金澤岳

日本のプロ野球選手、コーチ (1984-)

金澤 岳(かなざわ たけし、1984年5月5日 - )は、栃木県大田原市出身の元プロ野球選手捕手)。右投左打。現在は千葉ロッテマリーンズの二軍バッテリーコーチ。

金澤 岳
千葉ロッテマリーンズ 二軍バッテリーコーチ #73
2011年、東京ドームにて
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 栃木県大田原市
生年月日 (1984-05-05) 1984年5月5日(40歳)
身長
体重
180 cm
82 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 捕手一塁手
プロ入り 2002年 ドラフト6巡目
初出場 2008年5月9日
最終出場 2018年10月4日(引退試合)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
選手歴
コーチ歴
  • 千葉ロッテマリーンズ (2019 - )

来歴

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プロ入り前

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矢板中央高等学校では2年秋から4番を打ち通算35本塁打[1]。3年夏の県大会ベスト4が最高で、甲子園出場はなかった。

2002年11月20日に行われたドラフト会議では、千葉ロッテマリーンズから6位指名を受け、入団した。背番号は62

現役時代

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2007年は、二軍で71試合に出場。打率.280の好成績を残し、二軍のレギュラーを確保した。

2008年は、一軍の正捕手である里崎智也、第三捕手である田中雅彦が2人とも故障で戦線離脱した影響で一軍昇格。5月9日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦でその里崎・田中の穴を埋めていた橋本将までもが、初回のクロスプレーでホセ・フェルナンデスにタックルを受けて負傷退場したため、2回表にプロ6年目にしてプロ初出場を果たした。その後も里崎が復帰する5月25日まで毎試合スタメン出場を続け、この期間中の得点圏打率は4割を超える勝負強さを発揮した。しかし、橋本交代後から里崎の復帰までに金沢が出場した12試合でチームは合計75失点と、リード面で課題を残した。

2010年は、肩の故障を抱え6試合の出場に留まったが、7打数4安打の打撃成績を残した[2]

2013年は、正捕手里崎智也の怪我もあり、3月29日のオリックス・バファローズとの開幕戦(QVCマリンフィールド)で、自身初の開幕スタメン出場を果たすと、投手8人をリードし、延長12回を2失点に抑え勝利に導いた[3]。その後は東京ヤクルトスワローズから移籍してきた川本良平や、若手の江村直也との併用が続いたが、4月の後半ごろからバッティングが不調になってしまい、5月24日に登録抹消された。7月2日に再登録されるも、8月30日に再び登録抹消され、9月17日に一軍復帰して以降はスタメンに出る機会が増えた。この年は、最終的に自己最多となる56試合に出場したが、打率は.198、得点圏打率.176と低調だった。シーズンオフには背番号を25に変更した[4]

2014年は、シーズン序盤から打撃好調で、捕手だけでなく一塁の守備に就く場面も見られた。7月27日の埼玉西武ライオンズ戦(西武ドーム)では、6回に岸孝之からプロ12年目(通算300打席)にして初の本塁打を右翼へ記録した[5]。夏場に調子を落とし、8月9日に登録抹消となって、以降は二軍でシーズンを過ごした。最終成績は、42試合の出場で打率.299と、3割に迫る打率を残した。

2015年は、前年の飛躍もあり期待されたが正捕手争いに割って入ることができず、打撃でも年間通して調子が上がらず一軍出場はなかった。二軍でも打率2割を切り、打率.199に終わった。

2016年は、開幕一軍はならず、二軍スタートだった。その後、開幕スタメンだった吉田裕太の大不振により、入れ替わる形で5月31日に同年初昇格したが、ヒットは出ず、1週間後の6月6日に登録抹消された。その後、しばらく二軍暮らしだったが、8月末に体調不良の田村龍弘に代わる形で再昇格。以後は、スタメンで出場の機会も増え、田村が復帰した後でも第二捕手としてチームに帯同したが、打率は.188だった。

2018年は、一軍出場がなく、9月27日に、現役引退を発表した[6]。10月4日の西武戦で引退試合が行われ、6回裏に田村龍弘の代打で出場[7]伊藤翔から左飛に終わったが、そのまま7回表からマスクを被り、西野勇士唐川侑己をリードした[7]。8回裏には一死二塁の場面で打席に立ち、カイル・マーティンから空振り三振に倒れ、現役生活を終えた[7]。試合後はチームメイトから5回胴上げされた[7]

現役引退後

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10月16日、2019年からロッテの二軍バッテリーコーチを務めることが発表された[8]。その後は2022年まで同職を務め、2023年からは一軍バッテリーコーチに配置転換された[9][10]

選手としての特徴・人物

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高い打撃力が魅力の捕手[11]。現役時代を通して正捕手を獲得することはできなかったが、貴重な控えとして16年間チームを支えた[12]

愛称は「きん」、「きんちゃん」、「きんさん[13]

人格者で面倒見が良く、後輩選手からは良き兄貴分として慕われている。現役晩年は二軍で後輩の育成に尽力していた[14]

