サッカースイス代表
サッカースイス代表(サッカースイスだいひょう、仏:Équipe de Suisse de football, 独:Schweizer Fussballnationalmannschaft, 伊:Nazionale di calcio della Svizzera, ロマンシュ語:Squadra naziunala da ballape da la Svizra)は、スイスサッカー協会(ASF / SFV)によって構成される、スイスのサッカーのナショナルチームである。
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国または地域 | スイス | |||
協会 | スイスサッカー協会 | |||
FIFAコード | SUI | |||
愛称 |
A-Team Nati (National Team) Rossocrociati (Red Crosses) | |||
監督 | ムラト・ヤキン | |||
キャプテン | グラニト・ジャカ | |||
最多出場選手 | グラニト・ジャカ(130試合) | |||
最多得点選手 | アレクサンダー・フライ(42得点) | |||
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初の国際試合 | ||||
フランス 1-0 スイス (フランス・パリ、1905年2月12日) | ||||
最大差勝利試合 | ||||
スイス 9-0 リトアニア (スイス・バーゼル、1924年5月24日) | ||||
最大差敗戦試合 | ||||
スイス 0-9 イングランド (スイス・バーゼル、1909年5月22日) ハンガリー 9-0 スイス (ハンガリー・ブダペスト、1911年10月29日) | ||||
FIFAワールドカップ | ||||
出場回数 | 12回(初出場は1934) | |||
最高成績 | ベスト8 (1934, 1938, 1954) | |||
UEFA欧州選手権 | ||||
出場回数 | 6回 | |||
最高成績 | ベスト8 (2020, 2024) | |||
概要
編集スイス代表のFIFAワールドカップにおける最高成績は1934年大会、1938年大会、1954年大会で記録したベスト8である。1954年大会のベスト8では、オーストリア代表と対戦し、7-5と壮絶な撃ち合いの末に敗退したが、合計12得点はワールドカップ史上最多得点試合として記録されている[1]。また、2006 FIFAワールドカップでは、ベスト16でウクライナ代表に0-0で迎えたPK戦で敗れたが、出場した全4試合で無失点という記録を残した[2]。
UEFA欧州選手権ではオーストリアとの共催でUEFA EURO 2008に大会ホスト枠として通算3度目の出場を果たしたが、グループステージで敗退した[3]。しかし、UEFA EURO 2016はベスト16、UEFA EURO 2020においては史上初めてとなるベスト8に進出するなど、近年は成功を収めている[4]。
公式記録上の国際大会での最高成績は、1924年パリオリンピックにおいて、決勝戦のウルグアイ代表に3-0で敗れて獲得した銀メダル(準優勝)となっている[5]。
歴史
編集1930年代 - 1990年代
編集FIFAワールドカップは1934年のイタリア大会で本大会に初参加。1回戦でオランダに勝利しベスト8入りを果たす。
1938年のFIFAワールドカップ・フランス大会では1回戦でドイツに引き分け再試合にもつれ込むが辛くも勝利して2大会連続でベスト8に進出した。
3大会連続出場となった1950年のFIFAワールドカップ・ブラジル大会では開催国のブラジル、メキシコ、ユーゴスラビアと同じグループ1に入りメキシコに勝利、開催国のブラジルに引き分けるなど健闘したが、初戦のユーゴスラビア戦の敗戦が響き1勝1分1敗の3位でグループリーグ敗退となる。
1954年の地元開催で行われたFIFAワールドカップ・スイス大会ではイタリア、イングランド、ベルギーと同じグループ4に入る。この大会のみグループリーグにシード制が導入され総当りではなかったため、初戦のイタリアには勝利したが結果的にそのイタリアと1勝1敗で並びプレーオフが行われた。そのプレーオフでスイスはイタリアに4-1と勝利し結果的にイタリア相手に2勝してグループリーグを2位で突破し、3度目のベスト8入りを果たした。ベスト8ではオーストリア相手に打ち合いを演じるが5-7で敗戦した。
1962年のFIFAワールドカップ・チリ大会では開催国のチリ、西ドイツ、イタリアと同じグループ2に入るが、全敗でグループリーグ敗退。
1966年のFIFAワールドカップ・イングランド大会では西ドイツ、アルゼンチン、スペインと同じグループ2に入るが2大会連続で全敗でグループリーグ敗退。その後は予選突破ができず、1994年のFIFAワールドカップ・アメリカ大会まで本大会には出場できずにいた。
