ネイサン・ジェームズ: USS Nathan James)は、ウィリアム・ブリンクリー英語版の小説『ザ・ラストシップ』(The Last Ship) および、その小説を原作とする同名のテレビドラマに登場する、架空の駆逐艦である。

所属はアメリカ海軍で、艦名は第二次世界大戦レイテ沖海戦で活躍し、殊勲十字章を授与されたという設定の架空の軍人から取られたものとされている。

小説版

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ネイサン・ジェームズ(DDG-151)
基本情報
運用者   アメリカ海軍
艦種 ミサイル駆逐艦
級名 アーレイバーク級
艦歴
要目
全長 142m
最大幅 18m
吃水 8.2m
主機 ディーゼルエンジン
最大速力 38ノット(70.3km/h)
兵装 Mk.41VLS 122セル(前部61+後部61)
トマホーク巡航ミサイル 56発
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小説版の『ザ・ラストシップ』に登場する「ネイサン・ジェームズ」は、全長142m、全幅18m、喫水8.2mの船体を持ち、最高速力38ノットで航行することが可能である。

「ネイサン・ジェームズ」は61セルのMk.41VLSを2つ、計122セル装備しており、VLS内には、200キロトンの威力を持つ核弾頭を搭載したトマホーク巡航ミサイルが56発搭載され、前後のVLSにそれぞれ28発ずつ装填されている[1][2]

テレビドラマ版

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ネイサン・ジェームズ(DDG-151)
 
画像は撮影に使われた同型艦の「ハルゼー
基本情報
運用者   アメリカ海軍
艦種 ミサイル駆逐艦
級名 アーレイ・バーク級駆逐艦
前級 スプルーアンス級駆逐艦
キッド級駆逐艦
次級 ズムウォルト級駆逐艦
母港 ノーフォーク海軍基地
艦歴
要目
満載排水量 9,648トン
全長 156.4m
水線長 143.6m
最大幅 20m
水線幅 18m
吃水 9.3m
機関 COGAG方式
主機 LM2500ER ガスタービンエンジン 4基
出力 10万馬力
最大速力 30ノット超(55km/h超)
乗員 217名
兵装 Mk.45 5インチ単装砲 1基
Mk.38 25mm単装機関砲 2基
Mk.15 20mmCIWS 1基
M2 12.7mm重機関銃 4基
M240 7.62mm汎用機関銃 2基
Mk.41VLS 96セル(前部32+後部64)
スタンダード艦対空ミサイル
SM-2ER艦隊防空ミサイル
SM-3弾道弾迎撃ミサイル
トマホーク巡航ミサイル
アスロック対潜ミサイル
ESSM個艦防空ミサイル
Mk.32 3連装短魚雷発射管 2基
Mk.50/54短魚雷
LRAD長距離音響装置
搭載艇 7メートル級RHIB
搭載機 MH-60哨戒ヘリコプター 1機
スキャンイーグル無人偵察機
C4ISTAR イージスシステム
海軍戦術情報システム
AN/SQQ-89統合対潜システム
レーダー SPY-1D 多機能レーダー 4基
SPS-67 対水上レーダー 1基
Mk.99 ミサイル射撃指揮装置 3基
ソナー SQS-53 低周波艦首バウ・ソナー
電子戦
対抗手段
SLQ-32 ESM/ECM装置
SLQ-25ニクシー魚雷デコイ
SLQ-49 囮装置
SRBOC チャフフレア発射機 4基
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概要

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テレビドラマ版の『ザ・ラストシップ』に登場する「ネイサン・ジェームズ」は、原作と比べ大幅に設定が変更されている。

艦種はアーレイ・バーク級駆逐艦と設定され、母港は原作と同じノルウェーではなくバージニア州にあるノーフォーク海軍基地としている。また、ハルナンバーは原作が「DDG-80」であるのに対し「DDG-151」に変えられた。これは、現実の2000年に就役したアーレイ・バーク級駆逐艦「ルーズベルト」が、原作の「ネイサン・ジェームズ」と同じハルナンバーを割り当てられていたためである。

なお、アーレイ・バーク級駆逐艦の1番艦「アーレイ・バーク」のハルナンバーが「DDG-51」であるため、現実に換算すると「ネイサン・ジェームズ」は通算100隻目の同型艦となる。

シーズン1第1話「フェーズ6」において、民間人を除いた「ネイサン・ジェームズ」の乗員は217名だと語られているが[3][注 1]、物語が進むにつれて乗員の戦死や加入がいくつも起きたことで、シーズン2最終話「誇り高き祖国」では、乗員は205名となっている[注 2][4]

