大磯町

神奈川県中郡の町
大磯から転送)

大磯町(おおいそまち)は、神奈川県湘南地域西部に位置し、中郡に属する

おおいそまち ウィキデータを編集
大磯町
大磯町旗 大磯町章
大磯町旗 大磯町章
1964年8月15日制定[1]
日本の旗 日本
地方 関東地方
都道府県 神奈川県
中郡
市町村コード 14341-3
法人番号 2000020143413 ウィキデータを編集
面積 17.18km2
(境界未定部分あり)
総人口 30,833[編集]
推計人口、2024年10月1日)
人口密度 1,795人/km2
隣接自治体 平塚市、中郡二宮町
町の木 クロマツサザンカ
町の花 ハマヒルガオ
町の鳥 カモメアオバト(2010年追加登録)
大磯町役場
町長 池田東一郎
所在地 255-8555
神奈川県中郡大磯町東小磯183番地
北緯35度18分25秒 東経139度18分41秒 / 北緯35.30689度 東経139.31131度 / 35.30689; 139.31131座標: 北緯35度18分25秒 東経139度18分41秒 / 北緯35.30689度 東経139.31131度 / 35.30689; 139.31131
大磯町役場
地図
町役場位置
外部リンク 公式ウェブサイト

大磯町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町 / ― 村

特記事項 市外局番(0463)
湘南平が平塚市との境界未定
ウィキプロジェクト
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人口は約3.1万人。

地理

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大磯町中心部の空中写真。1988年撮影の3枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

大磯町は神奈川県の中央南部に位置し、南は相模湾、北は高麗山や鷹取山をはじめとした大磯地塊の丘陵地帯(大磯丘陵)で、この大磯丘陵が町域の大部分、約65パーセントを占める[2][3]。相模湾には葛川水系の不動川葛川が合流して注ぐ[4][5]。北と東を平塚市、西は二宮町に接する[3]。町域は東西約7.6キロメートル、南北約4.1キロメートルでやや東西に長く、面積は17.23平方キロメートル(大磯町による)[3]

国道1号を初め、JR東海道本線西湘バイパス国道134号小田原厚木道路(国道271号)が通じ、市街地は国道1号沿いの平坦部に形成されている[3][6]。日本最初とも言われる海水浴場が開かれて以来、湘南の別荘地、保養地として発展[7]第二次世界大戦後は首都圏の拡大に伴って宅地化が進み、現在は住宅都市[6][8]。気候は海岸沿いに流れる暖流の影響で温暖であり、湘南でも休養地として最適とされる[3][6]

歴史

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歌川広重「大磯」
 
昭和初期の大磯(1933年9月)

別荘地

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元軍医総監の松本順が「海水浴場開設論」を打ち出し、1887年(明治20年)に大磯駅が開業すると、駅前の高台[10]に要人の避暑・避寒地として邸宅や別荘が多く建てられた。特に伊藤博文吉田茂のそれは特に有名である。この他に山縣有朋西園寺公望大隈重信陸奥宗光岩崎弥之助安田善次郎といった政財界要人の別荘が立ち並んだ。1907年(明治40年)頃の大磯には150戸以上の別荘があったと言われ、「政界の(あるいは湘南の)奥座敷」と称された[11]

現在は、企業の保養所や研修所として利用されている所が多く、一般公開されているのはごく一部である。歴史的価値のある別荘の多くはマンション建設や宅地分譲などで姿を消しつつある。旧伊藤博文邸(滄浪閣)は西武から新たな企業に売却された。

現存する建物の多くは関東大震災(1923年)後の再建である。日本政府は2017年11月、大隈、伊藤、陸奥、西園寺邸などを「明治記念大磯庭園」として整備することを閣議決定した。明治改元150年記念ツアーでも人気が高かったが、老朽化した建物群をどう調査・保存するかが課題となっている[12]

吉田茂の場合は首相退陣後、大磯にて隠棲生活を送った。晩年も政界への影響力を保持していた為、「大磯」は吉田茂を示す別称(政界用語)でもあり、国内外の要人来訪も相次いだ。吉田没後も1979年の日米首脳会談の会場となった。2009年に火災により全焼したが、寄付金により再建され、2017年4月1日に大磯町郷土資料館別館として公開された[13]。同年10月23日には、河野太郎外相と訪日したミクロネシア連邦大統領との懇談・夕食会場として使われた[14]

人口

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人口は総数31,461。

男性:15,342

女性:16,119

世帯数は12,794(令和4年2月1日現在)

