2019年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ
2019年のレッドブル・エアレース世界選手権 | |||
前年: | 2018 | 翌年: | 無し |
2019年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズでは、2019年に開催された通算14シーズン目のレッドブル・エアレース・ワールドシリーズについて述べる。
2019年5月29日、「レッドブルが主催する他の世界選手権と比較して、業界外から十分な興味を引くことができなかった」ことを理由に、同年9月の日本・幕張海浜公園でのレースを最後にシリーズを終了することが発表された[1]。これに伴い、2月に開催済みのアラブ首長国連邦・アブダビ、6月のロシア・カザン、7月のハンガリー・バラトン湖、9月の日本・千葉の4戦のみレースを行う短期決戦とし、他のレースは行われないことが発表された[2]。
概要
編集2019年1月30日、2019年シーズンの暫定的な開催地と開催日が発表された[3]開幕戦は12年連続となるアブダビ、ヨーロッパから前年に引き続きロシア・カザン、ハンガリー・ブダペストの他1都市、アメリカ合衆国・インディアナポリス、アジアから千葉の他1都市となり、最終戦はサウジアラビアと発表された。千葉戦はこれまで5月・6月の初夏に行われていたが、本年は9月に開催される予定である[3]。
チャレンジャークラスには新たにアメリカ合衆国からサミー・メイソンが、オーストリアからパトリック・ストラッサーが、スイスからヴィト・ウィプラチェッティガーが加わった[4]。メイソンは2月3日に25歳を迎えたばかりの最年少パイロットである[4]。また、ハンガリーのダニエル・ジェネヴェイが引退した。その結果、10か国から全12名が参戦する。チャレンジャークラスのレースは、7試合の合計ポイントの上位6名が最終戦チャレンジャーカップに挑むことができ、それまでの獲得ポイントに関わらず最終戦の勝者が最終的な勝者であったが、今シーズンからは各パイロットの出場レース数が平等になるよう調整した上で、マスタークラスと同様の形態となる[4]。
本シリーズから、マスタークラスのポイントが大きく変更された。昨シーズンまでは1位から10位に15〜1ポイントが与えられ、11位から14位は0ポイントだったが、本年は1位に25ポイントから始まり、13位までポイントが与えられ、14位のみ0ポイントとなった[5]。また、2010年シリーズ以来となる予選ポイントが復活し、予選上位3位までに順次3〜1ポイントが与えられる[5]。また、オーバーGに関して「10Gが0.6秒以上続いた場合+2秒のペナルティ、12Gを超えたらDNF」から、「11Gを超えたら+1秒のペナルティ、12Gを超えたらDNF」へと変更された[5]。2016年シーズン中に不慮の事故で亡くなったハンネス・アルヒのチームにいたテクニシャンがニコラス・イワノフのチームメンバーとなり、アルヒの別のチームメイトはピート・マクロードのチームに加わった[5]。2017年シーズンに引退したピーター・ポドランセックのテクニシャンがペトル・コプシュタインのテクニシャンに就任するなど、チーム間のメンバー異動があった[5]。
参加パイロット
編集マスタークラス
編集No. | パイロット | 使用機 | ラウンド |
---|---|---|---|
5 | クリスチャン・ボルトン | ジブコ エッジ540 V2[P 1] | 1-4 |
8 | マルティン・ソンカ | ジブコ エッジ540 V3[P 2] | 1-4 |
10 | カービー・チャンブリス | ジブコ エッジ540 V3[P 3] | 1-4 |
11 | ミカエル・ブラジョー | MXエアクラフト MXS-R[P 4] | 1-4 |
12 | フランソワ・ルボット | ジブコ エッジ540 V3[P 5] | 1-4 |
18 | ペトル・コプシュタイン | ジブコ エッジ540 V3[P 6] | 1-4 |
21 | マティアス・ドルダラー | ジブコ エッジ540 V3[P 7] | 1-4 |
24 | ベン・マーフィー | ジブコ エッジ540 V2[P 8] | 1-4 |
26 | フアン・ベラルデ | ジブコ エッジ540 V2[P 9] | 1-4 |
27 | ニコラス・イワノフ | ジブコ エッジ540 V2[P 10] | 1-4 |
31 | 室屋義秀 | ジブコ エッジ540 V3[P 11] | 1-4 |
84 | ピート・マクロード | ジブコ エッジ540 V3[P 12] | 1-4 |
95 | マット・ホール | ジブコ エッジ540 V3[P 13] | 1-4 |
99 | マイケル・グーリアン | ジブコ エッジ540 V2[P 14] | 1-4 |
チャレンジャークラス
編集チャレンジャークラスのパイロットは全員、ジブコ エッジ540 V2を使用する。
No. | パイロット | ラウンド | 最終戦 出場可否 |
---|---|---|---|
6 | ルーク・チェピエラ | 1, 3-1 | ○ |
7 | ケニー・チャン | 2-1, 2-2 | ○ |
15 | バティスト・ヴィーニュ | 2-1, 3-2 | ○ |
17 | ダニエル・リファ | 2-1, 2-2, 3-1, 3-2 | × |
32 | ダリオ・コスタ | 1, 3-1, 3-2 | × |
33 | メラニー・アストル | 1, 3-2 | × |
48 | ケヴィン・コールマン | 1, 2-1, 2-2 | ○ |
62 | フロリアン・バーガー | 1, 2-1 | ○ |
77 | パトリック・デヴィッドソン | 2-1, 2-2, 3-1 | × |
25 | サミー・メイソン | 1, 2-1, 2-2 | × |
23 | パトリック・ストラッサー | 2-1, 2-2, 3-2 | × |
87 | ヴィト・ウィプラチェッティガー | 3-1, 3-2 | ○ |
レース日程と結果
編集ラウンド | 国 | 地域 | 開催日 | マスタークラス | チャレンジャークラス | レポート | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
予選第1位 | 優勝者 | 予選第1位 | 優勝者 | |||||
1 | アラブ首長国連邦 | アブダビ | 2月8日・9日 | 室屋義秀 | 室屋義秀 | フロリアン・バーガー | フロリアン・バーガー | 詳細 |
2 | ロシア | タタールスタン・カザン | 6月15日・16日 | ミカエル・ブラジョー[6] | 室屋義秀[7] | ダブルヘッダー開催のため 予選なし |
レース1 ケニー・チャン[8] レース2 フロリアン・バーガー[9] |
詳細 |
