サキー(Sakhee)[2]とはアメリカ合衆国生産、イギリスUAE調教の競走馬種牡馬。主な勝ち鞍は2001年凱旋門賞インターナショナルステークスなど。

サキー
ゴドルフィンの勝負服
欧字表記 Sakhee[1][2]
品種 サラブレッド[1][2]
性別 [1][2]
毛色 鹿毛[1][2]
生誕 1997年2月14日[1]
死没 2021年8月20日[3]
Bahri[1][2]
Thawakib[1][2]
母の父 Sadler's Wells[1][2]
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国(ケンタッキー州)[4][2]
生産者 Shadwell Farms Inc.[1]
馬主 ハムダーン・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム
Godolphin
[1]
調教師 John L.Dunlop
Saeed bin Suroor
[1]
競走成績
生涯成績 14戦8勝[1][2]
獲得賞金 2,207,096ポンド[1]
勝ち鞍
GI 凱旋門賞 2001年
GI インターナショナルステークス 2001年
GII ダンテステークス 2000年
GIII クラシックトライアル 2000年
Listed スティーヴントンステークス 2001年
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現役時代

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  • 特記事項なき場合、本節の出典はRacing Post[1]、EQIBASE[4]

1999年8月22日、レスター競馬場英語版でのメイドン競走でデビューし、4着。2戦目で勝ち上がり、サンダウン競馬場での条件ステークスも勝って3戦2勝とし、休養に入る。3歳となった2000年、初戦のクラシックトライアルを勝って連勝を継続し、ダービーステークス前哨戦のダンテステークスにも勝利し4連勝をマークした。ダービーステークスでは、いったん先頭に立つも残り150ヤードのところでシンダーに差し切られ1馬身差の2着に終わる[5]。次走のエクリプスステークスジャイアンツコーズウェイの4着と振るわず以後休養に入り、この間にゴドルフィンサイード・ビン・スルール厩舎に転入した。冬場にドバイで調整中に膝を痛め、休養が長引くこととなった[6]

エクリプスステークス出走からおよそ1年を経た2001年7月にニューベリー競馬場リステッド競走スティーヴントンステークスで復帰して1着とすると、次走のインターナショナルステークスでは2着のグランデラに7馬身差をつけて連勝。10月7日の凱旋門賞でも最後の直線手前から押し出して2着アクアレリストに6馬身差をつけて勝利[6]。鞍上のランフランコ・デットーリは「素晴らしい馬だ」と称えた[6]。このあと、当初出走予定のチャンピオンステークスは見送ってブリーダーズカップ・ターフへの出走が取り沙汰されたが[6]、最終的にはターフ出走を僚馬ファンタスティックライトに宛がって、ブリーダーズカップ・クラシックに向かうこととなった[7]。この使い分けをブラッド・ホース誌は「意外な選択」と報じた一方[7]、クラシックに出走予定のティズナウを管理するジェイ・ロビンス調教師は「勝つチャンスはなくなった」と脅威として受け止めていた[8]。レースでは先行するアルバートザグレートを追う形で進め、直線入口では先頭に立つもティズナウと長く競り合い、そのまま馬体を合わせてゴール[8]。結果はティズナウとはハナ差の2着に終わり、デットーリは「芝のレースほどの推進力に欠けていたしタフな馬に叩かれたが、頑張った」と振り返った[8]。この一戦は、全米サラブレッド競馬協会の「モーメント・オブザ・イヤー」に選ばれた[9]

5歳となった2002年は2月ナドアルシバ競馬場の条件競走から使い出し、1着。続くドバイワールドカップストリートクライの3着に終わり、休養を経て8月のG3競走ゴントービロン賞英語版で2着のあとチャンピオンステークスを目標に調整が進められていたが、レースを目前に膝を故障して引退した[10]

競走成績

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以下の内容は、Racing Post[1]、EQIBASE[4]の情報および記載法に基づく。

