南さつま市
鹿児島県の市
南さつま市 (みなみさつまし)は、鹿児島県の薩摩半島西岸に位置する市である。太平洋戦争末期には最後の特攻隊の出撃地、万世飛行場が吹上浜にあった。
みなみさつまし 南さつま市 | |||||
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国 | 日本 | ||||
地方 | 九州地方 | ||||
都道府県 | 鹿児島県 | ||||
市町村コード | 46220-9 | ||||
法人番号 | 3000020462209 | ||||
面積 |
283.59km2 | ||||
総人口 |
30,613人 [編集] (推計人口、2024年10月1日) | ||||
人口密度 | 108人/km2 | ||||
隣接自治体 | 鹿児島市、枕崎市、日置市、南九州市 | ||||
市の木 | いぬまき | ||||
市の花 | つわぶき | ||||
南さつま市役所 | |||||
市長 | 本坊輝雄 | ||||
所在地 |
〒897-8501 鹿児島県南さつま市加世田川畑2648番地 北緯31度25分00秒 東経130度19分24秒 / 北緯31.41664度 東経130.32339度座標: 北緯31度25分00秒 東経130度19分24秒 / 北緯31.41664度 東経130.32339度 南さつま市役所 | ||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||
ウィキプロジェクト |
現在では砂丘を利用した砂の祭典や、自転車による様々な大会が開かれるなど砂丘と自転車を活かした特色あるまちづくりでも知られている。
地理
編集薩摩半島の南西端に位置し、東シナ海に面する。市の北西部には、日本三大砂丘の一つに数えられる吹上浜が広がり、また、南西部(旧笠沙町〜旧坊津町)にかけて美しいリアス式海岸が見られる。坊津の双剣石は国の名勝に指定されている。九州本土から西の東シナ海沖合には宇治群島や草垣群島がある。
気候
編集加世田(1991年 - 2020年)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 22.7 (72.9) |
23.9 (75) |
25.6 (78.1) |
28.8 (83.8) |
31.6 (88.9) |
34.4 (93.9) |
35.6 (96.1) |
36.2 (97.2) |
34.9 (94.8) |
33.0 (91.4) |
28.3 (82.9) |
24.9 (76.8) |
36.2 (97.2) |
平均最高気温 °C (°F) | 12.7 (54.9) |
13.9 (57) |
16.9 (62.4) |
21.0 (69.8) |
24.8 (76.6) |
27.4 (81.3) |
31.3 (88.3) |
32.3 (90.1) |
29.8 (85.6) |
25.5 (77.9) |
20.4 (68.7) |
15.1 (59.2) |
22.6 (72.7) |
日平均気温 °C (°F) | 8.3 (46.9) |
9.3 (48.7) |
12.2 (54) |
16.3 (61.3) |
20.1 (68.2) |
23.5 (74.3) |
27.3 (81.1) |
27.9 (82.2) |
25.1 (77.2) |
20.3 (68.5) |
15.1 (59.2) |
10.2 (50.4) |
18.0 (64.4) |
平均最低気温 °C (°F) | 3.8 (38.8) |
4.4 (39.9) |
7.3 (45.1) |
11.4 (52.5) |
15.6 (60.1) |
20.2 (68.4) |
24.0 (75.2) |
24.3 (75.7) |
21.3 (70.3) |
15.6 (60.1) |
10.1 (50.2) |
5.3 (41.5) |
13.6 (56.5) |
最低気温記録 °C (°F) | −4.2 (24.4) |
−4.6 (23.7) |
−1.8 (28.8) |
0.2 (32.4) |
6.5 (43.7) |
11.7 (53.1) |