その1994年FIFAワールドカップ・アメリカ大会予選では、同組となったイタリアを相手に1勝1分と勝ち越して7大会ぶりに予選を突破する。本大会では開催国のアメリカ、コロンビア、ルーマニアと同じグループAに入り、1勝1分1敗の2位でノックアウトステージに進出した。ラウンドオブ16ではラウンドオブ16でスペインと対戦し0-3で敗戦した。
UEFA EUROにはUEFA EURO 1996で本大会初出場を果たす。グループリーグでは開催国のイングランド、オランダ、スコットランドと同じグループAに入り、初戦で開幕戦となる開催国イングランド相手に1-1と引き分けたが、その後2敗を喫し、初の本大会はグループリーグ最下位で敗退となった。
1998年のFIFAワールドカップ・フランス大会では予選でプレーオフに進出できる2位のハンガリーに勝点2と僅かに及ばず、4位で敗退となり2大会連続での出場は叶わなかった。
2000年代 - 2010年代
編集2000年のUEFA欧州選手権・ベルギー・オランダ共催大会では予選でデンマークと勝点で並んだが、直接対決で1分1敗と負け越し、3位となり予選敗退となった。
2002年のFIFAワールドカップ・日韓共催大会では予選で後に本大会に出場となるロシア、スロベニアなどと同じグループに入ったが、フェロー諸島とルクセンブルクにしか勝利を挙げることが出来ず、結局予選4位となり2大会連続で予選敗退となった。
2004年のUEFA EURO 2004では予選で2002年のFIFAワールドカップ予選で敗れたロシアと再び同組になるが、勝点1差でそのロシアを振り切り予選1位となり2大会ぶりの本大会出場を決めた。本大会ではフランス、イングランド、クロアチアと強豪国ばかりのグループBに入り1分2敗で初の決勝トーナメント進出とはならなかった。
2006年のFIFAワールドカップ・ドイツ大会ではプレーオフで前回大会3位のトルコをアウェーゴール差で破り3大会ぶりの本大会出場となった。本大会のグループリーグでは今大会限りで現役を引退するジネディーヌ・ジダン要するフランス、前回大会4位の韓国、初出場のトーゴと同じグループGに入った。初戦のフランスには0-0と引き分けたものの、第2戦のトーゴ、最終戦の韓国にはともに無失点で勝利しグループステージを1位で通過した。ノックアウトステージではラウンドオブ16で初出場となるウクライナと対戦し、0-0でPK戦までもつれ込んだ結果、1失点も喫することなく敗退した。
オーストリアとの共同開催となったUEFA EURO 2008ではチェコ、ポルトガル、トルコと同じグループAに入ったが、開幕戦のチェコ、2戦目のトルコに連敗をし、最終戦を戦わずしてグループステージ敗退が決まった。
2010年のFIFAワールドカップ・南アフリカ大会では予選でギリシャを勝点差1で振り切り本大会に2大会連続出場を決めた。本大会では後に大会初優勝となったスペイン、チリ、ホンジュラスと同じグループHに入った。グループステージ初戦でスペインに1-0と勝利するも続くチリには0-1と敗れ、最終戦のホンジュラスに勝てば決勝トーナメント進出の可能性が十分あったが、0-0とスコアレスドローとなり3位でグループステージ敗退となった。なお、第2戦のチリ戦で後半30分にマルク・ゴンサレスにゴールを決められるまで559分の連続無失点記録を樹立した。
3大会連続出場を狙った2012年のUEFA EURO 2012では予選でイングランドなどと同組になるが、プレーオフに出場できる2位のモンテネグロに勝点1差で僅かに及ばず3大会連続出場は叶わなかった。
2014年のFIFAワールドカップ・ブラジル大会では予選でアイスランド、スロベニアなどと同組になるが、序盤から勝点を積み重ね、終わってみれば7勝3分の成績となり無敗で予選を突破した。本大会では組み合わせ抽選会が行われた当時のFIFAランキングで7位となりシード国が入るポット1となり、エクアドル、フランス、ホンジュラスと同じグループEに入った。初戦のエクアドルには1-1で迎えた後半アディショナルタイム3分にハリス・セフェロヴィッチのゴールで2-1と逆転勝利をした。続くフランスには終盤に2点を返すも2-5と大敗を喫した。最終戦の相手は前回大会同様ホンジュラスが相手となったが、ジェルダン・シャチリのハットトリックの活躍で3-0と勝利し、グループステージ2位で2大会ぶりのノックアウトステージ進出となった。ラウンドオブ16ではアルゼンチンと対戦し、延長戦までもつれ込む接戦となったが、延長後半13分にディ・マリアにゴールを奪われ、0-1と敗れた。
2016年のUEFA EURO 2016では予選を2位で突破し、2大会ぶりの本大会出場を決めた。本大会では開催国のフランス、ルーマニア、アルバニアと同じグループAに入り、1勝2分で2位となり、初のノックアウトステージ進出を決めた。ラウンドオブ16でポーランドと対戦し、前半39分にポーランドのヤクブ・ブワシュチコフスキに先制点を奪われるが、後半37分にジェルダン・シャチリのゴールで同点に追いつくことに成功した。試合はこのままPK戦までもつれ込んだが、スイスの2人目であるグラニト・ジャカが失敗をし、対するポーランドは全員成功させスイスは敗れた。