行政

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歴代首長

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氏名 就任日 退任日
初代 曽根田恭男 1954年(昭和29年)12月15日 1962年(昭和37年)12月14日
2代 中島玄良 1962年(昭和37年)12月15日 1970年(昭和45年)12月14日
3代 豊田由登 1970年(昭和45年)12月15日 1982年(昭和57年)12月14日
4代 高島健二 1982年(昭和57年)12月15日 1990年(平成2年)12月14日
5代 石井宣和 1990年(平成2年)12月15日 1998年(平成10年)12月14日
6代 片野一雄 1998年(平成10年)12月15日 2002年(平成14年)12月14日
7代 三澤龍夫 2002年(平成14年)12月15日 2006年(平成18年)12月14日
8代 三好正則 2006年(平成18年)12月15日 2010年(平成22年)12月14日
9代 中﨑久雄 2010年(平成22年)12月15日 2022年(令和4年)12月14日
10代 池田東一郎 2022年(令和4年)12月15日

都道府県の行政機関

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行政区域の変遷

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旧国府村役場が置かれた場所(写真の建物は現大磯町役場国府支所
  • 1889年4月1日 市町村制施行により、神奈川県淘綾郡大磯町(大磯宿+西小磯村+高麗村+東小磯村)、国府村(生沢村+寺坂村+黒岩村+国府本郷村+虫窪村+国府新宿村+西窪村)が成立
  • 1896年3月26日 淘綾郡が大住郡と合併、中郡
  • 1952年4月1日 国府村に町制施行、国府町
  • 1954年12月1日 大磯町と国府町が合併、新たに大磯町が発足

地区

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  • 大磯(おおいそ) - 旧大磯町
    • 高麗(こま) - 旧高麗村
    • 東町(ひがしちょう)
    • 大磯(おおいそ) - 旧大磯宿
    • 東小磯(ひがし-こいそ) - 旧東小磯村
    • 西小磯(にし-こいそ) - 旧西小磯村
    • 山王町(さんのうちょう)
    • 長者(ちょうじゃ)
  • 国府(こくふ) - 旧国府町 (国府村)
    • 寺坂(てらさか) - 旧寺坂村
    • 生沢(いくさわ)- 旧生沢村
    • 黒岩(くろいわ) - 旧黒岩村
    • 西窪(にしくぼ) - 旧西窪村
    • 虫窪(むしくぼ) - 旧虫窪村
    • 国府本郷(こくふ-ほんごう) - 旧国府本郷村
    • 国府新宿(こくふ-しんしゅく) - 旧国府新宿村

議会

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町議会

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神奈川県議会

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2023年神奈川県議会議員選挙
  • 選挙区:大磯町・二宮町選挙区
  • 定数:1人
  • 執行日:2023年4月9日
  • 当日有権者数:51,349人
  • 投票率:40.78%
候補者名 当落 年齢 党派名 新旧別 得票数
吉川諭 40 無所属 10,481票
盛宏明 38 自由民主党 9,941票
2019年神奈川県議会議員選挙
  • 選挙区:大磯町・二宮町選挙区
  • 定数:1人
  • 執行日:2019年4月7日
候補者名 当落 年齢 所属党派 新旧別 得票数 備考
池田東一郎 57 無所属 無投票 2022年11月18日に辞職

衆議院

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当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 重複
河野太郎 58 自由民主党 210,515票
佐々木克己 66 社会民主党 46,312票
渡辺麻里子 45 NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で 8,565票

姉妹都市・提携都市

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日本国内

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日本国外

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教育・福祉

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学校教育

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幼稚園
  • 大磯町立大磯幼稚園
  • 私立こいそ幼稚園[注釈 1]
  • 大磯町立たかとり幼稚園
幼保連携型認定こども園
  • あおばと
  • サンキッズ国府
小学校
中学校
高等学校
大学

社会教育

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ホール・集会場
  • 大磯町立生涯学習館
図書館
  • 大磯町立図書館
    • 国府分館
博物館
体育施設

福祉

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保育園
  • サンキッズ大磯
  • 大磯町立国府保育園
小規模保育施設
  • もあなこびとのこや
児童養護施設
児童自立支援施設
  • 神奈川県立おおいそ学園(町立国府小学校・国府中学校生沢分校を園内に設置)

交通

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鉄道路線

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東日本旅客鉄道(JR東日本)
 
東海道線上野東京ライン  湘南新宿ライン

バス路線

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道路

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名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事