16.7 (62.1) |
17.6 (63.7) |
11.4 (52.5) |
4.8 (40.6) |
0.4 (32.7) |
−3.8 (25.2) |
−4.6 (23.7) |
降水量 mm (inch) | 93.2 (3.669) |
118.7 (4.673) |
167.0 (6.575) |
195.4 (7.693) |
189.6 (7.465) |
514.2 (20.244) |
337.3 (13.28) |
219.9 (8.657) |
276.3 (10.878) |
104.8 (4.126) |
127.2 (5.008) |
110.5 (4.35) |
2,454 (96.614) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 11.2 | 10.5 | 13.2 | 10.7 | 9.9 | 15.4 | 11.5 | 10.8 | 10.5 | 8.0 | 9.2 | 10.2 | 131.2 |
平均月間日照時間 | 96.5 | 111.2 | 148.7 | 165.6 | 166.6 | 99.1 | 172.7 | 198.8 | 162.7 | 174.4 | 135.8 | 110.2 | 1,742.3 |
出典1:Japan Meteorological Agency | |||||||||||||
出典2:気象庁[1] |
隣接する自治体
編集町・字
編集南さつま市には旧加世田市の一部に町丁がある他は大字となっている。2005年の市町村合併時に旧加世田市については従来の大字名に「加世田」を加えたものに改称し[2]、笠沙町、坊津町、金峰町については従来の大字名にそれぞれ町名を加えたものに改称した[3][4][5]。また、大浦町については大字が存在しなかったため、「 平成17年鹿児島県告示第1602号「字の区域の設定」」により川辺郡大浦町の全域を以て南さつま市の大字大浦町が設置された[6]。2020年時点の南さつま市の町・字は以下のとおりである[7]。
地域名 | 町・字 |
---|---|
加世田地域 | 加世田内山田、加世田川畑、加世田地頭所、加世田武田、加世田津貫、加世田村原、加世田小湊、加世田唐仁原、加世田益山、加世田宮原、加世田高橋[注釈 1]、加世田白亀[注釈 2]、加世田本町[注釈 3]、加世田地頭所町[注釈 4]、加世田東本町[注釈 5]、加世田麓町、加世田村原一丁目から加世田村原五丁目まで[注釈 6]、加世田ハーモニー[注釈 7][8] |
笠沙地域 | 笠沙町赤生木、笠沙町片浦 |
大浦地域 | 大浦町 |
坊津地域 | 坊津町秋目、坊津町久志、坊津町泊、坊津町坊 |
金峰地域 | 金峰町池辺、金峰町大坂、金峰町大野、金峰町尾下、金峰町高橋、金峰町浦之名、金峰町白川、金峰町中津野、金峰町新山、金峰町花瀬、金峰町宮崎 |
歴史
編集近現代
編集- 1889年4月1日 町村制施行により、現在の市域に相当する以下の町村が発足。
- 1896年4月1日 郡制施行により阿多郡を日置郡に統合。
- 1923年1月1日 【改称】西加世田村→笠砂村
- 1924年1月1日 【町制施行】加世田村→加世田町
- 1925年1月1日 【改称・町制施行】東加世田村→万世町
- 1940年11月10日 【改称・町制施行】笠砂村→笠沙町
- 1951年4月1日 【分立】笠沙町→大浦町
- 1953年10月15日 【改称】西南方村→坊津村
- 1954年7月15日 【新設合併・市制施行】加世田町・万世町→加世田市
- 1955年11月1日 【町制施行】坊津村→坊津町
- 1956年9月30日 【新設合併・町制施行】阿多村・田布施村→金峰町
- 2005年11月7日 【新設合併】加世田市・笠沙町・大浦町・坊津町・金峰町→南さつま市
行政
編集市長
編集代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 |
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初代 | 川野信男 | 2005年11月27日 | 2009年11月26日 |