3 | ハンガリー | バラトン湖 | 7月13日・14日 | マルティン・ソンカ[10] | マット・ホール[11] | ダブルヘッダー開催のため 予選なし |
レース1 ダリオ・コスタ[12] レース2 ダニエル・リファ[13] |
詳細 |
4 | 日本 | 千葉県千葉市(幕張海浜公園) | 9月7日・8日 | フアン・ベラルデ | 室屋義秀 | フロリアン・バーガー | 令和元年房総半島台風(台風15号)接近に伴い中止 | 詳細 |
得点及び順位
編集マスタークラス
編集- マスタークラスのスコア・システム
予選順位 1位 2位 3位 得点 3 2 1
順位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 11位 12位 13位 14位 得点 25 22 20 18 14 13 12 11 5 4 3 2 1 0
|
() 内の小字は予選順位を示す。 |
チャレンジャークラス
編集チャレンジャークラスの選手はシーズン中に少なくとも3大会に出場しなければならず、最も良かった4大会のスコアをチャレンジャー・カップのランキングに計上でき、ランキング上位6名のパイロットが最終レースへの参加権を得る。
- チャレンジャークラスのスコア・システム
順位 1位 2位 3位 4位 5位 6-12位 ポイント 10 8 6 4 2 0
|
|
最終戦
編集令和元年房総半島台風(台風15号)接近に伴い決勝が中止となり、9月7日に行われた予選の結果で順位が確定となった。
順 位 |
No. | パイロット | タイム | ペナルティ |
---|---|---|---|---|
1 | 62 | フロリアン・バーガー | 1:00.483 | |
2 | 48 | ケヴィン・コールマン | 1:02.244 | |
3 | 15 | バティスト・ヴィーニュ | 1:03.065 | |
4 | 6 | ルーク・チェピエラ | 01:05.027 | |
5 | 87 | ヴィト・ウィプラチェッティガー | 1:05.419 | +3秒 |
6 | 7 | ケニー・チャン | 1:06.627 | +4秒 |
出典
編集- パイロット
- ^ “クリスチャン・ボルトン”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “マルティン・ソンカ”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “カービー・チャンブリス”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “ミカエル・ブラジョー”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “フランソワ・ルボット”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “ペトル・コプシュタイン”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “マティアス・ドルダラー”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “ベン・マーフィー”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “フアン・ベラルデ”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “ニコラス・イワノフ”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “室屋義秀”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “ピート・マクロード”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “マット・ホール”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- ^ “マイケル・グーリアン”. Red Bull Air Race. 2019年2月15日閲覧。
- その他
- ^ 室屋義秀が参戦する"空のF1"、レッドブル・エアレースが2019年限りで終了。9月日本戦がフィナーレに オートスポーツweb・2019年5月29日・同日閲覧
- ^ Red Bull Air Race 2019 シーズン限りで終了へ レッドブルエアレース 公式サイト・2019年5月29日・同日閲覧
- ^ a b “Red Bull Air Race World Championship 2019シーズンカレンダーが発表”. レッドブル・エアレース. Red Bull Air Race (2019年1月30日). 2019年2月15日閲覧。
- ^ a b c “Three new pilots join the 2019 Challenger Class”. レッドブル・エアレース. Red Bull Air Race (2019年1月22日). 2019年2月15日閲覧。
- ^ a b c d e “2019シーズン:ルール&チーム変更詳細”. Red Bull Air Race (2019年1月30日). 2019年2月15日閲覧。
- ^ “カザン 2019:予選はブラジョーが首位通過 室屋は4位”. Red Bull Air Race (2019年6月15日). 2019年6月19日閲覧。
- ^ “Kazan 2019 Reactions: Master Class Race Day”. Red Bull Air Race (2019年6月16日). 2019年6月19日閲覧。
- ^ “Chiang Chimes In With Another Race Win”. Red Bull Air Race (2019年6月15日). 2019年6月19日閲覧。
- ^ “Bergér Does What He Does Best In Kazan”. Red Bull Air Race (2019年6月16日). 2019年6月19日閲覧。
- ^ “バラトン湖 2019:予選はソンカが首位 室屋は9位”. Red Bull Air Race (2019年7月13日). 2019年7月26日閲覧。
- ^ “バラトン湖 2019:ホールが優勝 室屋は12位”. Red Bull Air Race (2019年7月14日). 2019年7月26日閲覧。
- ^ “Costa Takes Maiden Win In Balaton”. Red Bull Air Race (2019年7月13日). 2019年7月26日閲覧。
- ^ “Ryfa Tactic Pays Dividends”. Red Bull Air Race (2019年7月14日). 2019年7月26日閲覧。