ヴィーンヌィツャ (コルベット)

U206 ヴィーンヌィツャ(ウクライナ語:U206 Вінницяヴィーンヌィツャ)は、ウクライナコルベット(Корвет)である。艦名は同名の都市名に因む。

ドニエプル
U206 ヴィーンヌィツャ
旧ソ連ドニエプル時代のヴィーンヌィツャ。
艦歴
ドニエプル
Днепр
起工 1975年12月23日 ゼレノドーリスク造船工場
進水 1976年9月12日
竣工 1976年12月31日
所属 ソ連国家保安委員会
ロシア海軍黒海艦隊
除籍 1992年11月26日
U206 ヴィーンヌィツャ
U206 Вінниця
編入 1992年6月
所属 ウクライナ海軍
要目
艦種 コルベット
艦型 1124-P号計画「アリバトロース」型
工場番号 775
排水量 基準排水量 890 t
満載排水量 1010 t
全長 71.2 m
全幅 10.15 m
喫水 3.6 m
機関 ガスタービンM-813 2 基 18000 馬力
ディーゼルM-507A 2 基 20000 馬力
3 基
推進 2推進
電源 ディーゼル発電機DG-500 1 基
ディーゼル発電機DG-300 1 基
ディーゼル発電機DG-200 1 基
タービン発動機2 基 各1250 kWt
速力 最大速度 32 kn
ディーゼル機関1 基 7 kn
ディーゼル機関2 基 16 kn
ガスタービン機関 21 kn
航続距離 4000 /10 kn
2750 浬/14 kn(ディーゼル機関)
950 浬/27 kn
活動日数 9 日
燃料 130 t
10.5 t
27.2 t
乗員 士官 9 名
水兵 70 名
武装 57 mm連装両用AK-725 2 基(弾数各500 発)
533 mm2連装魚雷発射管DTA-53-1124 2 基(SET-65またはエノート2魚雷4 本)
12連装対潜ロケット弾発射機RBU-6000「スメールチ2」 2 基(RGB-60ロケット96 発)
爆雷投射器 2 基(爆雷20 個)
機雷 18 個まで
レーダー 対空・対水上捜索照準レーダーMR-302「ループカ」 1 基
航法レーダー「ヴァイガーチ」 1 基
射撃管制レーダー MR-103「バールス」(主砲用) 2 基
ソナー 垂下式「シェローニ」 1 基
キール固定式MG-322「アルグーニ」 1 基
電子戦装備 「ビザーニ-4B」 1 基
チャフ・フレア16連装発射機PK-16 2 基
諸装備 通信システム 1 式
敵味方識別装置 各種
搭載機 なし

概要

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ソ連時代

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ヴィーンヌィツャは、ソ連時代にソ連国家保安委員会(KGB)向けの国境警備艦として建造された。

1975年12月23日1124-P号計画によって建造される6番艦として、工場番号第775号艦がタタール自治ソヴィエト社会主義共和国A・M・ゴーリキイ記念ゼレノドーリスク造船所で起工された。1976年6月17日にはKGBの海上国境局に登録され、第780号艦はドニエプル川に因んでドニエプル(Днепрドニェープル)と命名された。

同年9月12日には進水、同年春にはアゾフ海に面したバラクラーヴァの内水システムに引き渡された。ドニエプルは、同地において海上公試を実施した。同年12月31日に試験が終了すると、国境局のバラクラーヴァ国境警備艦軍事管区西国境警備管区に配備された。

ドニエプルは、1977年4月7日から実質的な稼動体制に入った。その任務において、ドニエプルはクリミア半島沿海の黒海における200浬排他的経済水域の警備に当たった。

ウクライナ時代

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ソビエト連邦の崩壊後、ドニエプルはロシア海軍黒海艦隊に編入された。しかし、協議の結果ドニエプルはウクライナに引き渡されることとなった。1992年6月、ドニエプルはウクライナ海軍に編入されその名をU206 ヴィーンヌィツャと改めた。種別も、コルベットに変更された。同年11月26日には、ロシア海軍を正式に除籍された。なお、ウクライナ海軍への引渡しに伴い、艦首に彫刻されている「赤い星」は艦体色に塗り潰された。

ウクライナ海軍において、ヴィーンヌィツャは対任務を主とする小型戦闘艦艇として使用された。2001年にはムィコラーイウ61コムナール記念工場オーバーホールが実施された。2004年からは根拠地をセヴァストーポリに移し、2005年5月にはストリレーツィケに移した。

また、2005年8月3日から8月31日にかけて実施された黒海周辺国家による国際演習「黒海パートナーシップ2005」にヴィーンヌィツャはウクライナ海軍の代表として参加した。この演習には、他の年度にはフリゲートU130 ヘーチマン・サハイダーチヌイやコルベットのU200 ルーツィク海洋掃海艦U310 チェルニーニウが参加している。2005年度の参加国はブルガリアグルジアルーマニアトルコ、ウクライナで、演習艦隊はロシアを含む各国の都市港湾を巡回した。ウクライナでは海軍本拠地であるセヴァストーポリが提供され、同地ではヴィーンヌィツャの他、海洋掃海艦U311 チェルカースィ救難艦クレメーネツィが参加した。

近年では、2007年9月に実施されたウクライナ軍軍事演習「アルテーリヤ2007」(Артерія – 2007)に参加している。この演習は近年実施されたものの中では大規模なもので、戦闘艦艇は他に姉妹艦のU209 テルノーピリミサイルコルベットU155 プルィドニプローヴィヤが参加している。また、海軍からはKa-27PLおよびBe-12からなる対潜攻撃部隊、BTR-80などを装備した陸戦部隊が参加している。

2022年ウクライナ戦争開戦後ロシアのミサイル攻撃により海没し船体が横倒しになり左舷側が完全に水に浸かっている[1]。当艦は2021年に退役し、オチャコボ海軍基地の桟橋のドネプロバグ河口のキンバーンスピットの向かいに停泊し処分待ちだった[2]

脚注

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外部リンク

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画像リンク

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解説リンク

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