福江島
福江島(ふくえじま)は、長崎県西方沖の五島列島を構成する島の一つ。行政区分は長崎県五島市に属する。南に離れた男女群島を除けば五島列島の南西端に位置する。島の面積326.43km2は五島列島最大、日本国内では11番目の面積を持っている[1]。
福江島 | |
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所在地 | 日本(長崎県五島市) |
所在海域 | 五島灘 |
所属諸島 | 五島列島 |
座標 |
(五島市役所) 北緯32度41分43.8秒 東経128度50分26.9秒 / 北緯32.695500度 東経128.840806度座標: 北緯32度41分43.8秒 東経128度50分26.9秒 / 北緯32.695500度 東経128.840806度 |
面積 | 326.43 km² |
海岸線長 | 322.1 km |
最高標高 | (父ヶ岳)461 m |
プロジェクト 地形 |
2021年12月現在では、人口33,008人となっている[2]。
自然
編集地理・地形
編集南西部の玉之浦や東部の岐宿、福江はリアス式海岸で、複雑な海岸線をもつ。西側の外洋(東シナ海)に面した地域では海食崖がよく発達する。湾は富江湾、玉之浦湾、岐宿湾、半島は富江半島、三井楽半島などがある。また、島の各所に砂浜があり、海水浴場として利用されている。
島の中央部には花崗岩と沖積層(湖成層)からなる山内盆地があり、その周囲を新第三紀層の五島層群や流紋岩などで形成された標高200-400m台の山地が囲まれている。最高峰は西部にある標高461mの父ヶ岳(ててがたけ)である。海岸に近い福江や富江、三井楽、岐宿にはそれぞれ玄武岩質の火山と溶岩台地が広がっている。これらの山には、福江川、一の川、浦ノ川、鰐川、大川原川、中須川などの川によって谷が刻まれる。
周囲には、北東に久賀島、東には多々良島、屋根尾島、蠑螺島、東の沖には椛島やツブラ島、南に赤島、黄島、黒島、西に島山島や嵯峨ノ島、北西に姫島など多くの島がある。
気候と生物相
編集植物ではクワズイモやショウベンノキなどの自生北限である他、九州本土では珍しいサキシマフヨウやハマジンチョウの自生地もある。動物では、タカの一種ハチクマの渡りの中継地として知られる他、昆虫類では他地域から隔絶しているため固有亜種となっているものもいる。
ただし温暖な気候が災いしてタイワンリスが外来種として侵入し、問題にもなっている。また、玉之浦の島山島に生息していたキュウシュウジカ(ニホンジカ)も橋を渡って福江島に侵入し、分布を広げている[3][4][5]。太平洋戦争前に絶滅したとされていたイノシシが2009年から目撃されるようになった。久賀島や中通島から泳いで渡ってきた可能性があり、駆除が行われている[6]。
交通
編集島の南東部には福江港があり、長崎市や五島列島各島を繋ぐ海上交通の中心地となっている。長崎港からはジェットフォイルで約85分、フェリーで約3時間30分。博多港からのフェリー航路もある(約9時間)。また福江の南西に福江空港が位置し、長崎空港、福岡空港から空路を利用することができる。夏期には関西国際空港からの直行便を利用することもできる。
観光
編集城郭
編集寺社
編集- 西方寺(五島市玉之浦町玉之浦805) - 本堂は楠一本だけで建てられたことで有名。
- 大円寺(五島市大円寺町1-1) - 福江藩五島氏菩提寺。
- 城山神社(五島市池田町2-4) - 福江藩五島氏初代合祀。
教会
編集福江島には以下に示す主な教会を含め、14か所のカトリック教会が存在する。福江島では、列聖調査中のドミンゴス中村長八神父が生まれ育ち、カトリック司祭の召命を受けたという。
- 福江教会(五島市末広町3-6)
- 堂崎天主堂(五島市奥浦町堂崎2019)
- 水ノ浦教会(五島市岐宿町岐宿1644)
