日経小説大賞
日経小説大賞(にっけいしょうせつたいしょう)は、日本経済新聞社と日経BPが共催する公募の文学賞。長編小説を募集する。2006年、日本経済新聞の創刊130年を記念して創設された。2012年の第4回より毎年実施されている[1]。2019年までは、日本経済新聞社と日本経済新聞出版社が共催であったが、2020年4月に、日経BPが、日本経済新聞出版社を吸収合併したことに伴い、変更になった。
原稿用紙換算150枚以上200枚以下の中編小説を募集する「日経中編小説賞」は、年 第2回と同時期に実施された。[2]
概要
編集400字詰め原稿用紙換算で300枚から400枚程度の長編小説を募集する。応募資格は新人に限らない。大賞の賞金は第1回から第3回までは1000万円、第4回以降は500万円。作品のジャンルは限定しておらず、第1回は恋愛小説、第2回は歴史小説が受賞している。第3回では受賞作の『野いばら』のほかにミステリー小説やSF小説、経済小説などさまざまなジャンルの作品が最終候補に残った。[3]
受賞作一覧
編集特記がなければ、初刊は日本経済新聞出版社、文庫は日経文芸文庫刊。
回(年) | 応募数 | 賞 | 受賞・最終候補作 | 著者 | 初刊 | 文庫化 |
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第1回(2006年) | 610編 | 受賞 | 『テムズのあぶく』 | 武谷牧子 | 2007年2月 | |
佳作 | 『ポル・ポトの掌』 | 三輪太郎 | 2007年2月 | 2010年6月[注 1] | ||
最終候補 | 『蒼い砂丘』 | 長野慶太 | ||||
『幻日』 | 夫馬基彦 | |||||
『花楽土』 | 萩耿介 | |||||
『山の焚き火』 | 荻原智紀 | |||||
第2回(2008年) | 249編 | 受賞 | 『松林図屏風』 | 萩耿介 | 2008年11月 | 2012年7月[注 2] |
最終候補 | 『銀二貫』 | 髙田郁[注 3] | 2009年6月[注 4] | 2010年8月[注 5] | ||
『遙かなる王国』 | 芦崎笙 | |||||
『百年のアルマンド』 | 梶村啓二 | |||||
『ラプンツェル・サラダ』 | 牛山喜美子 | |||||
第3回(2011年) | 216編 | 受賞 | 『野いばら』 | 梶村啓二 | 2011年12月 | 2013年10月[注 6] |
最終候補 | 『公器の幻影』 | 芦崎笙 | ||||
『贋物師見習い』 | 貴水真由 | |||||
『逆光のボス』 | 長野慶太 | |||||
『爆弾とエリキシール』 | 本間かおり | |||||
第4回(2012年) | 200編 | 受賞 | 『KAMIKAKUSHI 神隠し』[注 7] | 長野慶太 | 2013年2月 | |
最終候補 | 『青嵐記』 | 岡島伸吾 | ||||
『ジャポニスム漂泊』 | 霜康司 | |||||
『海江田多聞の決闘』 | 葉月堅 | |||||
『パオモウ(泡沫)』 | 村上卓郎 | |||||
第5回(2013年) | 200編 | 受賞 | 『スコールの夜』 | 芦崎笙 | 2014年2月 | |
最終候補 | 『塩の王』 | 指方恭一郎 | ||||
『戦場泥棒』 | 葉月堅 | |||||
『エルピスが残った』 | 廣瀬とり | |||||
『過ぎし南都の日々 おさと寧府紀事余聞』 |
宮澤洋一 | |||||
第6回(2014年) | 224編 | 受賞 | 『女たちの審判』 | 紺野仲右ヱ門 | 2015年2月 | |
最終候補 | 『大内水軍の裔と南蛮への道』 | 乾浩 | ||||
『幻草花の一族』 | 高田在子 | |||||
『百年ソナタ』 | 仲野芳恵 | |||||
『ユメノアト』 | 松田幸緒 | |||||
第7回(2015年) | 196編 | 受賞 | 『公方様のお通り抜け』 | 西山ガラシャ | 2016年2月 | |
最終候補 | 『右手を高く上げろ』 | 太田俊明 | ||||
『織田幕府幻想』 | 兼松稔 | |||||
『白虎の征く道』 | 笹木一加 | |||||
『あなたがさよならを言うならば』 | 松井綺香 | |||||
第8回(2016年) | 215編 | 受賞 | 『姥捨て山繁盛記』[4] | 太田俊明 | 2017年2月 | |