2-4代 | 本坊輝雄 | 2009年11月27日 | 現職 |
市の行政機関
編集- 南さつま市役所 :〒897-8501 南さつま市加世田川畑2648番地
- 笠沙支所:〒897-1301 南さつま市笠沙町片浦808番地
- 野間池出張所:〒897-1301 南さつま市笠沙町片浦15380番地
- 大浦支所:〒897-1201 南さつま市大浦町2071番地
- 坊津支所:〒898-0101 南さつま市坊津町坊9422番地2
- 久志出張所:〒898-0211 南さつま市坊津町久志2422番地1
- 金峰支所:〒899-3492 南さつま市金峰町尾下1650番地
県の行政機関
編集国の行政機関
編集議会
編集市議会
編集- 定数:17人
- 任期:2021年11月27日 - 2025年11月26日
- 議長:山下美岳
- 副議長:松元正明
衆議院
編集- 選挙区:鹿児島2区(鹿児島市の一部、枕崎市、指宿市、南さつま市、奄美市、南九州市、大島郡)
- 任期:2021年10月31日 - 2025年10月30日
- 投票日:2021年10月31日
- 当日有権者数:337,186人
- 投票率:58.58%
当落 | 候補者名 | 年齢 | 所属党派 | 新旧別 | 得票数 | 重複 |
---|---|---|---|---|---|---|
当 | 三反園訓 | 63 | 無所属 | 新 | 92,614票 | |
金子万寿夫 | 74 | 自由民主党 | 前 | 80,469票 | ||
松崎真琴 | 63 | 日本共産党 | 新 | 21,084票 | ○ |
経済
編集産業
編集特産品
編集南さつま市に本社・本店を置く主要企業
編集南さつま市発祥の主要企業
編集姉妹都市・提携都市
編集日本国内
編集- 姉妹都市
- 提携都市
海外
編集地域
編集人口
編集南さつま市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 南さつま市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 南さつま市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
南さつま市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
教育
編集高等学校
編集- 鹿児島県立加世田高等学校
- 鹿児島県立加世田常潤高等学校(旧加世田農業高等学校)
- 鳳凰高等学校(旧加世田女子高等学校)(私立)
義務教育学校
編集- 南さつま市立坊津学園(2017年3月まで坊津学園中学校・小学校)
- 南さつま市立金峰学園(2023年4月に南さつま市立阿多小・田布施小・金峰中が統合し開校)
中学校
編集小学校
編集- 南さつま市立内山田小学校
- 南さつま市立加世田小学校(2015年4月に南さつま市立久木野小を吸収)
- 南さつま市立川畑小学校
- 南さつま市立小湊小学校
- 南さつま市立津貫小学校
- 南さつま市立長屋小学校
- 南さつま市立万世小学校
- 南さつま市立益山小学校
- 南さつま市立大浦小学校
- 南さつま市立笠沙小学校(2014年4月に南さつま市立笠沙小・赤生木小・玉林小と合併)
交通
編集空港
編集鉄道
編集現在の市域には南薩鉄道万世線、鹿児島交通枕崎線、鹿児島交通知覧線といった鉄道が通っていたが、いずれも廃止されている。
『JTB時刻表』には加世田バス停が市の中心駅として記載されている。現在の最寄り駅はJR指宿枕崎線の谷山駅・枕崎駅、または鹿児島本線の伊集院駅。
道路
編集バス
編集太字は南さつま市内の経由地
- 鹿児島交通
- 加世田 - 金峰支所前 - 伊作(日置市) - 鹿児島市
- 加世田 - 大坂(旧金峰町) - 鹿児島市
- 加世田 - 大浦 - 笠沙支所前 - 野間池
- 加世田 - 金峰支所前 - 伊作 - 日置 - 伊集院(日置市)
- 加世田 - 川辺(南九州市) - 知覧(南九州市)
- 加世田 - 枕崎市
- 今岳(旧坊津町) - 泊(旧坊津町) - 枕崎市
- 加世田 - 金峰支所前 - 鹿児島空港
- 南さつま市コミュニティバス
名所・旧跡・観光スポット・祭事
編集- 吹上浜海浜公園
