国土開発幹線自動車道建設会議
国土開発幹線自動車道建設会議(こくどかいはつかんせんじどうしゃどうけんせつかいぎ)とは、国会議員や有識者から構成され、国土開発幹線自動車道建設法・高速自動車国道法に基づき全国で計画されている、国土開発幹線自動車道(総延長11,520 km)などの建設・整備を審議する2003年(平成15年)12月25日に設置された国土交通大臣の諮問機関である。国幹会議(こっかんかいぎ)と略される。
概要
編集前身の国土開発幹線自動車道建設審議会(国幹審)と合わせると、国幹審32回、国幹会議4回の計36回の審議で延べ9,428 kmの整備計画を決定した。
以前より前原誠司国土交通大臣が記者会見で「(国幹会議は)急に招集されて議論は数分」と批判し、廃止を表明していた。法案では当会議の根拠となっている国土開発幹線自動車道建設法を廃止し、また高速自動車国道法が改正される。道路行政の象徴とされており、民主党の政策集にも当会議の廃止が掲げられており、2009年(平成21年)8月30日の第45回衆議院議員総選挙で308議席を獲得し第1党に躍進、政権交代を果たしたことから当会議の廃止の可能性が高くなっていた。国土交通省は2010年(平成22年)1月12日に当会議を廃止する法案を1月18日に召集される第174通常国会に提出すると発表した。しかし12月に廃案となった。
2009年(平成21年)9月29日の記者会見で前原大臣は「(道路が)必要がどうかは厳格な基準を設けて慎重に見直す。中心になるのは費用対効果だと思う。」と述べていたが、廃止後は社会資本整備審議会(社整審)での議論を義務付け、高速道路の新規着工が審議されることになった。
廃止により第4回開催時の決定事項は見直されない予定であったが、民主党の2009年度補正予算の見直しにより、第4回に決定された高速道路6区間の4車線化事業が凍結された。しかし、3ヶ月後の2009年12月22日に前原国土交通大臣は記者会見で「執行施工方法や施工主体を見直すとは言ったが4車線化を否定しているわけではない。国幹会議の決定は尊重したい」と述べ、2010年度の予算案に一部の着工を盛り込むことを表明し、4車線化事業の凍結を解除することが明らかになった。予算が限られているために優先順位を決め、高い区間より順次着工される。その後その案も廃案となり、最終的に2012年度から国費を使用せずに順次着工することとなった。
2015年(平成27年)11月13日に高速自動車国道法施行令の一部改正が閣議決定され、11月18日の施行された。合わせて高速自動車国道施行規則が11月18日に公布・施行された。迅速な暫定2車線化を目的に、この改正により暫定2車線区間の4車線化等や、暫定2車線区間の4車線化等や天災による工期の延長等のやむを得ない事由で学識経験者の意見を聴いて適当と認める範囲内の増額に関する整備計画の変更を国幹会議を経ずに可能となった[1][2]。
沿革
編集構成委員(第4回開催時)
編集衆議院議員
参議院議員
有識者
各回の開催状況
編集第1回国土開発幹線自動車道建設会議
編集第2回国土開発幹線自動車道建設会議
編集- 会社の自主性を尊重した会社整備区間の確定
- 新直轄方式の対象区間の確定
- 更なるコスト削減の具体化
第3回国土開発幹線自動車道建設会議
編集- 開催日 : 2007年12月25日
- 開催概要 :
第4回国土開発幹線自動車道建設会議
編集- 新たな整備計画の策定
- 暫定2車線区間の4車線化等に伴う整備計画の変更
- 市町村合併に伴う整備計画の変更
国土開発幹線自動車道建設審議会
編集国土開発幹線自動車道建設審議会(こくどかいはつかんせんじどうしゃどうけんせつしんぎかい)とは、1957年に第1回が開催された以降、2001年の第32回まで、国土開発幹線自動車道建設法に基づき全国で計画されている、国土開発幹線自動車道などの建設・整備を審議していた国土交通大臣の諮問機関である。国幹審(こっかんしん)と略される。
第32回開催時以降は、当会議(国幹会議)に引き継がれる形となり事実上の国幹会議の前身である。
脚注
編集- ^ “高速自動車国道法施行令の一部を改正する政令案の閣議決定について”. 国土交通省 (2015年11月13日). 2022年1月27日閲覧。
- ^ “高速自動車国道法施行令の一部を改正する政令・高速自動車国道法施行規則の一部を改正する省令の公布について”. 国土交通省 (2015年11月18日). 2022年1月27日閲覧。