井上毅 (学芸員)
井上 毅(いのうえ たけし、1969年 - )は、日本の学芸員、プラネタリウム解説者。明石市立天文科学館館長[1]、山口大学時間学研究所客員教授[2][3]。
いのうえ たけし 井上 毅 | |
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生誕 |
1969年(54 - 55歳) 日本・兵庫県姫路市 |
職業 | 学芸員、プラネタリウム解説者 |
肩書き | 明石市立天文科学館館長 |
経歴
編集兵庫県姫路市出身[1]。兵庫県立姫路西高校[4]から名古屋大学理学部[4]を経て、名古屋大学大学院理学研究科大気水圏科学専攻修了、理学修士[3][4]。1995年から1997年まで、愛知県旭町(現豊田市)の旭高原元気村天文台に在職[1]。1997年、明石市立天文科学館学芸員[1]。2005年、軌道星隊シゴセンジャーの登場とともにブラック星博士関連業務を開始[5]。2012年、同館学芸係長[3][6]。2017年から館長を務める[1]。
人物
編集明石市立天文科学館の人気キャラクター[7][8]・ブラック星博士[9][10][11][12]のマネージャー[13]を務める。
日本プラネタリウム協議会「プラネタリウム100周年」記念事業実行委員会の実行委員長を務める[14]。近代プラネタリウム誕生からちょうど100年となる2023年10月には単著『星空をつくる機械 プラネタリウム100年史』(KADOKAWA)を発刊[14]。日本プラネタリウム協議会「日本のプラネタリウム史」ワーキンググループの代表を務めた[15][16]。
世界天文年2009日本委員会企画委員[17]、「めざせ1000万人!みんなで星を見よう」プロジェクト世話人代表[18]。「ガリレオ望遠鏡精密復元プロジェクト」を提案し、監修にあたった[19][20]。
金環日食限界線研究会代表[21]、金環日食限界線共同観測プロジェクト代表[22]。日本各地のアマチュア天文家や社会教育施設職員、教員、天文学者と連携し、2012年5月21日に日本列島を横断した金環日食を約3万人[23]の共同観測で出迎えた[21][24][25][26]。
時の記念日制定100周年および明石市立天文科学館開館60周年となる2020年、国立科学博物館において“100年ぶり”の開催となった「時」展覧会2020[27][28]の実現に尽力[29][30]。同展は明石市立天文科学館でも同時開催された[31]。
2020年6月10日(時の記念日、明石市立天文科学館開館記念日)には、東経135度に位置する明石市立天文科学館を拠点に、東は北海道名寄市(なよろ市立天文台、東経142度28分59秒[32])から西は沖縄県石垣市(石垣島天文台、東経124度10分16秒[33])まで計10箇所の天文施設を中継で結び、日本国内の「時差」と日本標準時が実感できる「全国天文台子午線リレー」(なんちゅう企画)の生配信を行った[34][35][36]。
2017年から2020年まで年1回発行された特殊切手の『天体』シリーズ全4集[37][38][39][40]を監修[41][42]。本シリーズは第1集から4集までを横に並べるとひとつのストーリーとしてつながっており、「上段は星の一生、下段は太陽系の広がり、最後に両者が合流する」デザインとなっている[41]。
円舘金と渡辺和郎が1997年10月25日に発見した小惑星番号10616の小惑星が、Inouetakeshiと命名されている[43]。
著書
編集脚注
編集出典
編集- ^ a b c d e 井上毅 (2017年7月28日). “「プラ『レア』リウム33箇所巡り」の大冒険”. 論座. 2020年10月19日閲覧。
- ^ “Member”. 山口大学時間学研究所. 2020年10月19日閲覧。
- ^ a b c “所員一覧 宇宙地球科学部門”. 山口大学時間学研究所. 2021年5月15日閲覧。
- ^ a b c “明石市立天文科学館学芸員井上毅さん(1) - 兵庫 - 地域情報 - インタビューズ”. 朝日新聞デジタル (2012年9月25日). 2013年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月19日閲覧。
- ^ 「全国プラネタリウム大会;前橋2015 報告」『日本プラネタリウム協議会 会誌』第11号、2015年10月。
- ^ “開館55周年事業”. 明石市立天文科学館. 2020年10月19日閲覧。
- ^ “シゴセンジャー&ブラック星博士 マスコットストラップを販売します!”. 明石市役所 (2017年10月24日). 2020年10月19日閲覧。
- ^ “オリジナルグッズ”. 明石市立天文科学館. 2020年10月19日閲覧。
- ^ “ブラック星博士”. 明石市立天文科学館. 2020年10月19日閲覧。
- ^ “宇宙ダジャレ ホシいまま 明石天文館でショーの悪役、笑いで学びへ引き込みマーズ 井上毅”. 日本経済新聞 (2015年12月22日). 2020年10月19日閲覧。
- ^ 井上毅 (2010年2月26日). “軌道星隊シゴセンジャーの活躍と連携について”. 全国科学博物館協議会 第17回研究発表大会. 2020年10月19日閲覧。
- ^ ブラック星博士、井上毅 (2018). “ブラック星博士・エピソードX ~これまでの歩みと将来構想~”. 第32回天文教育研究会集録 (日本天文教育普及研究会): 58-59.
