日産・シルビア > 日産・240SX
日産・180SX > 日産・240SX
日産・ワンビア > 日産・240SX

240SX(ツーフォーティー・エスエックス)は、日産自動車がかつて販売していたクーペ型の乗用車シルビア/180SX北米仕様車である。

日産・240SX
2代目 後期型
概要
製造国 日本の旗 日本苅田町
販売期間 1989年-1998年
ボディ
ボディタイプ 2ドアクーペ
3ドアハッチバッククーペ
2ドアコンバーチブル
駆動方式 後輪駆動
系譜
先代 日産・200SX
(日本名:シルビア S10/S110/S12型)
後継 無し
テンプレートを表示

概要

編集
 
KA24DE型エンジン

北米市場では「200SX」として販売されていたS10型/S110型/S12型シルビアの後継として導入された。車名の「240」は、搭載エンジンの排気量が2,400 ccであることに由来する。

北米でのSXおよびその兄貴分にあたるZは、世代交代の度に車格とスポーティ度を高め、かつて「プアマンズ・ポルシェ」と呼ばれたZはポルシェと同等の高級スポーツカーに発展し、SXは旧来のZと同等の廉価版スポーツカーとみなされるようになった。デビュー当初、特にファストバックモデルはその車名と相まって「240Z(S30型)の再来」と絶賛され、ダットサンで育った年配層など、従来のユーザー層以外からも支持を受けヒット作となった。

なお、従来のSXのポジションであった女性を主なターゲットとしたセクレタリーカーとしては、NXがその座を担うこととなった。

日産では180SXとは別の独立した車種という扱いであるため、240SXの輸出台数は180SXの総生産台数(11万3,500台)に含まれていない。

初代 S13型(1989年 - 1994年)

編集
日産・240SX(初代)
S13型
 
前期型 3ドア SE
 
後期型 3ドア SE
 
後期型 コンバーチブル
概要
製造国   日本苅田町
販売期間 1989年 - 1994年(生産終了)
ボディ
ボディタイプ 2ドアクーペ
3ドアハッチバッククーペ
2ドアコンバーチブル
駆動方式 後輪駆動
プラットフォーム 日産・Sプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 2.4L KA24E 直列4気筒
2.4L KA24DE 直列4気筒
変速機 4速AT/5速MT
車両寸法
ホイールベース 2,474 mm
全長 4,521 mm
全幅 1,689 mm
全高 1,290 mm
車両重量 1,224 kg
テンプレートを表示

ボディタイプは2ドアノッチバックと3ドアファストバックの2種類。それぞれ日本におけるS13型シルビア/180SXに相当するが、240SXは2ドア(≒シルビア)に関しても180SXと共通のリトラクタブル・ヘッドライトによるフロントマスクを採用している(いわゆる『ワンビア』)。

エンジンは、日本向けシルビア/180SXには設定のないKA24E型 2.4 L 直列4気筒SOHCを搭載。1991年モデルからはDOHCのKA24DE型に変更された。

1992年モデルでフェイスリフトを受け、従来の「鼻」と呼ばれたフロントグリルを廃し、バンパーはボリュームを増しつつ、滑らかな形状となった。同時に2ドアコンバーチブルが追加され、最終年となった1994年モデルはコンバーチブルのみの販売となった。

日本国内でも数は少ないながら逆輸入されており、日本国内での型式認定を受けてはいないが、車検証記載の型式は「-RMS13-」となる。また、部品レベルでは、240SXのリアセンターガーニッシュを180SX前期型に流用する例も見られた。

2代目 S14型(1995年 - 1998年)

編集
日産・240SX(2代目)
S14型
 
前期
 
後期
概要
製造国   日本苅田町
販売期間 1995年 – 1998年(生産終了)
ボディ
ボディタイプ 2ドアクーペ
駆動方式 後輪駆動
プラットフォーム 日産・Sプラットフォーム
パワートレイン
エンジン 2.4L KA24DE 直列4気筒
変速機 4速AT/5速MT
車両寸法
ホイールベース 2,525 mm
全長 4,498 mm
全幅 1,727 mm
全高 1,288 mm
車両重量 1,253 kg
系譜
後継 無し
テンプレートを表示

1994年に1995年モデルとして登場。ボディタイプは2ドアのみで3ドアは廃止された[注釈 1]。基本的なスタイルはS14型シルビアと同一であるが、緩衝装置を内蔵した5マイルバンパーを装備しているため、日本国内仕様よりやや大ぶりとなる。それに加え、前期型ではフロントマーカーランプ(ターンシグナル兼用)もやや大きい。

SE、LE、baseの3種類のグレード展開で、SE、LEはホイールが5穴であるのに対し、下位のbaseは4穴でサンルーフも装備されないなど、上級グレードとの差が大きい。また、フロントディスクブレーキは日本向けシルビアの自然吸気(NA)モデルと同様、4ポットキャリパーの設定はない。

1995年にはNXの後継として、日本におけるB14型ルキノクーペと同型の「200SX」が登場。240SXの登場によって消滅していた同名称が復活した。

1997年フェイスリフトが行われ、ヘッドライトおよびテールランプの形状が変更された。ヘッドライトは日本のS14シルビア後期型と大差はないが、プロジェクターライトの形がわずかに異なる。フロントバンパーは日本仕様とは異なる独自のデザインを採用する。

240SXはS14型を最後に廃止されたため、S15型シルビアに相当するモデルは北米では販売されなかった。

モータースポーツ

編集
 
モディファイされたS13型240SXの例

S13型は、1990年代にエレクトラモーティブ隷下のライツィンガー・レーシングからIMSA-GTUクラスに参戦した。フォーミュラDでは吉原大二郎がS13型で参戦していた時期があり、2011年にはシリーズチャンピオンを獲得している。

また、ドリフト文化がアメリカにも浸透した頃から、後輪駆動の240SXにも注目が集まり、中古市場の相場も上昇した。ただし、240SXには日本のシルビア/180SXに搭載されているCA18DETSR20DETといったターボエンジンが存在しないため、現地でポピュラーなV型8気筒ホンダ・K型エンジンスワップしたり、日本から輸入されたCA18DETやSR20DET、さらには少数ながらRB系エンジンへのスワップ例も存在する[1]

脚注

編集

注釈

編集
  1. ^ このため、日本における180SX後期型に相当するモデルは北米では販売されなかった。

出典

編集

関連項目

編集