笠寺駅

愛知県名古屋市南区にある東海旅客鉄道・日本貨物鉄道・名古屋臨海鉄道の駅

笠寺駅(かさでらえき)は、愛知県名古屋市南区立脇町2丁目にある、東海旅客鉄道(JR東海)・日本貨物鉄道(JR貨物)・名古屋臨海鉄道である。駅番号CA64。JR東海道本線。

笠寺駅
東口(2022年11月)
かさでら
Kasadera
地図
所在地 名古屋市南区立脇町2丁目1
北緯35度5分44.966秒 東経136度55分34.266秒 / 北緯35.09582389度 東経136.92618500度 / 35.09582389; 136.92618500座標: 北緯35度5分44.966秒 東経136度55分34.266秒 / 北緯35.09582389度 東経136.92618500度 / 35.09582389; 136.92618500
所属事業者 東海旅客鉄道(JR東海)
日本貨物鉄道(JR貨物)
名古屋臨海鉄道
電報略号 サラ
駅構造 地上駅橋上駅
ホーム 3面4線[1]
乗車人員
-統計年度-
6,277人/日(降車客含まず)
-2019年-
開業年月日 1943年昭和18年)6月1日
乗入路線 2 路線
所属路線 東海道本線名古屋地区
駅番号 CA  64 
キロ程 356.8 km(東京起点)
CA63 大高 (3.2 km)
(4.0 km) 熱田 CA65
所属路線 名古屋臨海鉄道東港線(貨物線)
キロ程 0.0 km(笠寺起点)
(3.8 km) 東港
備考 業務委託駅
JR全線きっぷうりば
名 名古屋市内
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西口(2023年1月)

JR東海・JR貨物の東海道本線と、名古屋臨海鉄道の貨物線である東港線が乗り入れる。旅客営業上は東海道本線単独駅の扱いを受ける。運行形態の詳細は「東海道線 (名古屋地区)」を参照。

歴史

1933年昭和8年)頃より笠寺駅新設要望が出るようになり、地元土地整理組合による誘致運動へと発展した。その後、日中戦争勃発に伴い名古屋南部で稼働する軍需工場への輸送需要が高まったため、 1943年(昭和18年)に笠寺駅として新設された。戦時中は1日約4万人が当駅を利用した[2]。なお、当駅の開業前は、名鉄豊橋線(現在の名古屋本線)の本笠寺駅が「笠寺駅」を名乗っていた[1]

終戦後も名古屋市南部の工業地帯における貨物輸送の拠点駅となり、昭和40年 - 50年代には当駅から八田貨物駅(仮称、後に名古屋貨物ターミナル駅として開設)に至る南方貨物線が建設が始まる。しかし、国鉄末期の改革の一環で建設は凍結され、未成線となった。

2023年3月現在、南区役所・南警察署名古屋南郵便局の最寄駅であり、周辺には住宅の他に工場や物流倉庫も立ち並んでいる。また、日本ガイシスポーツプラザ(名古屋市総合体育館)への観客・利用者輸送の中心駅であり[1]、大物アーティストのコンサート等のイベント開催時には名古屋方面へ臨時列車の運転、快速電車の臨時停車などが行われる。

年表

駅構造

ホーム・配線

島式ホーム1面2線と単式ホーム2面2線、合計3面4線のホームを持つ地上駅である[1]。ホームは単式ホームが島式ホームを挟むように配置され、中央の島式ホームが上下待避線となっている[1]。なお昼間の待避線は旅客ホームとしては使われず貨物列車の待避が行われることがある。また、4番線の西側には貨物列車用の着発線が5本、仕分線(側線)が6本、保線車両の留置線(側線)が敷設されている。また東側には東海道新幹線が通る。

のりば

番線 路線 方向 行先 備考
1   東海道本線 上り 豊橋大府方面  
2 待避列車[注釈 1]
3 下り 名古屋岐阜方面
4  

(出典:JR東海:駅構内図

駅舎・施設

駅舎がホーム上空に設置された橋上駅である。駅舎とホームは階段で接続し、全ホームにおいてエレベーターが使用可能である。駅舎と地上を結ぶエレベーターは営業時間外は使用できない。駅舎内にはJR全線きっぷうりば自動券売機TOICA対応タッチパネル式)、自動精算機(TOICA非対応)ならびにTOICAチャージ機が設置されている。業務委託駅であり、旅客に関する業務はJR東海交通事業の社員が担当する。管理駅大府駅である。

