フラウナ(Flaouna)[1]は、チーズをフィリングとしたキプロスペイストリーである。レーズンゴマを用いることもある。伝統的に復活祭の日のために作られる[2]。地域によっては、vlaounafesoudkiカラバス)、aflaounaカルパス半島)等とも呼ばれる[2]

フラウナ
レーズンを練りこんで胡麻をトッピングしたフラウナ
種類 ペイストリー
発祥地 キプロス
主な材料 チーズ
派生料理 レーズン入り
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歴史

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フラウナは、伝統的に、キプロスやギリシャの一部(特にアルカディア県)また、ギリシャ人のディアスポラの時代にはより広い範囲で、四旬節断食明けを祝って、復活祭の日曜日に祝いの食物として食べるために聖金曜日に作られた[3][4]。復活祭の日にパンの代わりに食べ、それから1週間に渡って食べるために作り続けた[3]。フラウナ作りは、しばしば何世代にも共有される家族の伝統であった[5]

ギネス・ワールド・レコーズは、世界最大のフラウナの記録を収録している。この記録は、2012年4月11日に、リマソールカルフールで達成された、長さ2.45 m、幅1.24 m、重さ259.5 kgのものである[6]。これを記念して、この日のキプロス国内のカルフールでのフラウナの売上げの20%がチャリティーとされた[7]

フラウナは、イギリスのテレビ番組『ブリティッシュ ベイクオフ』の第6シーズンで、テクニカルチャレンジの題材として出題された。

フラウナという名前は、古代ギリシャ語で「保存されたケーキ」または「ドライフルーツ」を意味するπαλάθηに由来する[8]

レシピ

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フラウナは、マスティック・ガムマハレブスペアミント等で風味付けしたチーズのフィリングを詰めたペイストリーである[9][10]。食感は、パート・ブリゼに似ていると言われる[5]。フィリングは、伝統的に、パフォス地区で作られる[11]tiri flaounas[12]というヒツジヤギのチーズをメインとし、グラビエラハルーミ[13][14]アナリチーズケファロティリ[3][15]等のチーズも混ぜることがある。熱いままでも冷たくしても食べる[16]。島内の地域により、塩味のものや甘いもの等、様々なレシピがある[17]。ゴマをふりかけたり、チーズにレーズンを混ぜることもある[9][18]

出典

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  1. ^ Zeytinli Hellimli Bitta (Kıbrıs Zeytinlisi) Tarifi” (15 August 2012). 2024年12月15日閲覧。
  2. ^ a b Φλαούνα, η” (ギリシア語). foodmuseum.cs.ucy.ac.cy. Cyprus Food Virtual Museum. 19 November 2015閲覧。
  3. ^ a b c Thacker, Anita; Barton, Arlene (2012). Multicultural Handbook of Food, Nutrition and Dietetic. Chichester, West Sussex: Wiley-Blackwell. p. 298. ISBN 9781405173582. https://books.google.com/books?id=YF1YCg5Ig-EC&q=Flaounes&pg=PA298 
  4. ^ Bryant, Sue (2008). Cyprus With Your Family (eBook ed.). Hoboken, N.J.: Frommer's. p. 77. ISBN 9780470722053. https://books.google.com/books?id=lnCbDAacAfsC&q=Flaounes&pg=PA77 
  5. ^ a b Lathourakis, Patricia (31 March 2009). “My family's Easter tradition”. Sydney Morning Herald. http://www.smh.com.au/news/entertainment/good-living/my-familys-easter-tradition/2009/03/30/1238261502592.html 3 March 2013閲覧。 
  6. ^ Largest Flaouna”. Guinness World Records. 11 April 2013時点のオリジナルよりアーカイブ。3 March 2013閲覧。
  7. ^ “Largest flaouna enters Guinness Book”. Cyprus Mail. (12 April 2012). オリジナルの8 April 2013時点におけるアーカイブ。. https://archive.today/20130408004210/http://www.cyprus-mail.com/cyprus/largest-flaouna-enters-guinness-book/20120412 3 March 2013閲覧。 
  8. ^ Hadjioannou, Kyriakos (1979). Ta en Diaspora. pp. 56–65 
  9. ^ a b Mallos, Tess (1979). The Complete Middle East Cookbook. New York: McGraw-Hill. p. 88. ISBN 9780070398108. https://books.google.com/books?id=yxibclhsYIIC&q=Flaounes&pg=PA88 
  10. ^ Flaouna”. Cyprus Highlights. 14 April 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。15 April 2023閲覧。
  11. ^ Pafitiko Tyri - Paphos Cheese”. Cyprus Highlights. 14 April 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。15 April 2023閲覧。
  12. ^ Τυρί φλαούνας Παφίτικο” [Flaouna Cheese Pafitiko] (greek). 14 April 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。15 April 2023閲覧。
  13. ^ Πέσκιας, Χριστόφορος. “Φλαούνες” (ギリシア語). Kathimerini.gr. 6 October 2011時点のオリジナルよりアーカイブ。3 March 2013閲覧。
  14. ^ My Cypriot Kitchen - Flaounas”. Food Television. 19 November 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。3 March 2013閲覧。
  15. ^ Flaounes”. Mitsides Group. 14 April 2023時点のオリジナルよりアーカイブ。14 April 2023閲覧。
  16. ^ Flaounes recipe” (英語). BBC Food. 2021年1月31日閲覧。
  17. ^ Flaouna pastry”. Cyprus Tourism Organisation. 19 November 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。3 March 2013閲覧。
  18. ^ Spilling, Michael (2000). Cyprus. New York: Marshall Cavendish. p. 116. ISBN 9780761409786. https://books.google.com/books?id=ldSQLD985i4C&q=Flaounes&pg=PA116 

関連項目

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