岡山大学病院
岡山県岡山市北区にある病院
(岡山大学医学部・歯学部附属病院から転送)
岡山大学病院(おかやまだいがくびょういん)は、岡山県岡山市北区にある国立大学法人岡山大学の附属大学病院である。病床数は855床。2014年の患者数は、医科外来462,336名、歯科外来162,438名、医科入院244,513名、歯科入院6,709名である[1]。
岡山大学病院 | |
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岡山大学病院正面(2021年3月) | |
情報 | |
正式名称 | 国立大学法人岡山大学病院 |
英語名称 | Okayama University Hospital |
前身 | 岡山医科大学附属病院 |
許可病床数 |
855床 一般病床:819床 精神病床:34床 感染症病床:2床 |
職員数 |
2014年現在[1] 常勤:医師220名、歯科医師45名、看護部門1,030名、歯科技工士8名、歯科衛生士17名、他499名 非常勤:医師354名、歯科医師140名、看護部門31名、他189名 |
機能評価 | 一般病院3(主たる機能):3rdG:Ver.2.0 |
開設者 | 国立大学法人岡山大学 |
管理者 | 金澤 右(病院長) |
開設年月日 | 1870年(明治3年)6月 |
所在地 |
〒700-8558 |
位置 | 北緯34度39分03秒 東経133度55分14秒 / 北緯34.65083度 東経133.92056度座標: 北緯34度39分03秒 東経133度55分14秒 / 北緯34.65083度 東経133.92056度 |
二次医療圏 | 県南東部 |
PJ 医療機関 |
特徴
編集岡山市の中心部にあり、大学附属の特定機能病院として、倉敷市の川崎医科大学附属病院と共に岡山県の地域医療の中心的役割を果たしている。また、かつては、分院である岡山大学病院三朝医療センターを鳥取県東伯郡三朝町に有しており、複合温泉療法などを取り入れた地域医療にも注力していた。
医科系では、幅広い診療を有しており、また、臓器移植法における指定を受けている為、幾度かの脳死移植が実施されている。
歯科系では、専門外来(口腔インプラント専門外来、顎関節症・口腔顔面痛み専門外来、審美歯科専門外来、特殊義歯専門外来)を有しており、医科との連携による医療を行っている。
病院は岡山大学医学部と歯学部の臨床学習の現場でもあり、研修医はもとより、学会より認定された、指導医・専門医が数多く在籍している。
沿革
編集1870年(明治3年)6月に「岡山藩医学館大病院」を開設して以来、増設・統廃合を繰り返し、2003年(平成15年)10月1日に医学部附属病院と歯学部附属病院が統合され、「岡山大学医学部・歯学部附属病院」となった。2007年(平成19年)1月1日に医療法上の名称が「岡山大学病院」と改められた。
年表
編集- 1870年(明治3年):6月、岡山市門田に「岡山藩医学館大病院」を開設。
- 1871年(明治4年):6月、岡山市中之町に「岡山藩医学館小病院」を開設。
- 1872年(明治5年)
- 1873年(明治6年):11月、「岡山県病院」に改称。
- 1891年(明治24年):7月、岡山市内山下の第三高等中学校医学部敷地内に移転。
- 1921年(大正10年)
- 1922年(大正11年):4月、岡山医科大学の設置に伴い、「岡山医科大学附属医院」に改称。
- 1939年(昭和14年):7月28日、鳥取県東伯郡三朝村の三朝温泉に「岡山医科大学三朝温泉療養所」を開設。
- 1949年(昭和24年):5月、岡山医科大学・第六高等学校・岡山師範学校・岡山青年師範学校・岡山農業専門学校を包括して岡山大学が発足したことに伴い、「岡山大学医学部附属病院」に改称。「三朝分院[注 1]」「本島分院」「金光分院」を設置。
- 1957年(昭和32年):4月、「金光分院」を廃止。
- 1965年(昭和40年):4月、「岡山大学医学部附属病院三朝分院」を官制化。
- 1982年(昭和57年):4月、「岡山大学歯学部附属病院」を開設。
- 2000年(平成12年):3月、「本島分院」を廃止[2]。
- 2002年(平成14年):4月1日、三朝分院を「岡山大学医学部附属病院三朝医療センター」に改称。
- 2003年(平成15年):10月1日、医学部附属病院と歯学部附属病院が統合され、「岡山大学医学部・歯学部附属病院」「岡山大学医学部・歯学部附属病院三朝医療センター」に改称。
- 2007年(平成19年):1月1日、医療法上の名称を「岡山大学病院」「岡山大学病院三朝医療センター」に改称。
- 2013年(平成25年)
- 2016年(平成28年):2月6日、「岡山大学病院三朝医療センター」を廃止。
診療科
編集- 医科系(医科系病院、歯科系病院とも同じ場所[注 2]にある。)
先進医療
編集- IL28Bの遺伝子診断によるインターフェロン治療効果の予測評価[5]
- LDLアフェレシス療法[5]
- 急性心筋梗塞に対するエポエチンベータ投与療法 急性心筋梗塞(再灌流療法の成功したものに限る。)[5]
- ペメトレキセド静脈内投与及びシスプラチン静脈内投与の併用療法 肺がん(扁平上皮肺がん及び小細胞肺がんを除き、病理学的見地から完全に切除されたと判断されるものに限る。)[5]