また、ペデストリアンデッキによって駅舎と名古屋市総合体育館の各建物が結ばれている。

列車ダイヤなど

基本的に1時間に4本運転される普通列車のみの停車であるが、近くに南区役所や日本ガイシホール(旧・レインボーホール)などがあり利用者は両隣の熱田駅大高駅より多く、日本ガイシホールでのイベント時には臨時に新快速や快速も停車する。2024年(令和6年)3月現在、名古屋方面から当駅終着の普通列車が平日・土休日に1本ずつ設定されている[注釈 2]2009年(平成21年)3月までは、2番線から当駅始発の名古屋方面行き列車が設定されていた。2009年(平成21年)3月13日まで停車していた下り「ムーンライトながら」は、4番線ホームが8両分の有効長しかないため、3番線(副本線)に発着していた。

日本ガイシホールでのイベント終了時には名古屋方面の混雑を緩和するため、臨時停車の快速が4番線に発着する。

貨物取扱

1981年(昭和56年)まで一般向けの車扱貨物を、1996年(平成8年)まで専用線発着の車扱貨物を取り扱っていたが廃止され、現在は臨時車扱貨物のみを取り扱っている。当駅で荷役作業を行う貨物列車は無く、荷役設備や専用線は存在しない。

かつては鉄道貨物輸送の拠点駅の一つであり、駅西側に有蓋車用貨物ホームや車運車自動車荷役ホームが存在した。また、大同特殊鋼星崎工場や三井東圧化学(現在の三井化学)名古屋工場、住友セメント(現在の住友大阪セメント)サービスステーション、帝人名古屋工場へ続く専用線があった。

なお名古屋臨海鉄道に継走する貨物列車の発着があり、機関車交換も行われている。

利用状況

2018年度(平成30年度)の乗車人員は合計2,826,114人であり[7]、1日あたりの乗車人員は7,743人と算出できる。乗車人員は、名古屋市内にあるJR東海の13駅の中では6番目に多い。

駅周辺

 
名古屋市道名古屋環状線(通称:環状線)より(2012年6月)

バス路線

「笠寺駅」停留所にて、名古屋市営バス(市バス)が運行する以下の路線バスが発着する。

隣の駅

東海旅客鉄道(JR東海)
  東海道本線
特別快速・新快速・快速・区間快速
通過(日本ガイシホールのイベント時には一部の快速系列車の臨時停車あり)
普通
大高駅 (CA63) - 笠寺駅 (CA64) - 熱田駅 (CA65)
名古屋臨海鉄道
東港線
笠寺駅 - 東港駅

脚注

注釈

  1. ^ 2021年3月改正ダイヤにおいて、2番線を発着する定期旅客列車は平日のみ。
  2. ^ 平日は312F、土休日は3304Fが該当。折り返しは回送となる。

出典

  1. ^ a b c d e f 『週刊 JR全駅・全車両基地』 04号 名古屋駅・古虎渓駅・美濃赤坂駅ほか77駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2012年9月2日、23頁。 
  2. ^ a b c 日本国有鉄道岐阜工事局、『岐阜工事局五十年史』、p.302、1970年、ASIN B000J9RBVS
  3. ^ a b c d e 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』JTB、1998年、26-27頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  4. ^ “5駅に「みどりの窓口」を新設 名鉄”. 交通新聞 (交通協力会): p. 1. (1986年3月23日) 
  5. ^ 株式会社 ジェー・アール・アール 編『JR気動車客車情報 89年版』ジェー・アール・アール、1998年、142頁。ISBN 4-88283-110-4 
  6. ^ “4駅でも使用開始 JR東海自動改札機導入進む”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 2. (1992年4月18日) 
  7. ^ a b 『名古屋市統計年鑑』 令和元年版、2020年。
  8. ^ 『愛知県統計年鑑』、1952年、326頁。
  9. ^ 『愛知県統計年鑑』、1957年、319頁。
  10. ^ 『愛知県統計年鑑』、1962年、324頁。
  11. ^ 『愛知県統計年鑑』、1967年、262頁。
  12. ^ 『愛知県統計年鑑』、1972年、236頁。
  13. ^ 『愛知県統計年鑑』、1977年、216頁。
  14. ^ 『愛知県統計年鑑』、1982年、238頁。
  15. ^ 『愛知県統計年鑑』、1987年、222頁。
  16. ^ 『愛知県統計年鑑』、1992年、229頁。
  17. ^ 『愛知県統計年鑑』、1997年、243頁。
  18. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成13年版、2002年、200頁。
  19. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成18年版、2007年、202頁。
  20. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成19年版、2008年、206頁。
  21. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成20年版、2009年、188頁。
  22. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成21年版、2010年。
  23. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成22年版、2011年。
  24. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成23年版、2012年。
  25. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成24年版、2013年。
  26. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成25年版、2014年。
  27. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成26年版、2015年。
  28. ^ a b c 『名古屋市統計年鑑』 平成29年版、2018年。
  29. ^ 『名古屋市統計年鑑』 平成30年版、2019年。

参考文献

  • 名古屋市編集 『名古屋市統計年鑑』、各年度版。
  • 愛知県編集 『愛知県統計年鑑』、各年度版。

関連項目

外部リンク