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行事・民俗芸能

大磯八景

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大磯八景は1905年に葉書シリーズが出たもので、高麗寺晩鐘、小餘綾晴嵐、照ヶ崎帰帆、化粧坂夜雨、花水橋夕照、鴫立澤秋月、唐ヶ原落雁、富士山慕雪が選ばれている。[21]

著名な人物

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出身者

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居住者

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所縁のある人物

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震災対策

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相模トラフ沿いで発生すると考えられている相模トラフ巨大地震を想定した対策が検討されている。2015年3月、津波浸水想定検討部会による将来的な津波浸水予測が発表され、大磯町で17mの津波が襲う可能性を指摘され、ハザードマップの早急な見直しが図られている現状にある[22]

その他

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  • 郵便番号は以下の通りとなっている。2006年10月2日に変更。
  • ラッカセイ渡辺慶次郎1871年横浜で落花生の種を譲り受け、大磯の畑で栽培されたのが日本で最初と言われている。花は咲いたが何も実を結ばないので、こんなものと足蹴りしたら地中から出てきて地下結実性であることが判明した。経済栽培に向けて、販売先の確保のため、地元旅館に試食を依頼したが「客は喜んだが、座敷が汚されて困る」と断られた逸話が残っている。その後、明治10年に0.4リットル袋入りにて横浜の駄菓子屋に売り込んだところ、盛況となり、経済栽培への見通しがたち、全国へ普及していった。
  • 「大磯砂」とは、貝殻や珊瑚のかけら等で構成される小粒の海産砂利の総称であり、以前は大磯海岸で採取されたものが水槽用に流通していたため、その名残でそう呼ばれている。現在は、採取が禁止されており、神奈川の大磯海岸で採れた砂利ではなく輸入物がほとんどである。

関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ 2012年4月に旧小磯幼稚園を町から学校法人小磯学園に移管。

出典

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  1. ^ 図典 日本の市町村章 p92
  2. ^ 大磯町 ブリタニカ国際大百科事典”. コトバンク. 2022年7月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e 町の地勢|大磯町ホームページ”. www.town.oiso.kanagawa.jp. 2022年7月26日閲覧。
  4. ^ 【不動川】国府橋周辺箇所河川改修事業|大磯町ホームページ”. www.town.oiso.kanagawa.jp. 2022年7月26日閲覧。
  5. ^ 神奈川県. “河川”. 神奈川県. 2022年7月26日閲覧。
  6. ^ a b c 日本大百科全書(ニッポニカ). “大磯(町)とは”. コトバンク. 2022年7月26日閲覧。
  7. ^ 第2版, 百科事典マイペディア,世界大百科事典. “大磯町とは”. コトバンク. 2022年7月26日閲覧。
  8. ^ 大磯町とは”. コトバンク. 2022年7月26日閲覧。
  9. ^ 「大磯八景」の「唐ヶ原落雁」 (大磯町)
  10. ^ 千田稔『華族総覧』講談社現代新書、2009年7月、561頁。ISBN 978-4-06-288001-5 
  11. ^ 明治政界の奥座敷湘南の奥座敷 大磯町の観光情報サイト(大磯町)2019年4月6日閲覧。
  12. ^ 「明治政界の奥座敷 脚光/大磯の邸宅群 限定ツアーに2万人/再建や改築 保存、調査課題」東京新聞』夕刊2019年2月12日(社会面)2019年4月6日閲覧。
  13. ^ 大磯城山公園「旧吉田茂邸地区」が全面開放しました神奈川県庁ホームページ(2017年6月6日)
  14. ^ 河野外務大臣とクリスチャン・ミクロネシア連邦大統領との懇談及び夕食会 外務省報道発表(2017年10月23日)
  15. ^ 大磯町の姉妹都市について”. 大磯町. 2022年3月19日閲覧。
  16. ^ 文豪 島崎藤村”. 小諸市. 2022年3月19日閲覧。
  17. ^ 姉妹都市 アメリカ合衆国デイトン市”. 大磯町. 2022年3月19日閲覧。
  18. ^ 姉妹提携データ”. 一般財団法人自治体国際化協会. 2022年3月19日閲覧。
  19. ^ 浅井建爾『道と路がわかる辞典』(初版)日本実業出版社、2001年11月10日、127頁。ISBN 4-534-03315-X 
  20. ^ 地福寺地福寺と西澤山萬福庵永昌寺
  21. ^ 大磯八景 (大磯町)
  22. ^ 「神奈川県が津波浸水予測 大磯、二宮で最大17メートル 到達時間、大幅に早まる」『産経新聞』2015.03.04

外部リンク

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