第95期棋聖戦 (将棋)
第95期棋聖戦(だい95き きせいせん、スポンサー名義を含めた棋戦名は「ヒューリック杯第95期棋聖戦」)は、日本将棋連盟と産経新聞社が主催する、2024年度(2023年5月8日 - 2024年7月1日)の棋聖戦である。前期までの「期数・冠名・棋戦名」の順に表記された棋戦名は、今期から「冠名・期数・棋戦名」の順に「ヒューリック杯第95期棋聖戦」の呼称になっている。
ヒューリック杯 第95期 棋聖戦 | |
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開催期間 |
2023年 五番勝負:2024年 6月 6日 - 2024年 7月 1日 本戦T:2024年 3月11日 - 2024年 4月22日 二次予選:2023年10月11日 - 2024年 2月15日 一次予選:2023年 5月 8日 - 2023年11月 1日 | 5月 8日 - 2024年 7月 1日
第94期棋聖 | 藤井聡太(通算4期/連続4期) |
挑戦者 | 山崎隆之 |
第95期棋聖 | 藤井聡太(通算5期/連続5期)=「永世棋聖」 |
決勝トーナメント | ベスト4|
棋聖戦 < 第94期第96期 > |
棋譜について、今期の一次予選から自動棋譜記録システム「HEROZ Kishin Eye」を一部導入している[出典 1]。
山崎隆之八段が挑戦者となった五番勝負は、3勝0敗で藤井聡太棋聖が勝利・タイトル防衛。第91期から5連覇を果たした藤井聡太棋聖は、通算5期獲得により「永世棋聖」(永世称号)の資格を得た。「永世棋聖」資格の獲得としては、2006年度に佐藤康光が第77期棋聖獲得により永世資格を得て以来18年ぶりとなる「永世棋聖」資格獲得の達成であり、永世称号の獲得としては、2017年度に羽生善治が第30期竜王獲得により永世竜王の資格を得て以来7年ぶりとなる永世称号獲得となった。また、歴代永世称号獲得者の最年少記録(21歳11か月)を53年ぶりに更新した[1]。
五番勝負
編集日程:2024年 6月 6日 - 2024年 7月 1日[出典 2]
日程 (2024年) |
第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局※ | 第5局※ | 結果 | |||||||||||||||||||
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6月 | 6日6月17日 | 7月 | 1日7月10日 | 7月23日 | |||||||||||||||||||||
(会場) 対局者 |
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龍宮城スパ ホテル三日月 |
髙志の宿 髙島屋 (岩室温泉) |
亀岳林万松寺 | ホテル ニューアワジ |
沼津御用邸 東付属邸 第一学問所 | |||||||||||||||||||||
第94期棋聖 藤井聡太 棋聖[2] |
○ | 先 | ○ | ○ | 先 | - | 振駒 | - | (3勝) 防衛 永世棋聖 | ||||||||||||||||
挑戦者 山崎隆之 八段 |
先 | ● | ● | 先 | ● | - | 振駒 | - | (0勝) | ||||||||||||||||
手数 / 棋譜 消費時間 (時間:分) |
90手 先 3:59 後 3:50 [出典 3] |
111手 先 3:36 後 3:59 [出典 4] |
100手 先 3:59 後 3:48 [出典 5] |
- | - | ||||||||||||||||||||
戦型 | 相掛かり [出典 6] |
向かい飛車 [出典 7] |
相掛かり [出典 8] |
- | - | ||||||||||||||||||||
立会人 (下段 副立会人) |
深浦康市 九段 近藤誠也 七段 |
中村修 九段 梶浦宏孝 七段 |
久保利明 九段 松尾歩 八段 |
小林健二 九段 | (立会人 未定) | [出典 9] | |||||||||||||||||||
記録係 | 宮原暁月 三段 | 吉田響太 三段 | (記録係 未定) | (記録係 未定) | (記録係 未定) | ||||||||||||||||||||
棋聖戦中継plus | 第1局 | 第2局 | 第3局 | (第4局) | (第5局) |
- 先:先手番 / 各局いずれも1日制で、持ち時間は両対局者とも各局4時間。
- 第1局と第5局では手番の先後を振り駒で決定。第2-4局の手番は前局と交互に入れ替え。
