2024年のワールドシリーズ
2024年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第120回ワールドシリーズ(英語: 120th World Series)は、10月25日から30日にかけて計5試合が開催された。その結果、ロサンゼルス・ドジャース(ナショナルリーグ)がニューヨーク・ヤンキース(アメリカンリーグ)を4勝1敗で下し、4年ぶり8回目の優勝を果たした。
2024年のワールドシリーズ | |||||||
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シリーズ情報 | |||||||
試合日程 | 10月25日–30日 | ||||||
観客動員 | 5試合合計:25万3104人 1試合平均: 5万 621人 | ||||||
MVP | フレディ・フリーマン(LAD) | ||||||
責任審判 | マーク・カールソン(第2戦を除く)、 トッド・ティチェナー(第2戦のみ)[1] | ||||||
ALCS | NYY 4–1 CLE | ||||||
NLCS | LAD 4–2 NYM | ||||||
チーム情報 | |||||||
ロサンゼルス・ドジャース(LAD) | |||||||
シリーズ出場 | 4年ぶり22回目 | ||||||
GM | ブランドン・ゴームス | ||||||
監督 | デーブ・ロバーツ | ||||||
シーズン成績 | 98勝64敗・勝率.605 NL西地区優勝 | ||||||
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ニューヨーク・ヤンキース(NYY) | |||||||
シリーズ出場 | 15年ぶり41回目 | ||||||
GM | ブライアン・キャッシュマン | ||||||
監督 | アーロン・ブーン | ||||||
シーズン成績 | 94勝68敗・勝率.580 AL東地区優勝 | ||||||
全米テレビ中継 | |||||||
放送局 | FOX | ||||||
実況 | ジョー・デービス | ||||||
解説 | ジョン・スモルツ | ||||||
ワールドシリーズ
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両リーグの最高勝率球団どうしがシリーズで対戦するのは、1995年の地区シリーズ導入以降では2020年以来4年ぶり5度目[2]。ドジャースは初戦でフレディ・フリーマンがシリーズ史上初となる逆転サヨナラの満塁本塁打を放ち勝利すると[3]、そこから3連勝で優勝に王手をかけた。ヤンキースは、過去119回のシリーズで0勝3敗からの逆転優勝はおろか2勝を返したチームすら存在しないなか[4]、第4戦に勝利し、さらに第5戦でも一時は5-0と先行した。しかしドジャースはフリーマンの2点適時打などで試合をひっくり返してヤンキースの連勝を阻止し、5試合でシリーズに決着をつけた。5点差逆転勝利はシリーズ史上7度目、優勝決定試合では史上初だった[5]。フリーマンは5試合でシリーズ史上最多タイの12打点を挙げたほか[注 1][3]、打率.300・4本塁打・OPS 1.354という成績を残してシリーズMVPに選出された。
2022年、MLB機構が金融持株会社のキャピタル・ワンと契約を締結し、同社はその年から5年間ワールドシリーズの冠スポンサーとなった[6]。よって大会名はワールドシリーズ presented by キャピタル・ワン(英語: World Series presented by Capital One)となる。
ワールドシリーズまでの道のり
編集両チームの2024年
編集この節の加筆が望まれています。 |
10月19日にまずアメリカンリーグでヤンキース(東地区)が、そして20日にはナショナルリーグでドジャース(西地区)が、それぞれリーグ優勝を決めてワールドシリーズへ駒を進めた。
ホームフィールド・アドバンテージ
編集ワールドシリーズの第1・2・6・7戦を本拠地で開催できる "ホームフィールド・アドバンテージ" は、レギュラーシーズンの勝率がより高いほうの球団に与えられる。ポストシーズン進出12球団のアドバンテージ優先順位は以下の通り。
優先順位 | 球団 | レギュラーシーズン成績 | ポストシーズン結果 | ||||
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WCS | DS | LCS | |||||
1 | ロサンゼルス・ドジャース | 98勝64敗・勝率.605 | NL西地区優勝 | ワールドシリーズ進出 | 免除 | 3勝2敗 | 4勝2敗 |
2 | フィラデルフィア・フィリーズ | 95勝67敗・勝率.586 | NL東地区優勝 | 地区シリーズ(DS)敗退 | 免除 | 1勝3敗 | - |
3 | ニューヨーク・ヤンキース | 94勝68敗・勝率.580 | AL東地区優勝 | ワールドシリーズ進出 | 免除 | 3勝1敗 | 4勝1敗 |
[※1][※2] | 4サンディエゴ・パドレス | 93勝69敗・勝率.574 | NL西地区2位=第1ワイルドカード | 地区シリーズ(DS)敗退 | 2勝0敗 | 2勝3敗 | - |
[※1][※2] | 5ミルウォーキー・ブルワーズ | 93勝69敗・勝率.574 | NL中地区優勝 | ワイルドカードシリーズ(WCS)敗退 | 1勝2敗 | - | - |
[※1] | 6クリーブランド・ガーディアンズ | 92勝69敗・勝率.571 | AL中地区優勝 | リーグ優勝決定戦(LCS)敗退 | 免除 | 3勝2敗 | 1勝4敗 |
[※1] | 7ボルチモア・オリオールズ | 91勝71敗・勝率.562 | AL東地区2位=第1ワイルドカード | ワイルドカードシリーズ(WCS)敗退 | 0勝2敗 | - | - |
[※1][※3] | 8アトランタ・ブレーブス | 89勝73敗・勝率.549 | NL東地区2位=第2ワイルドカード | ワイルドカードシリーズ(WCS)敗退 | 0勝2敗 | - | - |
[※1][※3] | 9ニューヨーク・メッツ | 89勝73敗・勝率.549 | NL東地区3位=第3ワイルドカード | リーグ優勝決定戦(LCS)敗退 | 2勝1敗 | 3勝1敗 | 2勝4敗 |
10[※1] | ヒューストン・アストロズ | 88勝73敗・勝率.547 | AL西地区優勝 | ワイルドカードシリーズ(WCS)敗退 | 0勝2敗 | - | - |