最終候補 | 『一味の雨』 | 北岡克子 | ||||
『川蝉の棲む街』 | 佐伯琴子 | |||||
『ハイヌーン』 | 等々力亮 | |||||
『別伝 奥の細道』 | 野見山悠紀彦 | |||||
第9回(2017年) | 248編 | 受賞 | 『大友二階崩れ』[注 8] | 赤神諒 | 2018年2月 | 2020年8月 |
最終候補 | 『八月は瑠璃色の鳥が潜んでいる』 | 佐伯琴子 | ||||
『サイレントレター』 | 田中波香 | |||||
『君は星の歌』 | 仲野芳恵 | |||||
『高野秘仏』 | 葭森大祐 | |||||
第10回(2018年) | 232編 | 受賞 | 『狂歌』 | 佐伯琴子 | 2019年2月 | |
最終候補 | 『梅花、未だ咲かず』 | 天津佳之 | ||||
『黄昏色の服を着て』 | 仲野芳恵 | |||||
『グッドモーニング、エンジニアーズ!』 | 湊ナオ | |||||
『長安花』 | 山本貴之 | |||||
第11回(2019年) | 342編 | 受賞 | 『東京普請日和』 | 湊ナオ | 2020年2月 | |
『新・紫式部日記』 | 夏山かほる | 2020年2月 | 2023年3月 | |||
最終候補 | 『福島の時間』 | 織部ルビ | ||||
『秘策あり~加藤清正外伝~』 | 村上卓郎 | |||||
『カーニバル社員』 | 放生充 | |||||
第12回(2020年) | 257編 | 受賞 | 『利生の人 尊氏と正成』 | 天津佳之 | 2021年2月 | |
最終候補 | 『在中庵 遠州添状』 | 天野行人 | ||||
『他人の子供』 | 江波年紀 | |||||
『デストピア・ジャパン』 | 森堂はっか | |||||
『胸叩き』 | 放生充 | |||||
第13回(2021年) | 321編 | 受賞 | 『高望の大刀』 | 夜弦雅也 | 2022年2月 | |
最終候補 | 『誰そ彼横丁』 | 風花斗南 | ||||
『桜とミルク』 | 澄モエレ | |||||
『尚、赫々たれ 立花宗成残照』 | 羽鳥好之 | |||||
『漂砂の海』 | 山本貴之 | |||||
第14回(2022年) | 285編 | 受賞 | 『散り花』 | 中上竜志 | 2023年2月 | |
最終候補 | 『雲海の朝』 | 青山トーゴ | ||||
『やまかげに飛ぶ番の小鳥』 | 天見早希 | |||||
『シルバー・ライニング』 | 団堂広 | |||||
『阿礼と阿須』 | 吉岡けい子 | |||||
第15回(2023年) | 編 | 受賞 | 『紅珊瑚の島に浜茄子が咲く』 | 山本貴之 | ||
最終候補 | 『遠くて近い1000㌔』 | 青山トーゴ | ||||
『さよならは始まりの歌』 | 朝水想 | |||||
『ブラッドライン』 | 岳丸響介 | |||||
『緑茶と油の夢』 | 玉島精一郎 |
日経中編小説賞
編集特記がなければ、初刊は日本経済新聞出版社、文庫は日経文芸文庫刊。
年 | 応募数 | 賞 | 受賞・最終候補作 | 著者 | 初刊 | 文庫化 |
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2008年 | 169編 | 受賞 | 『フロンティア、ナウ』 | 野崎雅人 | 2008年11月 | |
最終候補 | 『強い犬は吠えない』 | 廣瀬とり | ||||
『デュー・デリジェンス』 | 夏川十和 | |||||
『百年より長い1日』 | 橘彼方 | |||||
『水窓』 | 三国美千子 |
歴代選考委員
編集脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 「日経小説大賞」今回から毎年実施 選考委員座談会 辻原登・高樹のぶ子・伊集院静3氏が語る :日本経済新聞(2012年1月30日)
- ^ 第2回「日経小説大賞」・「日経中編小説賞」|日本経済新聞出版社
- ^ 満票集めた歴史ロマン 人間の再生、詩的に描く :日本経済新聞(2011年10月20日)
- ^ “太田俊明氏『姥捨て山繁盛記』 社会問題、軽快に”. NIKKEI STYLE (2016年12月23日). 2017年11月11日閲覧。