ジオグリフ (競走馬)
この記事は現役競走馬を扱っています。 |
ジオグリフ(欧字名:Geoglyph 香:地標圖形、2019年2月25日 - )は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2022年の皐月賞、2021年の札幌2歳ステークス。
ジオグリフ | |||||||||
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2022年皐月賞 | |||||||||
欧字表記 | Geoglyph[1] | ||||||||
香港表記 | 地標圖形[2] | ||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||
性別 | 牡[1] | ||||||||
毛色 | 栗毛[1] | ||||||||
生誕 | 2019年2月25日(6歳)[1] | ||||||||
父 | ドレフォン[1] | ||||||||
母 | アロマティコ[1] | ||||||||
母の父 | キングカメハメハ[1] | ||||||||
生国 | 日本(北海道安平町)[1] | ||||||||
生産者 | ノーザンファーム[1] | ||||||||
馬主 | (有)サンデーレーシング[1] | ||||||||
調教師 |
木村哲也(美浦) →岩戸孝樹(美浦) →木村哲也(美浦)[1] | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 |
18戦3勝[1] 中央:13戦3勝 地方:1戦0勝 海外:4戦0勝 | ||||||||
獲得賞金 |
5億1752万4600円[3] 中央:3億121万6000円[1] 海外:2億1630万8600円 (香港)68万香港ドル[4] (SAU)150万米ドル[5] (アメリカ)6万米ドル[6] (2024年11月2日現在) | ||||||||
WBRR |
I119 / 2022年[7] M117 / 2023年[8] | ||||||||
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戦績
編集2歳(2021年)
編集6月26日東京の2歳新馬(芝1800m)にクリストフ・ルメール騎乗でデビューし、3番人気に推された。道中好位でレースを進めると直線で鋭く脚を伸ばして先頭に立つと後続に1馬身半差をつけ快勝した[9]。なお、3着にはのちに菊花賞を勝利するアスクビクターモアが入っている。7月29日付で木村の調教停止処分に伴い、岩戸孝樹厩舎に転厩し[10]、転厩初戦となった9月4日の札幌2歳ステークスでは最後方追走から追い上げ、直線で先頭に立つと最後はアスクワイルドモアに4馬身差をつけてドレフォン産駒初の重賞制覇となった[11]。11月1日付で木村の調教停止処分終了に伴い、木村哲也厩舎に再転厩となる。
3勝目をかけた12月19日の朝日杯フューチュリティステークスでは2番人気に推され、レースでは道中後方二番手を追走。直線では大外に持ち出し上がり3ハロン最速タイの末脚で追い込むも、上位馬に届かず5着に敗れた[12][13]。
3歳(2022年)
編集年明け初戦は共同通信杯を選択。メンバー唯一の斤量57kgを背負い1番人気に推されるが、ダノンベルーガの2着に敗れる[14]。
4月17日、皐月賞に出走。ルメールはイクイノックスに騎乗するため、新たな鞍上として福永祐一を迎えた。道中は中団でレースを進め、直線で外から進出、内で食い下がったイクイノックスをゴール前で差し切り1馬身差で勝利した。この勝利で木村哲也調教師は初となるクラシック制覇、ドレフォン産駒はGI初勝利となった[15][16]。また福永にとっては騎手として現役最後のGI勝利[注 1]となった。レース後、福永は「自分が上手く誘導できれば勝てる馬だと思っていましたし、それに応えてくれた馬の走りが素晴らしかった」と走りを高く評価した[17]。
続いて二冠を目指して5月29日の東京優駿(日本ダービー)に出走。道中は中団を追走して最終コーナーから追い込みをかけたものの直線で伸びを欠き、7着に敗れた[18][19]。その後の検査で右前脚第1指骨(繋骨)の骨折が判明し全治3ヶ月の見通しと発表された[20][21]。
10月30日、東京競馬場で行われた天皇賞(秋)に当初は短期騎手免許で来日する予定だったクリストフ・スミヨンが騎乗する予定だったが、彼が2ヶ月に及ぶ騎乗停止処分を受けた事により来日自体が無くなり[22]、引き続き福永祐一とのコンビで出走[23]。まずまずのスタートを切り、終始中団の後ろにつけて前を伺っていたが、馬群から抜けきることはできず9着に敗れた[24]。
12月11日、香港のシャティン競馬場で行われた香港カップに、初コンビであるウィリアム・ビュイックを鞍上に迎えて出走。日本馬5頭が出走する中、4番人気に支持されたが、直線でうまく伸びることができず6着に敗退。皐月賞以来掲示板を確保したレースがないまま一年を終えた。
