髙橋優貴
髙橋 優貴(たかはし ゆうき、1997年2月1日 - )は、茨城県ひたちなか市出身[1]の元プロ野球選手(投手)。左投左打。
ミキハウス硬式野球部 | |
---|---|
2021年6月10日 京セラドーム大阪 | |
基本情報 | |
国籍 | 日本 |
出身地 | 茨城県ひたちなか市 |
生年月日 | 1997年2月1日(27歳) |
身長 体重 |
178 cm 82 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 左投左打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2018年 ドラフト1位 |
初出場 | 2019年4月4日 |
最終出場 | 2023年8月26日 |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
| |
この表について
|
経歴
編集プロ入り前
編集ひたちなか市立田彦小学校3年から勝田スポーツ少年団で野球を始める。ひたちなか市立田彦中学校では友部リトルシニアでプレーした。東海大学菅生高等学校では1年夏からベンチ入りした。3年夏には西東京大会で決勝まで進み、日本大学鶴ヶ丘高等学校と対戦した。高橋はリリーフで登板したが9回にサヨナラ打を打たれ甲子園出場はならなかった。八戸学院大学に進学後は北東北大学リーグで通算50試合に登板し、20勝12敗[2][3]、リーグ最多となる通算301奪三振の新記録を樹立し、それまで多和田真三郎が持っていた奪三振記録299を更新した[4]。
2018年10月25日に行われたドラフト会議では、根尾昂、辰己涼介を抽選で外した読売ジャイアンツから1位指名を受け[5]、11月9日に契約金1億円、年俸1500万円、出来高5000万円(金額は推定)で契約した。背番号は12[6]。担当スカウトは柏田貴史[7]。
巨人時代
編集2019年、開幕6戦目の4月4日、対阪神タイガース3回戦で先発登板し、6回4安打1失点で勝利投手となった。これは巨人軍の大学卒業入団選手の1年目としては1960年の青木宥明(関東学院大学卒)が1960年の開幕3戦目・対国鉄スワローズ戦にて初登板初先発で完投勝利投手になって以来、59年ぶりのことであった[8]。この試合を含め4月は4先発で2勝1敗、防御率1.93を記録したが[9]、5月は4先発で1勝2敗、防御率3.18とやや調子を崩し、6月1日に出場登録を抹消された[10]。7月7日に再昇格しDeNA戦に先発するも、2回2/3を3安打4四球と制球が定まらず降板となり、翌日再び出場登録を抹消された[11]。7月31日に再昇格し広島戦に先発するも、2回1/3を4安打(2本塁打)2四球の3失点で降板となり、翌日再び出場登録を抹消された[12]。8月11日の再昇格後は先発ローテーションを守り、8先発で2勝3敗を記録。最終的に、すべて先発で18試合に登板し、5勝7敗、防御率3.19を記録した。10月22日に行われた福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズ第3戦で先発したが、2回2/3で3安打2四球の2失点で降板した[13]。オフに、900万円増の推定年俸2400万円で契約を更改し[14]、合わせて、同年10月に結婚していたことも発表した[15]。また、背番号を前年まで内海哲也が着用した26に変更した[16]。
2020年、オープン戦期間中の3月に左肘痛により離脱し、開幕一軍を逃した[17]。7月28日のロッテ二軍との練習試合で実戦復帰[18]。10月7日のDeNA戦で一軍復帰登板を果たした[19]。最終的に、8試合に登板(4先発)し、1勝3敗2ホールド、防御率4.30を記録した。11月21日に行われた福岡ソフトバンクホークスとの日本シリーズ第1戦でリリーフ登板したが、1回を1安打2四球の1失点で降板した[20]。オフに、480万円減の推定年俸1920万円で契約を更改し、背番号が47に変更された[21]。
2021年は開幕ローテーション入りし、3・4月は5試合に登板し負け無しの5勝、防御率1.80を記録し自身初の月間MVPを獲得[22]。8月29日の中日戦で自身初の2桁勝利となる10勝目を挙げた[23]。リーグ最多の26試合に先発しチームトップの11勝を挙げたが、リーグワーストの与四球61を記録するなど課題も残る1年となった。阪神戦では5戦4勝、防御率1.40と相性が良く、特に敵地甲子園では4戦3勝、防御率0.72と抑え込んだ[24]。オフには1680万円増の年俸3600万円で契約を更改した[25]。