- 万世特攻平和祈念館
- 坊津歴史資料センター輝津館
- 県史跡「一乗院跡」
- 国の名勝「坊津」双剣石
- 港町坊津の古い町並み
- リアス式海岸に沈む夕日(坊津地域、笠沙地域)
- 坊津八景
- 観光グラスボート(遣唐使船)
- 南薩鉄道記念館
- 県立自然公園
- 大山祇神社
- 加世田城跡
- 鑑真記念館
- 南薩摩の十五夜行事(重要無形民俗文化財)
- ほぜどん
- 唐カラ船まつり(5月5日)
- 野間神社例祭(2月20日)
- 笠沙恵比寿(2000年オープンの観光宿泊施設[11]、2022年に日清丸紅飼料に譲渡され水産用飼料の研究開発拠点となる予定[11])
- 野間半島の遊覧、岬めぐり・サンセットクルーズ
- シーカヤックツーリング
- 金峰夏祭(8月15日)
- 高橋十八度踊(よっかぶい)(8月22日)
- 金峰山神社大祭(10月19日)
- 竹屋神社(焼酎神社)[12]
- 竹田神社夏祭り(7月23日)
- 栫ノ原遺跡(国の史跡、縄文時代草創期の日本最古の定住集落跡)
- 奥山古墳(市指定史跡、日本列島西南端の古墳)
- 大浦ふれあいパーク
出身著名人
編集- 小原國芳(学校法人玉川学園創始者):坊津町出身
- 西春彦(大正〜昭和期の外交官)
- 小泉純也(立憲民政党、自由民主党元代議士、元防衛庁長官。小泉又次郎元逓相の婿養子、小泉純一郎元首相の父):旧姓・鮫島、川辺郡東加世田村出身
- 鮫島博一(第10代海上幕僚長、第9代統合幕僚会議議長):川辺郡東加世田村出身
- 鮫島慶彦(南薩鉄道社長、衆議院議員)
- 尾辻秀久(自由民主党参議院議員、元厚生労働大臣、元参議院副議長)
- 宮路和明(自由民主党衆議院議員)
- 大藏律子(元神奈川県平塚市長)
- 羽牟裕一郎(麻酔科医師、元日本バレーボール協会会長):加世田市出身
- 上釜健宏(元TDK社長):加世田市出身
- 坂口利雄(歌人・作詞家、代表作「鹿児島県民の歌」):笠沙町出身
- 松田達郎(生態学者、元国立極地研究所所長):加世田市出身
- 宇都文昭(放射線技師、アマチュア天文家。):加世田市出身
- 青野毅(元プロ野球選手。千葉ロッテマリーンズ所属):旧坊津町出身
- 大谷龍次(元プロ野球選手。千葉ロッテマリーンズ所属)
- 久保克之(元高校野球指導者)
- 大迫勇也(プロサッカー選手。ヴィッセル神戸所属)
- 那須大亮(元プロサッカー選手):旧坊津町出身
- 長山一也(プロサッカー選手。カターレ富山所属)
- 若松育美(陸上競技選手)
- 茶圓勝彦(砂像彫刻家):加世田市出身
- 小濱なつき(ファッションモデル):旧大浦町出身
- 西尾三枝子(女優)
注釈
編集脚注
編集- ^ “加世田 過去の気象データ検索”. 気象庁. 2023年9月1日閲覧。
- ^ 町又は字の名称の変更(平成17年鹿児島県告示第1600号、 原文
- ^ 字の名称の変更(平成17年鹿児島県告示第1601号、 原文)
- ^ 字の名称の変更(平成17年鹿児島県告示第1603号、 原文)
- ^ 字の名称の変更(平成17年鹿児島県告示第1604号、 原文)
- ^ 字の区域の設定(平成17年鹿児島県告示第1602号、 原文)
- ^ “住所表記について”. 南さつま市 (2020年3月23日). 2020年6月20日閲覧。
- ^ 町の区域の設定(平成14年鹿児島県告示第50号、 原文)
- ^ 世界シェアトップの秘密~エンジニアたちの挑戦~ 『世界一の九州が始まる!』番組ウェブサイト、RKB毎日放送、2021年3月11日公開、2024年7月16日閲覧。
- ^ “南さつま市、高雄・旗津区と友好交流協議締結=砂丘が縁で”. フォーカス台湾 (2023年2月2日). 2023年2月7日閲覧。
- ^ a b “水戸岡鋭治氏コーディネートの観光施設「笠沙恵比寿」(南さつま) 日清丸紅飼料に譲渡へ 水産用飼料の研究開発拠点に”. 南日本新聞. 南日本新聞 (2022年6月11日). 2022年6月11日閲覧。
- ^ 【気になるスポット】焼酎神社 産地の安全を祈願『日本経済新聞』夕刊2022年9月8日くらしナビ面(2022年9月28日閲覧)
参考文献
編集- 小学館スクウェア制作 『市制施行50周年記念誌 わがまち加世田』 加世田市、2004年