2019年バーレーングランプリ
2019年バーレーングランプリ (2019 Bahrain Grand Prix) は、2019年のF1世界選手権第2戦として、2019年3月31日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで開催された。
レース詳細 | |||
---|---|---|---|
日程 | 2019年シーズン第2戦 | ||
決勝開催日 | 3月31日 | ||
開催地 |
バーレーン・インターナショナル・サーキット バーレーン サヒール | ||
コース | 恒久的レース施設 | ||
コース長 | 5.412km | ||
レース距離 | 57周 (308.238km) | ||
決勝日天候 | 晴 (ドライ) | ||
ポールポジション | |||
ドライバー | |||
タイム | 1:27.866 | ||
ファステストラップ | |||
ドライバー | シャルル・ルクレール | ||
タイム | 1:33.411 (38周目) | ||
決勝順位 | |||
優勝 |
| ||
2位 | |||
3位 |
レース前
編集本レースでピレリが用意するドライタイヤのコンパウンドは、ハード(白):C1、ミディアム(黄):C2、ソフト(赤):C3[2]。
オーバーテイクの機会を増やすため、DRSゾーンが従来の2箇所(メインストレートとバックストレート)から3箇所に増やされる。新たに追加されるゾーンは、ターン1から3の複合コーナー出口からターン4までの直線区間[3]。
エントリーリスト
編集フェラーリは、チーム名を当初予定していた「スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ」に戻すことを決定した。また、マシンのSF90やレーシングスーツにも、「ミッション・ウィノウ」のロゴを再び掲示する[4]。
チーム | No. | ドライバー | コンストラクター | シャシー | パワーユニット |
---|---|---|---|---|---|
メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | W10 | メルセデス M10 EQ Power+ |
77 | バルテリ・ボッタス | ||||
スクーデリア・フェラーリ・ミッション・ウィノウ | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | SF90 | フェラーリ 064 |
16 | シャルル・ルクレール | ||||
アストンマーティン・レッドブル・レーシング | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル | RB15 | ホンダ RA619H |
10 | ピエール・ガスリー | ||||
ルノーF1チーム | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | R.S.19 | ルノー E-Tech 19 |
27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ||||
リッチ・エナジー・ハースF1チーム | 8 | ロマン・グロージャン | ハース | VF-19 | フェラーリ 064 |
20 | ケビン・マグヌッセン | ||||
マクラーレンF1チーム | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン | MCL34 | ルノー E-Tech 19 |
4 | ランド・ノリス | ||||
スポーツペサ・レーシング・ポイント・F1チーム | 11 | セルジオ・ペレス | レーシング・ポイント | RP19 | BWTメルセデス (メルセデス M10 EQ Power+) |
18 | ランス・ストロール | ||||
アルファロメオ・レーシング | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ | C38 | フェラーリ 064 |
99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | ||||
レッドブル・トロ・ロッソ・ホンダ | 26 | ダニール・クビアト | トロ・ロッソ | STR14 | ホンダ RA619H |
23 | アレクサンダー・アルボン | ||||
ロキット・ウィリアムズ・レーシング | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ | FW42 | メルセデス M10 EQ Power+ |
88 | ロバート・クビサ | ||||
ソース:[5] |
- 追記
フリー走行
編集マクラーレンは、前戦オーストラリアGPの決勝でMGU-Kのトラブルによりリタイアしたカルロス・サインツJr.のICE(エンジン)、ターボ、MGU-H、MGU-Kを交換した[6]。
金曜午前のFP1は、前戦とは打って変わってフェラーリ勢が好調であり、シャルル・ルクレールが1分30秒354のトップタイムを出し、セバスチャン・ベッテルが0.3秒差の2番手で、3番手のボッタス以下に1秒近い大差を付けた[6]。
