カネツクロス(欧字名:Kanetsu Cross1991年3月18日 - 2017年12月21日)は、日本競走馬[1]。主な勝ち鞍に1995年エプソムカップ鳴尾記念1996年アメリカジョッキークラブカップ

カネツクロス
欧字表記 Kanetsu Cross[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 1991年3月18日[1]
死没 2017年12月21日(26歳没) [2]
登録日 1993年12月9日
抹消日 1998年1月8日
タマモクロス[1]
マウントソブリン[1]
母の父 ラッキーソブリン[1]
生国 日本北海道門別町[1]
生産者 カネツ牧場[1]
馬主 カネツ競走馬(株)[1][注 1]
調教師 西塚安夫美浦南
堀井雅広(美浦南)
→西塚安夫(美浦南)
[1]
調教助手 津田昭
競走成績
生涯成績 28戦9勝[1]
獲得賞金 3億1216万0000円[1]
勝ち鞍
GII 鳴尾記念 1995年
GII AJCC 1996年
GIII エプソムC 1995年
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馬具の一種であるチークピーシズを日本の競走馬で初めて装着した馬とされている[3]

経歴

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競走馬時代

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美浦西塚安夫厩舎に入厩。 1994年1月31日東京競馬場での新馬戦でデビューするも5着に敗れる。最初の3戦は柴田政人が騎乗していた。3戦目の未勝利戦、4戦目の500万下で連勝。

1994年12月の900万下から、後の主戦である的場均が騎乗する事になる。デビューから年があけて1995年の4月、中山競馬場で行われた1500万下の春風ステークスを皮切りに、メトロポリタンステークスも勝ち、重賞初挑戦となったエプソムカップも重賞未勝利ながらトップハンデを背負いつつ勝利した[4]

休みを挟んで毎日王冠ではスガノオージの10着に敗れたもののあくまでひと叩きであり、予定通り天皇賞(秋)に向かう予定だった[5]。ところが、天皇賞に出走予定のナリタブライアンの不調が伝わっていたためか陣営が思っていた以上に天皇賞の登録馬が増えたため、賞金面で除外となる[5]。予定を切り替えて次の週の京都競馬場で行われる菊花賞と同日のオープン特別である大原ステークスに出走することとなったが、今度は主戦の的場が東京のレースに先約があり騎乗できなくなったため、西塚の要請で横山典弘が騎乗することとなった[5]。レースでは折り合いを欠いて向正面から先頭を切る形となったがそのまま押し切って勝利し、この勝利がこれまで好位から進めていたレースぶりを一変させるターニングポイントになった[5]。次走も西下して鳴尾記念に出走、大原ステークスと同様にレース半ばからハナに立つ競馬となったがそのまま後続の追撃を凌いで連勝[5]。年明けて出走した東京のアメリカジョッキークラブカップ[注 2]も逃げの手を打ち、上がり33.9秒の末脚で2着のオークスダンスパートナー以下を全く寄せ付けず3連勝とした[5]

アメリカジョッキークラブカップの後、3月の日経賞に出走[3]。ここでは的場が前走後に「GIを勝てるようなレースをしていく」と言っていたこともあり、ホッカイルソーの2着に終わったとはいえ天皇賞(春)に向け楽観視されていた[3]。ところが、天皇賞前に挫石を発症して回避を余儀なくされ、仕切り直しの宝塚記念では2番人気に推されるもマヤノトップガンの6着に終わる[3]。それからの走りは精彩を欠き、日本競馬史上初めてチークピーシズを装着する[3]など工夫も行われたが効果を上げるに至らず、結局一つも勝つ事が出来ないまま1997年の有馬記念を最後に引退した。

引退後

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引退後は種牡馬にはならず、生まれ故郷のカネツ牧場で余生を過ごしていた[4]1998年より一度名馬のふるさとステーションに移動したが、戻っている。その後、2017年12月21日に死亡。26歳没。[2]

なお、1995年の鳴尾記念と翌年のアメリカジョッキークラブカップ、日経賞は管理する西塚安夫調教師が馬主名義貸しに関与した件で調教停止処分を受けたため、一時的に堀井雅広厩舎へ転厩しており、堀井調教師の管理の元で出走している。日経賞の後に西塚調教師の処分が明け、西塚厩舎に戻っている。西塚は、自身の死の前年に息子で調教助手の西塚信人とともにカネツクロスに会いに行っている[5]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[6]およびJBISサーチ[7]に基づく。