2018 FIFAワールドカップには4大会連続で出場を決めた。同大会ではブラジル、コスタリカ、セルビアと同じグループEに入り、ブラジルに次ぐ2位通過で2大会連続のノックアウトステージ進出を決めたが、ラウンドオブ16ではスウェーデンと対戦して敗れた。
2020年代
編集1年延期されたUEFA EURO 2020ではグループステージを2位で通過、ラウンドオブ16でフランスにPK戦で勝利し、UEFA EUROでは初の準々決勝進出もスペインにPK戦で敗れた。
2022 FIFAワールドカップには5大会連続で出場を決めた。同大会ではブラジル、カメルーン、セルビアと同じグループGに入り、ブラジルに次ぐ2位通過で3大会連続のノックアウトステージ進出を決めたが、ラウンドオブ16ではポルトガルと対戦して敗れた。
成績
編集FIFAワールドカップ
編集開催年 | 結果 | 試合 | 勝利 | 引分 | 敗戦 | 得点 | 失点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1930 | 不参加 | ||||||
1934 | ベスト8 | 2 | 1 | 0 | 1 | 5 | 5 |
1938 | 3 | 1 | 1 | 1 | 5 | 5 | |
1950 | グループリーグ敗退 | 3 | 1 | 1 | 1 | 4 | 6 |
1954 | ベスト8 | 4 | 2 | 0 | 2 | 11 | 11 |
1958 | 予選敗退 | ||||||
1962 | グループリーグ敗退 | 3 | 0 | 0 | 3 | 2 | 8 |
1966 | 3 | 0 | 0 | 3 | 1 | 9 | |
1970 | 予選敗退 | ||||||
1974 | |||||||
1978 | |||||||
1982 | |||||||
1986 | |||||||
1990 | |||||||
1994 | ベスト16 | 4 | 1 | 1 | 2 | 5 | 7 |
1998 | 予選敗退 | ||||||
2002 | |||||||
2006 | ベスト16 | 4 | 2 | 2 | 0 | 4 | 0 |
2010 | グループリーグ敗退 | 3 | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
2014 | ベスト16 | 4 | 2 | 0 | 2 | 7 | 7 |
2018 | 4 | 1 | 2 | 1 | 5 | 5 | |
2022 | 4 | 2 | 0 | 2 | 5 | 9 | |
合計 | 12/22 | 41 | 14 | 8 | 19 | 55 | 73 |
- 備考
- スイスは、初出場の1934年大会初戦から1994年大会のラウンド16まで出場22試合連続で失点を喫しており、これはワールドカップにおける連続試合失点の記録である。その一方で、2006年大会ではグループリーグ3試合を無失点(この大会初戦で連続試合失点を止めた)、決勝トーナメント一回戦でウクライナに0-0からのPK戦で敗れ、ワールドカップ史上初の無失点での大会敗退という珍記録を残した。
- さらに、2010年大会のグループリーグ第1戦のスペイン戦も無失点で、イタリアと並ぶ5試合連続無失点のワールドカップタイ記録を樹立し連続試合失点と連続試合無失点、両方のレコードホルダーになった。続くチリ戦では後半30分に失点するが、この時点までの大会通算連続無失点時間は86・90年大会のイタリア(550分)をも上回る559分となり、わずかながら記録を更新した。
UEFA欧州選手権
編集開催年 | 結果 | 試合 | 勝利 | 引分 | 敗戦 | 得点 | 失点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1960 | 不参加 | ||||||
1964 | 予選敗退 | ||||||
1968 | |||||||
1972 | |||||||
1976 | |||||||
1980 | |||||||
1984 | |||||||
1988 | |||||||
1992 | |||||||
1996 | グループリーグ敗退 | 3 | 0 | 1 | 2 | 1 | 4 |
2000 | 予選敗退 | ||||||
2004 | グループリーグ敗退 | 3 | 0 | 1 | 2 | 1 | 6 |
2008 | 3 | 1 | 0 | 2 | 3 | 3 | |
2012 | 予選敗退 | ||||||
2016 | ベスト16 | 4 | 1 | 3 | 0 | 3 | 2 |
2021 | ベスト8 | 5 | 1 | 3 | 1 | 8 | 9 |
2024 | ベスト8 | 5 | 2 | 3 | 0 | 8 | 4 |
