2016年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ インディアナポリス

座標: 北緯39度47分54秒 西経86度13分58秒 / 北緯39.79833度 西経86.23278度 / 39.79833; -86.23278

2016年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ インディアナポリスでは、通算11シーズン目となるレッドブル・エアレース・ワールドシリーズの内、2016年10月1日2日アメリカ合衆国インディアナ州インディアナポリスで行われた2016年シーズン第7戦について述べる。会場は、インディアナポリス・モーター・スピードウェイ

概要

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ラウジッツ大会から4日後の9月8日、2008年度チャンピオンのハンネス・アルヒが母国オーストリアケルンテン州でプライベート・ヘリコプターの事故で死亡した[1]。これに伴い、マスタークラス予備登録パイロットのクリスチャン・ボルトン(チリ)がマスタークラス初の南米出身パイロットとして第7戦から昇格することになった[2]。アルヒのチームに帯同していたテクニシャンがボルトンのチームに参加して機体の調整などを行うことも決定した[2]

第7戦の会場となるインディアナポリス・モーター・スピードウェイは、完成を間近に控えた1909年6月5日ガス気球の全米選手権が開かれた場所であり、空のスポーツとの関連が深いともいえる[3]

チャレンジャークラス
フリープラクティスでは、ベン・マーフィ(イギリス)が2本共にトップを記録、ルーク・チェピエラ(ポーランド)は1本目で6度のミスを続発し、計13秒のペナルティを受けた[4]。予選日に行われる最後のフリープラクティスでは、第5戦 アスコット大会で優勝したケヴィン・コールマン(アメリカ)が自国開催という期待を背負いながらノーミスのフライトで1位を記録し[5]、予選でも1位通過した[6]
決勝では、フリープラクティスと予選でミスを連発したチェピエラが一転、ノーミスのフライトで初勝利[7]。コールマンは2度のパイロンヒットにより最下位に終わった[7]
マスタークラス
フリープラクティスでは、マティアス・ドルダラー(ドイツ)とニコラス・イワノフ(フランス)がそれぞれ1位を獲得[8]室屋義秀(日本)、フランソワ・ルボット(フランス)、ピーター・ポドランセック(スロベニア)など複数のパイロットがオペレーショナル・バイオレーション(操作上の違反)を犯した[8]。1本目を2位で終えたマット・ホール(オーストラリア)は、体調不良で2本目をキャンセルした[9]。最後のフリープラクティスではマルティン・ソンカ(チェコ)が1位、半数のパイロットがインコレクトレベルなどのミスを犯した[10]
予選は雨で開始が遅れたが、室屋がフリープラクティスを通じても最速となる1:02.073でトラックレコードを記録し首位通過、ホールが0.182秒差で続いた[11]。フリープラクティスで好調だったイワノフは11位と沈み、ラウンド・オブ・14からドルダラーと対戦することになり、「かなりチャレンジングだ」と述べた[12]
ラウンド・オブ・14では、カービー・チャンブリス(アメリカ)がエンジン回転数違反で失格、ファンの期待に応える事は出来なかった[13]。室屋は2つ(計4秒)のペナルティを受けたが、経験と冷静さによりボルトンに勝つことができた[13]。ラウンド・オブ・8では、ドルダラーがトラックレコードに迫る1:02.827で1位通過、ラムはパイロンヒットをしたが、対戦相手のベラルデも2つのミスをしたため、ラムが上回り3大会ぶりにファイナル4に進出[14]。ファイナル4でもドルダラーは安定した強さを見せ優勝、チャンピオンシップポイントは2位以下に15ポイント以上の差がついたため、最終戦を前にドルダラーの総合優勝が決定した[15]