- 一方が3勝した時点で決着、以降の対局(※)は実施されない。
- 第95期棋聖 就位式
- 2024年10月28日 「グランドニッコー東京 台場」(東京・台場)にて実施。
- 永世称号「永世棋聖」資格獲得に関する特別賞金等の授与についても併せて行なわれた。
決勝トーナメント
編集日程:2024年[出典 10]
3月11日 - 2024年 4月22日 (組合せ公表日:2024年2月16日)本戦出場者:16名(シード 4名 + 二次予選からの進出者 12名)
- シード棋士 (4名)
- 前期ベスト4以上
- ☆ 佐々木大地 七段(前期 五番勝負敗者)、永瀬拓矢 九段[3](前期 挑決敗者)
- ★ 渡辺明 九段[4]、佐々木勇気 八段(いずれも準決勝敗退)
- ※ タイトルホルダー(上記4名該当者を除く、今期は該当なし)
- 二次予選からの進出者 (12名 / 数字は二次予選での組)
(下線の側が先手 / ○:先手勝ち / ○:後手勝ち / ●:先手負け / ●:後手負け)
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対局日 | 対局地 | ▲先手 | 手数 | ▽後手 | 戦型 | 出典 | 備考 | |||
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1回戦 | 2024年 3月11日 |
東京 | 三枚堂達也 七段 | ● | 110手 | ○ | 渡辺明 九段 | 相掛かり | ※ | |
3月12日 | 関西 | 中村太地 八段 | ○ | 103手 | ● | 井上慶太 九段 | 相掛かり | ※ | ||
3月13日 | 東京 | 大橋貴洸 七段 | ○ | 99手 | ● | 増田康宏 八段 | 矢倉 | ※ | ||
3月14日 | 東京 | 佐藤天彦 九段 | ○ | 53手 | ● | 藤井猛 九段 | 四間飛車 | ※ | ||
3月15日 | 東京 | 広瀬章人 九段 | ● | 138手 | ○ | 佐々木大地 七段 | 相掛かり | ※ | ||
3月19日 | 東京 | 山崎隆之 八段 | ○ | 129手 | ● | 森内俊之 九段 | 相掛かり | ※ | ||
3月22日 | 東京 | 永瀬拓矢 九段 | 千 | (千日手) |
98手千 | 石川優太 五段 | 角交換振り飛車 | ※ | ||
3月22日 | 東京 | 石川優太 五段 | ● | 126手 | ○ | 永瀬拓矢 九段 | 三間飛車 | ※ | 指し直し局 | |
3月22日 | 東京 | 佐々木勇気 八段 | ● | 96手 | ○ | 西田拓也 五段 | 一間飛車 | ※ | ||
2回戦 | 3月29日 | 東京 | 永瀬拓矢 九段 | ○ | 157手 | ● | 中村太地 八段 | [出典 12] | ||
4月 3日 | 東京 | 大橋貴洸 七段 | ● | 102手 | ○ | 佐々木大地 七段 | [出典 13] | |||
4月 4日 | 東京 | 渡辺明 九段 | ● | 116手 | ○ | 山崎隆之 八段 | [出典 14] | |||
4月 4日 | 東京 | 佐藤天彦 九段 | ○ | 119手 | ● | 西田拓也 五段 | [出典 15] | |||
準決勝 | 4月16日 | 東京 | 山崎隆之 八段 | ○ | 111手 | ● | 永瀬拓矢 九段 | [出典 16] | ||
4月17日 | 東京 | 佐々木大地 七段 | ● | 82手 | ○ | 佐藤天彦 九段 | [出典 17] | |||
決勝 | 4月22日 | 東京 | 佐藤天彦 九段 | ● | 182手 | ○ | 山崎隆之 八段 | 向かい飛車 | [出典 18] | 棋譜リンク |
※:出典は日本将棋連盟 棋譜中継
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二次予選
編集日程:2023年10月11日 - 2024年2月15日(組合せ発表:2023年9月26日[出典 19])
(持ち時間:各3時間)
- シード棋士 (55名)
- ★前期 決勝トーナメント出場者(12名、ベスト4以外、2回戦から登場)
- 久保利明 九段、松尾歩 八段、広瀬章人 八段、羽生善治 九段、
- 藤井猛 九段、井上慶太 九段、糸谷哲郎 八段、中村太地 八段、
- 大橋貴洸 七段、牧野光則 六段、斎藤明日斗 五段、冨田誠也 四段
- ※過去 棋聖戦五番勝負 進出者(16名、2回戦から登場)