年月日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ(人気) 着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
(kg)
勝ち馬/(2着馬)
1994.01.31 東京 4歳新馬 ダ1400m(良) 14 1 1 05.1(2人) 5着 1:28.9 (40.1) -0.9 柴田政人 55 インタークレバー
0000.02.14 東京 4歳新馬 ダ1400m(重) 14 8 13 04.5(2人) 2着 1:26.0 (37.5) -0.7 柴田政人 55 タイキブリザード
0000.03.13 中山 4歳未勝利 ダ1200m(稍) 16 5 9 01.3(1人) 1着 1:12.8 (37.4) -0.7 柴田政人 55 (ピュアローズ)
0000.05.29 東京 4歳500万下 ダ1600m(稍) 15 1 1 04.2(2人) 1着 1:37.6 (37.1) -0.4 武豊 55 (カミノシンゲキ)
0000.06.26 福島 しゃくなげS 900 芝1700m(良) 11 5 5 03.1(1人) 4着 1:42.1 (36.1) -0.1 蛯名正義 55 タイキパイソン
0000.07.10 福島 さくらんぼS 900 芝2000m(良) 13 3 3 03.0(2人) 9着 2:04.0 (38.6) -0.4 蛯名正義 55 ウインドフィールズ
0000.12.03 中山 4歳上900万下 ダ1800m(良) 9 7 7 04.1(2人) 4着 1:54.9 (38.6) -0.7 的場均 55 イースタンヤング
0000.12.24 中山 霞ケ浦特別 900 ダ1800m(良) 13 6 9 02.6(1人) 2着 1:53.5 (38.7) -0.1 的場均 56 キャンドルタイム
1995.01.21 中山 頌春賞 900 ダ1800m(良) 8 4 4 01.3(1人) 1着 1:53.8 (37.7) -0.8 的場均 56 (キルトフォーユー)
0000.02.25 中山 内外タイムス杯 1500 ダ1800m(良) 14 4 7 04.0(3人) 2着 1:53.4 (38.5) -0.3 的場均 56 マイネルバロン
0000.04.08 中山 春風S 1500 ダ1800m(稍) 13 5 7 02.0(1人) 1着 1:51.2 (37.5) -0.0 的場均 56.5 (キャンドルタイム)
0000.04.30 東京 メトロポリタンS OP 芝2300m(稍) 8 6 6 07.4(4人) 1着 2:19.2 (35.0) -0.8 的場均 55 (ナカミアンデス)
0000.06.10 東京 エプソムC GIII 芝1800m(重) 13 5 6 02.7(1人) 1着 1:48.0 (35.1) -0.0 的場均 56.5 スガノオージ
0000.10.08 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(重) 14 3 3 13.0(5人) 10着 1:50.0 (36.1) -1.6 的場均 57 スガノオージ
0000.11.05 京都 大原S OP 芝2400m(良) 8 5 5 04.8(3人) 1着 2:25.1 (35.8) -0.1 横山典弘 57.5 (ヤマニンリコール)
0000.12.09 阪神 鳴尾記念 GII 芝2500m(良) 12 2 2 02.8(1人) 1着 2:31.3 (35.5) -0.1 的場均 57 (スギノブルボン)
1996.01.21 東京 AJCC GII 芝2200m(良) 9 4 4 02.1(1人) 1着 2:15.0 (33.9) -0.3 的場均 58 ダンスパートナー
0000.03.17 中山 日経賞 GII 芝2500m(不) 11 7 9 01.4(1人) 2着 2:37.3 (37.1) -0.0 的場均 58 ホッカイルソー
0000.07.07 阪神 宝塚記念 GI 芝2200m(良) 13 8 12 04.6(2人) 6着 2:12.7 (35.4) -0.7 的場均 58 マヤノトップガン
0000.10.06 東京 毎日王冠 GII 芝1800m(良) 12 5 6 10.4(7人) 4着 1:46.1 (35.1) -0.3 的場均 58 アヌスミラビリス
0000.10.27 東京 天皇賞(秋) GI 芝2000m(良) 17 7 14 13.7(5人) 11着 1:59.7 (35.7) -1.0 的場均 58 バブルガムフェロー
0000.11.24 東京 ジャパンC GI 芝2400m(良) 15 7 13 29.6(9人) 14着 2:26.9 (39.3) -3.1 的場均 57 シングスピール
0000.12.22 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 14 2 2 34.1(11人) 8着 2:35.6 (38.6) -1.8 的場均 56 サクラローレル
1997.01.19 中山 AJCC GII 芝2200m(良) 9 3 3 03.8(2人) 6着 2:15.5 (37.8) -0.6 的場均 58 ローゼンカバリー
0000.02.16 東京 フェブラリーS GI ダ1600m(不) 16 2 4 19.1(7人) 13着 1:39.3 (39.0) -3.3 的場均 57 シンコウウインディ
0000.11.16 京都 マイルCS GI 芝1600m(良) 18 8 16 187.7(18人) 17着 1:37.9 (39.2) -4.6 的場均 57 タイキシャトル
0000.12.07 中京 愛知杯 GIII 芝2000m(良) 16 7 14 20.3(8人) 16着 2:05.1 (40.5) -4.5 菊沢隆徳 58 サクラエキスパート
0000.12.21 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 16 4 7 90.5(14人) 16着 2:46.7 (48.3) -11.9 的場均 56 シルクジャスティス

