マッケンジー・マクドナルド

アメリカの男性テニス選手 (1995 - )

マイケル・マッケンジー・ラウ・マクドナルドMichael Mackenzie Lowe McDonald, 1995年4月16日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ピードモント英語版出身の男子プロテニス選手。ATPランキング最高位はシングルス37位、ダブルス49位。ATPツアーでシングルスの優勝はないが、ダブルスでは1勝を挙げている。身長178cm、体重73kg。右利き、バックハンド・ストロークは両手打ち。

マッケンジー・マクドナルド
Mackenzie McDonald
2023年モンテカルロ・マスターズでのマッケンジー・マクドナルド
基本情報
フルネーム Michael Mackenzie Lowe McDonald
愛称 マッキー(Mackie)
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 同・カリフォルニア州ピードモント英語版
生年月日 (1995-04-16) 1995年4月16日(29歳)
身長 178cm
体重 73kg
利き手
バックハンド 両手打ち
ツアー経歴
デビュー年 2016年
ツアー通算 1勝
シングルス 0勝
ダブルス 1勝
生涯獲得賞金 5,883,619 アメリカ合衆国ドル
4大大会最高成績・シングルス
全豪 4回戦(2021)
全仏 3回戦(2022)
全英 4回戦(2018)
全米 2回戦(2021・23)
4大大会最高成績・ダブルス
全豪 2回戦(2021)
全仏 3回戦(2022)
全英 2回戦(2024)
全米 ベスト8(2020)
4大大会最高成績・混合ダブルス
全米 2回戦(2024)
国別対抗戦最高成績
デビス杯 ベスト8(2024)
キャリア自己最高ランキング
シングルス 37位(2023年10月16日)
ダブルス 49位(2023年10月2日)
2024年11月28日現在

選手経歴

編集

ジュニア時代

編集

マクドナルドは3歳の時に父親と一緒にテニスを始めた。父親のマイケルは口腔外科医、母親のビビアン・ヤング、姉ダナ・ジョーンズは体操選手で、UCLAを卒業していた。幼い頃はロージー・バレイスに指導を受け、11歳からは元トップ10選手のウェイン・フェレイラに指導を受けた。それからはカリフォルニア州のピエモント高校に通っており、高校卒業後はUCLAで大学テニスをプレーし(2014~2016年)、プロに転向する前に2016年のNCAAシングルスとダブルスのタイトルを獲得。2016年の大学シーズンをシングルスとダブルスで国内1位の選手として終えた。子供の頃はロジャー・フェデラー、NBAの伝説的選手コービー・ブライアント、元UCLAバスケットボールコーチのジョン・ウッデンに憧れていた。

2013年 マスターズ初出場

編集

18歳の時にATPツアーのポイントをまだ保有していない状態で2013年ウエスタン・アンド・サザン・オープンの予選に出場した。そこでトップ100選手であったニコラ・マユスティーブ・ジョンソン (テニス選手) を破り、マスターズ本戦初出場を果たす。本戦1回戦ではダビド・ゴファンにストレート敗れたが、続く全米オープンの予選に主催者側推薦で出場することとなった。

2016年 プロ転向

編集
 
2016年全米オープンでのマッケンジー・マクドナルド

2016年NCAAディビジョンIのシングルスとダブルスで優勝[1]。同年、プロに転向する。年間最終ランキングは321位。

2017年 チャレンジャー初優勝

編集

南カリフォルニア大学で開催されたロサンゼルスフューチャーズにおいて決勝でカール・ショダールンドを6–4, 6–0で破り、フューチャーズ優勝。3月にはプロに移行する優秀な大学生テニス選手に与えられるOracle US TennisAwardsを受賞。その後フューチャーズダブルス部門でも優勝し、5回目のフューチャーズダブルスのタイトルを獲得した。10月にはATPチャレンジャーツアーを初優勝。年間最終ランキングは176位。

2018年 トップ100入り

編集
 
2018年ウィンブルドン選手権でのマッケンジー・マクドナルド

全豪オープンでは2回戦で第3シードのグリゴール・ディミトロフに6-4, 2-6, 4-6, 6-0, 6-8のフルセットの末に敗れた。2月のRBCテニス・チャンピオンシップス・オブ・ダラス英語版決勝では錦織圭に1-6, 4-6のストレートで敗れ、準優勝。5月のソウル・オープン・チャレンジャー英語版決勝ではジョーダン・トンプソンを1-6, 6-4, 6-1で勝利し、チャレンジャー2勝目を挙げた。ウィンブルドン選手権の4回戦で第13シードのミロシュ・ラオニッチに3-6, 4-6, 7-6(5), 2-6で敗れたものの、グランドスラム初の4回戦進出を果たす。年間最終ランキングは78位。