2022年は、開幕を二軍で迎えた[26]。イースタン・リーグの対DeNA戦で、初回先頭打者の粟飯原龍之介に対して投げた2球目がすっぽ抜けて頭部死球となり、危険球退場となった。参考記録ながら、佐々木健(西武)が一軍公式戦で記録した3球での先発投手による危険球退場を1球上回るワースト退場記録となった。一軍では10試合の登板で1勝5敗に終わり、9月26日に左肘関節鏡視下クリーニング手術を行った[27]。シーズンオフには育成選手として、600万円減となる推定年俸3000万円で契約を更改し[28]、背番号は012に変更されることになった[29]。
2023年は、4月10日までにイースタン・リーグで3試合に登板[30]。同7日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦では5回4安打1失点と好投するなど結果を残し、同10日に支配下登録された[30]。背番号は47[30]。4月28日の広島東洋カープ戦(東京ドーム)に同年初先発し[31]、3回5安打2失点の成績だった[32]。最終的に6試合登板、0勝1敗、防御率5.14を記録[33]。11月28日、700万円減となる推定年俸2300万円で契約を更改[33]。また、背番号が57に変更された[34]。
2024年は二軍(2試合 6回 防御率6.00[35])で調整を続けていたが一軍登板はなく、10月4日に戦力外通告を受けた[36]。
巨人退団後
編集選手としての特徴
編集詳細情報
編集年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 巨人 | 18 | 18 | 0 | 0 | 0 | 5 | 7 | 0 | 0 | .417 | 395 | 93.0 | 70 | 14 | 48 | 1 | 5 | 89 | 1 | 0 | 34 | 33 | 3.19 | 1.27 |
2020 | 8 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 2 | .250 | 101 | 23.0 | 22 | 2 | 12 | 0 | 0 | 23 | 3 | 0 | 12 | 11 | 4.30 | 1.48 | |
2021 | 27 | 26 | 0 | 0 | 0 | 11 | 9 | 0 | 0 | .550 | 598 | 140.2 | 125 | 18 | 61 | 2 | 2 | 76 | 2 | 0 | 57 | 53 | 3.39 | 1.32 | |
2022 | 10 | 6 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 0 | 0 | .167 | 130 | 26.2 | 34 | 1 | 18 | 0 | 0 | 21 | 1 | 0 | 20 | 16 | 5.40 | 1.95 | |
2023 | 6 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 68 | 14.0 | 18 | 2 | 8 | 0 | 2 | 9 | 1 | 0 | 9 | 8 | 5.14 | 1.86 | |
通算:5年 | 69 | 57 | 0 | 0 | 0 | 18 | 25 | 0 | 2 | .419 | 1292 | 297.1 | 269 | 37 | 147 | 3 | 9 | 218 | 8 | 0 | 132 | 121 | 3.66 | 1.40 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2019 | 巨人 | 18 | 6 | 13 | 0 | 2 | 1.000 |
2020 | 8 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
2021 | 27 | 6 | 19 | 0 | 0 | 1.000 | |
2022 | 10 | 3 | 9 | 1 | 0 | .923 | |
2023 | 6 | 0 | 6 | 0 | 1 | 1.000 | |
通算 | 69 | 16 | 49 | 1 | 3 | .985 |
- 2024年度シーズン終了時
表彰
編集記録
編集- 初記録
- 投手記録
- 初登板・初先発登板・初先発勝利:2019年4月4日、対阪神タイガース3回戦(東京ドーム)、6回1失点で勝利投手[8]
- 初奪三振:同上、1回表に福留孝介から空振り三振
- 初ホールド:2020年11月8日、対東京ヤクルトスワローズ24回戦(東京ドーム)、7回表に3番手で救援登板、1回無失点