血統表

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カネツクロス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 フォルティノ系グレイソヴリン系 / ナスルーラ系
[§ 2]

タマモクロス
1984 芦毛
父の父
シービークロス
1975 芦毛
*フォルティノ
Fortino
Gray Sovereign
Ranavalo
ズイショウ *パーソロン Partholon
キムラス
父の母
グリーンシャトー
1974 栗毛
*シャトーゲイ
Chateaugay
Swaps
Banquet Bell
クインビー *テューダーペリオッド Tudor Period
コーサ

マウントソブリン
1984 鹿毛
*ラッキーソブリン
Lucky Sovereign
1974 鹿毛
Nijinsky Northern Dancer
Flaming Page
Sovereign Pardao
Urshalim
母の母
マルイチアサコ
1972 黒鹿毛
*テスコボーイ
Tesco Boy
Princely Gift
Suncourt
スズダマシイ トサミドリ
ミチモア
母系(F-No.) 22号族(FN:22) [§ 3]
5代内の近親交配 Nasrullah 5×5×5=9.38% [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ カネツクロス 5代血統表2017年9月5日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com カネツクロス 5代血統表2017年9月5日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ カネツクロス 5代血統表2017年9月5日閲覧。
  4. ^ netkeiba.com カネツクロス 5代血統表2017年9月5日閲覧。

脚注

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注釈

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  1. ^ 出典における馬主表記は「(株)ローレルレーシング」となっているが、当馬抹消時点での社名は「カネツ競走馬(株)」であるためそれに準じた。ローレルレーシング#歴史も参照。
  2. ^ 1996年は福島改装の関係で中山に代わり、東京芝2200メートルの条件で開催。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o カネツクロス”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月26日閲覧。
  2. ^ a b 鳴尾記念など重賞3勝、カネツクロスが26歳で死す…”. スポニチアネックス - ギャンブル. スポーツニッポン (2017年12月22日). 2019年8月26日閲覧。
  3. ^ a b c d e 【対談・小久保一徳氏・2】 カネツクロスは、日本で初めてチークピーシズを装着した馬”. サラブレモバイル. KADOKAWA. 2019年8月26日閲覧。
  4. ^ a b カネツクロスを訪ねて~カネツ牧場”. 競走馬のふるさと案内所 馬産地コラム. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月26日閲覧。
  5. ^ a b c d e f g 【対談・小久保一徳氏・1】 今回はローレルクラブ・小久保氏をゲストにお迎えしました!”. サラブレモバイル. KADOKAWA. 2019年8月26日閲覧。
  6. ^ カネツクロスの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年8月26日閲覧。
  7. ^ カネツクロス 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年8月26日閲覧。

外部リンク

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