11[※4] | カンザスシティ・ロイヤルズ | 86勝76敗・勝率.531 | AL中地区2位=第2ワイルドカード | 地区シリーズ(DS)敗退 | 2勝0敗 | 1勝3敗 | - |
12[※4] | デトロイト・タイガース | 86勝76敗・勝率.531 | AL中地区3位=第3ワイルドカード | 地区シリーズ(DS)敗退 | 2勝0敗 | 2勝3敗 | - |
- ※1 同一リーグ内の地区シリーズやリーグ優勝決定戦などでは、勝率に関係なく地区優勝球団はワイルドカード球団より上位に位置づけられるが、ワールドシリーズだけはこれに当てはまらない。
- ※2 パドレスがブルワーズに対し、シーズン中の直接対決7試合を5勝2敗と勝ち越しているため、パドレスが上位となる。
- ※3 ブレーブスがメッツに対し、シーズン中の直接対決13試合を7勝6敗と勝ち越しているため、ブレーブスが上位となる。
- ※4 ロイヤルズがタイガースに対し、シーズン中の直接対決13試合を7勝6敗と勝ち越しているため、ロイヤルズが上位となる。
10月19日にまずヤンキースがワールドシリーズ進出を決めた。しかしこの時点では、ナショナルリーグのリーグ優勝決定戦が未決着だった。対戦していたのは、優先順位がヤンキースより上のドジャースと、ヤンキースより下のメッツである。したがって、ヤンキースとナショナルリーグ優勝球団のどちらにアドバンテージが与えられるかは、まだ決まらなかった。翌20日、ドジャースがリーグ優勝を果たし、アドバンテージがドジャースへ与えられることとなった。
試合日程
編集今シリーズについてMLB機構は、2通りの日程を設定していた。変動の条件は、両リーグのリーグ優勝決定戦がともに10月19日までに決着しているか否かである。途中に悪天候などによる順延を挟まなければ、前者の場合は22日に開幕し最長で30日の第7戦まで、後者の場合は25日に開幕し最長で11月2日の第7戦まで、それぞれ続くという日程が設定されていた[8]。
18日、ナショナルリーグ優勝決定戦の第5戦が行われ、メッツがドジャースに12-6で勝利した。同シリーズは5試合を終えた段階でドジャースの3勝2敗と決着がついておらず、移動日を挟んで20日以降に第6戦が行われることとなった。これにより、今シリーズの開幕日は25日に決まった。
両チームの過去の対戦
編集過去119回のシリーズのなかでヤンキースとドジャースの対戦は11度あり、今回が12度目となる。これはワールドシリーズのみならずポストシーズン全体でも最も多い顔合わせであり、2番目に多く行われたものよりさらに5度も多い[注 2][9]。また北米4大プロスポーツリーグの他の優勝決定シリーズと比較しても、12度の対戦はバスケットボール・NBAファイナルのボストン・セルティックス対ロサンゼルス・レイカーズと並び最多である[10]。ただし過去11度の対戦期間には偏りがあり、1941年から1981年までの41年間に11度が集中したあと、1982年以降は今シリーズまで41年以上対戦がなかった[11]。ワールドシリーズでの再戦に40年以上を要した顔合わせは史上5例目である[注 3][12]。両球団の対戦は、ジャッキー・ロビンソンのホームスチール(1955年・第1戦)やドン・ラーセンの完全試合(1956年・第5戦)、レジー・ジャクソンの3打席連続本塁打(1977年・第6戦)など、球史に残る数々の名場面に彩られてきた[13]。
ドジャースは19世紀の球団創設から1957年シーズン終了までニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリン区を本拠地としており、球団名も1930年代以降は "ブルックリン・ドジャース" で定着した。同市内ブロンクス区を本拠地とするヤンキースとのワールドシリーズは、お互いの本拠地球場をニューヨーク市地下鉄(英語: New York City Subway)で行き来できることから "サブウェイ・シリーズ"(英語: Subway Series)と呼ばれる。当時は、背広を羽織りネクタイを締めて球場に来るようなファンが多く選手もスター揃いのヤンキースと、ブルーカラーに支持され選手とファンの距離も近かったドジャースと、両球団のチームカラーも対比がはっきりとしていた[14]。ヤンキースとドジャースが対戦したワールドシリーズは、1941年・1947年・1949年・1952年・1953年・1955年・1956年の7度ある。その結果はヤンキースの優勝が6度で、ドジャースの優勝は1955年の1度しかない[15]。ヤンキースに敗れ続けたドジャースのファンの間では「来年があるさ(英語: Wait Till Next Year)」が合言葉となった[16]。1958年にドジャースがカリフォルニア州ロサンゼルスへ移転してからは、両球団のワールドシリーズでの対戦は1963年・1977年・1978年・1981年の4度で、こちらは両球団が2度ずつ優勝を分け合っている[15]。合計では、直接対決シリーズでヤンキースが8度優勝しているのに対し、ドジャースの優勝は3度にとどまる。
1997年から始まったレギュラーシーズン中のインターリーグでは、これまでに計22試合が行われ、その結果は11勝11敗の五分である[17]。2024年はヤンキースの本拠地ヤンキー・スタジアムで6月7日から3試合が組まれており、ドジャースが敵地で2勝1敗と勝ち越した。ただこの3試合でヤンキースは、打線の中軸フアン・ソトを左前腕痛のため欠いていた[18]。
ロースター
編集両チームの出場選手登録(ロースター)は以下の通り。
- 名前の横の★はこの年のオールスターゲームに選出された選手を、#はレギュラーシーズン開幕後に入団した選手を、◎はリーグ優勝決定戦MVP受賞者を示す。
- 年齢は今シリーズ開幕時点でのもの。
ニューヨーク・ヤンキース | ロサンゼルス・ドジャース | ||||||||||||||||
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守備位置 | 背番号 | 出身 | 選手 | 投 | 打 | 年齢 | ワールドシリーズ経験 | 守備位置 | 背番号 | 出身 | 選手 | 投 | 打 | 年齢 | ワールドシリーズ経験 | ||
出場 | 優勝 | 出場 | 優勝 | ||||||||||||||
投手 | 45 | ゲリット・コール | 右 | 右 | 34 | 5年ぶり2回目 | なし | 投手 | 43 | アンソニー・バンダ# | 左 | 左 | 31 | 初 | なし | ||
65 | ネスター・コーテズ | 左 | 右 | 29 | 初 | なし | 57 | ライアン・ブレイジア | 右 | 右 | 37 | 6年ぶり2回目 | 1回 | ||||