金曜午後のFP2もフェラーリ勢が速く[7]、ベッテルが1分28秒846でトップ、ルクレールが0.035秒差の2番手に続いた[8]。レッドブル勢はソフトタイヤのグリップに苦しみ、マックス・フェルスタッペンは6番手、ピエール・ガスリーは12番手に沈んだ[7][9][10]。
フェラーリ勢の好調さは土曜午前のFP3も続き、全セッションでフェラーリ勢が1-2番手を独占した。トップタイムはルクレールの1分29秒569[11]。レッドブル勢はフェルスタッペンが8番手、ガスリーが12番手に終わり、予選に不安を残した[12]。
予選
編集シャルル・ルクレールがF1キャリア初のポールポジションを獲得した。2番手のセバスチャン・ベッテルとともにフェラーリがフロントローを独占し、続いてルイス・ハミルトンが3番手、前戦オーストラリアで優勝を飾ったバルテリ・ボッタスが4番手でメルセデス勢がセカンドロー、レッドブルのマックス・フェルスタッペンが5番手、ピエール・ガスリーはQ2落ちの13番手[13]、トロ・ロッソ勢は僅差で揃ってQ2落ちだった[14]。一方でロマン・グロージャンはQ1で低速走行してランド・ノリスのアタックを妨害したとして、3グリッド降格とペナルティーポイント1点を課せられた[15]。
結果
編集順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | Q1 | Q2 | Q3 | Grid |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 1:28.495 | 1:28.046 | 1:27.866 | 1 |
2 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 1:28.733 | 1:28.356 | 1:28.160 | 2 |
3 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 1:29.262 | 1:28.587 | 1:28.190 | 3 |
4 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 1:29.498 | 1:28.830 | 1:28.256 | 4 |
5 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-ホンダ | 1:29.579 | 1:29.109 | 1:28.752 | 5 |
6 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース-フェラーリ | 1:29.532 | 1:29.017 | 1:28.757 | 6 |
7 | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン-ルノー | 1:29.528 | 1:29.055 | 1:28.813 | 7 |
8 | 8 | ロマン・グロージャン | ハース-フェラーリ | 1:29.688 | 1:29.249 | 1:29.015 | 11 1 |
9 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ-フェラーリ | 1:29.959 | 1:29.471 | 1:29.022 | 8 |
10 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン-ルノー | 1:29.381 | 1:29.258 | 1:29.043 | 9 |
11 | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 1:29.859 | 1:29.488 | 10 | |
12 | 23 | アレクサンダー・アルボン | トロ・ロッソ-ホンダ | 1:29.514 | 1:29.513 | 12 | |
13 | 10 | ピエール・ガスリー | レッドブル-ホンダ | 1:29.900 | 1:29.526 | 13 | |
14 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 1:29.893 | 1:29.756 | 14 | |
15 | 26 | ダニール・クビアト | トロ・ロッソ-ホンダ | 1:29.876 | 1:29.854 | 15 | |
16 | 99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | アルファロメオ-フェラーリ | 1:30.026 | 16 | ||
17 | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ルノー | 1:30.034 | 17 | ||
18 | 18 | ランス・ストロール | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 1:30.217 | 18 | ||
19 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ-メルセデス | 1:31.759 | 19 | ||
20 | 88 | ロバート・クビサ | ウィリアムズ-メルセデス | 1:31.799 | 20 | ||
107% time: 1:34.689 | |||||||
