東莞市
東莞市(とうかん-し、中国語: 东莞市、英語: Dongguan、歴史的表記 Tongkun[1])は中華人民共和国広東省中部にある地級市。28の鎮と行政の中心である街道で構成される。
中華人民共和国 広東省 東莞市 | |
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上から時計回り: 東莞大道、虎門大橋、可園、観音山 | |
略称:莞
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広東省中の東莞市の位置 | |
中心座標 北緯23度2分 東経113度43分 / 北緯23.033度 東経113.717度 | |
簡体字 | 东莞 |
繁体字 | 東莞 |
拼音 | Dōngguǎn |
カタカナ転写 | ドングアン |
国家 | 中華人民共和国 |
省 | 広東 |
行政級別 | 地級市 |
政府所在地 | 南城区 |
建市 | 1985年9月 |
市委書記 | 肖亜非 |
市長 | 呂成蹊 |
面積 | |
総面積 | 2,465 km² |
人口 | |
総人口(2010) | 822 万人 |
経済 | |
GDP(2012) | 5,010 億元 |
一人あたりGDP | 60,947元 |
電話番号 | 769 |
郵便番号 | 523000 |
ナンバープレート | 粤S |
行政区画代碼 | 441900 |
市花 | ハクモクレン |
公式ウェブサイト: http://www.dg.gov.cn/ |
概要
編集唐代の757年に、番禺(広州)の東にある、「莞草」(イグサ)の産地として「東莞」と名付けられた。
改革開放前は現在の市域の多くは赤土が広がる貧しい農村だったが、1980年代末から広州と深圳、香港の中間に位置することから、香港企業、台湾企業の委託加工先や工場建設の好適地として、衣料品、日用雑貨、玩具、電子製品、パーソナルコンピュータまで、重工業以外の各種工場が林立する工業地帯に変貌した。特に、パソコン部品は世界の供給拠点として重要な地位を占める。また、輸出に必要な包装用段ボールを製造するための製紙工業もさかんで、中国最大の工場群もある。
農業では稲作の他、野菜栽培が盛んで、香港、広州、深圳などへの重要な供給基地のひとつとなっている。
旧来東莞に住み、本籍を持つ住民の人口は2012年末現在で約180万人[2]であるが、粤語の下位方言である「東莞話」(とうかんわ)を話す地区と、樟木頭鎮、清渓鎮などの東莞市東部や深圳に近い丘陵地帯に点在する客家語を話す地区に別れる。しかし現在は、湖南省、四川省など、省外からの流入人口(2012年末時点で約650万人[2])が多く、標準語が広く通用している。
産業の発達に伴い出稼ぎ労働者が急増し、それに伴いそれら男性相手の売春女性が増加したため、2010年代に入り「性都」の異名を取るほど性風俗産業も発達した[2]。その中には周辺地域の高級官僚などと関係しているものもあったため、2014年2月には関連施設の一斉摘発が行われた[3]。
歴史
編集新石器時代からの遺跡が見つかっており、古来、居住者がいたことが知られている。春秋戦国時代の百越の地であり、南越族が住んでいたと考えられる。紀元前214年、秦の始皇帝が全国を統一すると、南海郡番禺県に属した。後漢の順帝が番禺から増城県を分離させると、東莞も増城県に属した。331年、増城から分離され宝安県となった。757年に東莞と改名し、莞城に役所を置いた。1949年に中華人民共和国が成立すると、東莞は東江行政区の管轄下に置かれた。1952年には粤中行政区に入り、1956年に恵陽専区に入った。1985年に国務院の批准によって珠江デルタ経済開発区に入り、同年9月には東莞県から東莞市に改称した。1988年1月に現在の地級市に昇格している。