61 | ジェイク・カズンズ# | 右 | 右 | 30 | 初 | なし | 21 | ウォーカー・ビューラー | 右 | 右 | 30 | 4年ぶり3回目 | 1回 | ||||
81 | ルイス・ヒール | 右 | 右 | 26 | 初 | なし | 78 | ベン・カスパリウス | 右 | 右 | 25 | 初 | なし | ||||
54 | ティム・ヒル# | 左 | 右 | 34 | 初 | なし | 0 | ジャック・フラハーティ# | 右 | 右 | 29 | 初 | なし | ||||
35 | クレイ・ホームズ★ | 右 | 右 | 31 | 初 | なし | 48 | ブルスダー・グラテロル | 右 | 右 | 26 | 4年ぶり2回目 | 1回 | ||||
41 | トミー・ケインリー | 右 | 右 | 35 | 初 | なし | 40 | ブレント・ハニーウェル# | 右 | 右 | 29 | 初 | なし | ||||
38 | マーク・ライターJr.# | 右 | 右 | 33 | 初 | なし | 41 | ダニエル・ハドソン | 右 | 右 | 37 | 5年ぶり2回目 | 1回 | ||||
58 | ティム・メイザ# | 左 | 左 | 32 | 初 | なし | 96 | ランドン・ナック | 右 | 左 | 27 | 初 | なし | ||||
55 | カルロス・ロドン | 左 | 左 | 31 | 初 | なし | 45 | マイケル・コペック# | 右 | 右 | 28 | 初 | なし | ||||
36 | クラーク・シュミット | 右 | 右 | 28 | 初 | なし | 49 | ブレイク・トレイネン | 右 | 右 | 36 | 4年ぶり2回目 | 1回 | ||||
0 | マーカス・ストローマン | 右 | 右 | 33 | 初 | なし | 51 | アレックス・ベシア | 左 | 左 | 28 | 初 | なし | ||||
30 | ルーク・ウィーバー | 右 | 右 | 31 | 初 | なし | 18 | 山本由伸 | 右 | 右 | 26 | 初 | なし | ||||
捕手 | 39 | ホセ・トレビーノ | 右 | 右 | 31 | 初 | なし | 捕手 | 15 | オースティン・バーンズ | 右 | 右 | 34 | 4年ぶり4回目 | 1回 | ||
28 | オースティン・ウェルズ | 右 | 左 | 25 | 初 | なし | 16 | ウィル・スミス★ | 右 | 右 | 29 | 4年ぶり2回目 | 1回 | ||||
内野手 | 95 | オズワルド・カブレラ | 右 | 左 | 25 | 初 | なし | 内野手 | 25 | トミー・エドマン#◎ | 右 | 両 | 30 | 初 | なし | ||
13 | ジャズ・チザムJr.# | 右 | 左 | 26 | 初 | なし | 5 | フレディ・フリーマン★ | 右 | 左 | 35 | 3年ぶり2回目 | 1回 | ||||
48 | アンソニー・リゾ | 左 | 左 | 35 | 8年ぶり2回目 | 1回 | 8 | エンリケ・ヘルナンデス | 右 | 右 | 33 | 4年ぶり4回目 | 1回 | ||||
25 | グレイバー・トーレス | 右 | 右 | 27 | 初 | なし | 9 | ギャビン・ラックス | 右 | 左 | 26 | 初 | なし | ||||
11 | アンソニー・ボルピー | 右 | 右 | 23 | 初 | なし | 13 | マックス・マンシー | 右 | 左 | 34 | 4年ぶり3回目 | 1回 | ||||
外野手 | 89 | ジェイソン・ドミンゲス | 右 | 両 | 21 | 初 | なし | 11 | ミゲル・ロハス | 右 | 右 | 35 | 初 | なし | |||
12 | トレント・グリシャム | 左 | 左 | 27 | 初 | なし | 外野手 | 50 | ムーキー・ベッツ★ | 右 | 右 | 32 | 4年ぶり3回目 | 2回 | |||
99 | アーロン・ジャッジ★ | 右 | 右 | 32 | 初 | なし | 37 | テオスカー・ヘルナンデス★ | 右 | 右 | 32 | 初 | なし | ||||
22 | フアン・ソト★ | 左 | 左 | 26 | 5年ぶり2回目 | 1回 | 44 | アンディ・パヘス | 右 | 右 | 23 | 初 | なし | ||||
27 | ジャンカルロ・スタントン◎ | 右 | 右 | 34 | 初 | なし | 3 | クリス・テイラー | 右 | 右 | 34 | 4年ぶり4回目 | 1回 | ||||
24 | アレックス・ベルドゥーゴ | 左 | 左 | 28 | 初 | なし | 指名打者 | 17 | 大谷翔平★ | 右 | 左 | 30 | 初 | なし |
ヤンキースはリーグ優勝決定戦のロースターから、内野手のジョン・バーティに代えて投手のネスター・コーテズを登録した。コーテズはレギュラーシーズンで先発ローテーションの一角を占め、31試合174.1イニングで9勝10敗・防御率3.77を記録したが、左肘痛のため9月18日を最後に欠場が続いていた。状態が悪化すればトミー・ジョン手術を要する可能性もあったが、今シリーズ開幕3日前の10月22日には実戦形式の練習で28球を投じられるまでに回復し、復帰が決まった[19]。ドジャースには大谷翔平やフレディ・フリーマン、マックス・マンシーといった左の強打者がおり、左投手のコーテズには救援登板で彼らを抑える役割が期待される[20]。バーティはユーティリティープレイヤーとして、今ポストシーズンではアンソニー・リゾ不在時にプロ14年目で未経験の一塁守備に就くなど、チームの穴を埋めていた[21]。ただリーグ優勝決定戦・第4戦の9回表に勝ち越しの生還を狙い、本塁へヘッドスライディングをした際に負傷している[22]。また彼は右打者であるため、先発起用は主に相手先発投手が左投手のときだったが、ドジャースには先発左腕がいない[19]。
ドジャースはリーグ優勝決定戦のロースターから3枠を入れ替えた。外れたのは救援投手のエバン・フィリップスとエドガルド・エンリケス、外野手のケビン・キアマイアーで、加わったのは救援投手のブルスダー・グラテロルとアレックス・ベシア、内野手のミゲル・ロハスである。ロースター入りした3選手はいずれも故障からの復帰で、グラテロルは右肩の炎症によりレギュラーシーズン終盤の9月24日を最後に、ベシアとロハスはそれぞれ脇腹と太股を痛めて地区シリーズの途中で、戦列を離れていた[22]。救援左腕がアンソニー・バンダだけという状態はベシアの復帰により解消され、しかも彼がレギュラーシーズンでは左打者を被打率.144・被OPS.549と封じていたことから、ヤンキースの左打者であるリゾやアレックス・ベルドゥーゴの起用法に影響を及ぼす可能性もある[23]。今ポストシーズン、フィリップスは6.2イニング無失点と好投していたものの、リーグ優勝決定戦・第6戦で右肩の倦怠感により予定していたイニングまたぎができず、その後も倦怠感が抜けなかった[24]。エンリケスは5.0イニングで防御率7.20、キアマイアーは2打数無安打だった。