ソース:[16] |
決勝
編集ポールポジションのシャルル・ルクレールはスタートで出遅れるも、首位の座を取り戻してからレースを支配し続けた。しかし、初優勝を目の前にしたレース終盤、ルクレールのパワーユニット(PU)にトラブルが発生してスローダウンし、メルセデス勢に抜かれて3位に終わった。ルイス・ハミルトンが今季初優勝、バルテリ・ボッタスが2位とメルセデスが2戦連続の1-2フィニッシュを達成した。
展開
編集フロントローを取ったフェラーリ勢がレースを支配する展開となり、特にポールポジションからスタートしたシャルル・ルクレールはスタートこそセバスチャン・ベッテルの先行を許すも抜き返し、その後も後続を引き放して初優勝が目前に迫ったが、残り11周のところでPUトラブルによりスローダウンを余儀なくされた[18]。最終的には終盤ルノー勢に立て続けに起こった電気系トラブルがきっかけでセーフティカー導入のままメルセデスのワンツーフィニッシュで終わった。それでも、ルクレールはセーフティカーに助けられ、レッドブルのマックス・フェルスタッペンを振り切って3位を死守し、初表彰台とファステストラップのボーナスポイント(1点)を獲得した。また、ルクレールはファンの投票によりドライバー・オブ・ザ・デイに選出された[19]。ベッテルは中盤にハミルトンに2位の座を奪われた直後に単独スピンを喫したうえにフロントウィングを壊したことによる後退が響いて5位に終わり、レース後に2016年のチャンピオンであるニコ・ロズベルグから批判を受けた[20]。「ベスト・オブ・ザ・レスト」はアルファロメオのキミ・ライコネンとの6位争いを制したマクラーレンの新人ランド・ノリス。レッドブルのピエール・ガスリーはフェルスタッペン同様にマシンバランスに苦しみながらも8位、トロ・ロッソのアレクサンダー・アルボンは9位、10位にはレーシング・ポイントのセルジオ・ペレスが入り、ノリスと8位以下のドライバーは今季初入賞[19]を果たした。そのうち、ノリスとアルボンはこれがキャリア初入賞となる。表彰台こそ逃すもホンダPU搭載車のドライバー4名の内3名が入賞を果たした。
結果
編集順位 | No. | ドライバー | コンストラクター | 周回数 | タイム/リタイア原因 | Grid | Pts. |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ルイス・ハミルトン | メルセデス | 57 | 1:34:21.295 | 3 | 25 |
2 | 77 | バルテリ・ボッタス | メルセデス | 57 | +2.980 | 4 | 18 |
3 | 16 | シャルル・ルクレール | フェラーリ | 57 | +6.131 | 1 | 16 1 |
4 | 33 | マックス・フェルスタッペン | レッドブル-ホンダ | 57 | +6.408 | 5 | 12 |
5 | 5 | セバスチャン・ベッテル | フェラーリ | 57 | +36.068 | 2 | 10 |
6 | 4 | ランド・ノリス | マクラーレン-ルノー | 57 | +45.754 | 9 | 8 |
7 | 7 | キミ・ライコネン | アルファロメオ-フェラーリ | 57 | +47.470 | 8 | 6 |
8 | 10 | ピエール・ガスリー | レッドブル-ホンダ | 57 | +58.094 | 13 | 4 |
9 | 23 | アレクサンダー・アルボン | トロ・ロッソ-ホンダ | 57 | +1:02.697 | 12 | 2 |
10 | 11 | セルジオ・ペレス | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 57 | +1:03.696 | 14 | 1 |
11 | 99 | アントニオ・ジョヴィナッツィ | アルファロメオ-フェラーリ | 57 | +1:04.599 | 16 | |
12 | 26 | ダニール・クビアト | トロ・ロッソ-ホンダ | 56 | +1 Lap | 15 | |
13 | 20 | ケビン・マグヌッセン | ハース-フェラーリ | 56 | +1 Lap | 6 | |
14 | 18 | ランス・ストロール | レーシング・ポイント-BWTメルセデス | 56 | +1 Lap | 18 | |
15 | 63 | ジョージ・ラッセル | ウィリアムズ-メルセデス | 56 | +1 Lap | 19 | |
16 | 88 | ロバート・クビサ | ウィリアムズ-メルセデス | 55 | +2 Laps | 20 | |
17† | 27 | ニコ・ヒュルケンベルグ | ルノー | 53 | パワーユニット | 17 | |
18† | 3 | ダニエル・リカルド | ルノー | 53 | パワーユニット | 10 | |
19† | 55 | カルロス・サインツ | マクラーレン-ルノー | 53 | ギアボックス | 7 | |
Ret | 8 | ロマン・グロージャン | ハース-フェラーリ | 16 | 接触ダメージ | 11 | |
ソース:[21] |
- ファステストラップ[22]
- シャルル・ルクレール - 1:33.411 (38周目)
- ラップリーダー[23]
- 追記
第2戦終了時点のランキング
編集