4歳(2023年)
編集2月25日、4歳初戦として初のダート・初の海外挑戦となるサウジカップに出走。好スタートを決め、道中はパンサラッサをマークする形で好位に取り付いた。パンサラッサと同じタイミングで仕掛け、直線ラスト50mではやや失速したものの、粘って皐月賞以来の掲示板となる4着に入った[25][26]。その後ジオグリフは日本へ帰国せず、ドバイワールドカップへ参戦するためドバイへ転戦[27]するも、11着に敗れた[28]。 帰国後は宝塚記念に出走するも9着。
秋初戦はマイルチャンピオンシップ南部杯に出走し、前走同様9着。次走は1年ぶりにビュイックを鞍上に迎えチャンピオンズカップに出走、道中好位につけるも直線でほとんど伸びず前走同様レモンポップから大きく離された15着のシンガリ負けを喫する。なお南部杯の鞍上岩田望来が「個人的には芝のほうがいい印象を受けました」と指摘している[29]。
5歳(2024年)
編集5歳初戦は芝に戻り中山記念を選択。道中はリズム良く前めのインを追走し、勝負所で反応よく加速。直線で外に出されるとジワジワと脚を伸ばし、優勝した皐月賞以来の馬券圏内となる3着に好走した[30]。続いて、3月31日に開催された大阪杯に出走。4番手で流れに乗ると、直線でも上位馬に食い下がり、芝GIでは皐月賞以来の掲示板となる5着に入った[31]。
競走成績
編集以下の内容は、JBISサーチ[32]、netkeiba.com[33]、香港ジョッキークラブ[34]、サカブジョッキークラブ[35]、Racing Post[36]、エミレーツ競馬協会[37]およびTotal Performance Data[38]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
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2021. 6.26 | 東京 | 2歳新馬 | 芝1800m(良) | 10 | 2 | 2 | 4.5 (3人) | 1着 | 1:48.2(33.3) | -0.2 | C.ルメール | 54 | (アサヒ) | 490 | |
9. 4 | 札幌 | 札幌2歳S | GIII | 芝1800m(良) | 9 | 8 | 9 | 2.1 (1人) | 1着 | 1:49.1(36.1) | -0.7 | C.ルメール | 54 | (アスクワイルドモア) | 492 |
12.19 | 阪神 | 朝日杯FS | GI | 芝1600m(良) | 15 | 7 | 13 | 3.2 (2人) | 5着 | 1:34.0(34.5) | 0.5 | C.ルメール | 55 | ドウデュース | 496 |
2022. 2.13 | 東京 | 共同通信杯 | GIII | 芝1800m(稍) | 11 | 5 | 5 | 3.4 (1人) | 2着 | 1:48.1(34.0) | 0.2 | C.ルメール | 57 | ダノンベルーガ | 498 |
4.17 | 中山 | 皐月賞 | GI | 芝2000m(良) | 18 | 7 | 14 | 9.1 (5人) | 1着 | 1:59.7(34.3) | -0.1 | 福永祐一 | 57 | (イクイノックス) | 494 |
5.29 | 東京 | 東京優駿 | GI | 芝2400m(良) | 18 | 7 | 15 | 5.9 (4人) | 7着 | 2:22.9(34.9) | 1.0 | 福永祐一 | 57 | ドウデュース | 492 |
10.30 | 東京 | 天皇賞(秋) | GI | 芝2000m(良) | 15 | 4 | 6 | 9.1 (5人) | 9着 | 1:58.3(33.6) | 0.8 | 福永祐一 | 56 | イクイノックス | 506 |
12.11 | 沙田 | 香港C | G1 | 芝2000m(Gd)[注 2] | 12 | 3 | 11 | 19.0 (6人) | 6着 | 2:00.79(35.88) | 1.09 | W.ビュイック | 56[注 3] | Romantic Warrior | 499[注 4] |
2023. 2.25 | KAA | サウジC | G1 | ダ1800m(Fs)[注 5] | 13 | 12 | 5 | 26.0 (9人) | 4着 | 1:51.08 | 0.28 | C.ルメール | 57 | Panthalassa | 計不 |
3.25 | メイダン | ドバイWC | G1 | ダ2000m(Fs)[注 6] | 15 | 9 | 7 | 16.9 (5人) | 11着 | 2:09.05(43.97) | 5.80 | C.ルメール | 57 | Ushba Tesoro | 計不 |
6.25 | 阪神 | 宝塚記念 | GI | 芝2200m(良) | 17 | 7 | 13 | 83.1(11人) | 9着 | 2:11.9(35.8) | 0.7 | 岩田望来 | 58 | イクイノックス | 510 |
