇”. スポニチ Sponichi Annex. 2024年2月24日閲覧。
- ^ “フォーエバーヤング無傷5連勝でUAEダービー完勝 ケンタッキーダービーへ夢広がる完勝劇”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2024年3月31日閲覧。
- ^ “【米・ケンタッキーダービー結果】10番人気ミスティックダンV フォーエバーヤング僅差3着、テーオーパスワード5着”. netkeiba.com. (2024年5月5日) 2024年5月5日閲覧。
- ^ “【ジャパンダートクラシック】フォーエバーヤングが堂々抜け出しV!砂の3歳国内最強を証明しいざBCクラシックへ”. サンスポ. (2024年10月2日) 2024年10月2日閲覧。
- ^ “【ジャパンダートクラシック】フォーエバーヤングV!!坂井「ホっとした」米BCクラシックへ弾み”. スポニチアネックス. (2024年10月2日) 2024年10月2日閲覧。
- ^ a b c 「BCクラシック3着のフォーエバーヤングは来年のサウジ、ドバイ遠征を視野【次走報】」『東スポ競馬』2024年11月14日。2024年11月17日閲覧。
- ^ a b 「フォーエバーヤングは12・29東京大賞典へ、矢作厩舎が公式Xで発表 来年はサウジC目標」『日刊スポーツ』2024年11月29日。
- ^ 「【ケンタッキーダービー】フォーエバーヤングのかわいい呼び名が明らかに…米メディア質問」『日刊スポーツ』2024年4月27日。2024年4月28日閲覧。
- ^ “フォーエバーヤング 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年11月3日閲覧。
- ^ “フォーエバーヤングの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2023年11月3日閲覧。
- ^ “Churchill Downs Charts Home / Full Charts / Churchill Downs / May 4,2024 / Race 12”. Equibase.com. 2024年10月7日閲覧。
- ^ “Forever Young Racing Record and Form”. racingpost.com. レーシング・ポスト. 2024年4月7日閲覧。
- ^ a b c “5代血統表|血統情報|フォーエバーヤング”. JBISサーチ. 2023年11月4日閲覧。
- ^ “フォーエバーヤング - Forever Young - 競走馬データベース”. 競馬ラボ. 2023年11月4日閲覧。
- ^ 木南友輔. “【コラム】フォーエバーヤングvsシエラレオネ ケンタッキーダービーで話題、いとこ対決 - 海外 | 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年4月12日閲覧。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