本坊酒造
鹿児島県鹿児島市に本社を置く酒造会社
本坊酒造株式会社(ほんぼうしゅぞう、Hombo Shuzo Co., Ltd. )は、鹿児島県鹿児島市に本社を置く日本の醸造業である。
種類 | 株式会社 |
---|---|
本社所在地 |
日本 〒891-0122 鹿児島県鹿児島市南栄三丁目27番地 |
設立 | 創業 1872年 |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 6340001003887 |
事業内容 | 酒類の製造販売・山林事業・観光事業・不動産事業 |
代表者 | 本坊和人(代表取締役社長) |
資本金 | 1億円 |
決算期 | 6月 |
関係する人物 | 本坊修(取締役会長) |
外部リンク | https://www.hombo.co.jp/ |
概要
編集甲類焼酎「宝星焼酎」(たからぼししょうちゅう)や本格焼酎「桜島」(さくらじま)、「石の蔵から」(いしのくらから)、ウイスキー「マルスウイスキー」、ワイン「マルスワイン」などを製造・販売している。総合酒類メーカーであり、九州に本社を置く醸造業としては酒類の種類が最も多い。
工場は鹿児島県内の他、長野県(ウイスキー部門)と山梨県(ワイン部門)に置いている。
2013年、信州マルス蒸留所で製造したマルス モルテージ 3プラス25 28年がワールド・ウイスキー・アワードにてブレンデッドモルトウイスキーの最高賞を受賞[1]。また、本坊酒造はアイコンズ・オブ・ウイスキー2017にてクラフトプロデューサー・オブ・ザ・イヤーを受賞[2]。
「さつま白波」の醸造元である薩摩酒造とは同根企業であり、同社の他に本坊商店、サナス(旧・日本澱粉工業)などで構成する本坊グループの中核企業の一つである。
沿革
編集- 1872年(明治5年)- 創業、製綿、焼酎製造。
- 1898年(明治31年)- 焼酎共同製造。
- 1902年(明治35年)‐ 本坊商会(物品販売業)設立。
- 1921年(大正10年)5月 - 鹿児島支店開設。
- 1928年(昭和3年)6月 - 本坊合名会社設立。
- 1933年(昭和8年)6月 - 焼酎甲類の製造免許取得。
- 1936年(昭和11年)6月 - 味りんの製造免許取得。
- 1941年(昭和16年)2月 - 合成清酒の製造免許取得。
- 1949年(昭和24年)7月 - ウイスキーの製造免許取得。
- 1952年(昭和27年)1月 - 地酒製造の製造免許取得。
- 1954年(昭和29年)5月 - 福岡営業所を開設。
- 1955年(昭和30年)
- 5月 - 梅酒の製造免許取得。
- 10月 - 鹿児島酒造株式会社と合併し、本坊酒造株式会社設立。同時に鹿児島工場開設、同工場で乙類焼酎の製造開始。
- 1960年(昭和35年)
- 3月 - 山梨県東八代郡石和町(現・笛吹市)に山梨工場新設(ウイスキー)。
- 4月 - 小林酒造株式会社を吸収合併(小林工場 焼酎乙類)。
- 9月 - 富士葡萄酒株式会社を吸収合併(山梨工場 果実酒)。
- 10月 - 松永醸造株式会社を吸収合併(屋久島工場 焼酎乙類)。
- 11月 - 甘味果実酒の製造免許取得(山梨工場)。
- 1962年(昭和37年)
- 1966年(昭和41年)2月 - 太平洋醸造株式会社を吸収合併。
- 1973年(昭和48年)9月 - 鹿児島県川辺郡知覧町(現・南九州市)塩屋字川比良29226の1に知覧工場新設(焼酎乙類)。
- 1973年(昭和48年)10月 - 鹿児島工場を鹿児島市郡元町2460の16から鹿児島市南栄三丁目27番に移転新設。
- 1985年(昭和60年)3月 - 長野県上伊那郡宮田村4752-31に信州工場を新設(ウイスキー類)。
- 1986年(昭和61年)7月 - 大阪営業所を開設。
- 1987年(昭和62年)5月 - 生物工学研究所開設。
- 1992年(平成4年)12月 - 東京支店(首都圏の一部を除く)を山梨工場営業部と統合して関東支店発足する。
- 1993年(平成5年)6月 - 第二鹿児島工場焼酎乙類製造免許を「株式会社杜氏の里笠沙」へ譲渡する。
- 1994年(平成6年)12月 - 財団法人興南アジア国際奨学財団を設立し、本坊喜一郎が理事長となる。東京支店を開設。
- 1995年(平成7年)9月 - 南信州ビール株式会社の設立にあたり資本参加する(第3セクター)。
- 1998年(平成10年)5月 - 本社地下にワインセラーLa CAVE“H”設立。