- 羽生善治 九段、中村太地 八段、(以上2名 ★と重複)
丸山忠久 九段、森内俊之 九段、鈴木大介 九段、豊島将之 九段、
三浦弘行 九段、島朗 九段、谷川浩司 十七世名人、森下卓 九段、
南芳一 九段、中村修 九段、屋敷伸之 九段、郷田真隆 九段、
佐藤康光 九段、木村一基 九段、深浦康市 九段、斎藤慎太郎 八段
- 羽生善治 九段、中村太地 八段、(以上2名 ★と重複)
※一次予選からの進出者(8名、「一次予選の組」を併記、2回戦から登場)
決勝トーナメント進出者 (12名)
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(下線の側が先手 / ○:先手勝ち / ○:後手勝ち / ●:先手負け / ●:後手負け)
二次予選 1組
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二次予選 2組
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二次予選 3組
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二次予選 4組
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二次予選 5組
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二次予選 6組
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二次予選 7組
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二次予選 8組
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二次予選 9組
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二次予選 10組
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二次予選 11組
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二次予選 12組
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一次予選
編集2023年
5月 8日 - 2023年11月 1日(発表:2023年4月25日)二次予選 進出:8名(持ち時間:各1時間、チェスクロック使用)
イ組 : | 本田奎 六段 | / ロ組 : | 村中秀史 七段 | / ハ組 : | 藤森哲也 五段 | / ニ組 : | 三枚堂達也 七段 | |
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ホ組 : | 伊藤匠 七段 | / ヘ組 : | 石川優太 五段 | / ト組 : | 齊藤裕也 四段 | / チ組 : | 西田拓也 五段 |
(下線の側が先手 / ○:先手勝ち / ○:後手勝ち / ●:先手負け / ●:後手負け)
一次予選 イ組
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一次予選 ロ組
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一次予選 ハ組
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一次予選 ニ組
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一次予選 ホ組
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一次予選 へ組
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一次予選 ト組
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一次予選 チ組
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脚注
編集出典