マスタークラス

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インディアナポリス・モーター・スピードウェイ

予選

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No. パイロット タイム ペナルティ
1 31   室屋義秀 1:02.073
2 95   マット・ホール 1:02.255
3 9   ナイジェル・ラム 1:03.209
4 21   マティアス・ドルダラー 1:03.378
5 26   フアン・ベラルデ 1:04.052
6 8   マルティン・ソンカ 1:04.144 +1秒1
7 84   ピート・マクロード 1:04.185 +2秒2
8 10   カービー・チャンブリス 1:04.516 +1秒3
9 99   マイケル・グーリアン 1:05.043 +2秒4
10 18   ペトル・コプシュタイン 1:05.267
11 27   ニコラス・イワノフ 1:05.500 +2秒5
12 12   フランソワ・ルボット 1:05.785
13 37   ピーター・ポドランセック 1:06.349 +1秒3
14 5   クリスチャン・ボルトン 1:07.408
  • ^1 ゲート11でオペレーショナル・バイオレーション[11]
  • ^2 ゲート4で水平角度違反[11]
  • ^3 ゲート5でオペレーショナル・バイオレーション[11]
  • ^4 ゲート14で水平角度違反[11]
  • ^5 ゲート2で水平角度違反[11]

ラウンド・オブ・14

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ヒート 順位 パイロット1 タイム1 タイム2 パイロット2 順位
1 9   ペトル・コプシュタイン 1:06.133 1:05.984   フアン・ベラルデ 6
2 4   ニコラス・イワノフ 1:05.026 1:03.661   マティアス・ドルダラー 1
3 10   マイケル・グーリアン 1:06.534 1:06.3931   マルティン・ソンカ 7
4 12   フランソワ・ルボット 1:07.5972 1:04.984   ナイジェル・ラム 3
5 14   カービー・チャンブリス DQ3 1:05.249   ピート・マクロード 5
6 11   ピーター・ポドランセック 1:06.6604 1:04.179   マット・ホール 2
7 13   クリスチャン・ボルトン 1:08.5325 1:07.69756   室屋義秀 8
凡例
ラウンド・オブ・8進出
ノックアウト(敗退)
敗者の中で最速(=進出)
  • ^1 ゲート4で水平角度違反で+2秒[13]
  • ^2 ゲート11でオペレーショナル・バイオレーションで+1秒[13]
  • ^3 エンジン回転数オーバーにより失格[13]
  • ^4 ゲート6で機首角度違反で+2秒[13]
  • ^5 ゲート10で水平角度違反で+2秒[13]
  • ^6 ゲート5通過時高度超過で+2秒[13]

ラウンド・オブ・8

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ヒート 順位 パイロット1 タイム1 タイム2 パイロット2 順位
8 3   ピート・マクロード 1:04.525 1:05.888   ニコラス・イワノフ 6
9 8   フアン・ベラルデ 1:08.7131 1:07.2852   ナイジェル・ラム 4
10 7   マルティン・ソンカ 1:07.4463 1:04.322   マット・ホール 2
11 5   室屋義秀 1:03.730 1:02.827   マティアス・ドルダラー 1
凡例
ファイナル4進出
ノックアウト(敗退)
  • ^1 ゲート4及びゲート13で水平角度違反により+4秒[14]
  • ^2 パイロンヒットにより+3秒[14]
  • ^3 ゲート14でパイロンヒットにより+3秒[14]

ファイナル4

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No. パイロット タイム ペナルティ
1 21   マティアス・ドルダラー 1:03.335
2 9   ナイジェル・ラム 1:04.326
3 84   ピート・マクロード 1:05.398
4 95   マット・ホール 1:06.623 +3秒1
  • ^1 ゲート2でパイロンヒット[15]

最終結果

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パイロット ポイント
1   マティアス・ドルダラー 15
2   ナイジェル・ラム 12
3   ピート・マクロード 9
4   マット・ホール 7
5   室屋義秀 6
6   ニコラス・イワノフ 5
7   マルティン・ソンカ 4
8   フアン・ベラルデ 3
9   ペトル・コプシュタイン 2
10   マイケル・グーリアン 1
11   ピーター・ポドランセック 0
12   フランソワ・ルボット 0
13   クリスチャン・ボルトン 0
14   カービー・チャンブリス 0

