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小笠原忠忱

江戸時代後期の大名。豊前小倉藩10代藩主（最後）。小笠原家宗家11代。小笠原忠幹の次男。従四位下、侍従、左近将監、従三位。伯爵小倉小笠原家初代。貴族院資格審査委員長。府中小笠

小笠原 忠忱（おがさわら ただのぶ）は、江戸時代末期の大名、明治時代の華族、政治家。位階勲等爵位は従三位勲三等伯爵。小笠原宗家29代当主で、豊前国小倉藩の第10代（最後）藩主、初代藩知事。貴族院伯爵議員。

 
小笠原忠忱
小笠原忠忱
時代 江戸時代後期 - 明治時代
生誕 文久2年2月8日（1862年3月8日）
死没 明治30年（1897年）2月6日
改名 豊千代丸（幼名）、忠忱
別名 錦陵（号）
墓所 福岡県北九州市小倉北区の広寿山福聚寺
官位 従四位下、侍従、左近将監、従三位
幕府 江戸幕府
主君 徳川家茂→慶喜→明治天皇
藩 豊前小倉藩主
氏族 府中小笠原氏
父母 父：小笠原忠幹、母：上田氏
兄弟 貞孚、忠忱、きん、登代子
妻 正室：上杉斉憲の娘
子 長幹、長丕、豊、照子、百子
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第9代藩主・小笠原忠幹の次男。正室は上杉斉憲の娘。子に小笠原長幹（長男）、小笠原長丕（次男、兄・小笠原貞孚の養子）、小笠原豊（三男）、照子（津軽英麿正室）、百子（尚昌室）。幼名は豊千代丸[1]。号は錦陵[2]。兄に貞孚（安志藩主）。

生涯

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慶応元年（1865年）9月6日、父・忠幹が死去する[3]。しかし、嫡子の忠忱はわずか4歳という幼年であったうえ、翌年には第二次長州征伐も控えていたため、重臣たちは忠幹の喪を秘した。以後、家老の小宮民部、島村志津摩らにより藩政は動かされた。第二次長州征伐では、長州藩の攻撃を受け、慶応2年8月には小倉城に火を放って退却した。同年9月、田川郡香春に政庁を設置した。慶応3年1月、長州藩と講和する。

慶応3年（1867年）6月25日、父忠幹の死亡を幕府に届け、家督を継いだ。慶応4年3月、幼少の忠忱に代わり、重臣を上洛させて、新政府に従う姿勢を示した。同年4月7日、新政府に対し、避難していた熊本藩領から本領に戻ることを申請する。

明治2年（1869年）、豊津藩知事となり、華族に列する。明治4年7月15日、廃藩置県により知藩事職を解任される。明治6年（1873年）1月、明治政府からヨーロッパ留学の許可を得る。明治17年（1884年）には伯爵を授爵された。 明治18年（1885年）、蜂須賀正韶侯爵と徳川慶喜四女の筆子の結婚が決まった際には、礼法の宗家たる力量を発揮。三日間にわたる婚礼や披露宴を取り仕切った[4]。明治23年（1890年）7月10日、貴族院議員となる[5]。

明治30年（1897年）、36歳で死去した[6]。

生前の著書に『小笠原流女礼抄』（1896年）[7][8]がある[9] [15]

栄典

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位階
爵位
授章

系譜

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脚注

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  1. ^ 「3.小笠原豊千代丸様御領分上毛郡小祝村（ならびに）高濱与」『中津藩 : 歴史と風土』半田隆夫 解説・校訂、中津市立小幡記念図書館〈津藩史料叢書 第12輯〉、1992年3月。国立国会図書館書誌ID:000002181747。 
  2. ^ エス・ケイ・ケイ 編「人物名（日本人名情報索引）：小笠原 忠忱 [豊千代丸，錦陵]」『国際人事典 幕末・維新』毎日コミュニケーションズ、1991年6月。 
  3. ^ 西田英樹『歴史読本』第8号、Kadokawa、1968-2015、428-、国立国会図書館書誌ID:000000024399-d7975382。 
  4. ^ 千田稔『華族総覧』講談社現代新書、2009年7月、483頁。ISBN 978-4-06-288001-5。 
  5. ^ 衆議院 1990, p. 24, 「伯爵議員」
  6. ^ a b c 『官報』第4078号、大蔵省印刷局 編、日本マイクロ写真 製作、1897年2月6日。 
  7. ^ 倉地武太夫、1896年7月（明治29年）。国立国会図書館書誌ID:000000422194。 
  8. ^ 水島 卜也『女礼式 : 小笠原流』書写者不明。 
  9. ^ 小泉 吉永『女性礼法』クレス出版〈近世礼法書集成〉、2008年。 
  10. ^ 梅谷 知世「小笠原流礼法書『女礼集』にみる腰巻について」『服飾美学』第51号、服飾美学会、西宮、2010年9月、41-44頁、CRID 1520290884252909312。 
  11. ^ 柴崎 直人「東京府「小学女礼式」停止の経緯に関する一考察 : 明治10年代の礼儀に関する教育関係者と小笠原流礼法」『学習院大学教職課程年報』第6号、学習院大学教職課程、東京、2019年、43–51頁、CRID 1520009407043816832、ISSN 2189-3403。 
  12. ^ 柴崎 直人「「小学女礼式」の成立に関する一考察 : 明治10年代の礼儀の教育における小笠原流礼法のかかわり」『学習院大学教育学・教育実践論叢』第6号、学習院大学文学部、東京、2020年3月、69-80頁、CRID 1520853834049533824、ISSN 2189-1524。 
  13. ^ 柴崎 直人「東京府「小学女礼式」停止の経緯に関する一考察 : 明治10年代の礼儀に関する教育関係者と小笠原流礼法」『学習院大学教職課程』第6号、2020年6月26日、43-51頁、CRID 1050860255303239168、ISSN 2189-3403。 
  14. ^ 柴崎 直人「小笠原流礼法による女礼教師教育とその教育方法について : 明治10年代の礼儀の教育における小笠原流礼法の関わり」『岐阜大学大学院教育学研究科教職実践開発専攻』第5号、2022年、1-9頁、CRID 1520292182355976192、ISSN 2433-3719。 掲載誌欧文題名『Journal of the Graduate School for Teaching Profession, Gifu University』
  15. ^ 梅谷 知世[10]、柴崎 直人[11][12][13] [14]の考察がある。
  16. ^ 「叙任及辞令」『官報』第3301号、大蔵省印刷局 編、日本マイクロ写真 製作、1894年7月2日、国立国会図書館書誌ID:000000078538。 
  17. ^ 「叙任及辞令」『官報』第307号、大蔵省印刷局 編、日本マイクロ写真 製作、1884年7月8日、国立国会図書館書誌ID:000000078538。 
  18. ^ 「彙報」『官報』第1218号、大蔵省印刷局 編、日本マイクロ写真 製作、1887年7月21日、国立国会図書館書誌ID:000000078538。 
  19. ^ 小笠原豊 著「直さんの事」、室淳 編『近衛直麿追悼録』室淳、1933（昭和8）、16頁。 

参考文献

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  • 衆議院、参議院 編「伯爵議員」『議会制度百年史 貴族院・参議院議員名鑑』衆議院、1990年11月、24頁。doi:10.11501/9673684。 
日本の爵位
先代
叙爵 		伯爵
（小倉）小笠原家初代
1884年 - 1897年 		次代
小笠原長幹
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