この年のレギュラーシーズン、アメリカンリーグではヤンキースの外野手アーロン・ジャッジが58本塁打で、ナショナルリーグではドジャースの指名打者・大谷が54本塁打で、それぞれ最多本塁打のタイトルを獲得した。リーグ本塁打王を擁するチームどうしがシリーズで対戦するのは1956年以来68年ぶり6度目、本塁打50本超の選手を擁するチームどうしがシリーズで対戦するのは史上初めて[注 4][25]。「敵味方に分かれて」だけでなく「同僚として」も含めても、本塁打50本超の選手が複数出場するシリーズは1961年以来63年ぶり2度目である[注 5][26]。また今シリーズのロースターでは、ジャッジと大谷に加えてヤンキースの外野手ジャンカルロ・スタントン、ドジャースの外野手ムーキー・ベッツと内野手フリーマンがレギュラーシーズンMVPの受賞経験を持つ。MVP経験者が両チームで合わせて5人いるのはシリーズ史上最多である[注 6][25]。
開幕前の予想
編集複数のメディアが今シリーズに際し、所属記者やアナリストにどちらがシリーズを制するか予想させる企画を実施したが、その結果は分かれている。MLB.comでは50人中ヤンキース勝利予想が23人、ドジャース勝利予想が27人で後者のほうが多かった[27]。『スポーツ・イラストレイテッド』では5人中3人が[28]、『USAトゥデイ』では5人中4人が[29]、それぞれドジャースを支持した。その一方で、The Athleticでは記者数不明ながら全記者中の63%が[30]、NBCスポーツ傘下のロトワールドでは9人中5人が[31]、『ニューヨーク・ポスト』では7人中4人が[32]、それぞれヤンキースを支持した。ESPNでは14人の予想が7人ずつ[33]、CBSスポーツでは6人の予想が3人ずつ[34]、『ガーディアン』米国版では4人の予想がふたりずつ[35]、ヤンキースとドジャースで半々に分かれた。
試合結果
編集2024年のワールドシリーズは10月25日に開幕し、途中に移動日を挟んで6日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 | |
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10月25日(金) | 第1戦 | ニューヨーク・ヤンキース | 3-6x | ロサンゼルス・ドジャース | ドジャー・スタジアム | |
10月26日(土) | 第2戦 | ニューヨーク・ヤンキース | 2-4 | ロサンゼルス・ドジャース | ||
10月27日(日) | ||||||
10月28日(月) | 第3戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 4-2 | ニューヨーク・ヤンキース | ヤンキー・スタジアム | |
10月29日(火) | 第4戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 4-11 | ニューヨーク・ヤンキース | ||
10月30日(水) | 第5戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 7-6 | ニューヨーク・ヤンキース | ||
優勝:ロサンゼルス・ドジャース(4勝1敗 / 4年ぶり8度目) |
第1戦 10月25日
編集映像外部リンク | |
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動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿したハイライト映像(英語、17分28秒) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ニューヨーク・ヤンキース | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 10 | 1 |
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4x | 6 | 7 | 1 |
- 勝利:ブレイク・トレイネン(1勝)
- 敗戦:ジェイク・カズンズ(1敗)
- 本塁打
NYY:ジャンカルロ・スタントン1号2ラン
LAD:フレディ・フリーマン1号満塁 - 審判
[球審]カルロス・トーレス
[塁審]一塁: マーク・カールソン、二塁: ダグ・エディングス、三塁: マーク・リッパージャー
[外審]左翼: チャド・フェアチャイルド、右翼: トッド・ティチェナー - 試合開始時刻: 太平洋夏時間(UTC-7)午後5時11分 試合時間: 3時間27分 観客: 5万2394人 気温: 76°F(24.4°C)
詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
ニューヨーク・ヤンキース | ロサンゼルス・ドジャース | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | ||
1 | 二 | G・トーレス | 右 | 1 | DH | 大谷翔平 | 左 | ||
2 | 右 | J・ソト | 左 | 2 | 右 | M・ベッツ | 右 | ||
3 | 中 | A・ジャッジ | 右 | 3 | 一 | F・フリーマン | 左 | ||
4 | DH | G・スタントン | 右 | 4 | 左 | T・ヘルナンデス | 右 | ||
5 | 三 | J・チザムJr. | 左 | 5 | 三 | M・マンシー | 左 | ||
6 | 一 | A・リゾ | 左 | 6 | 中 | E・ヘルナンデス | 右 | ||
7 | 遊 | A・ボルピー | 右 | 7 | 捕 | W・スミス | 右 | ||
8 | 捕 | A・ウェルズ | 左 | 8 | 二 | G・ラックス | 左 | ||
9 | 左 | A・ベルドゥーゴ | 左 | 9 | 遊 | T・エドマン | 両 | ||
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 | ||||||
G・コール | 右 | J・フラハーティ | 右 |