チャレンジャークラス

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予選

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No. パイロット タイム ペナルティ
1 48   ケヴィン・コールマン 1:17.032
2 6   ルーク・チェピエラ 1:19.688
3 33   メラニー・アストル 1:20.245 +4秒1
4 24   ベン・マーフィ 1:21.463 +3秒2
  • ^1 ゲート2及びフィニッシュゲートで水平角度違反[6]
  • ^2 ゲート11でパイロンヒット[6]

決勝

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No. パイロット タイム ペナルティ
1 6   ルーク・チェピエラ 1:16.484
2 33   メラニー・アストル 1:17.053
3 24   ベン・マーフィ 1:20.651 +3秒1
4 48   ケヴィン・コールマン 1:24.503 +6秒2
  • ^1 ゲート2でパイロンヒット[7]
  • ^2 ゲート8及びゲート11でパイロンヒット[7]

第7戦終了後のランキング

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マスタークラス

パイロット トー
タル
1   マティアス・ドルダラー 80.25
2   マット・ホール 55.75
3   ハンネス・アルヒ 41.00
4   ナイジェル・ラム 37.75
5   ニコラス・イワノフ 35.00
6   室屋義秀 31.50
7   マルティン・ソンカ 31.00
8   カービー・チャンブリス 30.25
9   ピート・マクロード 30.50
10   マイケル・グーリアン 19.75
11   フアン・ベラルデ 14.25
12   フランソワ・ルボット 10.00
13   ピーター・ポドランセック 4.00
14   ペトル・コプシュタイン 4.00
15   クリスチャン・ボルトン 0.00
チャレンジャークラス

パイロット トー
タル
1   フロリアン・バーガー 28
2   ダニエル・リファ 26
3   ケヴィン・コールマン 26
4   ルーク・チェピエラ 24
5   クリスチャン・ボルトン 20
6   ベン・マーフィ 20
7   メラニー・アストル 16
8   フランシス・バロス 2

出典

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  1. ^ お悔み:ハンネス・アルヒ氏”. Red Bull Air Race (2016年9月9日). 2017年4月21日閲覧。
  2. ^ a b クリスチャン・ボルトンがマスタークラスに昇格”. Red Bull Air Race (2016年9月21日). 2017年4月21日閲覧。
  3. ^ インディアナポリス・モーター・スピードウェイ:空の歴史”. Red Bull Air Race (2016年9月27日). 2017年4月21日閲覧。
  4. ^ Murphy shows strength in Free Practice”. Red Bull Air Race (2016年9月30日). 2017年4月21日閲覧。
  5. ^ Coleman tops final Free Practice”. Red Bull Air Race (2016年10月1日). 2017年4月21日閲覧。
  6. ^ a b c Coleman strongest in Challenger Qualifying”. Red Bull Air Race (2016年10月1日). 2017年4月21日閲覧。
  7. ^ a b c d Czepiela takes first Challenger Cup win in Indianapolis”. Red Bull Air Race (2016年10月2日). 2017年4月23日閲覧。
  8. ^ a b 第7戦:フリープラクティスはドルダラーとイワノフがトップ”. Red Bull Air Race (2016年9月30日). 2017年4月21日閲覧。
  9. ^ インディアナポリス:フリープラクティス・リアクション”. Red Bull Air Race (2016年9月30日). 2017年4月21日閲覧。
  10. ^ Sonka takes charge in Free Practice 3”. Red Bull Air Race (2016年10月1日). 2017年4月21日閲覧。
  11. ^ a b c d e f 第7戦:予選は室屋義秀がトップ通過”. Red Bull Air Race (2016年10月1日). 2017年4月21日閲覧。
  12. ^ インディアナポリス:予選リアクション”. Red Bull Air Race (2016年10月2日). 2017年4月21日閲覧。
  13. ^ a b c d e f g h Dolderer shows skills in Round of 14”. Red Bull Air Race (2016年10月2日). 2017年4月21日閲覧。
  14. ^ a b c d Lamb storms his way into Final 4”. Red Bull Air Race (2016年10月2日). 2017年4月23日閲覧。
  15. ^ a b インディアナポリス:ドルダラーが優勝&ワールドチャンピオンを達成”. Red Bull Air Race (2016年10月2日). 2017年4月23日閲覧。

外部リンク

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