- 2000年(平成12年)2月 - 自社農場として山梨県韮崎市穂坂町三之蔵日之城に「日之城農場」を取得する。
- 2004年(平成16年)6月 - 知覧工場を全面リニューアル落成。
- 2006年(平成18年)
- 5月 - 知覧工場を知覧蒸留所へ、屋久島工場を屋久島伝承蔵へ、山梨工場を山梨マルスワイナリーへ名称変更。
- 6月 - 知覧蒸留所に隣接して自社さつま芋栽培圃場「川比良農場」を開設。
- 2008年(平成20年)
- 3月 - 信州工場を信州ファクトリーへ名称変更。知覧蒸留所内に焼酎粕処理プラント完成。
- 4月 - 大阪営業所を支店に昇格。
- 7月 - 本社を鹿児島工場のある鹿児島市南栄3丁目27番地に移転。本社に隣接して見学施設「薩摩郷中蔵」・「Galleria Hombo(ガレリアホンボウ)」をオープン。小林工場を分離改組し、ファミリーマート、伊藤忠商事と共同でミネラルウォーター製造を行うクリーン・アクア・ビバレッジを設立。
- 2011年(平成23年)- 信州ファクトリーをマルス信州蒸留所へ名称変更。
- 2016年(平成28年)- 津貫工場内にウイスキー蒸留所「マルス津貫蒸留所」を新設。
- 2017年(平成29年)4月 - マルスウイスキーがIcons of whisky(IOW)世界最優秀賞を受賞。
- 2024年(令和6年)3月 - マルス信州蒸留所をマルス駒ヶ岳蒸留所へ名称変更。
事業所
編集- 本社:鹿児島県鹿児島市南栄3-27
- 東京支店:東京都中央区八重洲2-2-10 南星八重洲ビル8F
- 関東支店:山梨県笛吹市石和町山崎126
- 大阪支店:大阪府茨木市中穂積1-2-10 ジブラルタ生命茨木ビル3F
- 福岡支店:福岡県福岡市博多区博多駅南1-14-25
- 南九州支店:鹿児島県鹿児島市住吉町1-5
- 津貫工場:鹿児島県南さつま市加世田津貫6594
- 鹿児島工場:鹿児島県鹿児島市南栄3-27
- 知覧蒸留所:鹿児島県南九州市知覧町塩屋29226-1
- 屋久島伝承蔵:鹿児島県熊毛郡屋久島町安房2384
- マルス駒ヶ岳蒸溜所:長野県上伊那郡宮田村4752-31
- 山梨マルスワイナリー:山梨県笛吹市石和町山崎126
主な商品
編集本格焼酎(鹿児島・知覧・津貫・屋久島)
編集鹿児島工場
編集知覧蒸留所
編集- 「桜島」
- 「黒麹仕立て桜島」
- 「さつまおはら」
- 「知覧紅芋黒麹仕込薩摩紅」
津貫工場
編集- 「貴匠蔵」
- 「甕貯蔵芋焼酎甕幻(かめまぼろし)」
- 「黒麹造り甕壷仕込み麦焼酎一尋(ひとひろ)」
- 「桜岳」
- 「石の蔵から」
屋久島伝承蔵
編集- 「太古屋久の島」
- 「原酒屋久杉」
甲類焼酎
編集鹿児島工場
編集- 「宝星焼酎」
- 「ゆくり宝星」(甲乙混和)
- 「宝星ホワイトリカー」(果実酒用)
梅酒
編集鹿児島工場
編集- 「星舎無添加上等梅酒」
- 「星舎無添加梅酒」
- 「黒糖梅酒」
- 「タカラボシ梅酒」
その他酒類
編集津貫工場
編集津貫蒸留所
編集- 「Japanese GIN 和美人」(ジン)
鹿児島工場
編集- 「ボンタンアメのお酒」(リキュール)
国産ワイン(山梨・信州)
編集山梨マルスワイナリー
編集- 「シャトーマルスシリーズ」
- 「マルスアンフィニーシリーズ」
- 「マルスワイン一升瓶シリーズ」
- 「無添加ワイン、そのままにごりシリーズ」
- 「季節限定ワイン」
- 「マルスハーブワイン」
信州ファクトリー
編集- 「信州駒ヶ原ヤマソービニヨン」
- 「信州みやだワイン紫輝」(赤)[3] - 上伊那郡宮田村で栽培されたヤマソービニオン(ヤマブドウとカベルネ・ソーヴィニヨンを交配させたもの)を醸造して作られる。村ではこれを使ったご当地グルメ「紫輝彩丼」が開発されている[4]。
受賞歴
編集- 「日本ワインコンクール(Japan Wine Competition)」[5]
- 第3回 2005年(平成17年)金賞受賞[6]
- 欧州系・赤「シャトーマルス穂坂日之城カベルネ&メルロー2003」
- 第10回 2012年(平成24年)金賞受賞[7]
- 欧州系・赤「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城カベルネ&メルロー遅摘み 2009」
- 欧州系・白、部門最高賞「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城シャルドネ 2010」
- 第12回 2014年(平成26年)金賞受賞[8]