- 経皮的乳がんラジオ波焼灼療法 早期乳がん(長径が一・五センチメートル以下のものに限る。)[5]
- オクトレオチド皮下注射療法 先天性高インスリン血症(生後二週以上十二月未満の患者に係るものであって、ジアゾキサイドの経口投与では、その治療に係る効果が認められないものに限る。)[5]
医療機関の指定・認定
編集(下表の出典[6])
保険医療機関 | 医療保護施設(中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律に基づく医療保護施設を含む。) |
労災保険指定医療機関 | 原子爆弾被爆者医療指定医療機関 |
指定自立支援医療機関(更生医療) | 原子爆弾被爆者一般疾病医療取扱医療機関 |
指定自立支援医療機関(育成医療) | 第一種感染症指定医療機関 |
指定自立支援医療機関(精神通院医療) | 公害医療機関 |
身体障害者福祉法指定医の配置されている医療機関 | 母体保護法指定医の配置されている医療機関 |
精神保健指定医の配置されている医療機関 | 特定機能病院 |
生活保護法指定医療機関(中国残留邦人等の円滑な帰国の促進並びに永住帰国した中国残留邦人等及び特定配偶者の自立の支援に関する法律に基づく指定医療機関を含む。) | 臨床研究中核病院 |
結核指定医療機関 | 災害拠点病院 |
指定養育医療機関 | 高度救命救急センター |
指定小児慢性特定疾病医療機関 | 臨床研修病院 |
難病の患者に対する医療等に関する法律に基づく指定医療機関 | 臨床修練病院等(外国医師等) |
がん診療連携拠点病院 | エイズ治療拠点病院 |
肝疾患診療連携拠点病院 | 特定疾患治療研究事業委託医療機関 |
DPC対象病院 | 地域周産期母子医療センター |
不妊専門相談センター |
- 公益財団法人日本医療機能評価機構認定病院[7]
- このほか、各種法令による指定・認定病院であるとともに、各学会の認定施設でもある。
交通アクセス
編集臨床実習受け入れ校
編集- 医科系
出来事
編集- 1965年 - 昭和天皇、香淳皇后が入院中の池田厚子を御見舞い[8]。
- 1972年 - コバルト60を使用した放射線治療において、治療を行う病室の構造、コバルト針の扱いなどに不備があり、同年6月24日に科学技術庁が指導、厚生省ともに医療法違反などで疑いで調査に入った[9]。
- 2020年9月25日 - 当院の男性研修医(30代)が、他病院所属の研修医の顔を蹴り、眼窩底骨折など全治2週間のけがを負わせた。男性研修医は9月25日、岡山市内の飲食店で、本学所属の研修医と学外の研修医を含む17人(当院の研修医は10人)で会食した。2次会終了後、酔いつぶれた別の参加者を、被害者が介抱せず店を出たことに腹を立てて顔を蹴った。また当日はコロナ禍の中、当院は当時、夜の会食を禁止しており、11人を厳重注意とした。2021年1月13日付で、大学は男性研修医を停職(20日)の懲戒処分とした[10][11]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c 三代冬彦 著「第12章 大学附属病院」、日本歯科医学教育学会白書作成委員会 委員長桑田文幸 委員 葛西一貴、佐藤裕二、田口則宏、田中昭男、沼部幸博 編『歯科医学教育白書2014年版(2012~2014年)』(第1版)口腔保健協会、東京都豊島区〈日本歯科医学教育学会雑誌別冊〉、2015年12月20日、139-145頁。ISBN 978-4-89605-315-9。 NCID BB01485336。
- ^ “岡山大学医療系キャンパス概要2010 「沿革」”. 岡山大学. 2013年4月28日閲覧。
- ^ “岡山大病院の総合診療棟竣工”. 山陽新聞 「岡山医療ガイド」 (山陽新聞社). (2013年4月21日) 2013年4月28日閲覧。
- ^ “岡山大病院に小児放射線科 大学病院で初の新設”. 山陽新聞. (2013年12月2日) 2013年12月2日閲覧。
- ^ a b c d e f “先進医療を実施している医療機関の一覧”. 先進医療の概要について. 厚生労働省 (2016年1月1日). 2016年2月14日閲覧。
- ^ “岡山県救急医療情報システム「おかやま医療情報ネット」”. 岡山県. 2020年8月6日閲覧。
- ^ “病院評価結果の情報提供”. 公益財団法人日本医療機能評価機構. 2020年8月6日閲覧。
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、128頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ 「放射能を照射中の患者 病院内で野放し コバルト針 看護婦素手で処理」『朝日新聞』昭和47年(1972年)6月25日朝刊、13版、3面
- ^ “岡山大男性研修医を懲戒 他病院研修医の顔蹴る”. 時事通信 2021年01月14日17時41分. 2021年1月18日閲覧。
- ^ “岡山大病院の研修医、他病院の研修医を蹴る コロナ禍、集団で夜の会食中 停職処分に”. 山陽新聞 2021/1/14(木) 20:05. 2021年1月18日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集