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
1999.08.22 レイセスター メイドン競走 芝7f 4着 R. ヒルズ 4馬身 Soviet Flash
1999.09.13 ノッティンガム メイドン競走 芝8f 1着 R. ヒルズ 3馬身 (Duchamp)
1999.10.02 サンダウン 条件S 芝8f 1着 G. カーター 3 1/2馬身 (Michele Marieschi)
2000.04.29 サンダウン クラシックトライアル G3 芝10f7y 1着 R. ヒルズ 1馬身 (Pawn Broker)
2000.05.17 ヨーク ダンテS G2 芝10f85y 1着 R. ヒルズ 1 1/4馬身 (Pawn Broker)
2000.06.10 エプソム ダービー G1 芝12f10y 2着 R. ヒルズ 1馬身 Sinndar
2000.07.08 サンダウン エクリプスS G1 芝10f7y 4着 R. ヒルズ 4馬身 Giant's Causeway
2001.07.21 ニューベリー スティーヴントンS L 芝10f 1着 L. デットーリ 3馬身 (Aklwych)
2001.08.21 ヨーク インターナショナルS G1 芝10f85y 1着 L. デットーリ 7馬身 (Grandera)
2001.10.07 ロンシャン 凱旋門賞 G1 芝2400m 1着 L. デットーリ 6馬身 (Aquarelliste)
2001.10.27 ベルモントパーク ブリーダーズカップ・クラシック G1 D10f 2着 L. デットーリ ハナ Tiznow
2002.02.24 ナドアルシバ 条件競走 D2000m 1着 L. デットーリ 9馬身 (Atlantis Prince)
2002.03.22 ナドアルシバ ドバイワールドC G1 D2000m 3着 L. デットーリ 9馬身 Street Cry
2002.08.10 ドーヴィル ゴントービロン賞 G3 芝2000m 2着 R. ヒルズ 1馬身 Wellbeing

引退後

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2003年よりシェイク・ハムダンがイギリスに所有するシャドウェルスタッドで種牡馬として供用された[10]。2021年8月20日に老衰のため死亡、24歳であった[3]

おもな産駒

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血統表

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サキー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 リヴァーマン系
[§ 2]

Bahri
1992 鹿毛
父の父
Riverman
1969 鹿毛
Never Bend Nasrullah
Lalun
River Lady Prince John
Nice Lily
父の母
Wasnah
1987 鹿毛
Nijinsky II Northern Dancer
Flaming Page
Highest Trump Bold Digger
Dear April

Thawakib
1990 鹿毛
Sadler's Wells
1981 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Fairy Bridge Bold Reason
Special
母の母
Tobira Celeste
1971 鹿毛
Ribot Tenerani
Romanella
Heavenly Body Dark Star
Dangerous Dame
母系(F-No.) (FN:21-a) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 3 × 4 = 18.75%、Nasrullah 4 × 5 = 9.38%、Lalun 4 × 5 = 9.38%、Nearco 5 × 5 = 6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ [14]
  2. ^ [15]
  3. ^ [14]
  4. ^ [14][15]


脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Sakhee(USA) form”. Racing Post. 2020年6月10日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j Sakhee(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月10日閲覧。
  3. ^ a b 【海外競馬】名馬サキーが24歳で死す、2001年凱旋門賞を6馬身差で圧勝”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2021年8月22日). 2021年8月22日閲覧。
  4. ^ a b c Sakhee (KY)”. EQUIBASE Horse Profile. Equibase Company LLC.. 2020年6月10日閲覧。
  5. ^ Vodafone Derby Stakes Class A Showcase Race (Group 1)”. Racing Post. 2020年6月10日閲覧。
  6. ^ a b c d European Race Report: All Sakhee in Arc”. BloodHorse.com. Blood-Horse LLC. (2001年10月7日). 2020年6月10日閲覧。
  7. ^ a b Godolphin's Choice: Sakhee in Classic, Fantastic Light in Turf”. BloodHorse.com. Blood-Horse LLC. (2001年10月24日). 2020年6月10日閲覧。
  8. ^ a b c Belmont salutes horse of the year show”. The Guardian. Guardian News & Media Limited (2001年10月29日). 2020年6月10日閲覧。
  9. ^ Tiznow/Sakhee Battle Voted NTRA's Moment of the Year”. BloodHorse.com. Blood-Horse LLC. (2002年1月29日). 2020年6月10日閲覧。
  10. ^ a b Arc Winner Sakhee Retired to Shadwell Stud”. BloodHorse.com. Blood-Horse LLC. (2002年10月14日). 2020年6月10日閲覧。
  11. ^ Presvis(GB)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月10日閲覧。
  12. ^ Sakhee's Secret(GB)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月10日閲覧。
  13. ^ Tin Horse(IRE) form”. Racing Post. 2020年6月10日閲覧。
  14. ^ a b c Sakhee(USA) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年6月10日閲覧。
  15. ^ a b Sakheeの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年6月10日閲覧。

外部リンク

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