高樹のぶ子
日本の小説家
高樹 のぶ子(たかぎ のぶこ、1946年4月9日 - )は、日本の小説家。日本芸術院会員、文化功労者、元九州大学アジア総合政策センター特任教授(アジア現代文化研究部門)。本名は鶴田信子(つるた のぶこ)。2019年(平成31年)に毎日新聞出版から刊行された『ほとほと 歳時記ものがたり』、2019年に講談社から出版された『掌篇歳時記 春夏』では、装丁・中身ともに髙樹のぶ子の表記。
髙樹 のぶ子 (たかぎ のぶこ) | |
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文化功労者顕彰に際して公表された肖像写真 | |
誕生 |
1946年4月9日(78歳) 日本・山口県防府市 |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
教育 | 準学士(教養) |
最終学歴 | 東京女子大学短期大学部教養科卒業 |
活動期間 | 1980年 - |
ジャンル | 小説 |
代表作 |
『光抱く友よ』(1984年) 『蔦燃』(1994年) 『水脈』(1995年) 『透光の樹』(1999年) 『飛水』(2010年) 『小説伊勢物語 業平』(2020年) |
主な受賞歴 |
芥川龍之介賞(1984年) 島清恋愛文学賞(1994年) 女流文学賞(1995年) 谷崎潤一郎賞(1999年) 芸術選奨(2006年) 紫綬褒章(2009年) 川端康成文学賞(2010年) 日本芸術院賞(2017年) 旭日小綬章(2017年) 文化功労者(2018年) 泉鏡花文学賞(2020年) 毎日芸術賞(2021年) |
デビュー作 | 『その細き道』(1980年) |
ウィキポータル 文学 |
東京女子大短期大学部教養学部卒。出版社勤務を経て結婚し福岡に転居したころから、同人誌に作品を発表し始める。『その細き道』(1983年)以降、「遠すぎる友」「追い風」が次々と芥川賞候補となり、4度目の候補作『光抱く友よ』(1984年)で受賞。恋愛や友情、若い女性の心理を中心に、人間の本質に切り込む真率な作風が高く評価されている。
来歴・人物
編集山口県防府市出身。父は海軍予備学生の特攻隊を経て戦後山口大学で生物学を教えていた高木恭介。松崎小学校、国府中学校、山口県立防府高等学校、1968年東京女子大学短期大学部教養科卒業[1]。培風館に勤務。1971年学生時代から交際していた男性と結婚。74年福岡へ転居、男子を産む。同年父が急死。78年自身の恋愛のため離婚し子との接触を禁じられる。『らむぷ』の同人となる。1980年鶴田哲朗と再婚[2]。文學界新人賞の最終候補に二度残り、1980年、『その細き道』を『文學界』に発表、小説家デビュー[3]。2005年より九州大学アジア総合政策センター特任教授(アジア現代文化研究部門)を務める。かつては野間文芸賞、大佛次郎賞、島清恋愛文学賞、芥川賞、朝日賞[4]などの選考委員を務めていた。2017年、日本芸術院会員に選ばれる。
児童文学者の那須正幹の二度目の妻は高樹の又従妹にあたる。
受賞歴
編集著書
編集- 『その細き道』文藝春秋 1983 のち文庫
- 『寒雷のように』文藝春秋 1984 のち文庫
- 『光抱く友よ』新潮社 1984 のち文庫
- 『波光きらめく果て』文藝春秋、1985 のち文庫
- 『街角の法廷』新潮社 1985 のち文庫
- 『星夜に帆をあげて さつきさん物語』文藝春秋 1986
- 『陽ざかりの迷路』新潮社 1987 のち文庫
- 『花嵐の森ふかく』文藝春秋 1988 のち文庫
- 『虹の交響』講談社 1988 のち文庫
- 『熱い手紙』文藝春秋 1988 のち文庫
- 『ゆめぐに影法師』集英社 1989 のち文庫
- 『時を青く染めて』新潮社(純文学書き下ろし特別作品)1990 のち文庫
- 『ブラックノディが棲む樹』文藝春秋 1990 のち文庫
- 『霧の子午線』中央公論社 1990 のち文庫
- 『フラッシュバック』文藝春秋 1991 のち文庫
- 『哀歌は流れる』新潮社 1991 のち文庫
- 『サザンスコール』日本経済新聞社、1991 のち新潮文庫
- 『白い光の午後』文藝春秋 1992 のち文庫
- 『彩雲の峰』福武書店 1992 のち新潮文庫
- 『これは懺悔ではなく』講談社 1992 のち文庫
- 『湖底の森』文藝春秋 1993 のち文庫
- 『銀河の雫』文藝春秋 1993 のち文庫
- 『氷炎』講談社 1993 のち文庫
- 『蔦燃』講談社 1994 のち文庫
- 『熱』文藝春秋(書下し文芸作品)1994 のち文庫
- 『花弁を光に透かして』朝日新聞社 1995 のち文庫
- 『億夜』講談社 1995 のち文庫