第2戦 10月26日
編集映像外部リンク | |
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動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿したハイライト映像(英語、13分41秒) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ニューヨーク・ヤンキース | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 4 | 0 |
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 1 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 4 | 8 | 0 |
- 勝利:山本由伸(1勝)
- セーブ:アレックス・ベシア(1S)
- 敗戦:カルロス・ロドン(1敗)
- 本塁打
NYY:フアン・ソト1号ソロ
LAD:トミー・エドマン1号ソロ、テオスカー・ヘルナンデス1号2ラン、フレディ・フリーマン2号ソロ - 審判
[球審]アンディ・フレッチャー
[塁審]一塁: ダグ・エディングス、二塁: マーク・リッパージャー、三塁: チャド・フェアチャイルド
[外審]左翼: トッド・ティチェナー、右翼: カルロス・トーレス - 試合開始時刻: 太平洋夏時間(UTC-7)午後5時15分 試合時間: 2時間53分 観客: 5万2725人 気温: 77°F(25°C)
詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
ニューヨーク・ヤンキース | ロサンゼルス・ドジャース | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | ||
1 | 二 | G・トーレス | 右 | 1 | DH | 大谷翔平 | 左 | ||
2 | 右 | J・ソト | 左 | 2 | 右 | M・ベッツ | 右 | ||
3 | 中 | A・ジャッジ | 右 | 3 | 左 | T・ヘルナンデス | 右 | ||
4 | DH | G・スタントン | 右 | 4 | 一 | F・フリーマン | 左 | ||
5 | 三 | J・チザムJr. | 左 | 5 | 中 | T・エドマン | 両 | ||
6 | 一 | A・リゾ | 左 | 6 | 二 | E・ヘルナンデス | 右 | ||
7 | 遊 | A・ボルピー | 右 | 7 | 三 | M・マンシー | 左 | ||
8 | 捕 | A・ウェルズ | 左 | 8 | 捕 | W・スミス | 右 | ||
9 | 左 | A・ベルドゥーゴ | 左 | 9 | 遊 | M・ロハス | 右 | ||
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 | ||||||
C・ロドン | 左 | 山本由伸 | 右 |
第3戦 10月28日
編集映像外部リンク | |
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動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿したハイライト映像(英語、11分5秒) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロサンゼルス・ドジャース | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 4 | 5 | 0 |
ニューヨーク・ヤンキース | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 5 | 1 |
- 勝利:ウォーカー・ビューラー(1勝)
- 敗戦:クラーク・シュミット(1敗)
- 本塁打
LAD:フレディ・フリーマン3号2ラン
NYY:アレックス・ベルドゥーゴ1号2ラン - 審判
[球審]マーク・カールソン
[塁審]一塁: マーク・リッパージャー、二塁: チャド・フェアチャイルド、三塁: トッド・ティチェナー
[外審]左翼: カルロス・トーレス、右翼: アンディ・フレッチャー - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時17分 試合時間: 3時間25分 観客: 4万9368人 気温: 52°F(11.1°C)
詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
ロサンゼルス・ドジャース | ニューヨーク・ヤンキース | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | ||
1 | DH | 大谷翔平 | 左 | 1 | 二 | G・トーレス | 右 | ||
2 | 右 | M・ベッツ | 右 | 2 | 右 | J・ソト | 左 | ||
3 | 一 | F・フリーマン | 左 | 3 | 中 | A・ジャッジ | 右 | ||
4 | 左 | T・ヘルナンデス | 右 | 4 | DH | G・スタントン | 右 | ||
5 | 三 | M・マンシー | 左 | 5 | 三 | J・チザムJr. | 左 | ||
6 | 捕 | W・スミス | 右 | 6 | 遊 | A・ボルピー | 右 | ||
7 | 二 | G・ラックス | 左 | 7 | 一 | A・リゾ | 左 | ||
8 | 中 | E・ヘルナンデス | 右 | 8 | 捕 | J・トレビーノ | 右 | ||
9 | 遊 | T・エドマン | 両 | 9 | 左 | A・ベルドゥーゴ | 左 | ||
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 | ||||||
W・ビューラー | 右 | C・シュミット | 右 |
第4戦 10月29日
編集映像外部リンク | |
---|---|
動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿したハイライト映像(英語、18分10秒) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロサンゼルス・ドジャース | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 6 | 1 |
