ドラゴンボール 神龍の伝説
『ドラゴンボール 神龍の伝説』(ドラゴンボール シェンロンのでんせつ)は、1986年12月20日に公開された『ドラゴンボール』の劇場版第1作。劇場公開時のタイトルは『ドラゴンボール』であり、サブタイトルはフィルムコミック(1995年1月24日発売)、廉価版VHS(1996年7月発売)で付けられた[注 1]。『ドラゴンボール 神龍の秘密』と表記されることもある[1]。
ドラゴンボール 神龍の伝説 | |
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監督 | 西尾大介 |
脚本 | 井上敏樹 |
原作 | 鳥山明 |
出演者 |
野沢雅子 鶴ひろみ 古谷徹 郷里大輔 納谷悟朗 森山周一郎 |
音楽 | 菊池俊輔 |
主題歌 | 「魔訶不思議アドベンチャー」(高橋洋樹) |
編集 | 福光伸一 |
製作会社 | 東映動画 |
配給 | 東映 |
公開 | 1986年12月20日 |
上映時間 | 50分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 8億円 |
前作 | (本作がシリーズ第1作) |
次作 | ドラゴンボール 魔神城のねむり姫 |
キャッチコピーは「つかもうぜ!ドラゴンボール!!天下無敵だ!ジャン拳パンチにかめはめ波!!」。
冬休みの東映まんがまつりとして上映された。
概説
編集邦画配給収入8億円、観客動員数240万人[2][出典無効]。1996年初頭時点におけるビデオ販売本数は2万5千本[2]。
本作品は原作漫画やアニメ『ドラゴンボール』本編の初期エピソードを軸に、登場する敵キャラクターや舞台を新規に作成したパラレルワールド的な内容となっており(冒頭で悟空とブルマが出会う所から始まる)、『DRAGON BALL大全集』にも「四星球を求めてグルメス軍と対決していることなど、TV版とは全く違う完全な別世界での出来事と考えるのが妥当だろう」と解説されている[3]。この傾向は2作目、3作目および17作目の劇場版『ドラゴンボール』全てに当てはまる。
劇場版第1作である本作と、後の2、3作目は、亀仙人と孫悟空らの修行シーンをアタッチメントとしてストーリーが直接連続しており、一つの物語として楽しめるようになっている。
西尾大介は本作において劇場版監督デビューを果たした。
あらすじ
編集少女パンジの住むグルメス国では、世界最高の宝石「リッチストン」を掘り出すために、軍隊が村の家や田畑を破壊し続けていた。苦しむ村人たちだが、強力な軍隊の力の前では、暴挙を止めさせることはできない。パンジは村を抜け出し、武術の神・武天老師に助けを求めるため旅を始めるのだった。
舞台
編集- グルメス王国
- グルメス大王が治める国。軍隊がリッチストンを掘り出すために家や田畑を破壊し、そのために村人たちが苦しんでいた。森に守られた王城は要塞のようになっている。後に神龍の力によって荒廃する前の緑豊かな国へと戻ることができた。
登場人物
編集レギュラーキャラクター
編集- 孫悟空 - 野沢雅子
- ブルマ - 鶴ひろみ
- ウーロン - 龍田直樹
- プーアル - 渡辺菜生子
- ヤムチャ - 古谷徹
- 亀仙人 - 宮内幸平
- 神龍 - 内海賢二
- ウミガメ - 郷里大輔
- ナレーター - 八奈見乗児
ゲストキャラクター
編集- グルメス大王
- 声 - 森山周一郎
- グルメス王国の国王。元々は人間の王だったが、掘り出したリッチストンで国内の財政が豊かになるに従い、荒廃していく国土を省みず美味しい料理を求めていくうちに醜い容姿へと姿を変え体も強大化していき、怪獣同然の姿になった。怪獣化して以降は一度食したものよりも美味な食べ物でなければ喉を通らなくなってしまい、空腹にあえぎ続けている。最高に美味しい料理を食べたいという食欲を満たそうと、部下2人にドラゴンボールを集めさせている。怪獣化した姿の彼に対し、悟空がかめはめ波を食らわせたものの、通用しなかった。腹の中で7つ集まったドラゴンボールの神龍がパンジの願いを叶えたことにより、村に緑が戻ると共に人間の姿に戻る。
- 最後に元の人間の姿に戻ったときには、普通のリンゴの味に満足していた。
- 名前の由来はグルメから[5]。当時はグルメ・ブームであり、その流行を取り入れたキャラクター[6]。
- ボンゴ
- 声 - 納谷悟朗
- グルメス大王の部下。単純な性格のタフで大柄な男性兵士。パスタと共にブルマらとドラゴンボール争奪戦を繰り広げた。グルメスのためにドラゴンボールを集め褒美を貰おうとする。悟空と激戦を繰り広げるが、巨大化したグルメス大王に踏み潰されペシャンコになる。辛うじて生きており、後に元の姿に戻っている。
- 名前の由来はスパゲティソースのボンゴレから[5]。
- パスタ
- 声 - 小山茉美
- グルメス大王の部下。聡明な女性兵士。やや残酷な性格で兵器の扱いに長ける。ドラゴンボールよりもリッチストンを欲しがっていた。ヤムチャと戦闘を繰り広げるなど格闘戦にも秀でており、不慮の事故で彼に胸を触られても全く動じず反撃に転じた(逆に動揺したヤムチャは硬直してしまった)。