- 欧州系・赤「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城カベルネ&メルロー遅摘み 2012」
- 第13回 2015年(平成27年)金賞受賞[9]
- 欧州系・赤「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城キャトル・ルージュ 2013」
- 第14回 2016年(平成28年)金賞受賞[10]
- 欧州系・白「シャトーマルス キュベ・プレステージ 穂坂日之城シャルドネ 2015」
- 甲州・辛口「シャトーマルス プレステージ 穂坂甲州樽醗酵 2015」
- 第18回 2022年(令和4年)金賞受賞[11]
- 欧州系・白「シャトーマルス 穂坂日之城シャルドネ プライベート・リザーブ 2019」
- 第19回 2023年(令和5年)金賞受賞[12]
- 甲州「シャトーマルス 穂坂甲州樽発酵 2022」
輸入ワイン販売
編集マルスウイスキー&ブランデーリスト
編集全国発売ウイスキー
- モルテージ越百(こすも)(信州ファクトリー)
- ツインアルプス(信州ファクトリー)
- マルス3&7(信州ファクトリー)
- マルスエクストラ(鹿児島工場)
限定発売ウイスキー
- 岩井トラディション(信州ファクトリー)
- マルスウイスキー 信州(信州ファクトリー)
- Kumamoto Bartenders Choice(信州ファクトリー)
- 西郷(せご)どん(鹿児島工場)
ブランデー
- マルスブランデーV.S.O.P.(信州ファクトリー)
生産終了ウイスキー
- シングルカスク駒ヶ岳(信州ファクトリー)
- シングルモルト駒ヶ岳(信州ファクトリー)
- マルスモルテージ(信州ファクトリー)
- マルスオールド(信州ファクトリー)
- マルスモルトギャラリー(信州ファクトリー)
- マルスアンバー(信州ファクトリー)
- Bartenders Choice Wine Cask Finish(信州ファクトリー)
- ニューポット・ヘビーピーテッド(信州ファクトリー)
- ヴィンテージ薩摩1984(鹿児島工場)
関連企業
編集関連人物
編集- 岩井喜一郎 - 戦後に顧問としてウイスキー醸造の計画立案と指導に関わる。
脚注
編集出典
編集- ^ 鹿児島支局長=松尾哲司 (2016年2月11日). “鹿児島で32年ぶりウイスキー生産 本坊酒造、人気追い風”. 日本経済新聞. 2017年4月1日閲覧。
- ^ “【速報】ウイスキーマガジンアワード2017”. ウイスキーマガジン ジャパン (2017年3月31日). 2017年4月1日閲覧。
- ^ “信州みやだワイン 紫輝”. 本坊酒造. 2019年5月26日閲覧。
- ^ “さわやか信州旅ブログ 宮田村の紫輝彩丼”. 長野県観光機構 (2010年3月9日). 2019年5月26日閲覧。
- ^ 「日本ワインコンクール(Japan Wine Competition)」2023年8月11日閲覧
- ^ Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2005 授賞ワインリスト日本ワインコンクール、2023年8月12日閲覧
- ^ Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2012 授賞ワインリスト日本ワインコンクール、2023年8月12日閲覧
- ^ Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2014 授賞ワインリスト日本ワインコンクール、2023年8月11日閲覧
- ^ Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2015 授賞ワインリスト日本ワインコンクール、2023年8月11日閲覧
- ^ Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2016 授賞ワインリスト日本ワインコンクール、2023年8月11日閲覧
- ^ Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2022 授賞ワインリスト日本ワインコンクール、2023年8月11日閲覧
- ^ Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2023 授賞ワインリスト日本ワインコンクール、2023年8月11日閲覧