2019年 怪我に見舞われる

編集
 
2019年全仏オープンでのマッケンジー・マクドナルド

全豪オープンでは1回戦でアンドレイ・ルブレフを 6-4, 6-4, 2-6, 6-4で下すも、2回戦で第6シードのマリン・チリッチに5-7, 7-6(9), 4-6, 4-6で敗れた。 RBCテニス・チャンピオンシップス・オブ・ダラス英語版では2年連続準優勝。デルレイビーチ・オープンでは準々決勝でフアン・マルティン・デル・ポトロと対戦し、6–4, 3–6, 7–6(5)のフルセットで勝利し、初のトップ10勝利を飾った。準決勝でラドゥ・アルボットに6-3, 0-6, 0-6が敗れた。BNPパリバ・オープンでは1回戦でジョアン・ソウザを6-4, 3-6, 6-3で破るも、2回戦でダニール・メドベージェフに5-4, 0-6で敗北。マイアミ・オープンでは2回戦でステファノス・チチパスに敗れた。全仏オープンでは西岡良仁に7-6(9), 0-6, 6-4, 2-6, 3-6のフルセットの末に敗れた。その後、右ハムストリングの手術を行い、シーズン全休となった[2]。年間最終ランキングは129位。

2020年 全米ダブルスベスト8

編集

昨年の手術からASBクラシックでツアー復帰をするも、ミカエル・イマーに4-6, 3-6のストレートで予選敗退。 プロテクトランキングを使って全豪オープンに出場したが、1回戦で第30シードのダニエル・エバンスに6-3, 6-4, 1-6, 2-6, 3-6の2セットアップからのフルセットの末に姿を消した。 ウエスタン・アンド・サザン・オープンで予選を突破するも、マルコス・ギロン英語版に初戦敗退。全米オープンでは第30シードのキャスパー・ルードに6-4, 6-4, 4-6, 3-6, 2-6の全豪に引き続き2セットアップからのフルセット敗れたが、ダブルスでは初のベスト8入りを果たした。全仏オープンでは2回戦では第2シードのラファエル・ナダルに1-6, 0-6, 3-6のストレートで敗れた。年間最終ランキングは193位。

2021年 ツアー初の決勝進出

編集

全豪オープンでは2回戦でを第22シードのボルナ・チョリッチを6-4, 6-2, 4-6, 6-4で破る番狂せを起こす。3回戦でもロイド・ハリス英語版を7-6(4), 6-1, 6-4のストレートで破り、自身2度目のグランドスラム4回戦進出。4回戦では第4シードのダニール・メドベージェフに6-4, 6-2, 6-3のストレートで敗退。2月のアスタナ・チャレンジャー・キャピタル・カップ英語版では決勝でユーリ・ロディオノフ英語版を6-1, 6-2で勝利し、チャレンジャー3勝目を挙げた。

全仏オープンでは予選3試合を突破して、1回戦でエーミル・ルースヴオリを4-6, 6-3, 7-6(4), 6-3で破るも、2回戦で第22シードのクリスチャン・ガリンに6-4, 6-4, 6-7(7), 3-6, 6-8の2セットアップからのフルセットで敗れた。ウィンブルドン選手権では予選3試合を制するも、1回戦で第25シードのカレン・ハチャノフに6-3, 3-6, 4-6, 6-7(3)で敗れた。

シティ・オープンでは1回戦でニック・キリオスを6-4, 6-4、2回戦でブノワ・ペールを6-7(6), 6-4, 6-4、3回戦でイリア・イバシュカ英語版を6-4, 6-4、準々決勝デニス・クドラを6-3, 6-2で下してベスト4入り。準決勝では錦織圭を6-4, 3-6, 7-5で破り、初のツアー決勝に進出。決勝では第5シードのヤニック・シナーに5-7, 6-4, 5-7で敗れ、準優勝となったが、2年ぶりにトップ100に返り咲き、2021年8月9日付けのランキングで64位になった。

9月の全米オープンでは1回戦でダビド・ゴファンを6-2, 7-5, 6-3のストレートで下すも、2回戦で錦織に6-7(3), 3-6, 7-6(5), 6-2, 3-6のフルセットの末に敗れ、シティ・オープンのリベンジを許した。年間最終ランキングは55位。

