伊豆・小笠原海溝
伊豆・小笠原海溝(いず・おがさわらかいこう、英:Izu-Ogasawara trench)は、日本の房総半島沖から南東方向に連なる海溝のことである[1]。小笠原群島がボニン諸島(英:Bonin Islands)とも呼ばれることから、伊豆・ボニン海溝(英:Izu-Bonin trench)とも呼ばれる。また、南方に連続して位置するマリアナ海溝と合わせて伊豆・小笠原・マリアナ海溝(IBM海溝)とも呼ばれることもある。
地形
編集フィリピン海プレートに太平洋プレートが沈みこむことによってできた海溝であり、最も深い所では、海面下9801m[2]になる。北端は第一鹿島海山、南端は母島の東方約100kmの海域に位置する(母島の南東に位置する母島海山は海底水深がやや浅く、ここが伊豆・小笠原海溝とマリアナ海溝との境界点とされることが多い)。北に日本海溝および相模舟状海盆、南にマリアナ海溝が連なる。
なお、かつてアメリカ海軍艦艇「ラマポ」が鳥島東方北緯30度30分 東経142度30分 / 北緯30.500度 東経142.500度で深度10,374 mの計測に成功したと発表し、「ラマポ海淵」と名づけられたがその後の調査で水深9,695mとされている [3]。
伊豆・小笠原海溝から沈み込んだプレート(リソスフェア)は、伊豆諸島・小笠原諸島付近でマグマとなって上昇し、伊豆・小笠原島弧(または伊豆ボニン島弧)と呼ばれる火山列島の島弧を作っている。
この海溝付近では八丈島東方沖地震(1972年/M7.2)、父島近海地震(2010年/M7.8)、小笠原諸島西方沖地震(2015年/M8.1)などが発生している。
生物相
編集第一鹿島海山の裾野でナギナタシロウリガイが確認されるなど、「日本海溝・伊豆・小笠原海溝」として生物多様性の観点から重要度の高い海域に選定されている[4]。