- 『水脈』文藝春秋 1995 のち文庫
- 『葉桜の季節』講談社 1996 のち文庫
- 『花渦』講談社 1996 のち文庫
- 『恋愛空間』講談社 1997 のち文庫
- 『彩月』文藝春秋 1997 のち文庫
- 『イスタンブールの闇』中央公論社、1998 のち文庫
- 『蘭の影』新潮社 1998 のち文庫
- 『サモア幻想』日本放送出版協会 1998
- 『透光の樹』文藝春秋 1999 のち文庫
- 『百年の預言』朝日新聞社、2000 のち文庫、新潮文庫
- 『燃える塔』新潮社、2001 のち文庫
- 『満水子』講談社、2001 のち文庫
- 『妖しい風景』講談社 2001 のち文庫
- 『エフェソス白恋』文化出版局 2002 のち講談社文庫
- 『罪花』文藝春秋 2003 のち文庫
- 『ナポリ魔の風』文藝春秋、2003 のち文庫
- 『マイマイ新子』マガジンハウス 2004 のち新潮文庫、ちくま文庫
- 『高樹のぶ子book ロング&ワインディング・ロード』マガジンハウス 2005
- 『HOKKAI』新潮社、2005
- 『Fantasia』文藝春秋 2006 のち文庫
- 『せつないカモメたち』朝日新聞社 2006 のち文庫
- 『うまくいかないのが恋』(エッセイ)幻冬舎、2008
- 『甘苦上海』(がんくうシャンハイ)全4巻 日本経済新聞社、2009
- 『ショパン 奇蹟の一瞬 聴きながら読むジョルジュ・サンドとの愛』PHP研究所、2010
- 『甘苦上海 完結版』日本経済新聞出版社 2010 のち文春文庫
- 『花迎え』小学館 2010 のち文庫
- 『飛水』講談社、2010 のち文庫
- 『トモスイ』新潮社、2011 のち文庫
- 『アジアに浸る』文藝春秋、2011
- 『マルセル』毎日新聞社、2012 のち文春文庫
- 『香夜』集英社、2013
- 『少女霊異記』文藝春秋、2014 のち潮文庫で 『明日香さんの霊異記』へ改題
- 『オライオン飛行』講談社、2016
- 『白磁海岸』小学館、2017
- 『格闘』新潮社、2019 のち文庫
- 『ほとほと 歳時記ものがたり』毎日新聞出版、2019
- 『私が愛したトマト』潮出版社、2022 のち文庫
- 『小説伊勢物語業平』日本経済新聞出版、2020[8]
- 『歳時記夢幻舞台 24の旅』潮出版社、2022
映画化された作品
編集出演
編集舞台
編集- なにげに文士劇2024 旗揚げ公演『放課後』(2024年11月16日、サンケイホールブリーゼ) - 朝倉加奈子 役[9]
脚注
編集- ^ 高樹 のぶ子 | 出演者 | 東アジア共生会議 2011 - 文化芸術振興基本法制定10周年記念
- ^ 『芥川賞全集』13「年譜」
- ^ 女性生涯学習研究部門|福岡女子大学 地域連携センター
- ^ 芥川賞・直木賞の選考委員、1人ずつ退任 新任は未定毎日新聞2019年7月24日
- ^ “高樹のぶ子 - 著者プロフィール”. 新潮社. 2023年6月27日閲覧。
- ^ “平成29年春の叙勲 旭日小綬章等受章者(福岡県)” (PDF). 内閣府. p. 1 (2017年4月29日). 2023年6月27日閲覧。
- ^ “平成30年度 文化功労者”. 文部科学省 (2018年11月3日). 2018年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年6月27日閲覧。
- ^ “高樹のぶ子さん×林望さん 伊勢物語と源氏物語の魅力”. 日本経済新聞 (2020年6月12日). 2020年12月22日閲覧。
- ^ “作家16名が学生服に身を包む、なにげに文士劇「放課後」ビジュアル&配役発表”. ステージナタリー. ナターシャ (2024年8月2日). 2024年8月4日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 九州大学アジア総合政策センター・高樹のぶ子 特任教授 - ウェイバックマシン(2009年1月29日アーカイブ分)
- 高樹のぶ子のSIAブログ - ウェイバックマシン(2010年7月6日アーカイブ分)
- Soaked In Asia 高樹のぶ子 (2007.6 - 2010.12 終了) - ウェイバックマシン(2011年8月17日アーカイブ分)
- SIA-DAY「高樹のぶ子と浸るマレーシア」開催 / 九州大学 - ウェイバックマシン(2016年3月4日アーカイブ分)
- 『恋愛に夢中の自分が大好き。 生命力を信じて書き続ける』高樹のぶ子さん どらく-ひとインタビュー (2008/12/25)
- 映画化された『マイマイ新子と千年の魔法』の公式サイト