10. 9 | 盛岡 | MCS南部杯 | JpnI | ダ1600m(稍) | 14 | 6 | 9 | 5.7 (3人) | 9着 | 1:37.0(37.5) | 3.2 | 岩田望来 | 57 | レモンポップ | 515 |
12. 3 | 中京 | チャンピオンズC | GI | ダ1800m(良) | 15 | 2 | 3 | 48.1(10人) | 15着 | 1:55.0(41.4) | 4.4 | W.ビュイック | 58 | レモンポップ | 504 |
2024. 2.25 | 中山 | 中山記念 | GII | 芝1800m(稍) | 16 | 2 | 4 | 10.0 (4人) | 3着 | 1:48.5(37.3) | 0.4 | 戸崎圭太 | 58 | マテンロウスカイ | 516 |
3.31 | 阪神 | 大阪杯 | GI | 芝2000m(良) | 16 | 3 | 6 | 15.4 (8人) | 5着 | 1:58.5(34.9) | 0.3 | 北村宏司 | 58 | ベラジオオペラ | 506 |
6. 2 | 東京 | 安田記念 | GI | 芝1600m(稍) | 18 | 2 | 4 | 43.9(12人) | 6着 | 1:32.8(34.0) | 0.5 | 北村宏司 | 58 | ロマンチックウォリアー | 510 |
8.18 | 札幌 | 札幌記念 | GII | 芝2000m(良) | 12 | 2 | 2 | 7.8 (3人) | 2着 | 1:59.9(35.0) | 0.3 | 横山武史 | 58 | ノースブリッジ | 512 |
11. 3 | デルマー | BCマイル | G1 | 芝1600m(良) | 12 | 3 | (5人) | 5着 | 横山武史 | 57 | More Than Looks | 計不 |
- 海外の競走の「枠番」欄にはゲート番を記載
- 香港のオッズ・人気は香港ジョッキークラブのもの(日本式のオッズ・表記とした)
- サウジアラビアのオッズ・人気はRacing Postのもの(日本式のオッズ表記とした)
- 競走成績は2024年11月3日現在
評価・特徴
編集血統表
編集ジオグリフの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ストームキャット系 |
[§ 2] | ||
父 *ドレフォン Drefong 2013 鹿毛 |
父の父 Gio Ponti2005 鹿毛 |
Tale of the Cat | Storm Cat | |
Yarn | ||||
Chipeta Springs | Alydar | |||
Salt Spring | ||||
父の母 Eltimaas2007 鹿毛 |
Ghostzapper | Awesome Again | ||
Baby Zip | ||||
Najecam | Trempolino | |||
Sue Warner | ||||
母 アロマティコ 2009 栗毛 |
キングカメハメハ 2001 鹿毛 |
Kingmambo | Mr. Prospector | |
Miesque | ||||
*マンファス | *ラストタイクーン | |||
Pilot Bird | ||||
母の母 ナスカ2003 鹿毛 |
*サンデーサイレンス | Halo | ||
Wishing Well | ||||
アンデスレディー | *ノーザンテースト | |||
ペルースポート | ||||
母系(F-No.) | レデイチヤツター(GB)系(FN:19) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Mr. Prospector M4×S5 = 9.38%、Raise a Native S5×M5 = 6.25% | [§ 4] | ||
出典 |
母系の血統には社台グループの歴史が詰め込まれており、5代母グレートターフに交配されたガーサント、4代母ペルースポートに交配されたノーザンテースト、3代母アンデスレディーに交配されたサンデーサイレンスはいずれも社台グループが導入した種牡馬で、3頭とものちにチャンピオンサイアーとなっている[48]。
- 母アロマティコは中央6勝を挙げ、クイーンステークス2着、秋華賞・エリザベス女王杯・マーメイドステークス3着の実績がある。
- 主な近親にアンデスクイーン(エンプレス杯、レディスプレリュードなど)、アンデスビエント(関東オークス)、インティライミ(京都新聞杯、京都大賞典など)、アルバート(ステイヤーズステークス3回、ダイヤモンドステークス)など[46][49]。
脚注
編集注釈
編集- ^ JpnIまで含めると同年のマイルチャンピオンシップ南部杯(カフェファラオ)が最後となる。
- ^ 馬場状態の発表は「Good」[39]。これをJRAは「良」と発表した[40]。馬場状態#芝馬場参照。