- 打撃記録
- 初打席:2019年4月4日、対阪神タイガース3回戦(東京ドーム)、2回裏に浜地真澄からスリーバント失敗三振
- 初安打・初打点:2019年4月24日、対東京ヤクルトスワローズ5回戦(明治神宮野球場)、2回表にデビッド・ブキャナンから三塁前適時安打
- その他の記録
背番号
編集- 12(2019年)
- 26(2020年)
- 47(2021年 - 2022年、2023年4月10日 - 同年終了)
- 012(2022年12月2日 - 2023年4月9日)
- 57(2024年)
登場曲
編集- 「欲望に満ちた青年団」ONE OK ROCK(2019年 - ) ※登板時
- 「這い上がれMY WAY」阿部真央(2019年 - ) ※打席時
- 「拝啓、少年よ」Hump Back(2021年 - )
脚注
編集- ^ 「巨人に新たな力、ドラ1高橋優貴、上原以来の新人奪K王だ」サンケイスポーツ、2018年10月31日。2018年11月22日閲覧。
- ^ 「【巨人ドラ1高橋優貴の素顔】(下)挫折を繰り返して強くなった」『スポーツ報知』2018年11月14日。2024年4月15日閲覧。
- ^ 「【ドラフト】巨人1位 高橋優貴(八戸学院大) 最速152キロを誇る東北の奪三振マシン左腕/プロ野球ドラフト会議 | 野球コラム」『週刊ベースボールONLINE』2018年10月25日。2024年4月15日閲覧。
- ^ 「八戸学院大・高橋301奪三振、西武多和田超えだ - アマ野球」日刊スポーツ、2018年10月24日。2018年11月22日閲覧。
- ^ 「巨人1位八戸学院大・高橋優貴「努力が報われた」」日刊スポーツ、2018年10月25日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人1位高橋優貴が最高条件で仮契約 背番号12」日刊スポーツ、2018年11月9日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人・柏田スカウト「記録にも記憶にも残る投手に」 D1位・高橋、指名あいさつ」サンケイスポーツ、2018年10月30日。2021年3月20日閲覧。
- ^ a b 「巨人5連勝!ドラ1高橋がプロ初先発初勝利 球団大卒新人59年ぶり快挙 阪神は4連敗」『Sponichi Annex』 スポーツニッポン新聞社、2019年4月4日。2019年4月4日閲覧。
- ^ 「5勝を挙げた巨人・高橋の1年目を振り返る」BASEBALL KING、2019年12月26日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人高橋2軍降格「ちょっとしんどかったか」原監督」日刊スポーツ、2019年6月1日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人、連勝7でストップ 高橋がプロ最短2回2/3で降板 2軍で再調整へ」スポニチ、2019年7月8日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人高橋プロ最短KO 祝1000勝ムードから一転」日刊スポーツ、2019年7月31日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人ドライチ左腕・高橋 日本シリーズ第3戦に先発も3回途中、53球で2失点降板」スポニチ、2019年10月22日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人高橋900万円増 1年目でローテ入りし5勝」日刊スポーツ、2019年12月3日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人高橋が2歳上と結婚発表「僕よりも体幹が強い」」日刊スポーツ、2019年12月3日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「【巨人】背番号「26」に変更の高橋優貴、“内海魂”継承誓った」スポーツ報知、2019年12月17日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「【巨人】高橋優貴、左肘痛でリハビリ組に合流」スポーツ報知、2020年3月10日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人高橋優貴3・3以来の実戦復帰 