ニューヨーク・ヤンキース | 0 | 1 | 4 | 0 | 0 | 1 | 0 | 5 | X | 11 | 9 | 0 |
- 勝利:クレイ・ホームズ(1勝)
- 敗戦:ダニエル・ハドソン(1敗)
- 本塁打
LAD:フレディ・フリーマン4号2ラン、ウィル・スミス1号ソロ
NYY:アンソニー・ボルピー1号満塁、オースティン・ウェルズ1号ソロ、グレイバー・トーレス1号3ラン - 審判
[球審]ダグ・エディングス
[塁審]一塁: チャド・フェアチャイルド、二塁: トッド・ティチェナー、三塁: カルロス・トーレス
[外審]左翼: アンディ・フレッチャー、右翼: マーク・カールソン - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時8分 試合時間: 3時間16分 観客: 4万9354人 気温: 61°F(16.1°C)
詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
ロサンゼルス・ドジャース | ニューヨーク・ヤンキース | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | ||
1 | DH | 大谷翔平 | 左 | 1 | 二 | G・トーレス | 右 | ||
2 | 右 | M・ベッツ | 右 | 2 | 右 | J・ソト | 左 | ||
3 | 一 | F・フリーマン | 左 | 3 | 中 | A・ジャッジ | 右 | ||
4 | 左 | T・ヘルナンデス | 右 | 4 | 三 | J・チザムJr. | 左 | ||
5 | 三 | M・マンシー | 左 | 5 | DH | G・スタントン | 右 | ||
6 | 中 | E・ヘルナンデス | 右 | 6 | 一 | A・リゾ | 左 | ||
7 | 二 | G・ラックス | 左 | 7 | 遊 | A・ボルピー | 右 | ||
8 | 捕 | W・スミス | 右 | 8 | 捕 | A・ウェルズ | 左 | ||
9 | 遊 | T・エドマン | 両 | 9 | 左 | A・ベルドゥーゴ | 左 | ||
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 | ||||||
B・カスパリウス | 右 | L・ヒール | 右 |
第5戦 10月30日
編集映像外部リンク | |
---|---|
動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿したハイライト映像(英語、15分20秒) |
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0 | 0 | 2 | 0 | 7 | 7 | 0 |
ニューヨーク・ヤンキース | 3 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 6 | 8 | 3 |
- 勝利:ブレイク・トレイネン(2勝)
- セーブ:ウォーカー・ビューラー(1勝1S)
- 敗戦:トミー・ケインリー(1敗)
- 本塁打
NYY:アーロン・ジャッジ1号2ラン、ジャズ・チザム・ジュニア1号ソロ、ジャンカルロ・スタントン2号ソロ - 審判
[球審]マーク・リッパージャー
[塁審]一塁: トッド・ティチェナー、二塁: カルロス・トーレス、三塁: アンディ・フレッチャー
[外審]左翼: マーク・カールソン、右翼: ダグ・エディングス - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時9分 試合時間: 3時間42分 観客: 4万9263人 気温: 67°F(19.4°C)
詳細: MLB.com Gameday / ESPN.com / Baseball-Reference.com / FanGraphs
ロサンゼルス・ドジャース | ニューヨーク・ヤンキース | ||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
打順 | 守備 | 選手 | 打席 | 打順 | 守備 | 選手 | 打席 | ||
1 | DH | 大谷翔平 | 左 | 1 | 二 | G・トーレス | 右 | ||
2 | 右 | M・ベッツ | 右 | 2 | 右 | J・ソト | 左 | ||
3 | 一 | F・フリーマン | 左 | 3 | 中 | A・ジャッジ | 右 | ||
4 | 左 | T・ヘルナンデス | 右 | 4 | 三 | J・チザムJr. | 左 | ||
5 | 三 | M・マンシー | 左 | 5 | DH | G・スタントン | 右 | ||
6 | 中 | E・ヘルナンデス | 右 | 6 | 一 | A・リゾ | 左 | ||
7 | 遊 | T・エドマン | 両 | 7 | 遊 | A・ボルピー | 右 | ||
8 | 捕 | W・スミス | 右 | 8 | 捕 | A・ウェルズ | 左 | ||
9 | 二 | G・ラックス | 左 | 9 | 左 | A・ベルドゥーゴ | 左 | ||
先発投手 | 投球 | 先発投手 | 投球 | ||||||
J・フラハーティ | 右 | G・コール | 右 |
セレモニー
編集試合前のアメリカ合衆国国歌『星条旗』独唱と始球式、およびセブンス・イニング・ストレッチにおける『ゴッド・ブレス・アメリカ』独唱を行った人物は、それぞれ以下の通り。
試合 | 国歌独唱 | 始球式 | 『ゴッド・ブレス・アメリカ』独唱 | |
---|---|---|---|---|
投手役 | 捕手役 | |||
第1戦 | ブラッド・ペイズリー[36] | スティーブ・イェーガー、オーレル・ハーシュハイザー (投球はせず。ボールをマウンドに置く)[37] |
||
第2戦 | パール・ピーターソン[38] | アンドレ・イーシアー、 マット・ケンプ[39] |
オースティン・バーンズ、 クレイトン・カーショウ[39] | |
第3戦 | レスリー・オドム・Jr[40] | デレク・ジーター[41] | オズワルド・カブレラ[42] | アーロン・トヴェイト[43] |
第4戦 | アシャンティ[44] | ポール・オニール[45] | A.J.バーネット[45] | ショシャナ・ビーン[46] |
第5戦 | ベイビーフェイス[47] | 松井秀喜[48] | ホセ・トレビーノ[49] | ケリー・オハラ[50] |
テレビ中継
編集アメリカ合衆国