- ^ a b c 井上毅「星空をつくる機械 プラネタリウム100年史」、KADOKAWA、2021年7月30日、ISBN 9784044007355。
- ^ “ワーキンググループ”. 日本プラネタリウム協議会. 2020年10月19日閲覧。
- ^ 児玉光義 (2020年7月). “技術の系統化調査報告 第29集「プラネタリウム技術の系統化調査」”. 国立科学博物館産業技術史資料情報センター. p. 103. 2020年7月30日閲覧。
- ^ “世界天文年2009:組織” (2018年12月). 2019年5月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年10月19日閲覧。
- ^ 石坂千春、渡部潤一、井上毅ほか「世界天文年、6500 万人以上が星を見た! ~「めざせ 1000 万人!みんなで星を見よう」実施報告~」『天文教育』第22巻第4号、天文教育普及研究会、2010年、50-57頁、2020年10月19日閲覧。
- ^ 井上毅「ガリレオの望遠鏡精密復元プロジェクト」『天文月報』第102巻第12号、日本天文学会、2009年、806-807頁、2020年10月19日閲覧。
- ^ 秋山晋一「「ガリレオの望遠鏡 精密復元」の調査記録 ~400年前の望遠鏡作りへの誘い~」『天文教育』第22巻第2号、天文教育普及研究会、2010年、8-19頁、2020年10月19日閲覧。
- ^ a b 石坂千春、金環日食限界線研究会「日食めがねによる金環日食限界線観測 ―みんなで作った日食マップ―」(PDF)『大阪市立科学館研究報告』第23号、大阪市立科学館、2013年、7-12頁、2022年5月23日閲覧。
- ^ “金環日食限界線共同観測プロジェクト・メンバー”. 2020年10月19日閲覧。
- ^ 金環日食限界線研究会 (2012年5月24日). “金環日食限界線研究会プレスリリース(第2号)”. 2020年10月21日閲覧。
- ^ 井上毅 (2013年2月27日). “金環日食限界線プロジェクト チームRまとめ”. 2020年10月21日閲覧。
- ^ 金環日食限界線研究会 (2013年2月27日). “日食メガネによる限界線観測の結果について”. 2020年10月21日閲覧。
- ^ 井上毅、黒河宏企、家邉國昭、山村秀人、相馬充、宮下和久「特集 太陽半径研究会」『あすとろん』第26号、特定非営利活動法人花山星空ネットワーク、2014年3月31日、1-42頁、2020年10月21日閲覧。
- ^ “時の記念日100周年企画展 「時」展覧会2020”. 国立科学博物館. 2020年10月19日閲覧。
- ^ ““時間”がテーマ「時」展覧会2020、上野・国立科学博物館で、時計の進化や時間意識の変化を紹介”. ファッションプレス. 2020年10月19日閲覧。
- ^ 井上 毅・佐々木勝浩「1920年に東京教育博物館で開催された「時」展覧会の出品物の調査」『国立科学博物館研究報告 E類(理工学)』第38巻、国立科学博物館、2015年、23-24頁、2020年10月19日閲覧。
- ^ 井上毅 (2019年2月15日). “2020年。「時の記念日」100周年!”. 全国科学博物館協議会 第26回研究発表大会. 2020年10月19日閲覧。
- ^ “特別展 「時」展覧会2020in明石”. 明石市立天文科学館. 2020年10月19日閲覧。
- ^ “アクセス:なよろ市立天文台 きたすばる”. なよろ市立天文台. 2020年10月22日閲覧。
- ^ “石垣島局(国立天文台)-観測局情報”. 国立天文台. 2020年10月22日閲覧。
- ^ “時の記念日オンラインイベント”. 明石市立天文科学館. 2020年10月19日閲覧。
- ^ 時の記念日100周年 全国天文台子午線リレー【手話付き】 - YouTube
- ^ 井上毅 (2020). “なんちゅう企画!全国天文台子午線リレーの経緯(敬意)”. 第34回天文教育研究会集録 (日本天文教育普及研究会): 127-130.
- ^ “特殊切手「天体シリーズ 第1集」の発行”. 日本郵便 (2017年12月7日). 2021年3月9日閲覧。
- ^ “特殊切手「天体シリーズ 第2集」の発行”. 日本郵便 (2018年12月17日). 2021年3月9日閲覧。
- ^ “特殊切手「天体シリーズ 第3集」の発行”. 日本郵便 (2019年12月5日). 2021年3月9日閲覧。
- ^ “特殊切手「天体シリーズ 第4集」の発行および販売品「天体シリーズ特別切手帳」の発売”. 日本郵便 (2020年12月3日). 2021年3月9日閲覧。
- ^ 井上毅、永田美絵、田畑勇一、唐崎健嗣 (6 March 2021). のんびりプラネタリウム第9回 - YouTube.
- ^ “10616 Inouetakeshi (1997 UW8)”. JPL Small-Body Databese Browser. JPL. 2020年10月19日閲覧。
- ^ 井上毅「時の記念日のおはなし」、明石市立天文科学館、2019年。
- ^ 佐々木勝浩/井上毅/広田雅将/細川瑞彦/藤沢健太「時間の日本史」、小学館、2021年7月30日、ISBN 9784093888189。
外部リンク
編集- 井上毅(いのうえたけし) (@inoue_takeshi_) - X(旧Twitter)
- ブラック星博士 (@drbkstar) - X(旧Twitter)
- とほり天文台ブログ