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- 注:ドライバー、コンストラクター共にトップ5のみ表示。
脚注
編集- ^ “2019 Bahrain Grand Prix”. The Official F1 Website. 2019年3月28日閲覧。
- ^ “ピレリ、“新名称”による2019年シーズン開幕4戦のタイヤコンパウンドを発表。カラーは3色のみに”. AUTOSPORTweb (2018年12月11日). 2019年3月28日閲覧。
- ^ “F1第2戦バーレーンGPに、3カ所目のDRSゾーンが追加。追い抜きは増える?”. motorsport.com (2019年3月28日). 2019年3月28日閲覧。
- ^ “フェラーリ、F1第2戦バーレーンGPを前に「Mission Winnow」を復活”. Formula1-Data (2019年3月23日). 2019年3月23日閲覧。
- ^ “Entry List”. FIA (2019年3月28日). 2019年3月28日閲覧。
- ^ a b “F1バーレーンGP FP1:フェラーリの新鋭ルクレールがトップ。レッドブル・ホンダは5、6番手”. AUTOSPORTweb (2019年3月29日). 2019年3月30日閲覧。
- ^ a b “F1バーレーンGP FP2:初日最速はベッテル。レッドブル・ホンダのフェルスタッペンは6番手。ガスリーは12番手と苦戦”. AUTOSPORTweb (2019年3月30日). 2019年3月30日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 GULF AIR BAHRAIN GRAND PRIX 2019 - PRACTICE 2”. The Official F1 Website (2019年3月30日). 2019年3月30日閲覧。
- ^ “フェルスタッペン、“小さな問題”に見舞われ6番手「決勝には自信があるが、予選パフォーマンスの改善が必要」:レッドブル・ホンダ F1バーレーンGP金曜”. AUTOSPORTweb (2019年3月30日). 2019年3月30日閲覧。
- ^ “ガスリー12番手「予選シミュレーションがうまくいかなかった。ソフトタイヤでのペースが不足」:レッドブル・ホンダ F1バーレーンGP金曜”. AUTOSPORTweb (2019年3月30日). 2019年3月30日閲覧。
- ^ “F1バーレーンFP3速報:ルクレール最速。レッドブル・ホンダのフェルスタッペンは8番手”. motorsport.com (2019年3月30日). 2019年3月31日閲覧。
- ^ “F1バーレーンFP3:フェラーリ好調続く。レッドブルどうした? フェルスタッペン8番手”. motorsport.com (2019年3月30日). 2019年3月31日閲覧。
- ^ F1バーレーンGP予選:跳ね馬復活、ルクレールが自身初のポールを獲得、レッドブル・ホンダのガスリー無念のQ2落ち autosport web 2018年3月31日。
- ^ 【順位結果】F1第2戦バーレーンGP予選 autosport web 2018年3月31日。
- ^ グロージャンが3グリッド降格ペナルティ/F1バーレーンGPグリッド autosport web 2019年3月31日、同4月2日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 GULF AIR BAHRAIN GRAND PRIX 2019 - QUALIFYING”. The Official F1 Website (2019年3月31日). 2019年3月31日閲覧。
- ^ “Offence Doc23 - R.Grosjean”. fia.com (2019年3月30日). 2019年3月31日閲覧。
- ^ 【F1バーレーンGP無線レビュー】優勝目前のルクレールが悲痛な叫び「エンジンが何か変なんだ! XXX!」 autosport web 2019年4月4日。
- ^ a b F1バーレーンGP決勝:残り10周の悲劇……ルクレール初優勝逃す。優勝はハミルトン jp.motorsport.com 2019年4月1日。
- ^ 「昨年と同じベッテルがいた」とニコ・ロズベルグ TOPNEWS 2019年4月1日、同4日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 GULF AIR BAHRAIN GRAND PRIX 2019 - RACE RESULT”. The Official F1 Website (2019年3月31日). 2019年4月1日閲覧。
- ^ “FORMULA 1 GULF AIR BAHRAIN GRAND PRIX 2019 - FASTEST LAPS”. The Official F1 Website (2019年3月31日). 2019年4月1日閲覧。
- ^ “Lap Chart”. FIA (2019年3月31日). 2019年4月1日閲覧。
前戦 2019年オーストラリアグランプリ |
FIA F1世界選手権 2019年シーズン |
次戦 2019年中国グランプリ |
前回開催 2018年バーレーングランプリ |
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