- ^ 斤量は123ポンドで[39]、メートル法に換算すると約55.79キログラム(小数点第3位以下を四捨五入)。これをJRAは「56.0kg」と発表した[40]。
- ^ 馬体重は1102ポンドで[39]、メートル法に換算すると約499.86キログラム(小数点第3位以下を四捨五入)。これをJRAは「499kg」と発表した[40]。
- ^ 馬場状態の発表は「Fast」[41]。これをJRAは「良」と発表した。馬場状態#ダートコース参照。
- ^ 馬場状態の発表は「Fast」[42]。これをJRAは「良」と発表した[43]。馬場状態#ダートコース参照。
出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “ジオグリフ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年8月6日閲覧。
- ^ “地標圖形 - 香港賽馬會”. racing.hkjc.com. 香港ジョッキークラブ. 2022年12月11日閲覧。
- ^ a b “競走馬情報 - ジオグリフ”. 日本中央競馬会 2024年11月4日閲覧。
- ^ “2022 香港国際競走要綱(簡易版)”. 2022年12月11日閲覧。
- ^ “2023 サウジカップ開催施行競走 登録要綱”. 2023年2月26日閲覧。
- ^ “DMR110224USA11”. 2024年11月4日閲覧。
- ^ “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2022”. IFHA. 2023年1月18日閲覧。
- ^ “The LONGINES World's Best Racehorse Rankings For 3yos and upwards which raced in 2023”. 国際競馬統括機関連盟. 2024年1月26日閲覧。
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- ^ “木村 哲也調教師(美浦)の調教停止に伴う管理馬の転厩”. JRAニュース. 日本中央競馬会 (2021年7月28日). 2022年8月6日閲覧。
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- ^ “【朝日杯FS】ジオグリフ上がり最速タイも5着 ルメール「後ろすぎた」”. 極ウマ・プレミアム. 株式会社日刊スポーツ新聞社 (2021年12月19日). 2021年12月24日閲覧。
- ^ “【朝日杯FS】2番人気ジオグリフは後方から届かず5着 ルメール「結果的に後ろすぎましたね」”. サンスポZBAT!競馬. 株式会社産経デジタル (2021年12月19日). 2021年12月24日閲覧。
- ^ “【共同通信杯結果】ダノンベルーガが突き抜けてデビュー2連勝!いざクラシックへ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2022年2月13日). 2022年4月17日閲覧。
- ^ “【皐月賞結果】ジオグリフが差し切り一冠目を制す!イクイノックス2着で木村哲也厩舎のワンツー”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ (2022年4月17日). 2022年4月17日閲覧。
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- ^ “皐月賞馬ジオグリフが右前脚を骨折 全治3カ月の見通し 骨片摘出の手術せず完治を待つ”. 極ウマ・プレミアム. 株式会社日刊スポーツNEWS (2022年6月1日). 2022年8月6日閲覧。
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- ^ 編集部, GJ. “岩田望来「芝のほうがいい」も次走はチャンピオンズC(G1)…かつてイクイノックスも撃破、皐月賞馬は何故ダートにこだわるのか”. GJ | 真剣勝負の裏にある真実に斬り込むニュースサイト. 2023年12月5日閲覧。
- ^ “【大阪杯】中山記念3着に見たジオグリフ「復活の兆し」距離適性も合う”. ウマトク (2024年3月26日). 2024年4月2日閲覧。
- ^ “【大阪杯】ジオグリフは5着止まりも復活への手応えは十分 北村宏「いい方向に進んできています」”. 東スポ競馬 (2024年3月31日). 2024年4月2日閲覧。
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- ^ “【皐月賞】社台グループの結晶ジオグリフが1冠、5代血統全てにチャンピオンサイアーの血脈”. 日刊スポーツ. 株式会社日刊スポーツNEWS (2022年4月17日). 2022年4月17日閲覧。
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