地理
編集珠江デルタの北東部に位置し、古くから莞城鎮(現莞城区)と、珠江、東江などの水運の要地である虎門鎮を中心に街が形成されていた。東莞市の面積は2465平方キロメートルで、ほぼ日本の佐賀県に匹敵する。南北では50km、東西では70kmほどの広がりがある。
行政区画
編集東莞市は区(街道弁事処)と鎮で構成され、市轄区・県制度はない。以下の「片区」は地理的な区分であり行政区ではない。
東莞市の地図 |
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- 城区片区:1. 莞城街道、2. 東城街道、3. 南城街道、4. 万江街道、5. 高埗鎮、32. 石碣鎮
- 水郷新城片区:6.中堂鎮、7. 麻涌鎮、8. 望牛墩鎮、9. 道滘鎮、10. 洪梅鎮
- 浜海湾片区:11. 沙田鎮、12. 厚街鎮、13. 虎門鎮、14. 長安鎮
- 東南臨深片区:18. 塘厦鎮、19. 鳳崗鎮、20. 清渓鎮、21. 樟木頭鎮
- 東部産業園片区:17. 黄江鎮、22. 謝崗鎮、23. 常平鎮、24. 橋頭鎮
- 松山湖片区:15. 大嶺山鎮、16. 大朗鎮、25. 企石鎮、26. 横瀝鎮、27. 東坑鎮、28. 寮歩鎮、29. 茶山鎮、30. 石排鎮、31. 石竜鎮
年表
編集この節の出典[4]
交通
編集鉄道
編集- 広深鉄路と城際直通車 - 東莞駅、常平駅、樟木頭駅。広州駅より深圳駅、香港紅磡駅方面。
- 京九鉄路 - 常平駅、東莞東駅。北京西駅より深圳駅、香港紅磡駅方面。
- 広深港高速鉄路 - 虎門駅。広州南駅より深圳北駅方面。2018年頃に香港の香港西九龍駅へと伸びる予定。
- 莞恵都市間鉄道
- 穂深都市間鉄道
地下鉄
編集2016年5月27日に東莞地下鉄2号線が部分開業した。
- 1号線 - 2024年開業予定
- 2号線 - 2016年5月27日に東莞火車站 - 虎門火車站が開業、現在は虎門火車站 - 交椅湾を建設中。
- 3号線 - 2025年開業予定
- 4号線 - 2030年開業予定
水運
編集- 虎門から香港などに客船が出ている。香港まで47海里。
道路
編集- 高速道路
- 国道
バス
編集観光
編集スポーツ
編集東莞市の東莞聯華サッカークラブが香港Aリーグで試合を行っている。東莞籃球中心(東風日産文体中心)は同市内最大のアリーナとしてバスケットボールやコンサートなどの催しなどが行われている。
テレビ
編集- 東莞電視台(東莞テレビ) - 第1チャンネル、第2チャンネル
食文化
編集もともとは広東料理、客家料理が食べられている地域であるが、省内でも独特の料理が生まれている。長安の盆菜、大嶺山のガチョウ焼きなど地域性の強いものや、竜舟飯、シマアオジの素揚げ、イトメの煮もの、鯪魚丸のように珠江デルタに共通するもの、咸湯圓やヨモギ餅、各種の米の加工品のように客家料理の一部と共通するものなどがある。ザボンの麦芽糖漬け、甘いソーセージ、味噌などの特色のある食品もある。
東莞に本社を持つ企業
編集中華人民共和国成立以降の首長等
編集- 県長、市長 - 葉耀、李近維、佟星、黎桂康、劉志庚、李毓全
- 県、市共産党委員会書記 - 欧陽徳、李近維、佟星、劉志庚
出身者
編集友好都市
編集脚注
編集- ^ 『廣東政區及郵政式廣東地名一覽』、1947年
- ^ a b c 潜入取材で暴露“性の都”東莞市の実態 - 日経ビジネス・2014年2月17日
- ^ Clare Jim; Yimou Lee (2014年4月6日). “アングル:中国の「性都」摘発で損失8000億円、製造業拠点に追い打ち”. Reuters 2014年5月7日閲覧。
- ^ 广东省 - 区划地名网