編集アメリカ合衆国におけるテレビ中継はFOXが放送した。実況はジョー・デービスが、解説はジョン・スモルツが、フィールドリポートはケン・ローゼンタールとトム・バードゥッチが、それぞれ務めた。試合前にはケビン・バークハート進行のコーナーがあり、デレク・ジーターやデビッド・オルティーズ、アレックス・ロドリゲスが出演して試合の見所などを語った。FOXがスポンサー企業に販売したCM放送枠の価格は、30秒あたり46万5000ドルから52万ドルと推定されている[51]。
シリーズを通しての、全米および出場両チームの本拠地都市圏における視聴率等は以下の通り。
試合 | 日付 | 放送時間 | 全米 | カリフォルニア州 ロサンゼルス |
ニューヨーク州など ニューヨーク | ||||
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視聴率 | 占拠率 | 視聴者数 | 視聴率 | 占拠率 | 視聴率 | 占拠率 | |||
第1戦[52][53] | 10月25日(金) | 午後 | 8時 5分〜11時00分6.6% | 21% | 1416万人 | 19.1% | 58% | 13.2% | 37% |
第2戦[54][55] | 10月26日(土) | 午後 | 8時 6分〜11時00分6.2% | 20% | 1371万人 | 17.3% | 55% | 10.3% | 32% |
第3戦[56][57] | 10月28日(月) | 午後 | 8時10分〜11時00分6.6% | 19% | 1321万人 | 20.0% | 52% | 11.6% | 29% |
第4戦[58][59] | 10月29日(火) | 午後 | 8時 3分〜11時00分8.2% | 24% | 1628万人 | 19.7% | 54% | 12.8% | 33% |
第5戦[60][61] | 10月30日(水) | 午後 | 8時 4分〜11時00分9.0% | 28% | 1815万人 | 21.1% | 55% | 14.8% | 39% |
平均[62] | 不明 | 不明 | 1520万人 | 18.9% | 53% | 12.2% | 33% |
今シリーズ | 前年からの変動 | 裏番組の最高視聴率 | ||||||||
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試合 | 視聴率 | 視聴者数 | 前年視聴率 | 前年視聴者数 | 番組 | 放送局 | 放送時間 | 視聴率 | ||
変動 | 変動 | |||||||||
第1戦[52] | 6.6% | 1416万人 | 4.6% | 2.0ポイント上昇 | 917万人 | 499万人増加 | 『ブルーブラッド 〜NYPD家族の絆〜』 | CBS | 午後10時00分〜11時00分 | 2.8% |
第2戦[54] | 6.2% | 1371万人 | 4.0% | 2.2ポイント上昇 | 815万人 | 556万人増加 | Saturday Night Football[注 7] | ABC | 午後 | 8時00分〜11時00分2.7% |
第3戦[56] | 6.6% | 1321万人 | 4.2% | 2.4ポイント上昇 | 813万人 | 508万人増加 | 『マンデーナイトフットボール』 | ABC | 午後 | 8時12分〜11時00分4.0% |
第4戦[58] | 8.2% | 1628万人 | 4.5% | 3.7ポイント上昇 | 848万人 | 780万人増加 | 『FBI: 特別捜査班』 | CBS | 午後 | 8時00分〜 9時00分3.4% |
第5戦[60] | 9.0% | 1815万人 | 6.0% | 3.0ポイント上昇 | 1148万人 | 667万人増加 | 『サバイバー』 | CBS | 午後 | 8時00分〜 9時30分2.4% |
平均[62] | 不明 | 1520万人 | 4.7% | 不明 | 911万人 | 609万人増加 | [註]放送時間は東部夏時間。太平洋夏時間は-3時間 |
日本
編集日本での生中継の放送は、地上波放送ではフジテレビ系列が、衛星放送では日本放送協会(NHK)のチャンネル "NHK BS" が、それぞれ行った。同国におけるMLBの地上波中継は、オールスターゲームおよびワールドシリーズが一対となっていて、NHKと民間放送は1年ごと交互にどちらかの放映権しか得ることができず、さらに民放側はその放映権を各局持ち回りにしている。この年はNHKが既に7月の第94回オールスターゲームを地上波中継していたため、ワールドシリーズの放映権は民放側に与えられ、持ち回りでフジテレビジョンが獲得した[63]。
フジテレビはプライム帯にもワールドシリーズのダイジェストを編成し、自局が中継した1試合を除きSMBC日本シリーズ2024中継(TBSテレビ・テレビ朝日系列)と裏番組として競合させた。これを問題視した日本野球機構(NPB)は、フジテレビから日本シリーズ全試合の取材パスを没収した[64][65]。
脚注
編集注釈
編集- ^ フレディ・フリーマンの12打点は、1960年のボビー・リチャードソンと並ぶ。ただし1960年シリーズは第7戦までもつれたのに対し、今シリーズはそれより2試合少なく決着した。リチャードソンが所属するヤンキースはピッツバーグ・パイレーツに敗れたにもかかわらず、リチャードソンはシリーズMVPを受賞した。
- ^ ポストシーズンで2番目に多く実現した顔合わせは、ヤンキース対クリーブランド・ガーディアンズおよびヤンキース対サンフランシスコ・ジャイアンツの7度である。ヤンキース対ガーディアンズは、今シリーズ直前のアメリカンリーグ優勝決定戦で7度目に達した。ヤンキース対ジャイアンツは、1962年のワールドシリーズ以来60年以上ポストシーズンでの対戦がない。
- ^ 過去の4例は、1916年→2018年で102年のボストン・レッドソックス対ドジャース、1913年→1989年で76年のオークランド・アスレチックス対ジャイアンツ、1950年→2009年で59年のヤンキース対フィラデルフィア・フィリーズ、1948年→1995年で47年のアトランタ・ブレーブス対クリーブランド・インディアンス(のちのガーディアンズ)。
- ^ 1956年シリーズは、奇しくも今シリーズと同じヤンキース対ドジャースの顔合わせだった。ヤンキースには52本塁打のミッキー・マントルが、ドジャースには43本塁打のデューク・スナイダーが、それぞれ在籍していた。本塁打王を擁するチームどうしが対戦したそれ以前の4度は順に、1921年のニューヨーク・ジャイアンツ(のちのサンフランシスコ・ジャイアンツ)<ジョージ・ケリー>対ヤンキース<ベーブ・ルース>、1928年のヤンキース<ルース>対セントルイス・カージナルス<ジム・ボトムリー>、1936年のヤンキース<ルー・ゲーリッグ>対ジャイアンツ<メル・オット>、1937年のヤンキース<ジョー・ディマジオ>対ジャイアンツ<オット>。
