大峯顕
大峯 顕(おおみね あきら、1929年7月1日 - 2018年1月30日)は、日本の哲学者、浄土真宗僧侶、俳人。学位は、文学博士(京都大学・論文博士・1976年)。大阪大学名誉教授、元龍谷大学教授。専立寺前住職。学者としての専攻は宗教哲学。中期フィヒテ研究・西田幾多郎研究で知られる。俳号は大峯 あきら。
経歴
編集奈良県吉野郡大淀町出身。旧制奈良県立畝傍中学校を経て、1953年、京都大学文学部宗教学科卒業、1959年、京都大学大学院文学研究科博士課程修了。
1959年、京都大学文学部助手。1966年、大阪外国語大学助教授。1971年より1972年まで、文部省在外研究員としてハイデルベルク大学留学。1973年、大阪外国語大学教授。1976年、「フィヒテの宗教哲学」で、京都大学より文学博士の学位を取得。1980年、大阪大学教養部教授。1992年定年退官、大阪大学名誉教授、龍谷大学教授。浄土真宗教学研究所長。
俳句は、1950年に「ホトトギス」に投句し高浜虚子に師事。1953年、波多野爽波の「青」創刊に参加、1963年同人。1984年、「青」同人を辞し、宇佐美魚目、岡井省二らと同人誌「晨」(しん)を創刊、代表同人。1994年より毎日俳壇選者。2002年、句集『宇宙塵』で第42回俳人協会賞受賞。2011年、句集『群生海』で第52回毎日芸術賞、第26回詩歌文学館賞受賞。2015年、句集『短夜』で第49回蛇笏賞、第7回小野市詩歌文学賞受賞。
「人間だけでなく、世界の中のすべての物は季節の内にある。季節とはわれわれの外にある風物のことではなく、われわれ自身をも貫いている推移と循環のリズムのことである」(「季節のコスモロジー」『懐徳』60号、1991年)という世界観からの作句を行っている。
2018年1月30日、急性心臓死のため逝去[1]。87歳没。
著作
編集句集
編集- 『紺碧の鐘』(牧羊社) 1976
- 『吉野』(角川書店、現代俳句叢書) 1990
- 『大峯あきら句集』(ふらんす堂、現代俳句文庫) 1994
- 『夏の峠』(花神社、花神俳人選) 1997
- 『宇宙塵』(ふらんす堂) 2001
- 『牡丹』(角川書店) 2005
- 『星雲 大峯あきら自選句集』(ふらんす堂) 2009
- 『群生海 大峯あきら句集』(ふらんす堂) 2010
- 『大峯あきら ベスト100』(ふらんす堂、シリーズ自句自解) 2011
- 『短夜』(KADOKAWA) 2015
宗教書・哲学書
編集- 『フィヒテ研究』(創文社) 1976
- 『花月の思想 - 東西思想の対話のために』(晃洋書房) 1989
- 『今日の宗教の可能性』(本願寺出版社) 1989
- 『親鸞のコスモロジー』(法蔵館) 1990
- 『親鸞のダイナミズム』(法蔵館) 1993
- 『宗教と詩の源泉』(法蔵館) 1996
- 『宗教への招待』(本願寺出版社) 1997、のち放送大学教育振興会 1999
- 『蓮如のラディカリズム』(法蔵館) 1998
- 『法蔵菩薩と生命世界』(百華苑)
- 『なぜ名が救いか』(百華苑)
- 『さよならはない世界』(百華苑)
- 『生命の要求』(百華苑)
- 『誓願の不思議』(百華苑) 2000
- 『よきひとの仰せ』(百華苑) 2001
- 『悪人成仏』(百華苑) 2001
- 『大慈悲心』(百華苑) 2001
- 『本願海流』(本願寺出版社) 2001
- 『弟子一人ももたず』(百華苑) 2002
- 『哲学の仕事部屋から 花月のコスモロジー』(法蔵館) 2002
- 『無碍の一道』(百華苑) 2003
- 『なごりをしくおもへども』(百華苑) 2003
- 『永遠なるもの - 歴史と自然の根底』(法蔵館) 2003
- 『自然の道理』(百華苑) 2004
- 『宗教の授業』(法蔵館) 2005
- 『誓願か 名号か』(百華苑) 2005
- 『教学は何のためか『歎異抄』第十二条』(百華苑) 2006
- 『宿業と自由』(百華苑) 2006
- 『念仏申さずしてをはるとも』(百華苑) 2007
- 『即身成仏と信心決定』(百華苑) 2009
- 『高僧和讃を読む』(本願寺出版社) 2008 - 2009
- 『仏法は無我にて候』(国東仏教研究会)
- 『正像末和讃を読む』(本願寺出版社) 2010 - 2011
編著・共著
編集脚注
編集- ^ “俳人・大峯あきらさん死去 僧侶で阪大名誉教授”. 朝日新聞. (2018年1月31日) 2018年1月31日閲覧。
参考文献
編集外部リンク
編集- 現代俳句人名事典における大峯あきらの俳句(現代俳句協会)
- 大峯あきらの句の鑑賞 - ウェイバックマシン(2015年5月6日アーカイブ分)(増殖する俳句歳時記)
- 書斎訪問 大峯あきら代表(前編) - YouTube - (後編) - YouTube(俳句界News)