2022年 トップ50入り

編集

全豪オープンでは2回戦で第18シードのアスラン・カラツェフに6-3, 2-6, 2-6, 3-6で敗れた。ABNアムロ・オープンでは2回戦でアレックス・デミノーに敗れたものの、2月7日のランキングで49位となり、トップ50入りを果たした。BNPパリバ・オープンでは2回戦でカルロス・アルカラスに3-6, 3-6のストレートで敗れた。マイアミ・オープンでは2回戦でグリゴール・ディミトロフを6-1, 6-4のストレートで下すも、3回戦でアレクサンダー・ズベレフに2-6, 2-6のストレートで敗退。

全仏オープンでは初の3回戦進出。3回戦では第11シードのヤニック・シナーに3-6, 6-7(6), 3-6のストレートで敗れた。ダブルスでも3回戦進出。ウィンブルドン選手権では2回戦でリシャール・ガスケに3-6, 6-3, 4-6, 3-6で敗北。

全米オープンでは1回戦でジョアン・ソウザに6-1, 6-7, 6-7, 3-6で初戦敗退。ジャパン・オープンではシングルスは2回戦で權順宇に敗れたものの、マルセロ・メロと組んだダブルスではツアーダブルス初優勝を果たした。10月10日付のランキングでダブルス96位となり、ダブルスでトップ100入りとなった。年間最終ランキングは63位。

2023年 ツアー通算100勝

編集

1月、全豪オープンでは2回戦で第1シードのラファエル・ナダルを6-4, 6-4, 7-5のストレートで下す大金星を挙げた。3回戦では第31シードの西岡良仁に6-7(6), 3-6, 2-6のストレートで敗れた。

2月、デルレイビーチ・オープンでは2回戦で前述の西岡に6-3, 3-6, 6-2で下してリベンジを果たし、ベスト4入り。準決勝ではテイラー・フリッツに敗北。

3月、メキシコ・オープンではベスト8入り。準々決勝ではトミー・ポール (テニス選手) 英語版に2-6, 2-6のストレートで敗れた。BNPパリバ・オープンでは1回戦でフィリップ・クライノビッチに6-3, 6-0のストレートで勝利するも、2回戦ではホルガ・ルーネに5-7, 3-6のストレートで敗れた。マイアミ・オープンでは2回戦でマッテオ・ベレッティーニを下して、3回戦ではクエンティン・ハリーズ英語版に敗れた。

 
2023年モンテカルロ・マスターズでのマッケンジー・マクドナルド

4月、モンテカルロ・マスターズではIvan Gakhov英語版に初戦敗退。マドリード・オープンではベルナベ・サパタ・ミラジェスに初戦敗退。

5月、ローマ・マスターズではマルコ・チェッキナートに3-6, 5-7のストレートで初戦敗退。全仏オープンでは1回戦で第24シードのセバスチャン・コーダに4-6, 5-7, 4-6のストレートで敗れた。

6月、ロスマーレン・グラスコート選手権でベスト8進出。準々決勝ではリンキー・ヒジカタ英語版に7-5, 3-6, 1-6で敗れた。クイーンズ・クラブ選手権では予選を通過して、1回戦でディエゴ・シュワルツマンに2-6, 4-6のストレートで敗退。イーストボーン国際ではベスト4入り。準決勝ではフランシスコ・セルンドロ英語版に6-2, 5-7, 2-6で敗れた。

7月、ウィンブルドン選手権では1回戦で第23シードのアレクサンダー・ブブリクに7-6(3), 4-6, 4-6, 4-6で敗れた。ホール・オブ・フェーム・オープンではベスト8進出。

8月、シティ・オープンでは2回戦でグリゴール・ディミトロフに6-7(8), 2-6のストレートで敗れたが、ダブルスではベン・シェルトンと組んでツアーダブルス準優勝を飾った。さらにナショナル・バンク・オープンでは2回戦でアンドレイ・ルブレフを6-4, 6-3、3回戦でミロシュ・ラオニッチに6-3, 6-3で破り、マスターズ初のベスト8進出。準々決勝ではアレハンドロ・ダビドビッチ・フォキナに4-6, 2-6のストレートで敗退。続くウエスタン・アンド・サザン・オープンでは2回戦でルーネを6-4, 2-0(不戦勝)で3回戦進出するも、自身もアドリアン・マナリノ戦で4-6, 0-3の時点で途中棄権となった。全米オープンでは1回戦で第15シードのフェリックス・オジェ=アリアシムを7-6(5), 4-6, 6-1, 6-4で下して、2回戦でボルナ・ゴヨ英語版に3-6, 4-6, 4-6のストレートで敗れた。

9月、珠海選手権ではベスト8入り。準々決勝ではカレン・ハチャノフに6-4, 4-6, 4-6で敗れた。チャイナ・オープンではグリゴール・ディミトロフに6-2, 6-7(4), 1-6で敗れた。

