高森和子
日本の女優 (1932-)
高森 和子(たかもり かずこ、1932年〈昭和7年〉3月21日[1] - )は、日本の元女優、エッセイスト。大阪市東住吉区出身。本名同じ[1]。
来歴・人物
編集小学校時代、友井唯起子にクラシックバレエを4年間習った[2]。1950年、東大谷高等女学校(現・東大谷高等学校)を卒業[1]。学生時代はバレリーナを目指し友井バレエ団に在籍[1]。遠縁に当たる大河内傳次郎[1]の紹介で1951年、大映京都撮影所に入り[1]、映画「上州鴉」でデビュー。
1953年、姉がNHKに在籍していた縁で大阪放送劇団へ入団。「正確な大阪弁が話せる女優」として大阪制作ドラマの売れっ子となる。
1966年、『横堀川』[3]の主人公の妻役や1973年、八千草薫ら三姉妹の母親役を演じた『けったいな人びと』などで、実年齢よりもかなりの老け役を演じて好評を得る。同年、同番組の演技により日本放送作家協会女優賞を受賞。
1983年、『おしん』で演じた姑役が評判となる。その演技に関しては「佐賀県のイメージダウンになる」と視聴者からNHK佐賀放送局に抗議の電話が殺到したほどであり、トーク番組に本人が出演して「あれは演技ですので…」と弁明したこともある。
その後、舞台でも女優として活躍する。
1986年に母の老い・認知症に筆を向けた辛口で母と娘の付き合い記録でもある『母の言いぶん』を出版し、30万部のベストセラー本となる。
1990年、女優としての活動を引退して新聞などの執筆・講演活動に専念する。
主な出演作品
編集映画
編集- 上州鴉(1951年) - お光
- 今年の恋(1962年) - 清子
- 忍者狩り(1964年) - 白葉尼
- 花の舞妓はん(1964年)
- 関東兄弟仁義 任侠(1971年)
- 山口組三代目(1973年) - 河内サト
- 海峯(1983年)
テレビドラマ
編集- 祇園の姉妹(1958年、NHK総合)
- 王将(1961年、NHK総合)
- 負けるが勝ち(1964年、ABC)
- 転落の詩集(1964年、NHK総合)
- 新選組血風録 第4話「胡沙笛を吹く武士」(1965年、NET)
- 源氏物語(1965年、毎日放送)
- 素浪人 月影兵庫 第1シリーズ 第3話「白い雲が呼んでいた」(1965年、NET)
- 横堀川(1966年、NHK) - 八田千代
- 怪獣王子(1967年、フジテレビ)- 伊吹朝子(タケルの母)
- 俺は用心棒 第20話「日照り雨」(1967年、NET)
- 銭形平次 (フジテレビ)
- 第61話「岡っ引き殺し」(1967年) - お君
- 第181話「女ふたり」(1969年) - お郁
- 風 第1話「新十郎登場」(1967年、TBS)
- あねいもうと (1968年、NHK大阪)
- 大奥 第35話「十八番目の御側室」・第36話「涙の馬子唄」(1968年、関西テレビ) - 磯乃
- 帰って来た用心棒 第5話「地蔵盆の灯り」・第22話「地獄極楽わかれ道」(1968年、NET)
- 素浪人 花山大吉 第12話「親子でカモを探していた」・第29話「腹の虫が怒っていた」(1969年、NET)
- 俺は用心棒2 第5話「浪士狩りの夜」(1969年、NET)
- 大坂城の女(1970年、関西テレビ) - 松浦
- 水戸黄門 (TBS)
- 笑わぬ男(1970年、NHK総合) - みな子
- 出発(1970年 - 1971年、東海テレビ)
- 火曜日の女シリーズ クラスメート -高校生ブルース- (1971年、日本テレビ)- 矢吹の母
- 徳川おんな絵巻 第52話「影のない女」(1971年、関西テレビ) - お鶴
- 眠狂四郎 第13話「京の雨 紅の肌に咽ぶ」(1972年、関西テレビ)
- 怪談 第1話「四谷怪談」(1972年、NET)- お槇
- けったいな人びと(1973年、NHK総合)
- 連続テレビ小説(NHK総合)
- 大岡越前 第3部 第30話・第31話「享保太平記(前・後篇)」(1973年、TBS / C.A.L) - くみ
- 銀河テレビ小説(NHK総合)
- 欲しがりません勝つまでは(1979年)
- 冬の稲妻(1982年) - 文代
- 男が家を出るとき(1985年) - 東依子
- お入学(1987年) - 長谷君子
- いのち燃ゆ(1981年) ‐ お咲
- 松本清張シリーズ・けものみち(1982年、NHK総合) - 芳仙閣女将
- 勇者は語らず いま、日米自動車戦争は(1983年、NHK総合) - 山岡由利子
- 大奥 第10話「虹を掴んだ少女」・第11話「上様はさんまがお好き」(1983年、関西テレビ) - おせき
- NHK大河ドラマ / 山河燃ゆ(1984年、NHK総合) - ひさ
- 年ごろ家族(1984年、TBS)
- アイコ17歳(1984年、TBS) - 伯母・里子
- 木曜ゴールデンドラマ(よみうりテレビ)
- 火の女(1984年)
- 裁かれしもの(1985年)
- うすずみ桜(1985年)
- 二人なら生きられる(1985年)
- 大家族(1984年、TBS)
- 月曜ワイド劇場 / 嫁・姑・妾(1985年、テレビ朝日)
- 花王愛の劇場 / 袖ふれあうも嫁姑(1986年、TBS)
- 敵同志好き同志(1987年、日本テレビ)
- 母の言いぶん(1989年、NHK総合)※女優引退作。自著が作品化されたばかりでなく、自ら母親の役を演じた。
その他の番組
編集- クイズ面白ゼミナール(NHK総合)
著書
編集- 『母の言いぶん』(鎌倉書房、1986年)のち集英社文庫
- 『へそものがたり』(鎌倉書房、1988年)のち集英社文庫
- 『男の茶碗』(集英社、1992年)のち文庫