2回途中2失点」日刊スポーツ、2020年7月28日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人・高橋、左肘痛から復帰 原監督も評価「非常にいいですね」」サンケイスポーツ、2020年10月7日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「原監督、高橋1失点に「褒められたもんじゃない」」日刊スポーツ、2020年11月21日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人高橋20%減で更改「現状は悔しいのひと言」」日刊スポーツ、2020年12月21日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人高橋優貴が月間MVP 今季早くも5勝 強気で闘争心にあふれた快進撃」日刊スポーツ、2021年5月12日。2021年8月29日閲覧。
- ^ 「【巨人】高橋優貴が初の10勝 「これから投げる登板も全部勝つつもり」 打っては4回に適時二塁打も」スポーツ報知、2021年8月29日。2021年8月29日閲覧。
- ^ 「【巨人】高橋優貴、今季も「甲子園男」になる…昨季4戦3勝、防御率0.72と好相性「僕の中では憧れの地」」スポーツ報知、2022年1月5日。2022年2月18日閲覧。
- ^ 「【巨人】年俸1680万円増の高橋優貴、自分へのご褒美は…」スポーツ報知、2021年12月15日。2022年2月18日閲覧。
- ^ 「【巨人】イースタン開幕戦、先発の高橋優貴が6回3安打無失点5奪三振の好投」スポーツ報知、2022年3月19日。2023年1月10日閲覧。
- ^ 「【巨人】高橋優貴が左肘関節鏡視下クリーニング手術 昨季11勝も今季はわずか1勝のみ」スポーツ報知、2022年9月26日。2023年1月10日閲覧。
- ^ 「【巨人】来季育成契約で再出発の高橋優貴 600万減の3000万円でサイン」『スポーツ報知』2022年12月2日。2024年4月15日閲覧。
- ^ 「コーチ、選手の背番号追加・変更について」読売巨人軍、2022年12月15日。2022年12月15日閲覧。
- ^ a b c 「巨人・髙橋優貴が支配下復帰 手術明け全快アピールし「47」復活」『BASEBALL KING』2023年4月10日。2023年4月10日閲覧。
- ^ 「巨人・高橋優貴が今季初先発 去年9月に左肘手術 「1軍で勝つことがすべての人への恩返し」」『日テレNEWS NNN』2023年4月28日。2024年4月14日閲覧。
- ^ 「【予告先発】巨人・高橋優貴が中4日で登板 「長いイニングを」 前回の雪辱へ」『日テレNEWS NNN』2023年5月3日。2024年4月14日閲覧。
- ^ a b 「【巨人】高橋優貴、来季は「ラストチャンスだと思っている」 来季から背番号が「47」から「57」に変更」『スポーツ報知』2023年11月29日。2024年2月15日閲覧。
- ^ 「【巨人】4選手が背番号変更 門脇誠は35→5 平内が11→66 高橋優貴は5度目変更57に」『日刊スポーツ』2023年11月16日。2024年2月15日閲覧。
- ^ “2024年度 読売ジャイアンツ 個人投手成績(イースタン・リーグ)全日程終了”. 日本野球機構. 2024年10月4日閲覧。
- ^ 「巨人 高橋優貴と来季の契約結ばず 2019年ドラフト1位入団」『NHK』2024年10月4日。2024年10月4日閲覧。
- ^ 「巨人・高橋優貴がミキハウス入りへ 桜井に続き2年連続Gドラ1入社、戦力外からの完全復活目指す」『Sponichi Annex』2024年12月2日。2024年12月2日閲覧。
- ^ 「八戸学院大152キロ左腕高橋に視察スカウト高評価」日刊スポーツ、2018年10月20日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「巨人1位高橋優貴、球団59年ぶり大卒初登板初勝利」日刊スポーツ、2019年4月4日。2021年3月20日閲覧。
- ^ 「月間MVP 巨人高橋、広島菊池涼介、楽天涌井、ロッテ・マーティンが輝く」日刊スポーツ、2021年5月12日。2021年5月12日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 個人年度別成績 髙橋優貴 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、The Baseball Cube
- 選手プロフィール - 読売ジャイアンツ公式サイト
- 選手情報 - 週刊ベースボールONLINE