10月、上海マスターズでは2回戦でセルンドロに6-7(4), 6-7(5)のストレートで敗退。ジャパン・オープンでは2回戦でトミー・ポール (テニス選手) 英語版に4-6, 2-6のストレートで敗れた。

11月、パリ・マスターズでは2回戦でヤニック・シナーに7-6(6), 5-7, 1-6で敗れた。年間最終ランキングは41位。

2024年 マスターズダブルス準優勝

編集
 
2024年リベマ・オープンでのマッケンジー・マクドナルド

全豪オープンでは1回戦で商竣程英語版に3-6, 6-1, 6-3, 4-6, 2-6のフルセットで敗れた。そこから4ヶ月ツアーを空け、クレーシーズンに突入する。全仏オープンでは第26シードの タロン・フリークスポール英語版に3-6, 4-6, 6-1, 2-6で初戦敗退。ウィンブルドン選手権ではエーミル・ルースヴオリに6-7(6), 6-4, 7-5, 6-7(6), 3-3の接戦の末に初戦敗退。ウエスタン・アンド・サザン・オープンではアレックス・ミケルセン英語版とペアを組み、ATPマスターズ1000初のダブルス決勝進出を果たした。決勝ではマテ・パビッチ/マルセロ・アレ英語版に2-6, 4-6とストレートで敗れ、マスターズ準優勝を飾った。全米オープンでは第1シードのヤニック・シナーに6-2, 2-6, 1-6, 2-6で初戦敗退。9月末のノンタブリー・チャレンジャーⅣ英語版と10月の杭州チャレンジャー英語版では準優勝。その翌週の深圳竜華チャレンジャー英語版では優勝し、ATPチャレンジャーツアー4勝目を挙げた。年間最終ランキングはシングルス131位、ダブルス87位。

ATPツアー決勝進出結果

編集

シングルス: 1回(0勝1敗)

編集
大会カテゴリ
グランドスラム (0–0)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (0–0)
ATPツアー500 (0–1)
ATPツアー250 (0–0)
サーフェス別タイトル
ハード (0–1)
クレー (0–0)
芝 (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス 対戦相手 スコア
準優勝 1. 2021年8月8日   ワシントンD.C. ハード   ヤニック・シナー 5–7, 6–4, 5–7

ダブルス: 1回(1勝0敗)

編集
大会カテゴリ
グランドスラム (0–0)
ATPファイナルズ (0–0)
ATPツアー・マスターズ1000 (0–0)
ATPツアー500 (1–0)
ATPツアー250 (0–0)
サーフェス別タイトル
ハード (1–0)
クレー (0–0)
芝 (0–0)
結果 No. 決勝日 大会 サーフェス パートナー 対戦相手 スコア
優勝 1. 2022年10月9日   東京 ハード   マルセロ・メロ   ラファエル・マトス
  ダビド・ベガ・エルナンデス
6–4, 3–6, [10–4]

成績

編集
略語の説明
 W   F  SF QF #R RR Q# LQ  A  Z# PO  G   S   B  NMS  P  NH

W=優勝, F=準優勝, SF=ベスト4, QF=ベスト8, #R=#回戦敗退, RR=ラウンドロビン敗退, Q#=予選#回戦敗退, LQ=予選敗退, A=大会不参加, Z#=デビスカップ/BJKカップ地域ゾーン, PO=デビスカップ/BJKカッププレーオフ, G=オリンピック金メダル, S=オリンピック銀メダル, B=オリンピック銅メダル, NMS=マスターズシリーズから降格, P=開催延期, NH=開催なし.

大会 2016 2017 2018 2019 2020 通算成績
全豪オープン A A 2R 2R 1R 2–3
全仏オープン A LQ A 1R 0–1
ウィンブルドン A LQ 4R A 3–1
全米オープン 1R LQ 1R A 0–2

大会最高成績

編集
大会 成績
ATPファイナルズ A 出場なし
インディアンウェルズ 2R 2019, 2021-23
マイアミ 3R 2022, 2023
モンテカルロ 1R 2023
マドリード 1R 2023
ローマ 1R 2023, 2024
カナダ QF 2023
シンシナティ 3R 2023
上海 2R 2023
パリ 2R 2023
オリンピック A 出場なし
デビスカップ QF 2024

脚注

編集
  1. ^ All-Time Championships Records and Results (through 2016 Championships)” (英語). NCAA. 2019年7月27日閲覧。
  2. ^ マクドナルド 手術成功を報告”. tennis365.net. 2019年9月1日閲覧。

外部リンク

編集