- 楠原教会(五島市岐宿町楠原736-3)
- 三井楽教会(五島市三井楽町岳郷1420)
- 井持浦教会(五島市玉之浦町玉之浦1243) - 日本最古かつ最大のルルドを有する。旧教会堂は五島地域最古のレンガ教会であったが昭和62年(1987年)の台風で被害を受け建て替えられた。
中国との交易関連
編集福江島は、かつて中国との航海の際の寄港地となっていて、特に五島列島から東シナ海を横断して中国大陸へ渡航する遣唐使船が最後に碇泊する島であった。
- 明人堂 - 1540年にやってきた明からの貿易商人(倭寇)、王直が航海の無事を願った場所の跡地とされる。
- 六角井 - 王直が居住地に明の方式を用いて掘った井戸。
- 遣唐使ふるさと館
- 魚津ヶ崎公園(ぎょうがさきこうえん) - 遣唐使が日本で最後に寄泊したという公園。
自然の名所
編集- 福江火山群 - 活火山に指定されている。有史以来、記録に残る火山活動はない。最新の活動は2,000~3,000年前。
- 大瀬崎断崖 - 福江島最西端の断崖。日本の夕陽百選に選ばれた。大瀬埼灯台「白亜の灯台」は日本一明るい灯台で、日本の灯台50選にも選ばれている。
- 鐙瀬(あぶんぜ)熔岩海岸 - 鬼岳が噴火して溶岩が海に流れ込んだもの。 鐙瀬ビシターセンターがある。
- ドンドン渕 - 五島列島で最大の滝。
温泉
編集海水浴場
編集白い貝殻砂の砂浜が多く、水質も良い。ヤングマガジン27号における沢口愛華のグラビア撮影場所にも採用された[8]。
- 旧福江市
- 多郎島海水浴場 - 「さんさん富江キャンプ村」に隣接している人工海浜。
- 浜田海水浴場 - 魚津ヶ崎キャンプ場近在[9]。
- 白良ヶ浜(しららがはま)海水浴場
- 頓泊(とんとまり)海水浴場 - 高浜と同じ入り江の南隣にある遠浅の砂浜。潮が引くと数百mにわたって平坦な砂浜が広がる。下記高浜と共に福江島の代表的海浜[11]。
- 高浜海水浴場 - 頓泊より傾斜が高く、草地に連続している。日本の渚100選、快水浴場100選に選出[10]。
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大浜海水浴場
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香珠子海水浴場
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頓泊海水浴場
出身・ゆかりのある人物
編集- 出身
- ゆかりのある人物
脚注
編集- ^ 国立天文台(編) 平成19年 理科年表 p.565 ISBN 4621077635
- ^ ながさきのしま|長崎のしま紹介【五島】|五島のプロフィール
- ^ 『角川日本地名大辞典 42 長崎県』1987年 ISBN 9784040014203
- ^ 財団法人日本離島センター編『日本の島ガイド SHIMADAS』ISBN 4931230229
- ^ 鎌田泰彦・中西弘樹・浦田明夫・谷口秀樹・東幹夫・池崎善博, 2001. 長崎県環境部自然環境課編『ながさきの希少な野生動植物』
- ^ 【センサー】イノシシ新捕物帳/長崎・五島、センサー監視網/出没検知→わな 駆除4倍『日本経済新聞』朝刊2018年4月30日(社会面)2018年5月23日閲覧。
- ^ 2015年8月現在、屋根破損のため堂内立入禁止。
- ^ 同誌巻頭グラビアおよびエキサイトニュース[1]による。(二次資料はエキサイトニュース、一時資料はヤンマガ)
- ^ a b c 五島市観光協会 2016, p. 15.
- ^ a b 五島市観光協会 2016, p. 13.
- ^ 五島市観光協会 2016, p. 14.
参考文献
編集- “福江島・久賀島・奈留島観光ガイドブック” (PDF). 五島市観光協会 (2016年). 2021年1月2日閲覧。