- 爆弾を投げつけながらヤムチャたちを追い掛けるもグルメスの変貌ぶりを目の当たりにしたことで驚き戦意喪失。その後はグルメスに踏み潰されたボンゴを救助して「大丈夫?」と声を掛けていた。
- 名前の由来はパスタから[5]。
- 兵士
- 声 - 戸谷公次
- 城の警護や発掘現場の警備係を担当する、グルメス王国の下級兵。終盤では2人の兵士が怪物に化けたウーロンに脅され気絶した。
- 召使ロボット
- 関西弁を使うロボットで、グルメスの身の周りの世話をしている。
- パンジ
- 声 - 鈴木富子
- 緑豊かなグルメス王国の村で、両親と暮らしている少女。少女らしく赤いエプロンドレスを着ているが、野球帽をかぶり少年のような元気のよさもある。スリングショットが武器。森に緑を取り戻し、虐げられている村人を救う目的で武天老師に会うため一人で旅立つ。ウーロンが変身していた赤鬼に脅かされていた所を悟空に助けられる。
- ドラゴンボールDAIMAにも同名のヒロインが登場する。
- パンジの父
- 声 - 飯塚昭三
- 腕力に自信を持つパンジの父親。娘同様、国を思う心の持ち主。並みの兵士なら片腕で投げ飛ばすことができる。人の花畑を勝手に荒らす王国軍のやり方が気に入らずボンゴに意見した。ボンゴと戦うことになるが、一回も反撃できずに倒される。グルメス大王が人間の姿に戻った際は、国民を代表して叱責の言葉を投げかけた。
- パンジの母
- 声 - 鈴木れい子
- 家族思いでパンジを可愛がるパンジの母親。パンジが王国の作業員にスリングショットを撃つのを止めようとしていた。
スタッフ
編集主題歌
編集- オープニングテーマ - 「魔訶不思議アドベンチャー」
- 作詞 - 森由里子 / 作曲 - いけたけし / 編曲 - 田中公平 / 歌 - 高橋洋樹
- エンディングテーマ - 「ロマンティックあげるよ」
- 作詞 - 吉田健美 / 作曲 - いけたけし / 編曲 - 田中公平 / 歌 - 橋本潮
同時上映
編集テレビ放送
編集テレビ放送は、1989年1月2日の7:30 - 8:26(JST)にフジテレビ放送[注 2]、更に翌1990年1月1日には、同局の元日アニメ特番『新春アニメ劇場』(枠は同じ)でも放送された。
映像ソフト
編集いずれも東映ビデオより発売。
- VHS
- ドラゴンボール
- 1987年5月9日発売。
- ドラゴンボール 神龍の伝説(廉価版)
- 1996年7月発売。
- ドラゴンボール
- DVD
- DRAGON BALL 劇場版 DVDBOX DRAGON BOX THE MOVIES
- 2006年4月14日発売。
- DRAGON BALL THE MOVIES #15 ドラゴンボール 神龍の伝説
- 2009年3月13日発売。
- DRAGON BALL 劇場版 DVDBOX DRAGON BOX THE MOVIES
- Blu-ray
- DRAGON BALL THE MOVIES Blu‐ray ♯08
- 2019年1月9日発売。
- DRAGON BALL THE MOVIES Blu‐ray ♯08
関連書籍
編集- ジャンプ・アニメコミックス ドラゴンボール 神龍の伝説 - 集英社、1995年1月24日、ISBN 4-8342-1314-5
脚注
編集注釈
編集- ^ 1987年5月9日発売のVHSにサブタイトルの記載はない。ただし、アニメ本編のオープニング映像に『神龍の伝説』というタイトルは出てくる。
- ^ この年は1月1日に、『おもいっきり探偵団 覇悪怒組』と『じゃあまん探偵団 魔隣組』のクロスオーバー作品『探偵団スペシャル 覇悪怒組対魔隣組 ジゴマ対魔天郎』を放送したため、『新春アニメ劇場』は休止され、この日に代替放送となった。なお翌3日には次作『ドラゴンボール 魔神城のねむり姫』も放送された。
出典
編集- ^ 『鳥山明の世界 AKIRA TORIYAMA EXHIBITION』166頁。
- ^ a b 『予約特典・ドラゴンボール最強への道・劇場版ご近所物語A5サイズ前売特典冊子』8頁。
- ^ 大全集6巻 1995, pp. 16, 「DB THE MOVIE ADVENTURE STORIES No.1『神龍の伝説』」
- ^ 孫悟空伝説 2003, pp. 99, 「ジョイントワーク」
- ^ a b c 大全集補完 1996, pp. 68, 「ANIMATION'S GLEANINGS DBアニメの舞台裏 Planning PART1・TVアニメ編」
- ^ 大全集6巻 1995, pp. 40, 「'86〜'88memorial」
参考文献
編集- 渡辺彰則 編『DRAGON BALL大全集』 第6巻、集英社、1995年12月9日。ISBN 4-08-782756-9。
- 渡辺彰則 編『DRAGON BALL大全集』 補巻、集英社、1996年8月18日。ISBN 4-08-102019-1。
- 鈴木晴彦 編『テレビアニメ完全ガイド『DRAGON BALL Z』孫悟空伝説』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2003年10月8日。ISBN 4-08-873546-3。
外部リンク
編集- ドラゴンボール 神龍の伝説 - 東映アニメーション作品ラインナップ