合計 | 6/17 | 23 | 5 | 11 | 7 | 24 | 28 |
オリンピック
編集開催年 | 結果 | 試 | 勝 | 分 | 負 | 得 | 失 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1900 | 不参加 | ||||||
1904 | |||||||
1908 | |||||||
1912 | |||||||
1920 | |||||||
1924 | 準優勝 | 6 | 4 | 1 | 1 | 15 | 6 |
1928 | ベスト16 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 4 |
1936 | 不参加 | ||||||
1948 | |||||||
1952 | |||||||
1956 | |||||||
1960 | 予選敗退 | ||||||
1964 | |||||||
1968 | |||||||
1972 | |||||||
1976 | 不参加 | ||||||
1980 | |||||||
1984 | |||||||
1988 | 予選敗退 | ||||||
通算 | 最高成績 : 準優勝 19大会中/2回出場 |
7 | 4 | 1 | 2 | 15 | 10 |
歴代監督
編集- ハンス=ペーター・ザウググ 2000
- エンソ・トロセーロ 2000-2001
- ヤコブ・クーン 2001-2008
- オットマー・ヒッツフェルト 2008-2014
- ヴラディミル・ペトコヴィッチ 2014-2021
- ムラト・ヤキン 2021-
現招集メンバー
編集2021年5月30日に発表されたUEFA EURO 2020の最終登録メンバー。
歴代選手
編集
GK編集
|
DF編集
|
MF編集
|
FW編集
|
歴代記録
編集出場数ランキング
編集順位 | 名前 | 出場 | 期間 |
---|---|---|---|
1 | ハインツ・ハーマン | 118 | 1979-1991 |
2 | グラニト・ジャカ | 117 | 2011- |
3 | ジェルダン・シャチリ | 116 | 2010- |
4 | アラン・ガイガー | 112 | 1980-1996 |
5 | リカルド・ロドリゲス | 110 | 2011- |
6 | ステファン・リヒトシュタイナー | 108 | 2006-2019 |
7 | ステファヌ・シャピュイサ | 103 | 1989-2004 |
8 | ヨハン・フォーゲル | 94 | 1995-2007 |
9 | ハリス・セフェロヴィッチ | 93 | 2013- |
10 | ギョクハン・インレル | 89 | 2006-2015 |
得点数ランキング
編集順位 | 名前 | 得点 | 出場 | 期間 |
---|---|---|---|---|
1 | アレクサンダー・フライ | 42 | 84 | 2001-2011 |
2 | クビライ・トゥルキルマズ | 34 | 64 | 1988-2001 |
マックス・アベグレン | 68 | 1922-1937 | ||
4 | ジェルダン・シャチリ | 29 | 117 | 2010- |
アンドレ・アベグレン | 52 | 1927-1943 | ||
6 | ジャック・ファトン | 28 | 53 | 1946-1955 |
7 | アドリアン・クヌップ | 26 | 49 | 1989–1996 |
8 | ハリス・セフェロヴィッチ | 25 | 93 | 2013- |
9 | ヨセフ・フギ | 22 | 34 | 1951–1961 |
シャルル・アンテネン | 56 | 1948–1962 |
脚注
編集- ^ “World Cup 1954 finals” (3 January 2007). 3 January 2007時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年12月27日閲覧。
- ^ Taylor, Daniel (21 June 2010). “Chile 1-0 Switzerland | World Cup Group H match report” (英語). The Guardian. 5 July 2018閲覧。
- ^ uefa.com. “UEFA EURO 2008 - History - Standings – UEFA.com” (英語). UEFA.com. 5 July 2018閲覧。
- ^ UEFA.com. “Switzerland-Spain - UEFA EURO 2020 - UEFA.com” (英語). UEFA.com. 2022年11月29日閲覧。
- ^ “Olympic Football Tournament Paris 1924 - Switzerland 0:3 (0:1) Uruguay - Overview”. FIFA. 2018年7月5日閲覧。