- ^ 1961年シリーズではヤンキースとシンシナティ・レッズが対戦した。レッズではフランク・ロビンソンの37本塁打が最多だったが、ヤンキースには61本塁打のロジャー・マリスと54本塁打のマントルがいた。
- ^ 過去119回のシリーズのうち、レギュラーシーズンMVP受賞経験者が4人いたシリーズは9回ある。直近は1971年で、パイレーツにはロベルト・クレメンテが、ボルチモア・オリオールズにはF・ロビンソンとブルックス・ロビンソン、ブーグ・パウエルがいた。
- ^ カレッジフットボール中継番組。この日はLSUタイガース(ルイジアナ州立大学)対テキサスA&Mアギーズ(テキサスA&M大学)戦を放送した。AP通信の記者投票ランキングでは、全米大学体育協会(NCAA)ディビジョンIフットボール・ボウル・サブディビジョン全134校中LSUが8位、テキサスA&Mが14位だった。
出典
編集- ^ "Carlson is World Series umpire crew chief. Fletcher, Ripperger, Torres make Fall Classic debuts," Associated Press News, October 25, 2024. 2024年10月25日閲覧。
- ^ Ronald Blum, "Aaron Boone says Yankees clubhouse togetherness at a high going into World Series," Associated Press News, October 22, 2024. 2024年10月31日閲覧。
- ^ a b Mike Fitzpatrick, "World Series: Freddie Freeman wins MVP award after tying record with 12 RBIs for Dodgers," Associated Press News, October 31, 2024. 2024年10月31日閲覧。
- ^ 宇根夏樹 「0勝3敗からワールドシリーズ優勝は皆無。スウィープを免れたチームも少なく…。ヤンキースは0勝3敗」 『Yahoo!ニュース』、2024年10月29日。2024年10月31日閲覧。
- ^ Sarah Langs, "A dozen eye-popping stats from a thriller of a Game 5 World Series clincher," MLB.com, November 1, 2024. 2024年11月3日閲覧。
- ^ Jabari Young, "MLB reaches a $125 million sponsorship deal with Capital One," CNBC, March 28, 2022. 2024年9月26日閲覧。
- ^ Ronald Blum, "Yankees-Dodgers is MLB's marketing Dream Series," Associated Press News, October 26, 2024. 2024年10月27日閲覧。
- ^ "World Series could extend into November for 4th straight year but could start 3 days early," Associated Press News, August 2, 2024. 2024年10月19日閲覧。
- ^ Sarah Langs, "The 14 most common postseason matchups," MLB.com, October 21, 2024. 2024年10月23日閲覧。
- ^ Alden Gonzalez, ESPN Staff Writer, "Dodgers finish off Mets in NLCS Game 6 to reach World Series," ESPN, October 20, 2024. 2024年10月23日閲覧。
- ^ Sam Brock, "A Yankees vs. Dodgers World Series is a star-studded clash that's been decades in the making," NBC News, October 22, 2024. 2024年10月23日閲覧。
- ^ Manny Randhawa, "Longest waits for a World Series rematch," MLB.com, October 21, 2024. 2024年10月23日閲覧。
- ^ Justin Velazquez, "Yankees-Dodgers matchup brings back vintage World Series memories," Spectrum News 1 | Central NY, October 24, 2024. 2024年10月25日閲覧。
- ^ 杉浦大介 「ヤンキース&ドジャース 伝統の名門決戦再び」 『月刊スラッガー』2009年11月号、日本スポーツ企画出版社、2009年、雑誌15509-11、39頁。
- ^ a b Ronald Blum, "Yankees and Dodgers meet in World Series for 12th time in matchup of Broadway and Hollywood," Associated Press News, October 22, 2024. 2024年10月23日閲覧。
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- ^ 宇根夏樹 「プロ14年目に今まで未経験だったポジションを守る。試合の途中からではなく先発出場」 『Yahoo!ニュース』、2024年10月8日。2024年10月27日閲覧。
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- ^ 「フジテレビ強運!! 大谷WS放映権“たまたま”ゲット 解説に松井秀喜氏、ダルビッシュら大物にオファーか」 『スポニチ Sponichi Annex』、2024年10月22日。2024年10月23日閲覧。
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- ^ “NPB、フジの日本シリーズ取材パス没収 大リーグWSの放送原因か”. 毎日新聞. 2024年10月30日閲覧。