編集- ^ “自動棋譜記録システムをヒューリック杯第95期棋聖戦一次予選から一部導入|将棋ニュース|日本将棋連盟” (2023年5月10日). 2023年5月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月10日閲覧。
- ^ 「【棋聖戦】182手激闘制した!山崎隆之八段が藤井8冠への挑戦権獲得 「格好つけず泥臭く何とか」」『スポニチ Sponichi Annex 芸能』2024年4月22日。
- ^ 「ヒューリック杯 棋聖戦中継 plus: 藤井棋聖が開幕局を制す」『日本将棋連盟』2024年6月6日。
- ^ 「ヒューリック杯 棋聖戦中継 plus: 藤井棋聖が2勝目」『日本将棋連盟』2024年6月17日。
- ^ 「ヒューリック杯 棋聖戦中継 plus: 藤井棋聖が防衛、5連覇で永世棋聖の資格を獲得」『日本将棋連盟』2024年7月1日。
- ^
- 「ヒューリック杯 棋聖戦中継 plus: 戦型は相掛かり」『日本将棋連盟』2024年6月6日。
- “藤井聡太棋聖、最年少“永世資格”へ白星発進!難敵・山崎隆之八段とのシリーズ初戦に快勝/将棋・棋聖戦五番勝負第1局”. ABEMA TIMES. ABEMA (2024年6月6日). 2024年6月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年6月6日閲覧。
- ^ 「ヒューリック杯 棋聖戦中継 plus: 山崎八段が向かい飛車を採用」『日本将棋連盟』2024年6月17日。
- ^ 「ヒューリック杯 棋聖戦中継 plus: 対局開始」『日本将棋連盟』2024年7月1日。
- ^ ヒューリック杯棋聖戦 |棋戦|日本将棋連盟
- ^ 『藤井聡太棋聖の挑戦者は誰に? ヒューリック杯第95期棋聖戦 本戦組み合わせ決まる - イザ!』2024年2月16日 。
- ^ 週間対局予定|対局予定・結果、記録|日本将棋連盟
- ^ 「永瀬拓矢九段VS中村太地八段 ヒューリック杯第95期棋聖戦決勝トーナメント 永瀬九段の勝利|棋戦トピックス」『日本将棋連盟』2024年3月29日。
- ^ 「佐々木大地七段VS大橋貴洸七段 ヒューリック杯第95期棋聖戦決勝トーナメント 佐々木七段の勝利|棋戦トピックス」『日本将棋連盟』2024年4月3日。
- ^ 「渡辺明九段VS山崎隆之八段 ヒューリック杯第95期棋聖戦決勝トーナメント 山崎八段の勝利|棋戦トピックス」『日本将棋連盟』2024年4月4日。
- ^ 「佐藤天彦九段VS西田拓也五段 ヒューリック杯第95期棋聖戦決勝トーナメント 佐藤天彦九段の勝利|棋戦トピックス」『日本将棋連盟』2024年4月4日。
- ^ 「永瀬拓矢九段VS山崎隆之八段 ヒューリック杯第95期棋聖戦決勝トーナメント 山崎隆之八段の勝利|棋戦トピックス」『日本将棋連盟』2024年4月16日。
- ^ 「佐藤天彦九段VS佐々木大地七段 ヒューリック杯第95期棋聖戦決勝トーナメント 佐藤天彦九段の勝利|棋戦トピックス」『日本将棋連盟』2024年4月17日。
- ^ 「佐藤天彦九段VS山崎隆之八段 ヒューリック杯第95期棋聖戦挑戦者決定戦 山崎隆之八段の勝利|棋戦トピックス」『日本将棋連盟』2024年4月22日。
- ^ 日本将棋連盟【公式】: 「ヒューリック杯第95期棋聖戦、二次予選の表がUPされました! 」 X / 旧twitter
注釈
編集- ^ 藤井による記録更新までの永世称号資格獲得の最年少記録保持者は中原誠(1971年8月3日、当時23歳10か月、四段昇段後5年10か月)。
- ^ 藤井聡太棋聖の称号は「竜王・名人」(史上5人目)で、第1局(2024年6月6日)時点でタイトル8冠保持者(竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖)。2024年6月20日で叡王を失冠し第3局以降はタイトル7冠保持者(竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖)。
- ^ 永瀬拓矢王座は2023年10月11日付でタイトル王座を失冠し九段。
- ^ 渡辺明名人は2023年6月1日付でタイトル名人を失冠し九段。
- ^ 増田康宏七段は2024年3月7日付で八段昇段。
- ^ 広瀬章人八段は2023年11月16日付で勝数規定(八段昇段後250勝)により九段昇段。
- ^ 本田奎五段は竜王ランキング戦連続昇級により2023年5月1日付で六段に昇段。
- ^ 飯塚祐紀七段は本局の勝利で勝数規定(七段昇段後190勝)により2023年6月7日付で八段に昇段。
- ^ 伊藤匠六段は2023年8月14日付で「竜王挑戦」の昇段規定により七段に昇段。