現役時代の最も印象に残った試合として自身初の開幕先発メンバーに選ばれ、延長12回表まで8人の投手をリードし、2失点に抑えて裏にサヨナラ勝ちを収めた2013年3月29日のオリックス戦を挙げている[3]

詳細情報

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年度別打撃成績

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O
P
S
2008 ロッテ 15 47 44 5 12 2 1 0 16 10 0 0 0 0 2 0 1 11 1 .273 .319 .364 .683
2009 2 1 1 0 1 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1.000 1.000 1.000 2.000
2010 6 7 7 0 4 0 0 0 4 1 0 0 0 0 0 0 0 3 0 .571 .571 .571 1.143
2011 21 29 28 0 2 0 0 0 2 2 0 0 0 1 0 0 0 11 0 .071 .069 .071 .140
2012 13 17 16 0 4 1 0 0 5 0 0 0 0 0 1 0 0 6 0 .250 .294 .313 .669
2013 56 128 106 8 21 4 0 0 25 7 1 0 9 1 10 0 2 26 0 .198 .277 .236 .513
2014 42 96 87 12 26 5 0 1 34 5 0 0 2 0 7 0 0 21 2 .299 .351 .391 .742
2016 17 41 32 4 6 1 0 0 7 2 0 0 2 1 4 0 2 13 0 .188 .308 .219 .526
2017 4 7 7 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
2018 1 2 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
通算:10年 177 375 330 29 76 13 1 1 94 27 1 0 13 3 24 0 5 93 3 .230 .290 .285 .575

年度別守備成績

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捕手 一塁


































2008 ロッテ 13 77 7 2 0 .977 0 10 8 2 .200 -
2009 2 2 0 0 0 1.000 0 0 0 0 ---- -
2010 4 2 0 0 0 1.000 0 0 0 0 ---- -
2011 8 9 1 0 0 1.000 0 1 0 1 1.000 -
2012 8 25 2 0 0 1.000 0 5 4 1 .200 -
2013 53 245 21 4 1 .985 4 27 21 6 .222 -
2014 28 121 16 1 4 .993 2 17 12 5 .294 7 23 2 0 0 1.000
2016 15 70 4 0 1 1.000 1 6 6 0 .000 -
2017 1 9 1 1 1 .909 0 4 3 1 .250 -
2018 1 2 0 0 0 1.000 0 0 0 0 ---- -
通算 133 562 52 8 7 .987 7 70 54 16 .229 7 23 2 0 0 1.000

記録

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初記録

背番号

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  • 62(2003年 - 2013年)
  • 25(2014年 - 2018年)
  • 73(2019年 - )

登場曲

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出典

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  1. ^ 2003プロ野球プレイヤーズ名鑑 スポーツニッポン新聞社
  2. ^ “【ロッテ】金沢1軍定着へ「肩治れば…」”. 日刊スポーツ. (2010年12月13日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/f-bb-tp0-20101213-713437.html 2021年12月25日閲覧。 
  3. ^ a b 投手8人をリードした開幕戦。あの日も今も、いつだって「コミュニケーションが一番大事」”. パリーグインサイト (2018年12月26日). 2021年12月25日閲覧。
  4. ^ “【ロッテ】鈴木ら3選手が背番号変更”. 日刊スポーツ. (2013年11月30日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/f-bb-tp0-20131130-1225204_m.html 2021年12月25日閲覧。 
  5. ^ “ロッテ 金沢 12年目の初本塁打「1本は打ちたいと思っていた」”. 日刊スポーツ. (2014年7月27日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/07/27/kiji/K20140727008641950.html 2021年12月25日閲覧。 
  6. ^ 金澤選手引退のお知らせ”. 千葉ロッテマリーンズ (2018年9月27日). 2021年12月25日閲覧。
  7. ^ a b c d ロッテ金澤「絶対泣かない」と笑顔で現役生活に幕 「よく16年もできたな」”. full-count (2018年10月4日). 2021年12月25日閲覧。
  8. ^ 金澤岳氏 二軍バッテリーコーチ就任のお知らせ”. 千葉ロッテマリーンズ (2018年10月16日). 2021年12月25日閲覧。
  9. ^ ロッテ、来季のコーチングスタッフを発表”. ベースボールキング (2022年12月14日). 2022年12月14日閲覧。
  10. ^ 2023シーズン コーチングスタッフ決定のお知らせ”. 千葉ロッテマリーンズ (2022年12月14日). 2021年12月25日閲覧。
  11. ^ 今季、気になる“世代交代”の主役は?楽天・西田哲朗とロッテ・江村直也。(3/4)”. Number Web (2013年3月26日). 2021年8月24日閲覧。
  12. ^ ロッテ 根元、金沢が現役引退「いい野球人生」「感謝の気持ちで一杯」”. スポニチ Sponichi Annex (2018年9月27日). 2021年8月24日閲覧。
  13. ^ 73 金澤 岳 選手名鑑2021|千葉ロッテマリーンズ”. 千葉ロッテマリーンズ オフィシャルサイト. 2021年8月24日閲覧。
  14. ^ 引退のロッテ金沢が来季2軍バッテリーコーチ就任へ”. 日刊スポーツ (2018年10月13日). 2021年8月24日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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