シーズン2最終話で、「ネイサン・ジェームズ」はミズーリ州セントルイスに訪れ、これまでの闘いで負った被害を修復するため数か月間のドック入りとなる。

アメリカ海軍の全面協力で、同型艦の「ハルゼー」等が「ネイサン・ジェームズ」として出演し撮影が行われている。撮影に使用されているアーレイ・バーク級駆逐艦は、フライトⅡAかつ31番艦「ウィンストン・S・チャーチル」以降が殆どである。そのため、「ネイサン・ジェームズ」は船体にヘリコプター格納庫を備え、武装の5インチ砲は62口径のMod.4で、Block1BのファランクスCIWSは後部に1基だけの搭載となっている[5]

乗員(2014-2015)

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軍人

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民間人

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  • レイチェル・スコット博士(ローナ・ミトラ) – CDCの細菌学者。
  • クインシー・トフィット博士(サム・スプルエル) – スコット博士の助手。
  • テックス・ノーラン(ジョン・パイパ=ファーガソン) – PMCの社員。シーズン1第2話から加入。
  • ベアトリス(ホープ・オレイデ・ウィルソン) – ウイルスの免疫を持つ少女。シーズン1第7話から乗員に加入。
  • ケリー・トフィット(アリス・クルサード) – クインシー博士の妻。シーズン1第8話から加入。
  • エヴァ・トフィット(ジェイド・ペティジョン) – クインシー博士の娘。シーズン1第8話から加入。
  • ジェッド・チャンドラー(ビル・スミトロヴィッチ) – チャンドラー艦長の父親。シーズン2第2話から加入。
  • アシュリー・チャンドラー(グレイス・カウフマン) – チャンドラー艦長の娘。シーズン2第2話から加入。
  • サム・チャンドラー(エイダン・ジェイサスマン) – チャンドラー艦長の息子。シーズン2第2話から加入。

公職

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勲章と装飾

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作中で描かれている、「ネイサン・ジェームズ」が受章した勲章

   
     

戦歴

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シーズン1

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第1話
北極にてロシア軍攻撃ヘリコプター3機と交戦。5インチ砲・25mm単装機関砲・ファランクスCIWS・M240汎用機関銃で迎撃し、全機撃墜する。この時、攻撃ヘリから発射されたミサイルの直撃を数発受けるが、損害は軽微なものに留まった。
第2話
補給に訪れたグァンタナモ米軍基地で、元はそこの囚人で現在は基地を占領していたアルカイダ10数名と上陸部隊が交戦。「ネイサン・ジェームズ」は艦砲射撃で上陸部隊を掩護し、燃料施設で襲撃してきたアルカイダのグループは砲撃で全員無力化。基地で出会ったテックスを人質に取ったグループに対しては、すぐ傍に砲弾を着弾させて怯ませ、味方による人質奪還のアシストをした。
第3話
グァンタナモから出発しようとした直前、ロシア海軍キーロフ級ミサイル巡洋艦「ヴェルニ」と遭遇。湾の出入り口を封鎖されたため一触即発の事態になるも、直接の戦闘を回避して脱出しようとする。「ヴェルニ」を脅しなどで湾外に後退させた後、夜になってから囮となるアルミ箔を展開し、探知を避けるため電波管制を敷きながら古く使われてない狭い水路へ移動。グリーン大尉らが爆薬を積んだボートを「ヴェルニ」に突撃させたと同時に、水路へ短魚雷を発射し通れるだけの幅を確保すると、「ヴェルニ」が混乱している隙を付いて湾外へ脱出した。

脚注

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注釈

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  1. ^ 現実のアーレイ・バーク級では通常時の乗員は300名を超えており、かなりの差がある。
  2. ^ トムチャンドラー中佐が「私の証言などいらないか。204名のクルーが証言する」と言っており、本人を入れて乗員は205人となる。

出典

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  1. ^ Brinkley, William (February 1989). The Last Ship (Paperback ed.). New York: Ballantine Books. p. 3. ISBN 0345359828. http://www.amazon.com/dp/0345359828/ref=rdr_ext_tmb 
  2. ^ Brinkley, William (February 1989). The Last Ship (Paperback ed.). New York: Ballantine Books. p. 21. ISBN 0345359828. http://www.amazon.com/dp/0345359828/ref=rdr_ext_tmb. "USS Nathan James, DDG 80, guided missile destroyer, first of her class," 
  3. ^ "Phase Six". The Last Ship. シーズン1. Episode 1. 22 June 2014.
  4. ^ "A More Perfect Union". The Last Ship. シーズン2. Episode 13. 6 September 2015.
  5. ^ Naval Base San Diego; USS Halsey featured in "The Last Ship"”. Mass Communication Specialist 1st Class Justin L. Webb, Naval Base San Diego Public Affairs. United States Navy (November 2012). February 26, 2015閲覧。

関連項目

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